国産ミヤマクワガタを産卵させてみよう!【夏につかまえた虫を産卵させる:①】
早いもので、もう9月も後半です。
皆さんは、今年の野外採集(昆虫採集)等で手に入れたクワガタ&カブトムシ達はどう飼育されていますか?
採集等を楽しみ、成虫の格好よさをじっくりと堪能されたことだと思います。
夏の終わりと同時に、クワガタ、カブトムシのシーズンももう終了かと思ってらっしゃる方、いえいえ、まだまだ終わりませんよ~。成虫飼育をじっくりと堪能した次は、今度は幼虫飼育にチャレンジしてみましょう。
今年野外で入手出来た虫達は既に熟成が完了しておりますので、即座に産卵セットを組み、幼虫を取ることが出来ます。
また野外で入手した個体の場合、わざわざ♂と♀を再度交尾させなくても、野外で既に交尾している可能性が高いので、そのまま♀のみで産卵セットを組むことが可能です。
つまり野外採集品の♀と産卵セットがあれば、幼虫を産ませることが出来るんです。
今回より少しずつではございますが、日本のクワガタムシ、カブトムシの産卵セットの組み方、コツなどを、野外採集(昆虫採集)シリーズと並行してご紹介していきたいと思います。
※この記事は昨年も同じ内容で掲載させて頂いております。今年より産卵を初めてする方も多くいらっしゃいますので改めて掲載させて頂きました。記事内容&画像が重複しますことをご了承下さいませ※
まず第1回目は「ミヤマクワガタ」の産卵セットのやり方をご紹介します。
【ミヤマクワガタ参考画像♂72mm】
【飼育種】
和名:ミヤマクワガタ
学名:Luxanus maculifemoratus
<産卵セット時の方法>
※野外品の♀を利用した産卵セットのご紹介になります※
【累代】
天然ものWD♀を使用
【お勧めのマット】
完熟マット
【お勧めの容器】
クリーンケースM~L程度
【水分量】
手でぎゅっと握って団子が出来て、なおかつ水が染み出ない程度
【マットの詰め方】
ケース底面7割程度固く詰めて上部3センチはフンワリと。
【設定温度】
18~20℃前後(※重要)
ではセットのやり方を画像に合わせてご紹介してみたいと思います。
主役のミヤマ♀を入れます。
セット方法を図示するとこのような感じです。
ミヤマクワガタの産卵ポイントは何といっても設定温度です。
18~20℃ この温度帯がカギです。
この温度をキープするのは普通のご家庭では難しいでしょうが、この設定具合によって全て決まるといってもおかしくないと思います。
温度設定さえクリアすれば案外普通に産んでくれることもあります。
しかし産卵数は♀によってバラつきがあり、産む♀は結構な数を産んでくれますが、産まない♀はゼロというのも珍しくありません。
次に産卵セットを組んだ後、今度はいつその幼虫の割り出し作業を行ったら良いのかについてご紹介してみたいと思います。
<割り出し、幼虫取り出しの時期>
基本的にはケース側面や底面に幼虫が見え始めてからになります。
卵や幼虫が1~2頭見え始めたからといってで早期に割り出してしまうと、まだ産む気がある♀の産卵活動を一旦ストップさせてしまうことがあるのであまり好ましくありません。
上記の数位見えてきたら、大成功!もう十分割り出しても大丈夫です。
ミヤマクワガタの♀はオオクワガタやヒラタクワガタ等によく見られる子食いの可能性は低いと思いますので、多少割り出しする期間を長く持っても大丈夫かと思います。
あくまで私の場合になりますが、大体産卵セット開始して、約1ヶ月半~2ヶ月程度を目安に割り出すようにしています。
ただし飼育ケース内の環境が急激に悪化したり、ケース側面や底面にまったく卵や幼虫が見られなかったり、♀が全く潜る気配を見せずマット上面を徘徊ばかりしている時は話は別になります。
今回は野外ものの♀はほぼ交尾が終了していると言っても過言ではないので、♀の持ち腹を期待して、そのまま♀のみを産卵セットに入れるやり方をご紹介しました。
しかし、♀がなかなかマットに潜る行動をしなかったり、何回かセットしても全く産まない場合は、♂がいるならば再交尾をさせた方が良い場合もあると思います。そのあたりは状況を見て臨機応変に対応してあげて下さいませ。
下の画像は過去に行ったミヤマクワガタ産卵セット割り出し風景です。
上手くいけばこのように幼虫を得られる機会も大いにあります。
いかがでしたでしょうか?
