ヘラクレス ヘラクレスの飼育(羽化)
ヘラクレス・ヘラクレスが羽化しました。
・・・ただし先日のベルティペスに続き残念ながら羽化不全個体です・・・。
今日は何故羽化不全になったのかを検証してみようと思います。
飼育種:ヘラクレス・ヘラクレス
羽化サイズ:122mm(角曲がり)
使用したマット:きのこマット
使用した容器:小プラケース(W230×D155×H170)
管理設定温度:25℃前後
水分量:適量/多からず少なからず
羽化までの期間:12ヶ月
この個体は上記の様なやり方で飼育しました。ただ画像からもお分かりのように完全なる角曲がり個体です。しかも羽もシワだらけになってしまいました。かわいそうな事をしました。。。ごめんなさい・・・。
何故このようなことになってしまったのか・・・。理由は、簡単です。小プラケース内で蛹室を作りましたが、蛹室の位置がとても悪かったことにあります。以下の画像がその時の蛹室です。
このように長い方向ではなく、短い方向に蛹室を作ってしまいました。通常ならば、この様な位置に蛹室を作った場合、前蛹になるのを待って即人工蛹室に移すのですが、この個体の場合、タイミング悪く蛹化直前のタイミングを通り越して気が付いた時には既に蛹になってしまっていました。
この上の画像下のようにケース側面から見て通称「小窓」が出来てしまった場合、そのまま蛹化させるとかなりの確率で角曲がりが起きます。本当はそれ以上向こうにも部屋(蛹室)を作りたかったのに、ケースが邪魔して途中までしかつくれなかったからにあります。
この場合、蛹化の時窓に角がぶつかってしまい、まっすぐ角が伸びきる事が出来ません。人工蛹室による移行が必要になってきます。
ただ簡単に移行と言いますが、いつの時期でも移行させても良いというわけではありません。幼虫が蛹室を作り始め、しかもなおかつ完全な前蛹状態に幼虫がなった時に取り出さなければ、折角の人工蛹室内でも暴れてぐちゃぐちゃにしてしまいます。
小さなケースで蛹化させた場合、大抵の幼虫は底面に接するような感じで蛹室を作ります。ケース底面から幼虫シワの程度を見て、後はマットを上面を少し削って露天掘りにしながら幼虫の手と口を見ます。これが完全に固まっているようならば、取り出しても大丈夫です。人工蛹室内で暴れたりは出来ません。
この移行のタイミングには慣れが必要です。後はこまめな毎日のチェックでしょうか・・・。ヘラクレスさん、本当にゴメンさない・・・。
この様な個体を出さないようまた精進致します。(--)
5 Comments »
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初めましてシナカブトと申します。このヘラヘラ羽化の記事を見て驚きました。じつは我が家にもちょうどまったく同じ状態で♂がサナギなんですけれどまさか我が家のヘラヘラも羽化不全・・・。ただ家の場合、小でわなく中ケース飼育で今のところ角がそんなに大きく曲がっているようには見えないんですがどうなんでしょうか・・・。
Comment by シナカブト — 2007年3月4日 @ 5:39 PM
はじめまして、シナカブトさん。レスありがとうございます。(^^) 蛹の状態まで行けばほとんど問題なく後は羽化はしてくると思います。(勿論生き虫ですので絶対はないですが・・・) ただ蛹室の形状が余りにも窮屈だったりすると羽化不全にはなりやすいです。羽シワや場合によっては羽開きになる可能性もないとは言い切れません。 今回の日記で御紹介したのはあくまでも蛹の前、前蛹段階からの蛹化の事で、どうすれば角をまっすぐに伸びたのか・・・という事の検証でした。 無事羽化させられることを祈っております。 羽化しましたらまた是非ご報告下さいませ。(^^)
Comment by shiho — 2007年3月5日 @ 8:48 AM
このヘラクレス、完品だったら大きかったかもしれませんね。 僕もヘラクレス飼っているので、蛹化するときは注意します。
Comment by タク — 2007年6月3日 @ 1:23 PM
はじめまして、ヘラクレスヘラクレスの飼育をしてます、羽化が2016年6月と書いてありました、お尻を見たら印がなかったためこの個体はメスなのかと思いましたやけどまだ黄色い幼虫なのでしょうがまだ幼虫のままですいつ全幼になりいつ蛹になりますか?もう一方はヘラクレスヘラクレスのペアの幼虫を買いましたそれは2016年11月と書いてありましたいつ成虫になりますか?
Comment by 松本和也 — 2017年12月28日 @ 11:41 AM
松本和也 さん
レスありがとうございます。
ヘラクレスの羽化ですが、はっきりと羽化時期を申し上げるのは正直ちょっと難しいです。
というのは、これはヘラクレスに限らず全ての種に当てはまる事ですが、羽化までの期間は「飼育管理環境」や「血統」等により大きく変化してしまうからなんです。
「飼育管理環境」というのは、飼育者様が今現在管理している環境、すなわち、
・常温管理か温度管理しているか?
・管理温度(何度で管理しているか?)
・管理湿度
・使用しているエサの種類
・マット水分量
・飼育ケース
等です。
血統というのは、
・大型血統(大型が出やすい血統、親兄弟に大型が出ている)
・普通血統
・小型血統
・極太血統
等です。
なので正確な時期を特定するには難しいと考えます。
ただあくまで例を申し上げると、
・25℃位の温度管理あり
・月夜野きのこ園のきのこマット使用
・マット内水分量は手で握って団子が出来る位
・湿度は50%程度
・普通血統(120~140㎜程度の血統)
・クリーンケースS程度での管理
上記の条件下の元ならば、孵化後(初令より)~
・♀ならば11か月~14か月
・♂ならば12か月~16ヶ月
という実績がございます。
但し、あくまで参考例ですので、この期間に当てはまるかどうかも実際は確実とは言い切れません。
同じように管理していても兄弟でも同時期に一斉に羽化するということではありませんので。
あくまでもご参考程度に思って頂ければ幸いです。
よろしくお願い致します。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2017年12月28日 @ 1:10 PM