クワガタ、カブトムシ、カナブンの幼虫の違いについて

先日、お電話で質問を受けた際に、昨年より飼育を始めたお客様より以下のような質問を受けました。

 

「昨年の夏に息子と山へ行き、クワガタ、カブトムシを捕まえました。みんなまとめて一緒の昆虫ケースで飼っていました。冬が来て、山で捕まえて来た虫達も全てご臨終になり、ケースを片付けようとしたところ、昆虫マットの中に幼虫がいました。7頭ほどいましたが、一緒に飼っていたため、カブトムシかクワガタなのかよく分かりません。分かる方法はありますか?」

 

この手の質問は毎年夏が終わると、よく聞かれます。
実は以前の飼育日記内でも同じような質問に対して回答しております。内容的には同じ文面になりますが、改めてご紹介してみたいと思います。ご了承下さいませ。

 

クワガタの幼虫とカブトムシの幼虫では、見かけだけでも国産&外国産共にかなりの相違点があります。
以下の文章&画像でご紹介しますので、御覧下さいませ。

 

ちなみに参考例として挙げるのは

①カブトムシ(ヘラクレスオオカブト)
②クワガタムシ(アンタエウスオオクワガタ)

の幼虫になります。

【全体図比較】

クワカブ幼虫違い1
まずこちらの画像からですが、これは全体図での比較です。

構図的に②のクワガタの方が大きく見えますが、実際は①のカブトムシの方が2倍以上大きいです。
カブトムシの方が気門(身体に見える点々です)は大きくはっきりしています。

また②のクワガタの方が多少黄色っぽいのは3令の後期にあるためです。
幼虫は初令~2令~3令中期までは①のように白い色合いをしています。
これが蛹化が近づく3令後期になると②のように体色が黄色がかってきます。

 

【体毛比較】

クワカブ幼虫違い2
次に体毛の比較です。
カブトの方が毛深くあります。

 【頭部比較】

クワカブ幼虫違い3
次に頭の色合いの違いです。
簡単に言うと、クワガタはオレンジ(だいだい)色、カブトは黒っぽい色(こげ茶)色をしています。

 【お尻(肛門)での比較】

クワカブ幼虫違い4
最後にお尻(肛門)の形です。
ここは決定的ですね。カブトムシは横に割れ、クワガタは縦に割れます。

 

以上この様な点から、クワガタかカブト、どちらの幼虫か判断出来ると思います。

 

また参考までにですが、カナブンの幼虫の画像(※クロカナブンの幼虫になります)も何点かありますので、クワガタ、カブトムシの幼虫と比較するために、ご紹介してみたいと思います。

 

【カナブン幼虫の全体図】


全体的にずんぐり、コロコロ丸っこいような感じがします。気門ははっきりとしていますが、色合いは薄いです。

 

【カナブン幼虫の体毛】


かなり毛深いです。毛も長くフサフサしているような感じがあります。

 

【カナブン幼虫の頭部】

頭は身体にめり込んでしまうほど小さく、そして頭のすぐ両側(左右)に斑点のようなものがあります。カナブン系の幼虫では大体この斑点のようなものを見かけます。頭の色合いは薄茶色といったところでしょうか。
 
クワガタ:オレンジ色
カブトムシ:こげ茶色
カナブン:薄茶色
 

あくまで私の主観では御座いますので、個人的には多少なりにも相違点があるように感じるかもしれません。もし宜しければ、ご参考にして頂けますと幸いです。

[`yahoo` not found]
GREE にシェア
このエントリーをはてなブックマークに追加

8 Comments »

  1. お世話になっております。 ローゼンベルグオウゴンオニクワガタの産卵床セッティングに続いて、タランドゥスオオツヤクワガタの産卵床も先週末にセットしました。コバエシャッター大のケースにカワラ材(直径20㎝)とカワラタケ菌床1/2個で完熟マットです。♀は菌床には見向きもせず、一旦マットに潜ってからカワラ材を齧り始めました。毎日木くずが増えているので奥へ潜っている様子。産んでくれると良いのですが。ご指導、有り難うございました。 今回は相談です。先日オオクワガタ2令幼虫が12頭中9頭★になってしまった「青かび」です。オオクワガタのボトルは除去したのですが、今度はその隣のニジイロクワガタ(ホワイトアイ)2令幼虫のボトルにも感染が増大しました。1月11日に交換したばかりのボトルでしたが、1か月もたたないのに青カビがあっという間に充満。結局、4頭中3頭が★に、残りも虫の息で駄目かも知れません。 感染が起きているのは、2台ある冷やし虫家の内の1台の中です。カビが生えるのは菌糸ボトルだけで、一緒にマット飼育しているヤマトサビやパプキンには、影響がありません。 何か対策はないでしょうか?感染したボトルは、煮沸消毒するか廃棄するかしています。最終手段としては、冷やし虫家内をアルコールなどで消毒するしかない? 貴園でこうした問題は発生していないでしょうか?もし何か対策を講じているのなら、ご教示頂けると幸いです。 現在は、メタリフェルホソアカクワガタ3ペアをペアリング中です。WD個体でしたが、念のため1週間コバエシャッター小内で同居させました。最初は、♂が暴れ回り♀はハスクチップに潜って逃げていましたが、今朝見たら3ペアとも仲良くゼリーを食していて、♂が♀の上に長いくわ歯をかぶせて他の♂から守る「メイトガード」が見られたので、上手くいっているようです。今週末に、産卵床作成予定です。 先日アドバイス頂いた、産卵木(霊芝材)を分割するのは、薪を割るように縦割りにする、という事でしょうか?その場合、割った断面を外に露出させた方が良いのかそれとも外側の円形部分が露出するように配置した方が良いのか、迷っています。ご教示頂けると幸いです。 良い結果を御報告出来ることを願っています。 今後とも宜しくお願い致します。

