ニジイロクワガタの飼育方法(産卵方法&幼虫飼育方法)
つい先日、お客様とお電話でお話ししている際に、「とってもキレイなニジイロクワガタに興味があります。ニジイロクワガタって飼育難しいのですか?」とご質問を受けました。
ニジイロクワガタ、七色に輝くそのキレイな風貌は外国産クワガタの中でも人気が高いようです。
過去にも何度もこの飼育日記上で取り上げているニジイロクワガタですが、ご質問があったので、今回の飼育日記では最も有名な種類の一つ、ニジイロクワガタの飼育方法についてご紹介したいと思います。
※過去の日記記事と重複する内容がございます。大変恐縮ですが、予めご了承下さいませ※
【飼育種】
和名:ニジイロクワガタ
産地:オーストラリア
いまや外国産クワガタ種の中でも有名な種のひとつと言えるでしょう。ニジイロクワガタです。その名の通り、ボディはニジイロに光り輝きまるで日本のヤマトタマムシのような色彩と輝きを放ちます。残念ながらもう野外品は輸入されることはないと思われますので、今市場に残った個体達でどこまで累代を伸ばしていけるのかが課題となりそうです。
飼育は幼虫飼育、産卵共に容易な種です。では共に見ていきましょう。
<幼虫飼育>
【お勧めのエサ】
くわマット、きのこマット、菌糸E-800
【飼育容器】
800~1100cc程度の容器など。
【えさ交換回数】
途中1回程度
【設定温度】
23~25℃前後
【羽化までにかかった時間】
2令投入して約5ヶ月(合計約7~8ヶ月)
まず幼虫飼育ですが、とても容易な種。弊社のマットでは、くわマット、きのこマット、菌糸でよく育ってくれます。特に菌糸はよく合います。
マットを入れる容器も私の場合は800cc程度のブロー容器にマットを入れて飼育すればOKです。菌糸の場合は菌糸ビンE-800の大きさで大丈夫だと思います。管理温度は23~25℃程度で管理。夏場の高温と冬場の極度の低温には注意が必要です。ただ寒さにはかなり強い種だと認識しております。
<蛹化前の暴れ>
先日の日記のコメントに毎度おなじみのPuffinさんからもご質問がありましたが、ニジイロクワガタが蛹になる前、いわゆる蛹化前は幼虫の暴れがひどくなることが多いことで有名です。
上記画像の菌糸ビンは幼虫の暴れによりオガ化してしまった菌糸ビンです。
このようにニジイロクワガタは蛹化前は暴れがひどくなることが多いのですが、これは成虫、蛹になる為には必要な行動です。
菌糸がなくなってしまったと判断し、菌糸ビンを新しいものに交換しても、おそらくはまた同じ行動を繰り返すと推測されます。
なので3令終期になり黄色味を帯びて来た幼虫がこのような行動を起こしたら、蛹化前の暴れかもしれないと推測し、そのまま見守ってあげるのが賢明だと考えます。
通常ならば遅くても10日位もすれば、蛹室を作り出すはずですが、どうしても暴れがひどくいくら待っても落ち着かない場合には、少し管理温度を低め(今の管理温度よりマイナス3~5℃)にすると落ち着くこともありますので、有効な手段の一つと言えると考えています。
<産卵方法>
★マットのみで産卵セット組んだ場合★
【産卵に使用するオススメマット】
くわマット、完熟マット
【産卵に使用するケース】
クリーンケースS~M
【産卵管理温度】
25℃前後
【水分量(湿度)】
多からず少なからず
※マットを手で握って固まり、水が染み出ない程度
【セット方法】
ケース底面を深さ7割位で固く詰める。残りの1割程度はフンワリと。
図示すると以下の様な感じになります。
画像でちょっと分かりやすく順をおってみてみましょう。
★材を使用して産卵セット組んだ場合★
【産卵に使用したマット】
くわマット、完熟マット+材1~2本程度
※材はクヌギ材、コナラ材など
【産卵に使用するケース】
クリーンケースS~M
【産卵管理温度】
25℃前後
【水分量(湿度)】
多からず少なからず
※マットを手で握って固まり、水が染み出ない程度
【セット方法】
ケース底面を固くつめ、材を入れ、その回りも固く詰める。
上部2~3cmほどは柔らかくマットを入れる。
少し材の頭が出るようにセット。
画像で紹介すると・・・
このようなかんじです。
セット方法を図示すると以下の様な感じです。
(※図では2本の材は平行セットになっていますが、Tの字でセットでも構いません。)
産卵は私の場合は主にマットのみで行っていました。ただ他の人に聞いてみると材を入れた方が良いという方もいらっしゃいました。その場合、材は柔らかめの材を使用する事をお勧めします。セットして約1ヶ月~1ヶ月半もすれば、ケース側面や底面に幼虫が見えてくると思います。
但し材全てに産卵していた場合は材に入り込んでしまっているので外側からは幼虫が確認出来ません。その場合は2ヶ月ほどして一度材を掘り起こしてみて下さい。材に産卵の形跡があればそのまま割り出しを行ってもよいと思います。
