約2年ほど前に投稿した記事。

「日本のクワガタムシ♂の見分け方」

今回は少しリニューアルして改めて10種類の♂の見分け方についてご紹介してみたいと思います。

 

今回はクワガタ10種類のみになりますが、クワガタムシの♂の種類のおおよその見分け方、さらに採れる場所、有効な採集方法なども合わせてご紹介してみたいと思います。

※この見分け方はあくまで私、Shiho個人が行っている見分け方ですので、ご参考程度に見て頂ければ幸いです。

 

 ※サイズはあくまで目安。
野外もの&飼育個体サイズを含む。

 ※画像をクリックすると拡大して見られます※

 

【国産オオクワガタ】


【体長】
25~90mm

【体の特徴】
体は平べったい。
色は黒。アゴは太く、内歯は一本。
背中には薄い縦筋の線がある。

【採れる場所】
クヌギやニレなどのウロ(穴)や樹皮裏などに潜む。
灯火採集も可能だが飛来するのは小型が多い。

【有効な採集方法】
樹のウロ(穴)や樹皮裏などを見て、曲がった針金などで引っ張り出す方法。
樹を蹴って落とす方法。
灯火採集方法。

【活動期間】
4月下旬~10月下旬

【採れる時間帯】
基本的には夜活動を活発にする。
薄暗い所ならば場所によっては昼間も行動する場合あり。

 

 

【本土ヒラタクワガタ】


【体長】
25~86mm

【体の特徴】
体は平べったい。
色は黒。背中は大型になるほどややツヤ消し、小型にはとても光沢の強いタイプがいる。
アゴは太く、内歯は大きいのが一本あり、その上に小さい複数の内歯が見られる。

【採れる場所】
クヌギやニレなどのウロ(穴)や樹皮裏などに潜む。灯火採集でもたまに見かけるが、飛来するのは小型が多い。

【有効な採集方法】
樹のウロ(穴)や樹皮裏などを見て、曲がった針金などで引っ張り出す方法。
樹を蹴って落とす方法。
灯火採集方法。

【活動期間】
5月上旬~10月上旬
ベストシーズンは6月上旬~7月下旬

【採れる時間帯】
基本的には夜活動を活発にする。
薄暗い所ならば場所によっては昼間も行動する場合あり。

 

 

【本土コクワガタ】


【体長】
18~58mm

【体の特徴】
体は平べったく、色は黒。ややツヤ消し。
アゴは細く、内歯は一本。アゴ先端がグッと彎曲する。

【採れる場所】
クヌギやニレなどのウロ(穴)や樹皮裏、樹の上などに潜む。灯火採集も可能。

【有効な採集方法】
樹のウロ(穴)や樹皮裏などを見て、曲がった針金などで引っ張り出す方法。
樹を蹴って落とす方法。
灯火採集方法。

【活動期間】
4月下旬~10月下旬

【採れる時間帯】
基本的には夜活動を活発にする。
昼間でも比較的活発に行動する場合あり。

 

 

【スジクワガタ】

スジクワ♂表裏1
【体長】
15~39mm

【体の特徴】
体は平べったく、色は黒。ツヤ消し。
背中には比較的濃い縦筋が見える。
大型になるとアゴの内歯が斧状の形になる。小型だと斧状の内歯は見られず、前方に上がるような一本の内歯がかすかに表れる。

【採れる場所】
クヌギやニレなどのウロ(穴)や樹皮裏などに潜む。
ボクトウガなどが入り込んだ樹皮裏などでよく見かける。

【有効な採集方法】
樹のウロ(穴)や樹皮裏などを見て、曲がった針金などで引っ張り出す方法。

【活動期間】
4月下旬~10月下旬

【採れる時間帯】
基本的には夜活動を活発にする。
薄暗い所ならば場所によっては昼間も行動する場合あり。

 

 

【本土ネブトクワガタ】

ネブト♂表裏1
【体長】
13~33mm

【体の特徴】
アゴが独特の形をしている。
大型個体の内歯は二つの大きな内歯が下の方につく。但し小型になると内歯はほぼ消失気味になる。
体は平べったく、背中にははっきりとした縦筋が見える。背中は光沢がある。

【採れる場所】
クヌギやニレなどの小さなウロ(穴)や樹皮裏などに潜む。ドロドロに樹液の出た樹液だまりに潜む傾向がある。

【有効な採集方法】
樹の小さなウロ(穴)や樹皮裏などを見て、曲がった針金などで引っ張り出す方法。

【活動期間】
4月下旬~9月下旬

【採れる時間帯】
基本的には夜活動を活発にする。
薄暗い所、樹液だまりなどのならば場所によっては昼間も行動する場合あり。

 

 

【アカアシクワガタ】


【体長】
23~58mm

【体の特徴】
最大の特徴は裏側にした時の足の根元や腹中部が赤い所。
背中は光沢があり、ツルツルしている。
アゴは直線的で、内歯は先端に複数集まる。

【採れる場所】
比較的標高の高い所に見られる。
クヌギやナラ、ヤナギなどの樹の枝状にくっついて樹液を食している。
夜の灯火によく飛んでくる。

【有効な採集方法】
樹の枝回りなどをじっくりと見て網などで捕獲する方法。
樹を蹴って落とす方法。
灯火採集方法。

【活動期間】
5月下旬~9月下旬

【採れる時間帯】
夜間に多く見られるが、場所によっては昼間でも見かける場合あり。

 

 

【本土ノコギリクワガタ】


【体長】
25~76mm

【体の特徴】
色的には真っ赤~茶色~黒と色彩変化がある。
背中はツヤ消し。
小歯~中歯~大歯タイプでアゴの彎曲の形状が大きく変わる。大歯タイプは昔からその形を見て「スイギュウ」と呼ばれることがある。

