人工蛹室の必要性:角曲がり個体が羽化してしまった不完全蛹室の参考例
先日の日記で、蛹室を上手く形成出来なかった、もしくは人為的に蛹室を壊してしまった場合の人工蛹室の移行タイミングや人工蛹室の形成方法などのお話をしました。
今日は上手く形成出来ていない実際の蛹室の具体例をご紹介したいと思います。今回は大型カブト、ヘラクレスオオカブトの蛹室を例としてご紹介してみたいと思います。
ヘラクレスオオカブト、言わずと知れた世界最大のオオカブト、体長はゆうに160mmを超える個体もあり、とても大型になります。
ヘラクレス♂の場合、私はクリーンケースS程度の容器に入れて蛹化させます。とても小さなケースですが、数やスペース的に考えるとこの方法が一番効率が良いからです。そ の場合、幼虫がケースの長い部分にキレイに蛹室を作れば良いのですが、蛹室の形成位置を上手く作らない場合がよくあります。その場合は人工蛹室へと移し変 えます。下の画像はまさに上手く作らなかった時の蛹室の画像です。
この上の画像下のようにケース側面から見て通称「小窓」が出来てしまった場合、そのまま蛹化させるとかなりの確率で角曲がりが起きます。本当はそれ以上向こうにも部屋(蛹室)を作りたかったのに、ケースが邪魔して途中までしかつくれなかったからにあります。
下の画像の個体はそういった不完全な蛹室でそのまま羽化してしまったH・ヘラクレスの♂個体です。
頭角、胸角、共に大きく曲がってしまっています。よほど蛹室が狭かったんでしょう。
角が伸びきれないような蛹室を形成した場合は、蛹になる前の段階、前蛹時に取り出し、人工蛹室に移し変えるのが無難と言えるでしょう。
もう一度画像を載せましたが、この上記の様な蛹室を形成してしまったら要注意です。この段階で出来るだけ早く人工蛹室を作成し、前蛹時に人工蛹室に移行させることをお勧めいたします。それすれば少なくとも上記の個体の様な角曲がりは防止することが出来ると考えております。
如何でしたでしょうか?人工下で飼育をすると大自然とは違い、限られたスペースで管理する為に様々はトラブルも出てきます。手間はかかりますが、それを乗り越えて見事な個体を羽化させた時には本当に感動ものです。是非皆様もチャレンジして素晴らしい個体を作出してみてはいかがでしょうか?(^^)
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