いかがでしたでしょうか?ニジイロクワガタ。見た目からも分かるように色虫的要素が非常に高いクワガタですね。飼育も比較的容易なので、皆さんも、もし入手出来る機会がありましたら是非挑戦してみては如何でしょうか?(^^)
※ここでご紹介させて頂いた考え方や飼育方法はあくまで私Shiho個人のやり方&考え方であってそれを押し付けるものでは御座いません。あくまでもご参考程度にご覧頂ければ幸いです。よろしくお願い申し上げます。
21 Comments »
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2016年12月16日
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使用したアイテム
Basicシリーズ(菌糸ビン・菌床ブロック), Basicプロテインゼリー(昆虫ゼリー), Elementシリーズ(菌糸ビン・菌床ブロック), くわMat(昆虫マット・発酵マット), 完熟Mat(昆虫マット・発酵マット), 産卵木, 飼育ケース, 黒土マット(昆虫マット・発酵マット)
ニジイロクワガタの卵が6つ孵化しました。しばらくはマットで飼育しようと思っているのですが、途中から菌糸ビンで育ててみたいです。成虫になるまで1匹何本くらい菌糸ビンは必要になるのでしょうか?
Comment by GUCCI — 2019年3月13日 @ 1:15 PM
GUCCI さん
レスありがとうございます。
成虫になるまでの菌糸ビンの使用本数ですが、これは正確にはお答えするには難しいかと思います。
・菌糸ビンの種類
・どれくらいの容量の菌糸ビンを利用するのか?
・管理温度
・個体差
・♂か♀か
・飼育途中における菌糸ビンの変化(ダニ、アオカビ、線虫、コバエ等の劣化等)
主に挙げれば、飼育過程においては上記のような要素が加わり、状況によって菌糸ビンを使用する回数も異なってくる場合があるからなのです。
なので一概に何本でという明確な答えを出すのは難しいかと・・・。
しかし、あえて私のやり方で参考までに申しますと、
・25℃位での管理(通年)
・1100㏄タイプの菌糸ビン使用(弊社Elementの場合)
・ダニ、アオカビ、線虫、コバエ等の劣化なし
上記の場合ですと、大体ですが、最初の菌糸ビンも含めて合計2本を見て頂ければいけるのではないかと考えます。
ただもちろん例外もございますし、個体差もありますので絶対とは言い切れません。
あくまでご参考程度に聞いていただければ幸いです。
よろしくお願い申し上げます。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2019年3月14日 @ 9:06 AM
ニジイロクワガタの幼虫が合計で18匹になりました。大きいものでもう2令くらいになっています。メスはまだ生きていてもう一度産卵セットを組んでみましたが卵を一個も産んでくれませんでした。このメスはどうしたらまた卵を産んでくれるのでしょうか?
Comment by GUCCI — 2019年4月10日 @ 11:16 AM
GUCCIさん
レスありがとうございます。
うーん。
なかなか難しい質問ですね。
ブリードをしていると、♀の状態次第によって産卵数は様々です。
沢山産む個体もあれば、数個しか産まない個体、時には全く産まない個体に当たることもあります。
お持ちの♀の状態は外側からいる私たちには分からないのが正直な所です。
こうしたら産んでくれるという確実な方法はないので、まだ産卵させたいならば諦めずに再セットを繰り返すしか他はないかと思います。
その時に、今までと違った環境でセットを組んでやると、♀が再び産卵スイッチが入る場合があります。
例えば、
・マットや材を替えてみる。
・管理温度を変えてみる。
・ケース内湿度を変えてみる。
・いったん取り出して休憩させてから再セットさせてみる。
などなど・・・。
確実な答えは難しいですが、ご参考にして頂ければ幸いです。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2019年4月10日 @ 11:55 AM
ニジイロクワガタを育てています。
メスは2018.11に成虫になりました。
オスは2019.04にホームセンターで購入し、別々に飼育しています。
ハンドペアリングしようと同じケースに入れたら、オスがメスを挟み持ち上げたりします。
メスが心配で同居させられません。
ニジイロクワガタはメス殺しはないと聞きましたが心配です。
どうにか交尾する方法はありますか?
