今日は、アメリカのシロカブト種、グラントシロカブトについての飼育方法をご紹介したいと思います。
グラント72a
【♂個体参考画像:グラントシロカブト♂75mm】

グラント72b
【♀個体参考画像:グラントシロカブト♀60mm】

【飼育種】
和名:グラントシロカブト

産地:アリゾナ州

アメリカのシロカブトと言えば、グラントシロカブトが有名ですよね。その名の通り体色は白というよりは灰色(グレー)で体に黒い点刻が見られます。点刻が少ない方が人気が高い傾向があります。ではその飼育方法についてご紹介したいと思います。

<幼虫飼育>

【お勧めのエサ】きのこMat完熟マット
【使用した容器】1400ccPPボトルの空容器
【えさ交換回数】途中2~3回程度程度
【設定管理温度】25℃前後
【羽化までにかかった時間】初令投入~合計約11~12ヶ月

幼虫飼育は容易な種です。1400cc程度の容器にマットを入れて育てます。体が大きくなってくると糞が目立ってくるのでその際はエサ交換をします。蛹室も横に作り、1400cc容器程度の大きさならば問題なく無事羽化出来るでしょう。

<産卵セット方法>

【産卵セット内容】
【お勧めのマット】黒土マット完熟マット
【セット期間】
・採卵の場合:2~3週間ごとに採卵
・自然放置の場合:開始~約2ヶ月半日間
【使用するケース】クリーンケースL程度
【設定温度】23~25℃前後。
【産卵セットの内容】ケースの7割程度をほんのり固く詰める。残り2割程度はふんわりと。
水分量:適量(握って水が染み出ない程度)

図示すると以下の様な感じになります。

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グラントシロカブトの産卵で一番の特徴があります。それは卵が孵化するまでの時間がかなり長いということです。産卵の割り出し方には2つの方法があります。ではここから、2つのやり方についてご紹介していきたいと思います。

<採卵する方法>
採卵の場合、私の場合は約2~3週間ごとに(産卵セットの状況にもよる)ケースをひっくり返し、採卵してきます。多い時には一度の採卵で40近く採卵出来る時もあります。

グラントシロカブトの卵の期間は長いです。早いものは2~3ヶ月程度、長いものに関しては半年以上かかってしまうものもあります。ですが、中には例外もあって、1ヶ月程度で孵化してしまうものもあります。なぜこのように孵化時期がズレてしまうのかはまだ分かりません。解明されているのかもしれませんが、私は存じていません・・・。

ではどうやって卵の管理をしているのか・・・。
まず卵の管理ですが、私の場合はグラシロもヘラヘラも皆同じよう画像のように管理いたします。

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ケースに穴をつくって卵を落とし込み、その上をマットで覆います。私は全て卵は一緒に管理し、ケース底に幼虫が見えた時点で一旦全て出し、孵化した分の幼虫を回収、それ以外の孵化していない卵はまたもとのように管理してます。

先に述べたように採卵をせず、産卵セットしたままでの孵化を待つのも一つの方法ではあると思います。勿論、その方法も良い方法だと思います。元来、自然界では卵はそのまま孵化するものですので、親♀が作った卵室にかなう管理状況はありません。

では何故採卵するかというと、皆様ご存知のように、マットにおけるダニや線虫の発生から衛生上卵を守る為なんです。

自然界では勿論無数のダニ、線虫が土の中に同居しております。
ただ自然界の場合は広大なスペースがありますし、風通し等が良い為、比較的じめじめしていません。

飼育の場合はケース内管理になってしまうので、どうしてもケース内によるダニ、線虫の増殖、蒸れ等が起こってしまいます。

以上の事より私の場合は大体は卵で取り出し管理しているというわけなんです。

<自然に放置(孵化)させる方法>
私は過去に採卵ではなく、産卵セットをそのまま放置し、自然孵化を促してみました。
採卵派の私が、なぜ産卵セットの放置を行ったかというと、産卵セットしてから約1ヶ月半位でケース底面に幼虫が2頭ほど見えたんです。

皆さんご存知のようにグラントは卵の期間が非常にながく長いものでは孵化までに半年以上かかるものもあります。
ですが今回は産卵セット開始して約1ヶ月半程度で幼虫を確認出来ました。ここで考えたのが「採卵して卵を別管理するよりそのまま自然孵化させた方がより早く孵化するのでは?」という考えでした。

ただその時点で割り出す勇気は無かったのでもう1ヶ月延ばしてセット後約2ヶ月半程度で割り出しを決行しました。

その結果は・・・割り出し時の光景を撮影しましたので順を追ってご紹介します。

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産卵セットをまるごとひっくり返したところ。幼虫と卵が見えました。

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きれいにふくらんだ良質な卵です。卵室の空間も絶妙ですね~。

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こちらは幼虫のアップ。まだ小さいながらも2令初期位でした。

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幼虫の数が多くてビックリ。

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卵はみな良質な有精卵です。真ん中左上の少し茶色いのは孵化したばかりの初令幼虫です。

この時の産卵の結果は

産卵結果:
幼虫回収:47頭

卵回収:25個

という結果でした。
取れた数はさほど驚く数字ではないです。ただ今回の収穫は自然孵化させた場合(幼虫回収をした場合)、2ヶ月半程度で2/3程度の卵が孵化していたということです。採卵して別環境で保管するよりも自然孵化の方がスピードが速いのでしょうか。。。
やり方は個人によって様々な方法があると思います。今回ご紹介したのはあくまで私なりのやり方ですので、ご参考程度に御覧頂ければ幸いです。。。(^^)

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