【採れる場所】
標高の低い場所~比較的標高の高い所でも見られる。
クヌギやニレ、ナラ、ヤナギなどの樹の枝状にくっついて樹液を食している。
夜の灯火によく集まり、灯火採集は有効な手段。

【有効な採集方法】
樹の枝回りなどをじっくりと見て網などで捕獲する方法。
樹を蹴って落とす方法。
灯火採集方法。

【活動期間】
5月下旬~9月下旬
ベストシーズンは6月上旬~7月中旬。

【採れる時間帯】
朝方~昼間にかけて活発に活動するが、夜でも見られる。

 

 

【ミヤマクワガタ】

ミヤマ♂表裏2
【体長】
30~78mm

【体の特徴】
頭部の上に独特の突起があり、大型になるほど大きく張り出す。
背中は茶色でツヤ消し。羽化後の個体には黄金色の体毛が見られるが、時間とともに擦れて無くなっていく。
裏側にした時に足の付け根部分が黄土色をしている。

【採れる場所】
比較的標高の高い所で見られる。
クヌギやニレ、ナラ、ヤナギなどの樹の枝状にくっついて樹液を食している。
灯火によく集まり、灯火採集は有効な手段。

【有効な採集方法】
樹の枝回りなどをじっくりと見て網などで捕獲する方法。
樹を蹴って落とす方法。
灯火採集方法。

【活動期間】
5月下旬~10月上旬
ベストシーズンは6月上旬~7月中旬。

【採れる時間帯】
朝方~昼間にかけて活発に活動するが、夜でも見られる。

 

 

【ヒメオオクワガタ】

ヒメオオクワ♂背腹
【体長】
29~58mm

【体の特徴】
名前の通りアゴの形はオオクワガタに似るが先端は内を向き丸みを帯びる。
内歯は一本。
背中の両外側部分(前胸背板)が大きく内にくびれている。
手足が長い。

【採れる場所】
1000~1500mクラスの標高の高いブナ帯に見られ、ブナやヤナギの木の枝状にくっついて木をかじり、そこから出る樹液を食している。
夜の灯火に飛んでくる場合もある。

【有効な採集方法】
樹の枝回りなどをじっくりと見て網などで捕獲する方法。
樹を蹴って落とす方法。
灯火採集方法も有効だが数はあまり多くはない。

【活動期間】
6~10月、活動が活発なのは8~9月

【採れる時間帯】
昼間に多く見られるので、昼間の採集が有効的。
夜間でも灯火などに集まるので活動していなくはないが、数は少ない。

 

 

【マダラクワガタ】

マダラクワガタ♂表裏1

【体長】
4~7mm

【体の特徴】
全体的に卵型で、体高がある。
♂は小さいながらも大アゴがある。
体色は黄土色~黒褐色系。
背中には金色の毛が生えている。

【採れる場所】
500~1500mクラスの標高の高いブナ帯に見られる。
成虫&幼虫共に赤枯れした朽木の中、もしくは周辺で生活している。
コナラ、ミズナラ、ブナ、アセビ、カツラなどの赤枯れした朽木より斧などによる材採集により採集出来る。
朽木の上を成虫が徘徊することもあるらしいが、とても小さく、保護色などにより見えにくいのでルッキングで成虫採集することは難しい。

【有効な採集方法】
コナラ、ミズナラ、ブナ、アセビ、カツラなどの赤枯れした朽木からの材採集がメインとなる。

【活動期間】
幼虫で1~2年を過ごし羽化した後、そのまま蛹室内で越冬する。春から活動を開始する。朽木の外にはあまり出ず、朽木内で繁殖~羽化を繰り返すことも多い。

【採れる時間帯】
基本的に材採集なので、時間帯は問わないが、昼間が普通。

 

 

以上が、夏前~秋にフィールドで見かけるクワガタムシ♂10種の見分け方の特徴です。

皆それぞれ何かしらの特徴がありますよね。

♂は♀よりも特に特徴が表れているので見分けもしやすいと思います。

 

ただし♂の場合、個体の大きさによって、内歯やボディ(ミヤマのみ頭部突起)の形状が大きく変わります。

アゴの形状の変化もあって「小歯」、「中歯」、「大歯」 と、3つのタイプに分けて呼ばれることもあります。それぞれのタイプにより形状は違いますが皆同じ種類です。

 

ここで一番特徴が分かりやすい本土産ノコギリクワガタを例に挙げてご紹介してみたいと思います。

 

【小歯タイプ】
ノコ小歯4

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もっとも小さい体長のタイプで、内歯の特徴も表れにくい。歯型は工具のニッパのような形をしている。

 

【中歯タイプ】

ノコ中歯3

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小歯と大歯の中間的な特徴が出るものの、まだまだ大歯ほど完全とは言えない。

 

【大歯タイプ】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一般的に知られている特徴が大きく出ているタイプ。アゴは大きく湾曲し、「スイギュウ」と呼ばれる地域もある。このタイプの特徴だと迷いにくい。

 

3個体共に全て同じ種類:ノコギリクワガタなのに全然違うクワガタに見えますよね?

♂にはこの様に体長によりアゴ形状が異なるので知っておくと便利だと思います。

 

今回と比較的身近なクワガタムシ10種の♂♀の見分け方を書いて来ましたが如何でしたでしょうか?

クワガタ種はこの10種以外にもまだまだ沢山種類がいます。

今回は10種類のみの紹介でしたが、紹介した見分け方が少しでもお役に立てれば幸いです。(^^)

 

※この見分け方はあくまで私が見て判断する時に基準としているもので、勿論その他にも違う特徴などがあるかと思います。あくまで私Shihoの個人的見解ですので、参考程度に見て頂ければ幸いです。m(_ _)m

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