Comment by ハロくん — 2019年7月3日 @ 3:53 PM
ハロくんさん
レスありがとうございます。
ペアリングの件ですが、なかなか交尾がうまくいかない理由は実は結構あるものです。
・♂、または♀がしっかりと熟成(交尾が出来る時期)していない。
・環境(特に管理温度)が合っていない。ニジイロの場合25℃前後が理想。
・♂♀の相性
♀の熟成は羽化日から考えて十分なようですが、♂はどうでしょうか?
2019/4に購入とありますが、羽化時期はいつでしょう?
あくまで私個人のやり方になりますが、ニジイロだと羽化して、後食開始して約3か月は十分に時間を置きます。となると、羽化してから約4~5か月近く経っている計算になります。
逆算すると、♀は合格ですが、♂の方はもしかするとまだ熟成が足りていないのかもしれません。
それゆえ、まだ交尾という対象としてはまだ見ていないのかもです。
それか熟成はしっかりしているが、お互いの相性が合わないかもです。
ニジイロはアゴの力も弱いので、絶対とは言い切れませんが、♀を挟み殺してしまうようなことは少ないと考えます。
1ペアしかいなければ、その個体同士でペアリングするほかないので、ハンドペアリングを行うならば何回も仕切り直しをして再挑戦を繰り返すほかはないのかもです。
あくまで私個人の考え方ですので、ご参考程度に聞いて頂ければ幸いです。
宜しくお願い申し上げます。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2019年7月3日 @ 5:51 PM
先日ニジイロクワガタの幼虫を購入してこれから育てていくところなのですが、保管場所の関係で温度が30度ぐらいになる所で飼育しているのですが、水分を含んでからか家にある土の温度を計る温度計で計るとマットをの温度が34度ぐらいになってました。
今のところは元気に動いており、土の上にも上がってはきてないのですが、流石に何か対策をした方がいいのでしょうか?
あともう少し水分が少なくなったらマットの温度も自然に下がってくるのでしょうか?
ちなみに完熟マットを使用していて容器の上はほとんど開放している状態です。
お手数ですが、よろしくお願い致します。
Comment by マッキー — 2020年8月19日 @ 10:39 AM
マッキーさん
レスありがとうございます。
今のこの暑さでの、マット内温度34℃は少し危険だと個人的にはそう思います。
この温度ならばいつ再発酵してもおかしくはないと考えます。
再発酵した場合、温度は急激に上昇し、軽く50℃を超える場合もあります。
おっしゃる通り、水分量が少なくなれば再発酵の発生確率も下がって来るとは思いますが、可能ならば最高でもマット内温度は30℃までとし、極力マット内温度を下げるようにした方が無難だと思います。
それでもどうしても温度が上がる場合は、空調設備や保冷剤など、何か工夫して少しでも温度を下げるように対策を練った方が良いかと思います。
あくまでも個人的な考え方ですので、ご参考程度に聞いて頂ければ幸いです。
宜しくお願い申し上げます。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2020年8月19日 @ 4:21 PM
GUCCI さん
レスありがとうございます。
管理する環境(温度&湿度)や個体差にもよりますが、常時25℃程度の環境だと、大体羽化して2か月程もあれば後食開始すると考えています。
あくまで私個人の考え方ですのでご参考までにして頂けると幸いです。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2020年9月22日 @ 6:57 PM
ニジイロクワガタが後食して2ヶ月経ちました。昨日、ケース内のおがくずがすごく汚れていたのでケース内を綺麗にして新しいおがくずをいれました。オスはエサを食べているのですが、メスがエサを食べに来ないでおがくずに潜りっきりです。メスはそのうちエサを食べに来てくれるでしょうか?
