4月に入りまして、一時期は夏が来たか!と思わせるぐらい暑い日があったのですが、ここしばらくはまた急に寒くなり冬が戻ってきたようです。本当に最近の天候や気温はおかしいですよね。いろんな環境問題がそうさせているのでしょう。

とはいえ、4月は4月、本格的なクワカブシーズンももうすぐそこまで迫ってきているのは確かです。昨年本土産カブトムシの産卵に成功し、幼虫を飼育している方達にとっても今からが一番その変化をみられる時でもあります。

クワガタと違い、本土産カブトムシは基本一年一化なので、今年の夏前には成虫になります。そして夏、地上に出て繁殖活動を行い、次の世代にバトンタッチするわけです。寒い冬の間ひたすら寒さに耐えてきた幼虫も暖かくなってくると活動を頻繁に再開し、そこから蛹~羽化~成虫へと変化を遂げます。常温飼育で管理していた皆様にとってはまさに今からが一番の見どころです。

 

今日はそんな本土産カブトムシを羽化させようと頑張っている皆様にむけて本土産カブトムシの幼虫飼育、特に終令期~羽化までの様子をご紹介してみたいと思います。

 

まずは本土産カブトムシの紹介です。

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【個体参考画像:本土産カブトムシ♂】

【飼育種】
和名:カブトムシ
学名:Trypoxylus dichotomus
産地:日本国

 

では幼虫飼育を見ていきたいと思います。

幼虫の管理方法については単独飼育と多頭飼育があります。皆さんはどちらの方法で管理されてらっしゃいますか?今回は常温飼育で管理されている方を前提にご紹介してみたいと思います。

<単独飼育のケース>

 
参考例ですが、本土産カブトムシ幼虫を入れた1100PPボトルです。
単独飼育とはこのように幼虫一頭一頭ずつを個別に飼育管理することを言います。

 

<多頭飼育のケース>

国産カブトムシ幼虫飼育方法

上記のように大き目のケースに複数頭の幼虫を入れることを多頭飼育と言います。

 

 

単独飼育も多頭飼育も管理温度はあくまで常温飼育なので加温せずにそのままで管理します。通常春になり暖かさを感じ出すと幼虫も活動を活発にし、今後夏の羽化に向けての準備を始めます。この時管理している容器内のマットの状態が悪い場合は、マットを早めに交換するのが良いでしょう。

ではどのような場合に交換が必要かと言うと、

 

・マットが糞でいっぱいになっている場合
・マットにダニや線虫などが大量に発生している場合
・マットの水分量が少ない場合

 

などです。
一番下の水分量が少ない場合はマットの状態が良いならば、一旦マットを全部出して加水し直し、また戻してあげましょう。

水分量が少ないと幼虫がうまく蛹室を形成出来ない場合がありますので、蛹化時期に突入する際のマットの水分量は結構重要だと考えています。手でギュッと握った際に、水が指の間から染み出ず、土団子が出来る位の水分量がベストです。

 

本土産カブトの蛹室はヘラクレスなどと違い縦に作ります。

マットの中に蛹室を作ってさなぎになった国産カブトムシ

 

ちょっと分かりにくいとは思いますが、蛹が上向いていますね、このように日本の本土カブトムシは縦に蛹室をつくり立った状態で蛹になります。

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こちらは既に羽化した♂個体。羽化した成虫も縦で待機します。

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立派な♂個体ですね。

上記のことからも分かるように本土産カブトムシは縦に蛹室を作ります。なのでマットの深さがある程度必要になります。マットの深さが十分にない場合、幼虫は蛹室を形成出来ないものと考え、蛹室を作るのを諦めマット上部に出てきてしまい、そのまま上部で蛹になってしまう場合があります。

そうなると蛹化不全や羽化不全の原因にもなりかねませんので蛹化前の幼虫のマットはある程度深さを保つように注意しましょう。

 

<この時期のお勧めのマット>
そのまま使用しているマットと同様でいいと思います。この時期はもうそれほど幼虫もマットを食さないので、特にこだわる必要はない と考えます。幼虫の色合いが白いならば、まだあと少しは食することがありますが、すでに黄色っぽくなっている場合はほとんど食することはないと考えるの で、エサの栄養価よりも蛹室を作りやすいマットを提供するのが良いと私は考えています。

 

この記事をアップしている時にちょうどお客様よりご質問のお電話が入りました。「本土産カブトムシを多頭飼育しているのですが、幼虫がマット上部に上がってきてしまいます。」なぜかという質問でした。

あくまで私の考えになってしまいますが、幼虫が上部に上がって来てしまうという状況の原因はいくつか考えられますが、その中でもまずは酸欠を疑いました。聞けばケースフタには結露した水滴がかなりついており、フタを開けるとまた潜っていくということでした。おそらく密閉性が高いケースなので幼虫が酸欠状態になり苦しくなりマット上部へ上がって来たのではないでしょうか?

このように密閉性の高いケースはマットが乾きにくいというメリットがありますが、空気の出入りが少なくなるという酸欠になりやすいというデメリットも持ち合わせています。幼虫が頻繁にマット上部に上がって来てそのままそこに長く居座るるようならば注意が必要です。まずは通気の確保をお勧めします。

 

上記の事などに注意をして管理をしていけば5~6月頃には立派なカブトムシ成虫をお目にかかれるでしょう。

羽化して間もない国産カブトムシ
羽化して間もない国産カブトムシ

 

如何でしょうか?もう後少しです。皆さんも頑張って立派なカブトムシを羽化させてみましょう。(^^)

 

 

 

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