ちょっと少し前になりますが、お客様とお電話でお話しした際にペアリング方法について色々と聞かれたとがありました。今日はそのペアリングのやり方について私なりのやり方になりますがちょっとご紹介してみたいと思います。

 

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【ゴロファ・ピサロの交尾の様子】

 

ペアリング、いわゆる親にする♂と♀を交尾させることです。

自然界では昆虫同士が本能によって適正時期に自ずと交尾するのがごく自然の流れですが、飼育管理下での単独飼育の場合、管理者がある程度の時期を見定めて交尾をさせてあげなければなりません。人間が人間の考えで意図的に交尾させるわけですから、上手くいくこともあれば、なかなか難しい時も多々あります。

あくまで私のやり方でのご紹介になりますが、私はペアリングの場合、タイプによって「ハンドペアリング交尾」と「同居交尾」の2つの方法をとってやっています。

では一つずつご紹介してみたいと思います。

 

<ハンドペアリング交尾のケース>

ハンドペアリングははカブト類でよく使いますが、クワガタでもニジイロやギラファ、オウゴンオニといった比較的体高のあるものに関しては上手くいく場合が多いです。勿論体高が低いクワガタ(オオクワやヒラタなど)でもやり方次第では上手くいきます。ハンドペアリングの魅力は確実に目の前で交尾成功を確認出来るというのが大きな強みです。

やり方としてはカブトを例にとってみると♀の上に後ろ側からそっと♂を乗せます。
背中の部分からフェロモンが出ていると言われているので、私は♂の口あたりを♀の小循板の辺りに置くようにします。そうすると♂が♀のフェロモンを嗅いでやがて触覚をピクピク盛んに動かし始めたら交尾開始の兆しありと見ています。しばらくすると交尾を開始し、このタイプの交尾は一度交尾をしてしまうと時間的にも結構長く交尾をしてくれる場合が多いです。上記画像(ピサロ)がまさにハンドペアリング時の様子です。

またクワガタにおいては♀の上に♂を乗せると、♂がなかなか♀を掴みにくいことがよくありますので、特に体高の低いクワガタについては後ろから乗せるのではなく、♂と♀をクロスに置くように接すると上手くいく場合が多いです。ちょっと分かりにくいかもしれませんが、いわゆる十字をつくるようにです。こちらはフェロモンを感知したあと、お尻同士を斜め「V」のような感じで合わせて交尾を始めることが多いです。

 

<同居交尾のケース>

同居交尾、この方法は、なかなか交尾してくれない、交尾完了まで見届ける時間がない、などといったハンドペアリングが難しい種によく使います。

やり方としては交尾時期を迎えた親♂と親♀を一緒のケースに一定期間いれておくものです。こちら側としては手がかかるハンドペアリングと比べて、とても楽ですが、交尾成立が見届けられない、同居内での♂♀の喧嘩が起こる可能性がある等のマイナス点もあります。

勿論自然界ではハンドペアリングなどは行われないので、皆同居交尾のようなものですが、すぐにどこにでも逃げられる自然界と違い、飼育管理下ではケース管理の為逃げられず、最悪の場合♀殺しが発生することもよくあります。

私の場合はハンドペアリングが可能なものは全てハンドペアリングで交尾を行うようにし、ハンドペアリングが難しい種に関しては仕方なので同居交尾をさせるようにしています。

如何でしたでしょうか?交尾を人間の管理下で行う・・・。なかなか難しいですよね。今回「ハンドペアリング交尾」と「同居交尾」のパターンをご紹介しました。やり方などはあくまで私の自己流ですので他にも様々な方法もあるかと思います。ご参考までに見て頂ければ幸いです。(^^)

 

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