Comment by GUCCI — 2020年12月2日 @ 2:47 PM
GUCCIさん
レスありがとうございます。
ケース内の環境清掃をしたのは昨日ということですので、まだ二日と経っていませんので、おそらく新しい環境に戸惑って潜っているんだろうと思います。
元々後食をしていたのであれば、余程体調が悪くなったという事が無ければ、その内また食べ始めると思いますよ。
ご参考程度にして頂ければ幸いです。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2020年12月2日 @ 3:43 PM
ニジイロクワガタは産卵するときには材とマットどちらの方が良いですか。
Comment by 山崎青嶺小 5 — 2020年12月15日 @ 6:57 AM
山崎青嶺小 5さん
レスありございます。
やり方や感触はひとそれぞれですので、一概にどうとは言い切れません。
マットや材も様々な種類や質感がありますからね。
あくまで私のやり方ですとマットのみで産卵させております。
ご参考程度にして頂ければ幸いです。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2020年12月15日 @ 8:54 AM
貴社で売っているニジイロクワガタを2匹購入しようと思うのですが
ベーシックシリーズでも十分飼育可能ですか。
それともきのこマットで初めは飼育した方がいいですか?
Comment by 山崎青嶺小5 — 2020年12月17日 @ 4:26 PM
山崎青嶺小5さん
レスありがとうございます。
あくまで私個人の見解ですが、ニジイロクワガタはベーシック菌糸、エレメント菌糸、きのこマットのどちらでも飼育可能です。
最初からの投入も、どのパターンでもいけると思います。
ご参考程度にして頂ければ幸いです。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2020年12月18日 @ 9:21 AM
ニジイロクワガタの産卵セットのマットはどれくらい固く詰めれば良いのでしょうか?昨日産卵セットを組んだ時ケースの底が割れてしまいました。加減がよくわかりません。
Comment by GUCCI — 2021年2月3日 @ 7:47 AM
GUCCI さん
レスありがとうございます。
固詰め・・・。人によって加減は様々でしょうから一概にどうとは言い切れませんが、私の場合はかなり固く詰めます。
敢えて極端に言うならば、ケース底面を固く詰めた後、ケースを逆さまにしてもマットが落ちて来ない程です。
あくまで私個人のやり方ですのでご参考までにして頂ければ幸いです。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2021年2月3日 @ 9:25 AM
こんにちは!初めてコメントさせて頂きます。
ニジイロクワガタの幼虫飼育について質問です。
おすすめのマットに完熟マットが入っておりませんが、完熟マットでの飼育記録や結果などお持ちでしょうか。
もしかするとニジイロクワガタの幼虫は完熟マットでの飼育に向いていませんか??
アドバイスお願いします!
Comment by sakmichi — 2021年2月6日 @ 10:02 AM
sakmichi さん
レスありがとうございます。
あくまで私の経験&個人の考え方ですが、ニジイロクワガタは菌糸でより大きくなるため、熟度が浅く栄養価の高いマットの方がより大きくなると考えておりますので、その点を考慮した上で、特にお勧めとして、きのこマットを選択させて頂きました。
大きさにこだわらず、ただ羽化させるだけでしたら、完熟マットや黒土マットでも幼虫飼育は可能です。
あくまでも私個人の経験上の結果、考え方ですのでご参考程度にして頂ければ幸いです。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2021年2月6日 @ 12:40 PM
追加です。
産卵セットにnaturaを組んでみましたが、幼虫飼育もnaturaで問題ないですか?
おすすめはelementやbasicのようなので確認させてください。
Comment by sakimichi — 2021年2月6日 @ 12:50 PM
sakimichi さん
レスありがとうございます。
カワラ系菌糸は温度の仕方によっては水分量、劣化スピード等の調整が他のオオヒラタケ系種の菌糸(ベーシックやエレメント)よりも少々扱いが難しい所がございます。
ベーシックやエレメントでも十分に大きくなるので、ニジイロの幼虫飼育にはこちらばの菌糸ビンばかりでデータを取っておりました。
それゆえ、大変申し訳ございませんが、ナチュラでのニジイロの幼虫飼育は私個人では試したことがございません。
しかし、知り合いの方からは、ナチュラでも♂50後半~60㎜位のサイズで羽化したことがあるという話を数件聞いたことが御座いますので、飼育においては問題はないかと考えております。
あくまで私個人の考え方ですのでご参考程度にして頂ければ幸いです。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2021年2月6日 @ 1:33 PM