クワガタ 越冬のさせ方:冬場の管理方法
段々と肌寒い日が増えて来ました。
毎年、今の時期位になると、冬場の生体管理方法。
特に「越冬のさせ方」についてよく質問が来ます。
今回は越冬の方法に関して少し書いてみたいと思います。
※管理のやり方には色々な方法があると思います。今回述べるのはあくまでも私Shihoの管理方法についてのやり方&見解です。 あくまでご参考程度に見て頂けますと幸いです。
またこれからご紹介するやり方は過去の日記でも取り上げておりますので、過去の日記の記事&画像が重複しますことをご了承下さいませ。※
代表的な越冬クワガタと言えば、おなじみ国産オオクワガタ。
国産オオクワガタは野外では春~秋(4月~10月位)にかけて活動、冬(11月~翌年3月位)には越冬をします。
飼育下においては温度をかけてやれば一年中活動しますが、温度管理が必要となります。温度をかけないやり方(常温飼育)の場合は越冬をさせてやることで翌年春より活動を再開します。
越冬後も元気な姿を見る為にも適切な越冬体勢を整えてあげることが必要かと思います。私:Shihoなりのやり方にはなりますが、国産オオクワガタを例にとって越冬のやり方をご紹介したいと思います。
まずは皆様、ご自分の飼育状況を考えて下さいませ。
エアコン温室などで、冬場も温度管理が出来る方は、そのままその管理下で飼育すれば良いと思います。
では、温度管理が出来ない場合どのようにして越冬させるのかをご紹介してみたいと思います。
国産オオクワガタ成虫(越冬可能なクワガタ含む)の越冬方法
<手順>
・まず用意したのはクリーンケースSSです。オオクワガタ1頭程度ならこの大きさでも十分だとは思いますが、もっと大きくても全然構いません・・・というよりスペースは広い方が温度が安定するので、なお良いと思います。
・越冬させるマット、紹介している画像では月夜野きのこ園で以前販売していた「ほだマット」を使用しております。しかし残念ながら今現在は販売は中止しております。
ではどんなマットを選んだら良いのか?
基本的にはどんなマットでも構いませんが、可能ならば粒子が粗く、空気が含みやすいものが私 は好きです。少し加水し、水分調整をします。この際、マットが固まる位の水分量では多すぎます。水分は少なめにします。
2015年10月現在、弊社で今販売している商品ですと、
ヒノキマット、 きのこマット、くわマット、完熟マットをオススメいたします。
内容的に詳しく申し上げると、
虫の体に優しいマットを選ぶならば、
きのこマット、くわマット、完熟マットがお勧め。
少しでもダニ等の発生を防ぎたいのであれば、
ヒノキマット がお勧めです。
・さぁセット開始です。まずはケースにマットを軽く敷き詰めます。マットは押詰めません、軽くです。
・あくまで私の場合ですが、生体が隠れれるように木片を1~2本入れます。
・その上からまたマットを軽くかぶせます。この時も押詰めずに軽く空気を含ませるような感じでかぶせます。
マットはケース高さの約8割程度までかぶせます。
・上部には転倒防止の木片とゼリー。完全に潜って上部に出てこなくなったらゼリーは撤去しても良いですが、セット初めの時は越冬のスイッチがまだ入り初めかどうかの時期ですので、一応ゼリーは入れておきます。
・上の段階のままでもOKですが、コバエ等から守る為に新聞紙とディフェンスシートを用意する手もアリです。
<用途理由>
ディフェンスシート:乾燥、コバエ等から守る
新聞紙:マットから蒸発した過剰な水分をケース内で蒸れさせずに吸収させる為
如何でしたでしょうか。
私は越冬するクワガタは上記のような方法でセットします。
また国産オオクワガタだけでなく、外国産のクワガタでも台湾オオクワガタ、ホペイなどは越冬させます。
それと形は似ていますが、国産ヒラタは厳しい寒さにはあまり強くはありません。
私なりには越冬は極力控えた方が良いと判断しています。ご参考までに・・・。
【国産オオクワガタ幼虫の場合】
次に幼虫の場合ですが、冬場に温度管理をすれば、冬の間もエサを食しますので成長を続けます。
常温管理の下におけばある程度の寒さに達した時点で越冬し始めます。この間はエサを食さないので成長は止まります。
やり方は飼育される方のお好みで選んで頂ければと思います。
より自然に近い方法がお好みならば常温飼育、冬場も成長させたいのであれば温度管理飼育・・・という具合です。
如何でしたでしょうか?上記が私Shiho流ではございますが、国産オオクワガタ(越冬するタイプのクワガタも含む)の越冬方法例になります。
夏場と冬場・・・厳しい温度変化のある日本では管理方法やその準備 がなかなか難しいですよね。。
でも手はかかりますが、やり方(方法)はありますので、少し頑張ってお大事な虫たちの為に準備してみては如何でしょうか?
