国産ミヤマクワガタの飼育(産卵結果)
少し前になりますが、国産ミヤマクワガタの産卵セットの割り出しを行いました。
今回はその時の結果と様子をご紹介してみたいと思います。
【ミヤマクワガタ参考画像♂72mm】
【飼育種】
和名:ミヤマクワガタ
学名:Luxanus maculifemoratus
<産卵セット時の方法>
※野外品の♀を利用した産卵セットのご紹介になります※
【累代】
天然ものWD♀を使用
【お勧めの容器】
クリーンケースL
【水分量】
手でぎゅっと握って団子が出来て、かつ水が染み出ない程度
【マットの詰め方】
ケース底面7割程度固く詰めて上部3センチはフンワリと。
【設定温度】
18~20℃前後(※重要)
セット方法を図示するとこのような感じです。
次に実際に割り出しの時の様子をご紹介したいと思います。
<割り出し時の産卵結果の様子>
産卵セットのケースのフタを外した様子です。
この時点で産卵セット開始より約4ヶ月経過しております。すでに♀はご臨終になり、ゼリーケースもボロボロです。
頑張ってくれたミヤマ親♀です。合掌・・・。
本来ならば2ヶ月程度で割り出しても良いのですが、既に親♀の死亡を確認しており、その時のマットの状態も良かったため、卵での回収を避けたいのもあって、しばらくそのまま保管していました。
親♀が死亡しているのを確認してから2ヶ月は経過しているので、最後に産んだ卵も既に孵化していると考えられます。
ケース側面に幼虫の姿が見えます。
衣装ケースに産卵セットをひっくり返しました。
幼虫の姿がちらほら見えます。
令数は2令ですね。
国産ミヤマクワガタのお顔!
いい面構えです。迫力満点です!!
次々にマットより回収されました。
気になる結果ですが、今回このセットからは、
<産卵結果>
幼虫41頭
幼虫41頭を回収することが出来ました。
41頭の内、1令と2令の割合は2:1くらい。1令の方が多かったように思えます。
<全体の感想>
今回ミヤマクワガタの産卵セットを割り出し、41頭と沢山の幼虫を回収することが出来ました。幼虫はどれも元気いっぱいでさわっていると噛みつきに来るものもいました。
上記でも書きましたが、1令の方が2令よりも多かったことから、親♀は終盤にかけて産卵を頑張ってくれたようです。
本当にお疲れさまでした。感謝感謝です。(^^)
9 Comments »
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素晴らしい結果ですね。私ももし今年ミヤマクワガタを採集できたら産卵をさせてみたいと思います。ミヤマクワガタの幼虫の顔がとてもかっこいいです。
Comment by kabutomusi — 2016年4月28日 @ 11:41 PM
kabutomusiさん レスありがとうございます。 ええ、是非採集出来ましたら挑戦してみて下さいませ。 ミヤマクワガタの場合、産卵には低温管理という問題はありますが、幼虫が取れた時の感動は素晴らしいものがあります。 まずは採集頑張って下さいませ。 飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2016年5月1日 @ 9:31 PM
低温管理の他に何か注意することはありますか?
Comment by kabutomusi — 2016年5月1日 @ 9:34 PM
kabutomusiさん レスありがとうございます。 そうですね、あとは今回書いている日記記事のやり方をご参考にして頂ければ幸いです。 ミヤマの産卵で一番大事なのは、 ・低温管理(18~20℃程度) ・熟成したマットを使用する(弊社お勧めは黒土マット、完熟マット) です。 ご健闘お祈り申し上げます。 飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2016年5月1日 @ 9:39 PM
色々とご丁寧に教えていただきありがとうございます。 がんばってみます。
Comment by kabutomusi — 2016年5月1日 @ 9:42 PM
ミヤマクワガタの事で、一つ疑問に思っている事があります。 月夜野さんに限らず、他店でも、ミヤマクワガタ成虫は皆WDばかりで、CBを販売しているのは殆ど見かけません。 何故なのでしょう?理由を考えてみました。 1)幼虫飼育~羽化の管理が難しい。 2)幼虫期間が長く、手間をかける採算に合わない。 3)WDが沢山獲れるので、わざわざ繁殖させる必要がない。 やはり難しいのでしょうか? 昨年夏、月夜野さんでWDのペアを購入して、念のためと思い同居させてみたら、エサ切れはしてないと思うのですが、♂が♀を食べてしまい、失敗しました(汗)。 今年の夏はトライしてみようと思います。失敗に懲りて先ずは持ち腹で♀だけで。
Comment by Puffin — 2016年5月5日 @ 3:49 PM