上記が私の本土産ミヤマクワガタの産卵セットの組み方です。
何度も書いていますが、ミヤマクワガタを産ませるかどうかは温度管理にかかっています。
低温管理をキープするのは難しいですが、幸い今からの時期は少しずつ寒くなりますので、夏場にセッティングするよりは管理もしやすくなるのではないでしょうか?
もし可能ならば機会がありましたら是非一度産卵セットを組み、幼虫飼育を挑戦してみて下さいませ。(^^)
※この方法はあくまでも私:Shihoの産卵セットの組み方です。やり方は人それぞれですので、あくまでご参考程度にご覧頂けますと幸いです。m〈_ _)m※
3 Comments »
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ご無沙汰しております。 ミヤマクワガタ、うちも繁殖飼育に挑戦中です。 最近、希少種クワガタ中心とした飼育にシフトしていますが、何気にこうしたポピュラーな種も飼育やってます。 昨夏は、クワガタ飼育始めたばかりで知識不足から、WDなのにペアリングさせて♀殺しにあって失敗しました。 今年こそは、と意気込んでの挑戦です。 今回は、北海道夕張産の♀36.8mmの持ち腹に期待して産卵させてみました。 産卵床セットから1か月で♀はお亡くなりになってしまいましたが、それから1か月半おいて割り出してみました。 結果は、36頭の幼虫をゲット!思いもかけない、大戦果でした。 ただ一つだけ気になる点が。 幼虫は何れも初令でしかも非常に小型(10mm未満が過半数)だったことです。 ♀がいなくなってから1か月半なので、少なくともそれ以上前に産卵しているはず。 使用マットは完熟マットを使用しましたが、特に劣化していた感じもありませんでした。 これは、低温管理の影響でしょうか? 温度管理は、保冷保温庫「冷やし虫家」を用いて、20℃設定で24時間管理です。 他の種のクワガタ幼虫よりもあまりにも小さかったので、ちょっと心配になりました。 幼虫は、20℃設定で完熟マットを使用しようかと思っておりますが、 より高カロリーのきのこマットなどの方が良いのでしょうか? 現在は、20℃設定で200ccプリンカップに完熟マットで仮置きしております。 容器も800ccなどの大きさが良いのでしょうか? ご教示頂けると幸いです。 今後とも宜しくお願い致します。
Comment by puffin — 2016年9月30日 @ 12:54 PM
puffinさん ご無沙汰しております。 飼育日記担当のShihoです。 ミヤマの幼虫が小さいのはpuffinさんが思っている通り、低温管理によるせいだと思います。ミヤマクワガタの幼虫は自然界でもかなり長い時間をかけてゆっくりと育つらしいです。 実際私の経験でも、産卵セット開始してから2か月後位に割り出した際も圧倒的に1令幼虫が多かった経験があります。低温でじっくりと育っていくタイプだと思いますので心配はないと思います。 またミヤマの幼虫飼育に関してですが、あくまで私のやり方をご紹介すると、 ・割り出し~1~2か月程度は産卵セットに使用していたマットと同じもののみを使用 ・その後、産卵セットに使用していたマットにきのこマットを徐々に加えていき、 ・3令になりしっかり食べれるようになったらきのこマットの割合を増やすようにしています。 最終的には完熟マット:きのこマット=2:8と言った感じでしょうか。 また容器の大きさですが、最終的に大型の個体作出を目指すのでしたら、最初から大き目の容器での管理も良いと思います。のびのびと食べさせてあげるに越したことはないですからね。 あくまで私のやり方ですので、ご参考程度にして頂けると幸いです。 今後共よろしくお願い致します。 飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2016年9月30日 @ 5:23 PM
早速のご返答ありがとうございます。 私の産卵床セットが良くなかったのか心配でしたが、とても安心しました。 直ぐに、完熟マットとクリアボトル、月夜野さんで注文しました。 この後、サタンオオカブトをペアリング&産卵させる予定です。 こちらも「低温飼育が必須」と過去の飼育日記に書かれていたので、 同じく「冷やし虫家」を使って20℃設定でやってみます。 ミヤマクワガタだけで36本の800ccボトルなので、1台一杯になりますが、 「冷やし虫家」は2台あるので、もう1台をサタンオオカブト用にします。 どちらも長い幼虫期間のようなので、じっくり楽しみながら挑戦してみます。 採集・飼育の記事、毎回楽しみにしております。 今後とも宜しくお願い致します。
Comment by Puffin — 2016年10月1日 @ 11:12 AM