国産オオクワガタの飼育(産卵&幼虫飼育)
2月に入りましたね。まだまだ寒さも残りますが、春ももう少し、そしてクワカブシーズンもいよいよ本格化してくるころです。 今日はクワガタ界を代表すると言ってもいいと思う「国産オオクワガタ」の飼育方法について紹介したいと思います。これから春になり、産卵シーズンもやってくるので、参考にして頂ければ幸いです。
※一部過去の画像&データでご紹介します事を御了承下さいませ。
【飼育種】
和名:国産オオクワガタ
学名:Dorcus hopei binoduosus
産地:日本国
累代:CB
【羽化体長】
♂72mm
♀46mm
【使用するエサ】菌糸、マット
【設定管理温度】23~25℃前後
【羽化までにかかった時間】
♂1令後期投入して約10ヶ月(合計12ヶ月程度)
♀1令後期投入して約9ヶ月(合計11ヶ月程度)
まずは幼虫飼育から・・・。
上記画像の個体は「きのこマット」で飼育しました。飼育はとても容易です。温度管理をすれば冬は越冬せずそのまま育ち約1年ほどで羽化します。(マット飼育の場合)温度管理をしない場合、冬場に寒い所で管理した場合は、冬は成長せず、もう少し羽化までに時間を必要とします。
また菌糸の方がより容易に大型が望めます。飼育コストは菌糸の方が高めですが、より大型を目指すならば菌糸飼育をお勧めします。そして次に産卵セット方法ですが、オオクワガタの場合、材産みの種ですので、私の場合は基本的に材を入れたセット方法と、 菌床で産ませる方法の2パターンで行います。
<材を入れたセット方法>
【産卵に使用するマット】マット+材2本程度
【産卵に使用するケース】クリーンケースL程度
【産卵管理温度】25℃前後
【水分量(湿度)】多からず少なからず
【セット方法】ケース底面を固くつめ、材を入れ、その回りは柔らかく詰める。上部2~3cmほどは柔らかくマットを入れる。材の頭が出るようにセット。
産卵セットは図示すると以下のような感じで組みます。(参考例です)
手順です
①マットをケース底面に固く5cmほど詰めます。フタマタ系は材産みが主体なのでマットは食が出来るマットならばなんでもOKです。針葉樹のマットでもOKですが、もし万が一幼虫が材よりこぼれ落ちた事態を考えて幼虫がスムーズに食可能な発酵マットが無難です。
②次に材を入れ、回りにマットを軽く詰めます。この画像で使用しているのはコナラ材2本です。少し柔らかめの材です。
③ゼリーと生体を入れて完成。
このようにマットをそこまで深く詰める必要はありません。
いわゆる「転がし産卵」で十分です。
<菌床産卵でのセット方法>
【使用したケース】クリーンケースLサイズ
【使用した菌床】Basicクヌギブロックまるまる1個
【周りを埋め込んだマット】きのこマット、くわマット、完熟マットどれでもOK
【水分量】菌床はそのまま、マットは少し水分少なめ
【設定温度】24~25℃程度
産卵セットは以下のような感じで組みます。(参考例です)
①まずケースを用意します。このケースはクリーンケースLサイズです。
②次にケース底面にマットを入れます。底2~3cm程度敷き詰めます。今回使用したマットはきのこマットです。
③次に袋から出した菌糸ブロックを丸ごと入れます。ケースに入りきらない場合は菌糸ブロックを削って入れてもOKです。
【使用したBasicクヌギ菌糸ブロック】
今回の場合産卵種がオオクワですので完全に埋めきる必要はありません。半分か1/3程度でOKです。
⑤ゼリー、生体♂♀を入れます。
⑥フタをして完成です。
上記が産卵の手順です。
【菌床産卵の利点】
・セットが楽(産卵木の柔らかさや加水の手間が要らない)
・割り出しが楽(産卵木の割り出し時のように幼虫を潰すことも少なく、また手で楽に割り出せる)
・若令幼虫に最初から菌糸を摂取させられる。
菌床産卵の利点は何と言っても割り出しの楽さ、それと若令幼虫より菌糸を与える事が出来るという利点です。ただ産卵数に関しては材産みの方が若干多い場合もあるような気もします。ただ過去には40頭近く産んだ例もあるので、どっちが良いとは一概には言えないのも事実です。
上記が私の国産オオクワガタの飼育方法です。飼育のやり方は人それぞれです。あくまでご参考程度に見ていただければ幸いです。(^^)
4 Comments »
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shiho様 こんばんは。我が家の国産オオクワガタは、この春はタイミング的に次世代のためのペアリングは無理そうです。残念ながら… その代わりと言っては何なのですが、一つ聞かせて下さい。 ブルマイスターの初令幼虫を入手したのですが、ブルマイの飼育には、きのこor完熟、あるいはそのブレンドなど、どのマットがいちばん適しているのでしょうか?ツヤ系の飼育経験が多くないため、イマイチよくわからなくて…
Comment by toshi — 2013年2月7日 @ 10:11 PM
toshiさん、レスありがとうございます。 ブルマイスターの幼虫飼育でお勧めなのは完熟マットです。熟したマットを好みますので、黒土を若干混ぜてあげても良いかと思います。ご参考までに・・・。(^^)
Comment by Shiho — 2013年2月9日 @ 9:10 AM
質問があります。 月夜野きのこ園様の生体販売品に産地別オオクワがありますが全て表記がCBとなっていますが、、意味するところは何でしょうか? 累代数は不明なのでしょうか? 幾つかの産地内系統のクロスと考えて良いのですか? 個人的に韮崎産には興味があります。
Comment by シゲル — 2013年2月10日 @ 9:56 PM
シゲルさん レスありがとうございます。(^^) 累代表記の回答ですが、シゲルさんがおっしゃる通り「幾つかの産地内系統のクロス」です。ゆえに累代数はカウント不明です。 これはあくまで当園でのCBの表記ですが、あくまでも同産地内での累代不明という意味で表記させて頂いております。 例えば韮崎産CBならば、韮崎で採集されたワイルドからの末裔(同じ累代兄弟)同士ばかりでの交配ではなくて、他の違う韮崎産ワイルドからの個体も交配されている個体という意味合いです。 ※累代表記については一定のルールは特に決まっておらず、いろんな表記方法があるようなかんじがします。 あくまで当きのこ園での表記方法ですので、一般とはまた違う場合が御座います事を御了承下さいませ。宜しく尾お願い申し上げます。
Comment by Shiho — 2013年2月12日 @ 12:48 PM