Puffinさん レスいつもありがとうございます。 国産ミヤマクワガタの飼育個体販売の件ですが、あくまで私個人の思っている事になりますが、考えてみました。 ショップ的な意見もありますので、コストを交えた話になり、少々お見苦しく聞こえてしまう箇所も御座いますが、ご理解&ご了承頂ければ幸いです。 1)幼虫飼育~羽化の管理が難しい。 基本、低温管理というハードルあるとは思いますが、幼虫飼育、羽化の段階ではそこまで難しい問題ではないかと思います。 あるとすれば、ミヤマクワガタの場合、羽化後に長い休眠期間がありますので、この休眠期間後に♂と♀の成熟をきっちり合わせようとすると結構なズレが生じてしまう場合が多いです。 特に同血統の同兄弟同士で次世代を考えた場合、♂と♀に羽化ズレが生じることが多いので、なおさら合わせるのが難しい場合が多いです。 それゆえF1個体まではよく見かけても、F2~その後の累代個体についてはなかなか見かける事も少ないのかと考えます。 また血の障害を考えると、WDに近い個体が一番良いと考えられているので、WD個体とブリード個体が同時にあるならば、WD個体を手に入れる方の方が多いという場合もあります。 さらにWD個体ならば、♂♀の休眠期間や熟成のタイミングや等を考える必要もありませんし、持ち腹を期待して早々に♀のみで産卵させることも可能という利点もあると思います。ペアリングでの♀殺しなども心配しなくて良いですしね。 そういった理由等から飼育個体よりもWD個体でのブリードを好む方が多くいらっしゃると感じます。 2)幼虫期間が長く、手間をかける採算に合わない。 3)WDが沢山獲れるので、わざわざ繁殖させる必要がない。 これも確かに一理あると思います。 趣味で飼育されている方ならば、ただ羽化を楽しみたい、育てたいという気持ちの方が大きいので、飼育されますが、会社として、商品として考えるならば、いやらしい言い方になるようで恐縮ですが、確かに採算を考えてしまいます。 高額な生体ならば、幼虫と取っても、羽化させてもある程度の金額になりますので、採算は取れる可能性は高い場合もありますが、国産ミヤマクワガタの場合は、大型個体を望まなければ、成虫はそこそこ安くで手に入ります。野外で自分で採集が出来る方ならば尚更です。 また幼虫飼育~羽化までとなるとその間の手間や材料費、維持費などもかかってしまいますので、どうしてもある程度の値段をつけざる負えなくなってしまいます。 それゆえ、夏になれば野外で手軽に採集出来る個体ならば、ワイルドの方が安くでお客様にお出しすることも出来るので、どうしてもWD個体の方が人気が出てしまうのではないかと考えます。 勿論、これが血統的に超大型が出やすい血統、極太のアゴを持つ血統などといった付加価値がある個体ならば、話は別ですが、一般的な個体だとやはりどうしてもコスト重視で考える場合が多いのではないかと考えてしまいます。 コスト面等の事を話してしまうと、どうしても嫌味な感じに聞こえてしまいますが、ご了承頂き、参考程度に聞いて頂ければ幸いです。 飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2016年5月6日 @ 2:15 AM
お返事有り難うございます。 羽化後の休眠期間も長いのですね。今年の夏にWDで繁殖に成功したら、その点も考慮して飼育してみます。 私の唯一のクワガタ飼育経験が、小学生の時(46年前❗)にミヤマクワガタ♂を偶然に東京の御岳山で採った時でした。ひと夏の命で、2学期の始まる日に★になってしまいましたが、あの夏の毎日ワクワクした充実感はこの齢になっても忘れられず、それが今の「クワガタ熱」の原動力のような気がします。 仕事でお金を儲ける事、少しも悪い事だとは思っていません。 採集に行きたくても行けない人達のために採集・繁殖しての生体や、各種飼育用品の販売を仕事にするのは、ある意味とても羨ましい事です。多くの人に夢を与える仕事を、安定継続的に遂行するのには当然その裏付けとなる資金が必要ですので、月夜野さんにはどんどん儲けて頂きたいです。 これからも色々お世話になるかと思いますが、何卒宜しくお願い致します。
Comment by Puffin — 2016年5月6日 @ 10:45 AM
Puffin さん レスありがとうございます。 >羽化後の休眠期間も長いのですね。 はい、そうですね、国産ミヤマクワガタや本土ノコギリクワガタは羽化後の休眠期間が結構長いです。 ご存知かもしれませんが、今年の夏野外で見かける個体は、実は昨年の秋頃には既に羽化していて、じっと土の中で熟成の機会を待っているはずです。 なので、極端な話ですが、実は真冬でも地面を掘り返せば、ミヤマクワガタやノコギリクワガタの成虫は採ることが出来るんです。 しかしかなり掘り返さなければならないので、大変な作業になりますし、少しでもズレていたら一からまた掘り返さなければならないので、効率性がとても悪くなかなか実践される方は少ないです。 その点オオクワガタやコクワガタ等は木の立ち枯れや倒木などにいることが多いので、よく材割り採集個体を目にすることがあります。 ミヤマクワガタ採集、46年前ですか~。いい思い出ですね。 私の初めてのクワガタ採集は4歳位の頃でした。当時保育園児だった私は休日になると、祖父を連れまわし、野山をかけずり回った記憶があります。 それ以来、毎年の様に採集に行っており、今現在40半ばになりますが、採集に行かなかった歳は一年たりともないと思います。 飼育を本格的に始めたのは約20年程前ですが、それ以前は採集オンリーで、採集してきた個体を眺めて飼うのがとても楽しみでした。 私の虫屋家業も昔の鮮烈な記憶が原点となっていると思っています。 Puffinさん、いつも色んなお話しありがとうございます。 こうやってブリーダーさんのエピソードなど色んなお話を聞けることはとても楽しく親身に感じますね。 また日記のコメント以外でお話ししたい場合があれば、タイミングが合えばお電話で直接お話しする事も出来ますし、月夜野きのこ園の直メール(Shiho宛へと明記)でも私に伝わりますので、今後ともどしどしご意見や近況などをお知らせくださいませ。 こちらこそ今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。 飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2016年5月6日 @ 12:07 PM