では皆様、これから寒い冬が来ますが、一緒に頑張っていきましょう。(^^)/
※この方法はあくまで私自身のやり方です。
人それぞれによってやり方や考え方などは異なると思います。あくまで参考として見ていただければ幸いです。
9 Comments »
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月虫、というurlのサイトに
画像使用されていませんか?
Comment by リズ — 2018年9月17日 @ 9:50 PM
リズさん
レスありがとうございます。
月虫サイトは同じ月夜野きのこ園が管理するサイトですので、私が撮影した画像も使用される場合がありますが大丈夫ですよ~。
記事を書くのは別の担当ですが、実際私も監修したりすることもあります。
わざわざのご指摘、そして御心配ありがとうございます^^
感謝申し上げます。
これからもよろしくお願い申し上げます。
コメントありがとうございました。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2018年9月18日 @ 5:58 AM
こんばんは。
Shihoさんの助言通りに越冬セットを組んでみてカブト虫の幼虫のマット追加を兼ねて久しぶりに様子を見たらオオクワガタはとても元気でした。ただ、餌には見向きもせずにすぐにマットに戻ってしまうくらい元気でした。越冬中はオオクワガタはマットの水分を補給するのですか?
Comment by GUCCI — 2018年10月1日 @ 5:28 PM
GUCCIさん
レスありがとうございます。
あくまで私のやり方ではありますが、私は越冬させている時は基本水分補充はしません。
越冬させる段階で、ある程度の水分量をマットに染み込ませ、水分が逃げにくいケース(私の場合はクリーンケース)を使用しています。
越冬の途中でチェックしてもマットの水分量はある程度の湿り具合はあるようなので水分補充はしていません。
ただ人によっては越冬中にマットがカラカラに乾燥してしまう場合もないとは言い切れません。
その場合、あくまで私のやり方にはなりますが、マット上から霧吹きするのではなく、越冬しているクワガタを一旦取り出し、その入っていたマットを加水調整してから、またクワガタを戻してやります。
一旦クワガタを起こしたからと言って、またそっと潜らせてやればそのまま越冬を続けると思います。
何回も書きますがあくまで私のやり方ですのでご参考程度に聞いて頂ければ幸いです。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2018年10月2日 @ 9:35 AM
タイワンオオクワガタは冬場25度くらいの温度管理でもいいですか?
Comment by GUCCI — 2020年3月6日 @ 6:12 AM
GUCCIさん
レスありがとうございます。
その温度帯なら全然問題ないと考えます。
ご参考までに・・。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2020年3月6日 @ 8:56 AM
かさん
レスありがとうございます。
まだこの時期は地域や管理場所の管理温度によっては越冬している個体も多いと思います。
特別早く、今の時期から繁殖活動をするのでなければ、その温度帯のままで活動するのを待つのが一番良いのではないかと思います。
どうしても起こして繁殖活動をさせたいのであれば、それなりに管理温度を上げてあげれば、次第に活動を始めると思いますが、繁殖をさせるには繁殖活動に必要な温度以上をずっとキープする必要があります。
まだ起きないということは、その個体自体が「まだ起きる時期ではない」と判断して起きて来ないのだと思いますので、特別急がなければそのまま自分で起きてくるのを待ってあげた方が良いと思います。
あくまで私個人の考え方ですので、あくまでご参考程度にして頂ければ幸いです。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2020年4月20日 @ 7:51 AM
こんばんは
ヒラタクワガタを5匹越冬させているのですが、10〜11月ごろに青カビがカゴ内で発生したのですが、そのまま放置していたら白カビにかわりました。
カビというのは彼ら雑木林に棲む昆虫たちにとっては無害なものと考えて良いのでしょうか?
ボーベリア菌に侵されて死んでしまった子もいたので心配になってご質問させていただきました。
Comment by マリーダ — 2020年12月28日 @ 9:33 PM
マリーダ さん
レスありがとうございます。
カビにも色んな種類があります。
基本青カビは「トリコデルマ」といって毒素が強いカビの場合もありますので注意が必要です。
白カビは基本無害とされていますが、白カビの種類も多数ありますので、中には有害なものもあるかもしれません。
ボーベリア菌が発生した場合は、注意が必要だと思います。
私の飼育室でも過去にボーベリア菌が発生。それが蔓延してしまい数千頭もの個体がボーベリアにより被害を受けた経験があります。
自然界では確かにカビは普通に発生しておりますが、生き物は苦しくなれば自らの意思で移動が出来ます。しかし、人間の管理下においてはその管理容器内からは人が動かさない限り昆虫は移動は出来ません。
なので、私の場合、カビの進行具合にもよるとは思いますが、管理容器の中でカビがあまりにも蔓延しているのならば、越冬させていたとしても一旦すべて廃棄し、新しく作り直すと思います。
人それぞれ考え方は様々ですので、中には「そのままで良いよ」「カビは気にしない」などと思われる方もいらっしゃると思います。
あくまで私個人の考え方ですので、ご参考程度にして頂ければ幸いです。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2020年12月29日 @ 9:16 AM