日記のレスに毎度おなじみtakeruさんより以下の質問レスがありました。

 

1点目はヘラヘラの産卵に関してですが、現在複数の産卵セット(衣装ケース)を組んでおります。
その中の一つがメスの潜りが悪かったので1サイクル目は3週間見ようと思っていたら約2週間経った昨日産卵セットの中でブンブン飛び回っておりました。これは既に生む場所が無いと考え割り出して良いのでしょうか?

 

カブトムシ産卵セット1

【参考画像:潜らず上部にいる国産カブトムシ♀】

 

takeruさん、いつもレスありがとうございます。
なるほど、♀が潜らないという事ですね。
実際虫の気持ちなので、ハッキリとした明確な答えは分かりませんが、私ならばこう考えてしまいます。

 

・しっかりと交尾が成立していない。

ハンドペアリングしているならば問題ないですが、同居ペアリングで実際に交尾を確認していなければ、もう一度しっかりと交尾をさせる必要があるかもしれません。

 

・♀が環境を気に入らない。

マットの固める部分が少ない、マットの水分量が少ない、管理温度が低い、もしくは高すぎるなどの原因より♀がその産卵環境を気に入らず潜らないという事はあります。もし当てはまる箇所があるならば改善をした方がよいかもしれません。

 

・交尾は成立したが、実際まだ♀の成熟が足りない

♀の成熟が足りないと産卵する気が無い場合があるので、産卵しない事があります。
しかし飛び回っているのならば、熟成はしていると思っても良いと思います。
そう考えるとこの線は薄いですが、一応考えられる要因の一つとして。。。

 

・単なる産みしぶり、環境に慣れている途中

どの虫でもそうですが、環境に慣れるまでには結構な時間がかかるものがあります。
2週間ほど程度ならよくあります。私が過去にセットしたヘラクレスやクワガタ種など、1ヶ月経ってようやく潜り、産み始めました。原因は分からずじまいです。なので、まだそこまで慌てる必要はないかと考えます。

 

・既に多数産卵していて、産む場所がない

これはtakeruさんが思っていることですね。
産卵セット開始して、すぐに潜り、そして2週間後に久しぶりに見かけた時に飛んでいるというのならば、一度潜り、ある程度の産卵を済ませている可能性もあります。

通常産卵モードに入っている♀ならば、マット上に上がって来ても栄養補給をしたらまた潜り、産卵活動を再開することが多いです。今現在飛び回っているという事ですが、上がって来た♀が飛ぶ行動をするのはよくあります。

しかしこの状態が長く続くようならば、おっしゃるようにもしかしたら産む場所が確保出来ないのかもしれません。その場合は一度産卵セットを解除して、採卵をし、新たに産卵セットを組み直した方が良いかと思います。

 

 

もう一つご質問がありました。

 

2点目はクワガタの蛹化目前の暴れに関してです。
ニジイロクワガタ等の暴れは有名で我が家でもレッド・グリーン・ブラックの3系統全てで大暴れ(菌糸ボトルが全てマット化)からの蛹化羽化となっており苦笑い状態です。まぁニジイロはサイズとか気にしていないので暴れても全然平気なのですが、問題はタランドゥスやギラファです。
タランドゥスやギラファも蛹化目前の暴れがかなり酷く、特にタランドゥスが青カビ発生の為全頭ボトル交換しましたら大暴れの末いきなり蛹化…折角の大型期 待の幼虫がかなり小さくなってしまいました。ボトル交換が蛹化のスイッチを押した可能性が高いですがShihoさんは実際暴れが何日続いたらマットに交換しておりますか?その基準やマット交換の際に気をつけること等ございましたら教えて下さい。

 

幼虫の暴れの問題ですね。なるほど。

3令後期における菌糸ビンの交換はタイミング的に非常に難しい事が多いです。

クワガタの幼虫は蛹化前になると通常ある程度は暴れます。
中には暴れの大きい種や個体も存在します。

この時、慌てて菌糸ビンを交換してしまうのはあまり良い傾向とはいえません。
私の場合、10日位程度ならば暴れていてもそのままにしておきます。

なぜならそこで慌てて新しい菌糸ビンに投入したところで、また同じことを繰り返して、更に幼虫が縮んでしまうと考えるからです。

こういう時には菌糸ビンは交換せず、少し管理温度を低めにして幼虫が落ち着くのを待ちます。

しかし低すぎるのも良くはありません。
今の管理温度からマイナス3~5℃程度といったところでしょうか。
マイナス5℃はちょっと低いかな・・・。これで幼虫が落ち着くのを待ちます。

 

しかしtakeruさんのように青カビ等が発生してしまった場合には、また話が違ってきます。

IMG_0463-1

【参考画像:菌糸ボトルに蔓延した青カビ】

 

青カビが菌糸ビン全体を覆う様に広がっているならば、幼虫の縮むのは覚悟の上で、交換したほうが良いと考えます。

その場合、菌糸ビンには入れないで、マット、出来る限り微粒子系のマット:弊社の商品ならば「くわマット」がお勧め:に入れるのが好ましいです。

また水分も適度にきっちりふくませてやると、その後の蛹室の作成がとてもスムーズに行き、その結果縮みが少なくなることがあります。

しかし例外があります。

ギラファノコギリ幼虫は菌糸でもマットの環境でも大丈夫ですが、タランドゥス、レギウス等に関してはカワラ菌糸の方が良いとされています。

タランドゥス1

ローゼンベルグ1

タランドゥス、オウゴンオニ等の場合は新しいカワラ菌糸へ

 

なので、ギラファノコギリの場合は、マットに入れ替え、タランドゥスの場合は大幅な縮みの可能性はあるがカワラ菌糸に交換するのが無難だと考えます。

 

まとめると

菌糸ビン内に問題が無く、暴れた場合

・まずはそのまま見守り、そのまま蛹化を見守る。
・あまりにも暴れが長期間(10日位以上)続くようならば、まずはそのまま交換せずに低温管理してみる。
・それでもまだ1週間位以上暴れが止まらない場合には、微粒子系のマット(水分もきちんと含ませる)に交換してみる。
・ただし例外もあり、タランドゥス、レギウス、オウゴンオニなどのカワラ菌糸で育てる種類は、そのまま新しいカワラ菌糸に交換してみるが多少の縮みは覚悟するしかないと考える。

 

菌糸ビン内に青カビ発生などの問題がある場合

・直ちに交換する。

その場合、タランドゥスやレギウス、オウゴンオニ等のカワラ菌糸主流で育てるものに関しては、そのまま新しいカワラ菌糸ビンに交換する。

通常のマット飼育でも大丈夫な種(ギラファやニジイロ等)は新しい菌糸ビンではなく、微粒子系のマット(水分もきちんとふくませる)に交換させてやる。

 

このような感じで対処してやると良いかと思います。

takeruさん、如何でしたでしょうか?
なかなか文章で表現するのは難しいので、伝わりずらいかもしれません。
もしその場合は、タイミングがあえばお電話でも質問対応しておりますので、月夜野きのこ園宛にご連絡頂ければ幸いです。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

飼育日記担当:Shiho

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