国産ミヤマクワガタの採集方法について:質問レスより
昨年の野外採集の記事に「採集初心者さん」より、新しく以下の様なコメントがついていました。
初めまして、今年よりクワガタ採集に挑戦してみたいと思っている初心者です。まだ夏まで時間があるので色々と調べているところで、このサイトにたどり着き ました。 77ミリとはとてつもなく大きなミヤマクワガタですねー。このようなミヤマクワガタを取るにはどのような場所に行けばいいのでしょうか?またどのような道 具を準備すれば良いのでしょうか?
採集初心者さん、初めまして。
飼育日記担当のShihoと申します。
国産ミヤマクワガタの採集方法についてのご質問ですね。この方法などは実は過去の飼育日記の記事でもご紹介しております。今回はその記事と重複致しまして恐縮ですが、改めてご紹介してみたいと思います。
【参考画像:ミヤマクワガタ♂ 2015年度野外採集風景】
【種類】
和名:本土産ミヤマクワガタ
学名:Luxanus maculifemoratus
生息地:日本
本土産ミヤマクワガタ、昔から私が憧れる私的に国内ナンバーワンのクワガタムシです。山地性が強く、山手の少し標高が高い場所に生息しています。
私も子供の頃は採集場所は平野部に近い場所だったため、ほとんど見かけることがありませんでした。大人になり車で自ら行動出来るようになってから多く採集出来るようになりました。
では今からどのようにして採集出来るのか、 紹介してみたいと思います。
(※あくまで私の採集方法ですので、人それぞれによって異なります事を、あらかじめ御了承下さいませ)
【採集時期】
5月下旬~10月上旬
ベストシーズンは6月上旬~7月中旬。昨年(2015年度)は10月23日の遅い時期にも関わらず樹液を舐める姿を確認出来ました。見かける個体数は7月が一番多いように感じられます。
【採集場所】
近くに川(水辺)が流れている。
少し高所(標高が)に近い山手。
上記の画像は標高300mm位の山間部。このような場所ではよくミヤマを見かけます。
【採集される木】
代表例:クヌギ、ニレ、コナラなど
(※地域によって変わると思います)
【参考画像:コナラの木】
【ミヤマのいそうな場所】
ミヤマの場合、木の枝に掴まっている事が多いです。
昼間は日差しを避ける為、葉の影などに潜んでいるようです。
木の太さは細くても太くても、どちらもいるようです。すっごく細い背丈位の木でもいることがあります。
昨年野外採集時に見つけたミヤマクワガタの♂個体。このように大きな木の幹に堂々といる時もある。
【採集方法】
ルッキング(目で見て採る)採集
蹴り採集(木を蹴って落とす)
灯火採集(光に集まってきたのを採る)があります。
私の場合、ほとんどが蹴り採集です。
ポイント:一発目の蹴りは結構重要です。
最初の蹴りでミヤマがビックリして足を縮めて落ちてきます。
2回目以降の蹴りでは、今度は逆に落ちまいとしがみつくので
なかなか落ちにくくなります。大型の場合、一度しがみついたらなかなかおちないのでご注意を。
【採集する時間帯】
基本的には早朝~午前中が私的にはベスト。
蹴り採集時には落ちてくる場所が見えることが必須条件。暗くなると厳しくなる。
後は、夕方~夜間。こちらは灯火採集に向きます。ただ超大型の飛来はまれ。♀が多いです。
【採集道具】
私はミヤマを採る時は一応以下のものを使用してます。
網:伸縮出来そうな比較的長めの網がベスト
上記網は私の手作り。4~5mの釣竿の先に幅15cm位のエビ取り用網をつけたもの。小さなエビ取り網の方が、 枝が分かれている間にいた時などの隙間に入り込みやすいので便利。ルッキング採集で直接捕獲する場合には必需品。
懐中電灯:周りが薄暗い時のルッキングや草むらに落ちた時などの必需品!