    Comment by Puffin — 2016年2月9日 @ 10:57 AM

  2. Puffinさん いつもレスありがとうございます。 Puffinさんの返答については本日(2/9)の飼育日記内にて書いております。。 宜しければそちらをご覧頂ければ幸いです。 よろしくお願い致します。 飼育日記担当:Shiho

    Comment by tsukiyono — 2016年2月9日 @ 12:57 PM

  3. こんにちは。
    植木に水を上げてるとCの字の白い物体。
    つまみ上げると幼虫。カブトの土もフンも再利用してないので間違えて混入もない状態。
    大きさは5~10mm。頭、牙は黄色。全体に産毛が生えてました。
    這い方は背中と思いきや、手の上で腹這い歩行。
    肥料が入った園芸用土なので直に死んでしまうのかな?と思ってますが、カナブンかコガネムシか、どれだと思いますか?
    またひと鉢から2頭が見つかったということは、掘り返すと大量に出てくる可能性ありますか?
    コガネムシなら厄介です

    Comment by やまたか — 2021年9月21日 @ 11:31 AM

  4. やまたかさん

    レスありがとうございます。

    う~ん、あくまで私個人の推測ではありますが、コガネムシの可能性が高いかと・・・。

    我が家でも庭やプランタの植物の手入れをしていると、結構な数のカナブン系に近い幼虫が出て来ます。コガネムシは植物の根を食すらしいですからね。。

    一度最後まで羽化させてみたことがありましたが、その時は、アオドウガネというコガネムシでした。

    あくまで私個人の推測ですので、ご参考程度にして頂ければ幸いです。

    飼育日記担当:Shiho

    Comment by tsukiyono — 2021年9月21日 @ 2:38 PM

  5. コガネムシですか。。。やはり厄介者ですね。有難うございます。

    Comment by やまたか — 2021年9月21日 @ 8:32 PM

  6. こんにちは、記事を興味深く拝見いたしました。私は森の際に住んでおります。最近になって道路上に白く大きな幼虫が這い出てきて車に轢かれているのをよく見かけるようになりました。
    こちらの記事で調べたところカナブンの幼虫のようです。10年以上住んでおりますがこんなことは初めてです。生きているうちに見つけたものは路肩の土に埋めてやるのですが、なぜ幼虫は土から出てきているのでしょうか?天変地異の前触れでしょうか?それとも私が気づかなかっただけで、よくあることでしょうか?
    もしご存知でしたら教えていただけると嬉しいです。

    Comment by よっち — 2021年10月29日 @ 7:21 AM

  7. よっちさん

    レスありがとうございます。

    過去に私も一シーズンだけ、ある場所でカブトムシの幼虫が道路上で徘徊したり、車に轢かれていたのを見たことがあります。

    その時は私も「何でこんな道路上にカブトの幼虫が?」と思いました。

    その後は私も見かけてはいないのですが、全国にいる私のクワガタ仲間からは、2度ほど同じような話を聞きました。

    何故、そういう行動に出るのかはっきりとしたことは不明ですが、全く無いというわけではなさそうです。

    飼育下でカブトムシ等の幼虫を管理している時、入れているエサ(ここでは幼虫飼育マット)の状態が悪くなったりすると、幼虫はマット上に上がって来て潜らなくなることがあります。

    もしかするとその生息していた森の土や腐葉土の中の環境が、何かしらの様々な理由で住みにくくなって、ここで育つには適さないと判断して、土から出て来たのかもしれません。。

    飼育下では、飼育ケース内では逃げる場所がないのでそのまま上にいるだけですが、自然界では自分で動くことが出来ますので、自ら頑張って新しい場所を探しに求めているのでしょうか?

    あくまで私個人の考え方や推測ですので確実な回答ではございません。
    ご参考程度にして頂ければ幸いです。

    飼育日記担当:Shiho

    Comment by tsukiyono — 2021年10月29日 @ 8:16 AM

  8. Shihoさま
    早速のご丁寧なご返信ありがとうございました。団地の800メートルほど離れた場所に住む母も何匹も森に戻してやったそうです。この辺りで何が起きているのか不安になりますが、こういったことは以前にもあったとお伺いできてよかったです。飼育環境下でのお話も興味深かったです!ありがとうございました(^^)

    Comment by よっち — 2021年10月29日 @ 11:20 AM

RSS feed for comments on this post. TrackBack URL

Leave a comment

2016年2月5日

カテゴリー

使用したアイテム

関連タグ

コメント[0]

ブックマーク・共有

月夜野きのこ園
〒379-1305 群馬県利根郡みなかみ町後閑1170/0278-20-2060
TSUKIYONO KINOKOEN All Rights Reserved.