先日の日記で、幼虫の令数、1令~3令までの様子についてご紹介させて頂きました。

その令数が次の段階に上がる時、いわゆる加令(かれい)と言っていますが、その加令時の様子と注意点について今回の日記でご紹介してみたいと思います。

 

【加令(かれい)】

 ※加齢(かれい)という漢字使いもあり※

 

幼虫が1令から2令へ、2令から3令へと次の段階に上がる事を加令(かれい)と言います。詳しく言うと令数を加えるという意味ですね。

加令時には必ず脱皮が起こります。脱皮時の幼虫の様子を初めて見る方は「何だこれ?」と思ってしまわれる方もいらっしゃるようです。

その理由の一番は加令直後の幼虫は頭の色がほぼ半透明色(厳密には乳白色)をしており、本来の色合いをしてはいないからです。

 

IMGP8122

【1令から2令に加令直後の幼虫の画像】

 

上記画像をご覧下さいませ。
1令幼虫から加令して2令になったばかりのクワガタの幼虫です。頭がいつものオレンジ色ではなく、体と同じような白っぽい半透明色をしています。

 

IMGP8231

【通常は鮮やかなオレンジ色(※クワガタの場合)】

 

上の2枚の画像を見比べただけでも違いが一目瞭然ですよね。

この加令直後(脱皮直後)の幼虫は頭、体全てがとても柔らかくデリケートです。頭はまだ柔らかく色合いもついていません。色は心配しなくてもその後急速に色付き始めます。

 

IMGP8281

【ほんのうっすらと色付き始めた頭部】

 

加令直後は頭はとても柔らかいので、まだ固いマットや菌糸などを食する事ができません。加令直後の幼虫達はほとんどが皆自分が脱皮した柔らかい殻をまずは食するようです。

その内頭が固まって来てから材やマット、菌糸等を食するようになります。

 

 

【加令直後の注意点】

 ここで注意点があります。

もし産卵セットを割り出した時、この上記画像のような加令直後の幼虫が出てきた場合、その幼虫をすぐにマットや菌糸の内部に入れてはいけないと考えます。

理由は頭がまだ固まっていないためです。
頭が固まっていなければ牙もまだ柔らかく、マットや菌糸をしっかりと噛み砕くことが出来ません。なのでマットや菌糸の中に完全に入れ込んでしまっては、マットや菌糸を食べられないのは勿論のこと、更には柔らかい頭や牙が傷つく恐れがあります。

こういう場合は、マット上や菌糸の上にそっと置いてやり、自らのタイミングで潜って行くのを待つのが一番無難と言えるでしょう。

 DSC02102

【参考例:マットの上に置かれた1令クワガタ幼虫】

 

幼虫は体がある程度固まると自然と自分から潜って行きますので・・・。

 

 

如何でしたでしょうか?
加令(脱皮)直後は幼虫はとても傷つきやすくデリケートです。

自然界では幼虫自らそれに対応していきますので問題は無いのですが、これに人間の手が入ってしまうと、時に必要以上の事をしてしまったりする場合がありますので注意が必要と言えるでしょう。

 

「加令(脱皮)直後は優しく、なるべく幼虫の意思に任せる」

 

そう考えて飼育されるのが無難だと考えております。

 

 ※ここでご紹介させて頂いた考え方や飼育方法はあくまで私Shiho個人のやり方&考え方であってそれを押し付けるものでは御座いません。あくまでもご参考程度にご覧頂ければ幸いです。よろしくお願い申し上げます。

[`yahoo` not found]
GREE にシェア
このエントリーをはてなブックマークに追加