採集ケース:ルアーケース
小さなマスに一頭ずつ入れます。入れられる数は限られていますが、個別に仕切られている為にお互いに噛み合うなどの喧嘩の心配はありません。一頭一頭をきれいな状態で捕獲したい時には便利。
まとめて大量に入れることが出来ますが、ルアーケースのように仕切りがない為、中で噛み合いや喧嘩が起こる可能性があります。それでも大量に入れられるのは便利ですね
【その他の採集のポイント】
風が強い日は採集が難しいです。
強い風が吹くとミヤマは木にしっかりとしがみつくので木を蹴ってもなかなか落ちてきません。
後、雨が降っている時&降った直後も難しいです。理由は木を蹴っても葉や枝に残っている雨粒が無数に落ちてきて、どれがクワガタかどうか判断がしずらい時があります。
如何でしたでしょうか?「飼育初心者」さん。上記が私がミヤマクワガタを採集する際に目安にする事&採集する際に使用する道具です。ご参考になりましたでしょうか?
上記でも書いたているようにミヤマクワガタは低い平野部ではあまり見かけないので、少し山間部などの標高の高い場所で探す必要があります。
少し標高の高い、クヌギやハルニレ、コナラなどの広葉樹があり、なおかつ川が流れているような場所をさがしてみるとよいと思います。
それと、ご質問にもありました昨年採集したミヤマ♂77mmですが、このクラスのサイズになると、私的にはなかなかお目にかかるものではありません。
【2015年採集のミヤマクワガタ♂77.5mm】
過去にも77mmUPは数頭採集したことはありますが、本当に数年ぶりのサイズでした。ひと昔前には70mmクラスならばワンシーズンに20~30個体位は見かけていましたが、最近では本当にかなりと言っていいほど少なくなってしまいました。
でも特大サイズではなくても60mm程度あれば頭の突起もしっかりと発達した個体になりますので本当に格好がよいクワガタですよ。今年は頑張って是非ミヤマクワガタをGETしてみて下さいませ。朗報をお待ちしております。
※この方法はあくまで私自身のやり方です。
人それぞれによって採集方法や採集条件などは異なると思います。あくまで参考として見ていただければ幸いです。
※採集はマナーが大事です。採集する場所が私有地の場合は、 無断では入らないようにしましょう。 必ず持ち主さんに断りを入れるのは必須です。あと、虫が木の穴の中に入って採れないからと言って、 木を切ったり、 傷つけたりするのも好ましいとは言えません、自然にやさしく、モラルを守って採集を楽しみましょう。(^^)
4 Comments »
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Shihoさん いつも拝見させていただいており、質問にお答え頂きありがとうございます。 今回の質問は人工蛹室の水分量に関してです。 色々と調べましたが人工蛹室の水分過多だと羽化不全になるので適度な水分量でとあるのですが…適度な水分量…適度な水分量とは一体どれくらい加水(加水方法は?)すればよろしいのでしょうか? 国産オオクワガタは人工蛹室全く必要なく順次羽化しており初年度目標の80mmオーバー(83mm)も達成できました。 そしてこれからD・Hヘラクレスの蛹化が控えており息子の期待感がハンパないので万全の体制で挑みたいと思います。 相変わらず初心者質問で申し訳ないですが宜しくお願い致します。
Comment by takeru — 2016年3月1日 @ 11:02 AM
takeruさん いつもレスありがとうございます。 takeruさんの返答については、3/3の飼育日記内にて書いております。 宜しければそちらをご覧頂ければ幸いです。 よろしくお願い致します。 飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2016年3月3日 @ 5:40 PM
ミヤマクワガタの採集方法ご丁寧に教えていただき誠にありがとうございます。わざわざ日記記事にまで取り上げていただき大変光栄に思います。この記事を参考にして今年は念願のミヤマクワガタをぜひ採集してみたいと思っております。 ミヤマクワガタ以外で他のクワガタやカブトムシを採集する際には他にあとどんな道具があれば良いのでしょうか?超初心者的な質問で大変申し訳ございませんが是非ご教授いただけませんでしょうか?
Comment by 採集初心者 — 2016年3月10日 @ 9:21 PM
採集初心者さん いつもレスありがとうございます。 採集初心者さんの今回の返答については、3/11の飼育日記内にて書いております。 宜しければそちらをご覧頂ければ幸いです。 よろしくお願い致します。 飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2016年3月11日 @ 12:56 PM