2015年野外採集の方法(本土ヒラタクワガタ)

2015年野外採集方法シリーズ、本日は本土ヒラタクワガタの採集方法についてご紹介したいと思います。

※年々温暖化などの気象現象の変化などで虫の活動分布や時期なども微妙に変化が起こってきていると思います。採集方法のデータは前年度の採集データを基に記載しております。

採集方法シリーズは毎年掲載していくつもりですが、それゆえ毎年微妙にデータにズレや追記説明が加わっていきますことをご了承下さいませ。

 

画像003 021 
【♂67mm】

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【♂66mm】

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【♂62mm】

画像003 011 
【♂58mm】

IMGP3598
【♀個体】

 

【飼育種】
和名:本土ヒラタクワガタ
学名:Dorcus titanus

 

あくまで私の採集方法になりますが、どのようにして採集出来るのか、 紹介してみたいと思います。
(※あくまで私の採集方法ですので、人それぞれによって異なります事を、あらかじめ御了承下さいませ)

 

【採集時期】
5月上旬~10月上旬
ベストシーズンは6月上旬~7月下旬

 

【採集場所】
南西諸島を除く西日本を中心に多く生息しております。近年では温暖化の影響もあり関東地方でも見かけることが徐々に多くなっているようです。標高の低い平地に近い所に多く生息しておりますが、地域によっては比較的高地にでも生息しています。

 

 

【採集される木】
代表例:クヌギ、ニレなど(※地域によって変わると思います)

 以下の画像はクヌギの樹です。

クヌギ1
このクヌギの樹はまだちょっと細く、直線的ですね。樹液が出ていれば集まるでしょうが。。
 
クヌギ2
クヌギの樹の表面です、樹の皮が分厚くごつごつしています。
 
 下記画像はクヌギの樹がよく分からない方の為にクヌギの葉っぱの画像を紹介してみたいと思います。
 クヌギ3
 
クヌギ4
クヌギの葉っぱの表側です。細長く表は光沢があります。葉の周りは尖っています。
 
 
クヌギ5
クヌギの葉っぱの裏側です。少し白っぽく光沢はありません。
 
 
クヌギ6
こちらは大きいクヌギで す。途中枝分かれしています。これでウロがあれば最高です。
 
上記はクヌギの樹ですが、地域によってその他の樹でも採集されます。
 

 【本土ヒラタクワガタのいそうな場所】
本土ヒラタクワガタの場合、多くは夜活動しますが、昼間でも薄暗い場所などでは活動します。樹のウロや樹皮裏を中心に潜んでいますが、枝先や樹の幹などにぽつんと付いている事もあります。
また大型の♂個体は大きめのウロに♀を伴って入っている場合が多いです。一匹の大型の♂に複数の♀が一緒に入っているのもよく見かけます。私が過去に見た中では65mm程度の♂1頭と♀8頭が同じウロの中にいたことがあります。まさにハーレム状態でした。やはり強い♂にはそれなりに力があるということでしょうか・・・。

 
クヌギ7
クヌギの樹のウロです。こういうウロの中に潜んでいます。大きなウロにはそれなりに大型の個体が入りやすい傾向があります。
 
画像003 100
樹の隙間に潜む小型のヒラタクワガタ♂
 


【採集方法】
ルッキング(目で見て採る)採集、蹴り採集(木を蹴って落とす)
灯火採集(光に集まってきたのを採る)。
樹の穴(ウロ)から棒などを使って掻き出す採集方法。
樹の皮に潜んでいるのを採る採集方法。

私の場合、ほとんどが樹の穴(ウロ)か樹皮の裏側から掻き出す採集方法です。
ポイント:樹皮裏やウロを見るとき、既に道具を準備して、ウロを覗いた瞬間に逃げ道を遮断する事が大事です。
ウロの中はかなり深くなっていることが多いので、逃げられたらしばらくは出てきません。迅速さが命です。
後は蹴り採集。大型の個体は樹につかまる力も強いので、がっちり樹に掴まれたらなかなか落ちてきません。

灯火採集でも採れることはありますが、あまり飛翔性が高くないので効率はよくありません。大型♂の飛翔はとても低く、小型タイプが多いです。

 

【採集する時間帯】
基本的には早朝(薄暗い内)~夜間(日が沈んでから)。薄暗い場所ならば昼間でも結構採れることが多いように思われますが、夜間に活動が活発になる傾向が強いです。

 

【採集道具】
私は本土ヒラタクワガタを採る時は一応以下のものを使用してます。

 

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網:伸縮出来そうな比較的長めの網がベスト
上記網は私の手作り。4~5mの釣竿の先に幅15cm位のエビ取り用網をつけたもの。小さなエビ取り網の方が、 枝が分かれている間にいた時などの隙間に入り込みやすいので便利。樹の高い所にいた場合に使用する。ルッキング採集の場合には必需品。

 

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懐中電灯:周りが薄暗い時や草むらに落ちた時などの必要

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ヘッドライト:木の上に登る時はこの手のライトが便利。
手が塞がる事が多いので。

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通称:掻き出し棒:これで樹のウロの中を探ります。大型のヒラタは大抵ウロの中にいることが多いので、ヒラタ採集においてはこれは必需品です。

 

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ピンセット:掻き出し棒との連携で使います。掻き出し棒で顎にひっかけて引っ張り、ピンセットで掴む・・・。あまり強く掴むと顎が折れてしまう事があるので注意!

 

 

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脚立:高い樹のウロを見る際に登るに必需品。

 

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採集ケース:ルアーケース
小さなマスに一頭ずつ入れます。入れられる数は限られていますが、個別に仕切られている為にお互いに噛み合うなどの喧嘩の心配はありません。一頭一頭をきれいな状態で捕獲したい時には便利。

採集ケース: 飼育ケース
まとめて大量に入れることが出来ますが、ルアーケースのように仕切りがない為、中で噛み合いや喧嘩が起こる可能性があります。それでも大量に入れられるのは便利ですね。

 

【その他の採集のポイント】
本土ヒラタクワガタの場合、前述でも書いたように樹のウロや樹皮裏にいる事が多いので意外に雨の日でも潜んでいます。
静かに近づき、サッとライトを当て、サッと逃げ道を塞ぐ・・・。これが私個人の本土ヒラタクワガタ採集のポイントです。また物音にも意外に敏感なので目的の場所に近づく際にはなるべく静かに近づくようにしましょう。

上記が私が本土ヒラタクワガタを採集するときに注意して行う事項です。最近ではなかなか大型の個体を見る機会が減ってきているように思います。でもそれゆえ、大型を採集出来た時の喜びは感動ものです。さぁ、皆さんも今年は本土ヒラタクワガタを捕まえてみましょう!!(^^)

 

※この方法はあくまで私自身のやり方です。
 人それぞれによって採集方法や採集条件などは異なると思います。あくまで参考として見ていただければ幸いです。

 

※採集はマナーが大事です。採集する場所が私有地の場合は、 無断では入らないようにしましょう。 必ず持ち主さんに断りを入れるのは必須です。あと、虫が木の穴の中に入って採れないからと言って、木を切ったり、 傷つけたりするのも好ましいとは言えません、自然にやさしく、モラルを守って採集を楽しみましょう。(^^)

 

 

 

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2015年5月12日

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