先日の日記のレスに「takeru」さんより以下のような質問がありました。

「先日インターメディアツヤクワガタのペア累代WDを購入し貴園のHPを参考に産卵セットを組みました。Shihoさんは累代WDの場合交尾させずに♀を産卵セットに投入されることが多いようですが念の為にペアリングを行ったところ10分もしないうちに♂が♀を攻撃したため♀をそのまま産卵セットに投入しました。しかし♀が潜ったと思ったら約半日で出てきて餌を食べる→また潜る→また餌食べるで産卵の態勢入っているようには思えません。(経験値が少ないため産卵しているか判断出来ません)こういう場合どのような対処が正しいでしょうか?」

 

この手の質問は他の方々からも結構よく聞かれる質問ですので、今回も日記記事に取り上げてみました。

インターメディアツヤクワガタ1
【個体参考画像:インターメディアツヤクワガタ♂】

 

♀が潜ったり、出てきたりというのも、セット開始後は♀が環境の変化により落ち着きがない場合も結構見られる現象の一つです。

あくまで私の場合ですが、セット開始後2週間程度は許容範囲内と考えています。これが1ヶ月経過しても繰り返し同じように落ち着きが無ければ、takeruさんのおっしゃるように産卵態勢に入っていないのかもしれません。

その際の私が考える産卵態勢に入る為の条件としては、

♀の熟成がきちんと出来ている事
産卵セットの環境が♀が好む環境に出来ているかどうか
しっかりと交尾を完了しているかどうか
♀の体長が万全かどうか

少なくとも上記の4点を考えます。

 

に関してはこの個体はワイルド(WD)個体なので、熟成に関しては問題ないと考えます。

に関してですが、私がインターメディアの産卵セットを組む際には、

【お勧めのマット】
黒土マット(黒枯れのよく発酵したマットが好ましい)
【お勧めの容器】
クリーンケースM~L程度サイズ
【マット水分量】
手でぎゅっと握って団子が出来て、なおかつ水が染み出ない程度
【マットの詰め方】
ケース底面5割程度固く詰めて上部5~8センチはフンワリと。
【設定温度】 
25℃前後

産卵セットの組み方の手順を画像を参考にしてご紹介したいと思います。

まずは産卵セットに使用するケースを準備。
IMGP7733

 

マットを大きなケースに出します。
インターメディアツヤクワガタの産卵セットに使用するマットのお勧めは黒土マット。
IMGP7700

 

ケース底面を固めていきます。
IMGP7706

上記画像では参考画像ゆえ、結構な厚さを固めていますが、ツヤクワガタ系はマットのふんわりとした部分や上部分にも結構産んでくれますので、ここまで厚く固めなくてもOKです。ケース底2~3センチ程度の固め方でも良いと考えます。

 

固く詰めたマットの上にフンワリとマットを敷きます。
IMGP7707

 

転倒防止のハスクチップを入れます。
IMGP7708

 

ゼリーを入れます。
IMGP7710

 

 交尾が完了した親♀のみをケースに入れフタと新聞紙を挟んでセット完了

IMGP7724

 

 これでセット完了です。

 セット方法を図示すると以下の様な感じです。

matsanranset

※ 上記の実画像の際でも書いたように、固めに詰めるのはケース底2~3センチ程度でもOK ※

 

takeruさんのお住まいは北海道ですよね?
自作温室で管理されているということなので、温度管理においては大丈夫とは思いますが、少し温度が低い場合は加温することで♀が産卵態勢に入る事も少なくありません。

管理温度に関しては、上記でも25℃前後は必要と書いたように産卵にはある程度の温度が必要です。私はいつも25~28℃位の間になるような環境でセットしていました。

このようなセット方法とセット環境を用意すれば大体はOKだと思います。

 

次にについてですが、WD♀の持ち腹で産ませるならば、かかっていることを期待するしかありません。もし1ヶ月程度しても♀が潜ったきりのしぐさを見せない、もしくは一回割り出してみて卵が見当たらない場合は、野外でもかかっていない可能性も考えられます。その場合は、♂と追い掛けさせるしかないでしょう。

また、追い掛けする際に♂があまりにも凶暴な場合は、何日かに渡って仕切り直しさせて行うか、takeruさんもおっしゃているように♂のアゴを縛るなどをして交尾に臨ませるのが良いでしょう。

 

に関しては、大変大ざっぱな言い方で恐縮ですが、これはもう運としか言いようがありません。♀自体に繁殖能力が備わっていなければ産卵は不可能です。数を飼育していると産む個体と産まない個体は明らかにありますので、産卵可能な個体だと期待しましょう。

 

如何でしたでしょうか。上記が私的に考えられる問題点です。

 

結論的にを私なりの今後の対策を簡単にまとめると、

♀は1~2週間程度は落ち着きがない場合があるので、まずは見守る。

2週間ほどしても落ち着きがない場合、産卵セット環境を見直す。特に温度管理帯などをチェックする。※この時点で気になるようならば、♂の再ペアリングを考えても良いと思います

それでも1ヶ月ほどしても落ち着きがない場合は、一度産卵セットを解除して卵の有無を確認してみる。

卵が全く見られない場合は、♂との追い掛けを考える。

 

このような流れでしょうか。
勿論、私の考え方だけが絶対ではないので、あくまでご参考程度に読んで頂ければ幸いです。

また何かございましたらお気軽にお声をおかけ下さいませ。
私もご一緒に勉強させて頂きたく存じます。

 

飼育日記担当:Shiho

 

 

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