ミヤマクワガタの産卵:夏に採集したクワガタを産卵させてみよう 【2019年度版】
皆さんは、今年の野外採集(昆虫採集)で入手したクワガタ&カブトムシ達はどう飼育されていますか?
採集等を楽しみ、成虫の格好よさをじっくりと堪能されたことだと思います。
夏の終わりと同時に、クワガタ、カブトムシのシーズンももう終了かと思ってらっしゃる方、成虫飼育をじっくりと堪能した次は、今度は産卵&幼虫飼育にチャレンジしてみましょう。
今年野外で入手出来た虫達は既に熟成が完了しておりますので、即座に産卵セットを組み、幼虫を取ることが出来ます。
また野外で入手した個体の場合、わざわざ♂と♀を再度交尾させなくても、野外で既に交尾している可能性が高いので、そのまま♀のみで産卵セットを組むことが可能です。
つまり野外採集品の♀と産卵セットがあれば、幼虫を産ませることが出来るんです。
今回より少しずつではございますが、今年の夏、採集出来たであろうと思われる日本のクワカブの産卵セットの組み方、コツなどをご紹介していきたいと思います。
※この記事は毎年、ほぼ同じ内容(一部変更点もある場合あり)で掲載させて頂いております。今年より産卵を初めてする方も多くいらっしゃいますので改めて掲載させて頂きました。記事内容&画像が重複しますことをご了承下さいませ※
まず第1回目は「ミヤマクワガタ」の産卵セットのやり方をご紹介します。
【ミヤマクワガタ参考画像♂:2019年度採集個体】
【飼育種】
和名:ミヤマクワガタ
学名:Luxanus maculifemoratus
<産卵セット時の方法>
※野外品の♀を利用した産卵セットのご紹介です※
【累代】
天然ものWD♀を使用
【お勧めのマット】
黒土マット、完熟マット
【お勧めの容器】
クリーンケースM~L程度
【水分量】
手でぎゅっと握って団子が出来て、なおかつ水が染み出ない程度
【マットの詰め方】
ケース底面7割程度固く詰めて上部3センチはフンワリと。
【設定温度】
18~20℃前後(※重要)
セット方法を図示するとこのような感じです。
ミヤマクワガタの産卵ポイントは何といっても設定温度です。
18~20℃ この温度帯がカギです。
この温度をキープするのは普通のご家庭では難しいでしょうが、この設定具合によって全て決まるといってもおかしくないと思います。
温度設定さえクリアすれば案外普通に産んでくれることもあります。
しかし産卵数は♀によってバラつきがあり、産む♀は結構な数を産んでくれますが、産まない♀はゼロというのも珍しくありません。
次に産卵セットを組んだ後、今度はいつその幼虫の割り出し作業を行ったら良いのかについてご紹介してみたいと思います。
<割り出し、幼虫取り出しの時期>
基本的にはケース側面や底面に幼虫が見え始めてからになります。
卵や幼虫が1~2頭見え始めたからといってで早期に割り出してしまうと、まだ産む気がある♀の産卵活動を一旦ストップさせてしまうことがあるのであまり好ましくありません。
上記の数位見えてきたら、大成功!もう十分割り出しても大丈夫です。
ミヤマクワガタの♀はオオクワガタやヒラタクワガタ等によく見られる子食いの可能性は低いと思いますので、多少割り出しする期間を長く持っても大丈夫かと思います。
あくまで私の場合になりますが、大体産卵セット開始して、約1ヶ月半~2ヶ月程度を目安に割り出すようにしています。
ただし飼育ケース内の環境が急激に悪化したり、ケース側面や底面にまったく卵や幼虫が見られなかったり、♀が全く潜る気配を見せずマット上面を徘徊ばかりしている時は話は別になります。
今回は野外ものの♀はほぼ交尾が終了していると言っても過言ではないので、♀の持ち腹を期待して、そのまま♀のみを産卵セットに入れるやり方をご紹介しました。
しかし、♀がなかなかマットに潜る行動をしなかったり、何回かセットしても全く産まない場合は、♂がいるならば再交尾をさせた方が良い場合もあると思います。そのあたりは状況を見て臨機応変に対応してあげて下さいませ。
下の画像は過去に行ったミヤマクワガタ産卵セット割り出し風景です。
上手くいけばこのように幼虫を得られる機会も大いにあります。
如何でしたでしょうか?
上記が私の本土産ミヤマクワガタの産卵セットの組み方です。
何度も書いていますが、ミヤマクワガタを産ませるかどうかは温度管理がとても重要になってきます。
低温管理をキープするのは難しいですが、幸い今からの時期は少しずつ寒くなりますので、夏場にセッティングするよりは管理もしやすくなるのではないでしょうか?
機会がありましたら是非一度産卵セットを組み、幼虫飼育を挑戦してみて下さいませ。(^^)
※この方法はあくまでも私:Shihoの産卵セットの組み方です。やり方は人それぞれですので、あくまでご参考程度にご覧頂けますと幸いです。m〈_ _)m※
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2019年9月12日
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使用したアイテム
Basicプロテインゼリー(昆虫ゼリー), 完熟Mat(昆虫マット・発酵マット), 飼育ケース, 黒土マット(昆虫マット・発酵マット)
当方昆虫飼育等素人ですが、今年は子供と昆虫採集に行き、ノコギリクワガタとヒラタクワガタをとりました。記事を元に産卵セットを組んでみましたが、今のところさんらんはしていないようです。
記事中にヒラタクワガタは子食いの可能性が高いとありますが、ノコギリクワガタはどうでしょうか?もし卵が確認できたらメスを抜いたほうがいいですか?
