今日はオオヒラタクワガタ、その中でも人気の高いスマトラオオヒラタの飼育方法についてご紹介してみたいと思います。

皆さん、すでにご存じの方もいらっしゃると思いますが、今回ご紹介するスマトラオオヒラタ、この種は同じスマトラ島の中でも場所(産地)によってアゴの形状が異なる傾向があります。

スマトラオオヒラタのよく知られる産地としては、ベンクール、パダン、リアウ、アチェなどがあります。基本的にベンクールは内歯上がり、パダンは内歯中間~内歯下がりが多いものの、内歯上がりの個体も見られる、アチェは内歯下がりの傾向が強いと言われています。ただあくまで傾向であってベンクール産だからといって必ず内歯上がりになるというわけではありません。あくまで傾向です。実際、ベンクール産でも内歯下がりの個体を見たこともあります。内歯下がりの個体は顎が太く感じるので、がっちりとした印象があり、巷では内歯下がりの個体が人気が高いようです。

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 ベンクール産:内歯上がりの個体

 

パダン産スマヒラ
パダン産:やや内歯下がりの個体

 

 

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アチェ産:内歯下がりの個体

 

【飼育種】
和名:スマトラオオヒラタクワガタ
学名:Dorcus titanus

産地:スマトラ島 ベンクール、パダン、リアウ、アチェ等

 

ではまず幼虫飼育からご紹介しましょう。

 

<幼虫飼育>
幼虫飼育は 非常に容易、マットでも菌糸でもどちらでも良く育ちます。私的にお勧めは菌糸です。管理温度は16~25℃程度ならばほぼ大丈夫です。但し大型♂を作出しようとするならば、低温管 理が必要だと思っていますので、16~20℃程度が理想だと考えています。

管理する容器の大きさは大きければ大きいほど良いと思います。1100ccボトルのサイズでも90mmUPを出したことがありますので、これでも十分だと思いますが、♂の幼虫は3令のmax時にはかなり巨大になり60gにも達する個体もありますので、1400ccボトルや、菌糸ブロック詰め替えで1800cc以上のビンに投入して育てる方もいらっしゃいます。

下の画像はエレメント1100cc菌糸ビンで羽化したアチェ産♂91mmの蛹室内を露天掘りした際様子です。
スマトラオオヒラタ 

 

【お勧めのエサ】菌糸、きのこマット、くわマット
【設定温度】16~25℃前後
【羽化までにかかる大体の時間】
♂:初令投入して~合計約12ヶ月
♀:初令投入して~半年~10ヶ月
※管理温度&飼育エサによって羽化までの時間帯は異なります。

 

 

<産卵方法>
次に産卵方法ですが、これもとても容易な種です。かなり多産です。
あ くまで私のやり方ですが、まずは熟成をしっかりとさせています。後食開始して約4~5ヶ月、もしくは半年位はさせています。同血統の兄弟同士で交配させようとすると♂と♀の羽化時期がかなりズレることがあります。その時は幼虫時に♂と♀の温度差をつけてタイミングを計るか、もしくは交尾時期が合わない場合には別血統の伴侶を用意することが必要になる場合もあります。

本当は同兄弟同士で掛け合わせるインブリードより別血統同市で掛け合わせるアウトブリードの方が血の入れ替えも出来、健康的なのでお勧めですが、顎の形状や大型血統などを遺伝させたいと思う場合にはインブリードが有効なので、アウトブリードは不向きになると考えます。難しい所ですよね。。。

産卵セット方法は、マットのみで行う場合と、材も入れて行う場合があります。私は主にマットのみで行いますが、一応2つのやり方をご紹介したいと思います。ちなみに参考までにですが、私はマット産卵ばかり行っています。


<マット産みで産卵を行った場合>

【お勧めのマット】くわマット、完熟マット、黒土マットがお勧め
【お勧めの容器】クリーンケースM~L
【水分量】手でぎゅっと握って団子が出来て、なおかつ水が染み出ない程度
【マットの詰め方】ケース底面7割程度固く詰めて上部3センチはフンワリと。
【設定温度】25℃前後

 

産卵セットを組む手順をご紹介します。
下記画像はくわマットにてセットを組んだケースです。

まずはクリーンケースを準備
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マット を大きなケースに出します。
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ケース底面を固めていきます。
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固く詰めたマットの上にフンワリとマットを敷きます。
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転倒防止の木片とエサを入れます。
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間に新聞紙を挟んでセット完了
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セット方法を図示するとこのような感じです。

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次に材も使用した場合の産卵セット方法をご紹介します。

<材も使用して産卵セットを組んだ場合>

【産卵に使用したマット】くわマット、完熟マット、黒土マット+材2本程度
【産卵に使用するケース】クリーンケースM~L
【産卵管理温度】25℃
【水分量(湿度)】多からず少なからず
【セット方法】ケース底面を固くつめ、材を入れ、その回りも固く詰める。
上部2~3cmほどは柔らかくマットを入れる。
少し材の頭が出るようにセット。

画像で紹介すると・・・

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【真上から見たセット完成図】

このようなかんじです。

セット方法を図示すると以下の様な感じです。
(※図では2本の材は平行セットになっていますが、Tの字でセットでも構いません。)

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上記のようなかんじで約1ヶ月半~2ヶ月もすれば、ケース側面に幼虫が見えてくるはずです。もしその位経過しても卵も幼虫も見られない場合は、交配が成功していない可能性がありますので、♀を取り出し、♂と交尾させると良いと思います。

如何でしたでしょうか?スマトラオオヒラタ、体格のよいがっちりとしたボディはまさに迫力満点!!それでいて均整の取れた美しさもあります。飼育も容易な種ですので、まさに外国産オオヒラタ種の入門種としても最適です。皆様も是非機会が御座いましたら一度飼育チャレンジしてみて下さいませ。(^^)

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