Comment by nfc — 2019年9月13日 @ 12:35 PM
nfcさん
レスありがとうございます。
子食いの件ですが、これは主にドルクス系(黒いタイプの種:ヒラタ、オオクワ、コクワ、スジ等)では多く見られます。
ノコギリクワガタの場合はあまり経験したことはありませんが、絶対にないとは言い切れないと思います。
もちろん卵の段階で親♀を抜いても良いとは思います。
ただ、あくまで私のやり方ですが、親♀を抜く場合は、ケース側面や底面に卵の段階ではなく幼虫が5~6頭以上見え始めてから抜くようにしております。
やり方は様々だと思いますので、ご参考までにして頂ければ幸いです。
宜しくお願い致します。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2019年9月15日 @ 8:57 AM
こちらこそありがとうございます。いまだにヒラタ、ノコギリとも産卵しません。
まだ、メスが各々1匹ずついるので、新たにセットを組もうと思うのですが時期的にもう遅いですか?ちなみに名古屋在住です
Comment by nfc — 2019年9月20日 @ 11:14 AM
nfcさん
※大変申し訳ございません。
HPの不具合でコメントの表示&返信が出来ない現象が起こっておりました。
本日(10/16)完全ではないですが、一部復旧しましたので、大変遅くなりましたがコメント返信をさせて頂きました。
本当に申し訳ございませんでした。深くお詫び申し上げます。。
レスありがとうございます。
このコメントを頂いていた9/20の時点では、まだ暑さも十分だったのですが、10/16の今現在ではだいぶ朝夕が寒くなってきました。
こうなると常温管理で産卵させるには少し難しくなってきます。
ただ温度管理が出来るのであれば、まだ十分間に合いうと思います。
ただしそれも温度管理が出来るかどうかにかかっていると思います。
オオクワやコクワ、ヒラタなどは越冬をする種ですので、季節的に寒さを感じるようになると、産卵等を止め越冬体制に入る場合があります。
なので今からの時期に産卵セットを組むとすると、「まだ夏は終わらない!」と思わせるのがポイントになってくると考えます。
そうするには管理する環境、つまり管理温度を高くする必要があると考えます。
あくまで私のやり方ですが、今の時期から産卵をさせようとするならば、管理温度は常時「26~28℃」に設定します。
そして可能ならば湿度もある程度をキープするようにすると尚更良いです。
そうすることによって、まだ虫達は「夏はまだ続く」と思い、産卵をしてくれる可能性があります。
実際私も過去に10月になって、ノコ、ミヤマ、ヒラタ、コクワ、オオクワ等の産卵セットを組み、きちんと幼虫を得ることが出来ました。
ただあくまで私のやり方ですのでご参考程度に聞いて頂ければ幸いです。
ご返信が遅れまして大変申し訳ございませんでした。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2019年10月16日 @ 6:54 PM
初めて投稿します。
子供と採集飼育を初め、やり方などいつも参考にさせて頂いています。
昨年夏(7月頃?)にミヤマを捕まえ産卵を試みて失敗しました。産卵セットをそのまま放置し先々週2020年3月中旬に掘り起こしたらメスが生きていて越冬したようです。
オレンジ色っぽい毛もありメスの見分けも間違っていないと思うんですがこんな経験がおありでしょうか?
飼育環境は温調もなく玄関で放置ですので外気よりはやや暖かい程度です。
本来今年活動する予定の個体だったのか
Comment by 本質を知る人 — 2020年3月27日 @ 9:47 PM
本質を知る人 さん
レスありがとうございます。
あくまで私の考え方ですが、本来その夏に野外で採集されるミヤマクワガタ(野外で自力脱出して活動を始めた個体)は、野外ではほとんどがその年の秋位までに命を落とすことが多いと思います。
しかし採集され、家に持ち帰り野外環境下以外の場所で管理された場合、意外に長く生きることもあります。
実際私も過去には採集した翌年まで生きた個体は数は少ないながらも複数あり、一番長いものは4月半ば位まで生きた個体もありました。私の友人宅でも5月まで生きた個体がいたとの話も聞いたこともあります。
なので、完全に野外ものでなければ、ありえない話ではないかと思います。
あくまで推測ですが、長生きする個体はもしかすると、昨年の夏、かなり遅い時期ギリギリに活動を始めたこたいなのかもしれませんね。
あくまで私個人の経験上での考え方になりますのでご参考程度にして頂ければ幸いです。
宜しくお願い申し上げます。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2020年3月28日 @ 9:08 AM
温度と餌が安定して無駄に体力を消耗しない&産卵していないので長生き条件は揃っていたのかもしれないですね
暖かくなって産卵したら面白いのですが…
楽しみにして経過観察してみます!
ありがとうございました。
Comment by 本質を知る人 — 2020年4月1日 @ 9:31 PM
たびたび失礼します。
昨日死んでいるのを確認しました。
先週は生きていたので6月末までは確定です。
ドルクス系は数年生きるのにノコ、ミヤマはなんで越冬できず死ぬのかがずっと疑問でしたが
羽化して土に潜っている時からカウントすると数年の寿命があるのかなと思います。
まだまだ知らない謎がありますね。
Comment by 本質を知る人 — 2020年7月4日 @ 11:48 AM
本質を知る人さん
レスありがとうございます。
自然界ってのいうのは本当に奥が深いですよね。
共感致します(#^^#)
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2020年7月5日 @ 10:22 AM