先日、お客様から以下のような質問を受けました。

 

「マットのみで産卵セットを組んだ♀がマットに潜りっぱなしで、産卵している気配がない(ケース側面や底面に卵が見えてこない)。上に上がってゼリーを食べる気配もない」

 

意外と良く聞かれる質問ですので、今回はこの事を題材にしてちょっと私の考え方をご紹介してみたいと思います。

 

 

産卵セット組んだ♀がなぜ潜りっぱなしで、産卵の兆候が見えないのか??

 

【※全く産卵の気配がないように見えるケース例】

 

あくまで私個人が考えていることですが、【良い兆候】【悪い兆候】、大きく分けて2パターンで捉えています。

 

【良い兆候】

・産卵の場所を探している、もしくは産卵している為潜りっぱなしになっている。

 

【悪い兆候】

・産卵設定温度が合わない為(高い、低い)、潜って活動を休止している。
・産卵セット環境(温度、湿度、使用しているマット)がその♀に合わない。
・まだその♀の熟成が十分ではない為産卵する気がない。
・交尾が上手く成立していない。
・材に産む種の為、マットでは産まない。
・越冬する種の場合、すでに越冬体勢に入ってしまっている。

 

あくまで私の考え方ですが、上記のように捉えております。

 

 

産卵セットに大事なのは、♀の状態も勿論ですが、環境も同じくらいとても大事だと考えます。

 

・親♂♀がきちんと熟成している。
・きちんと交尾が成立している。
・親♂♀の繁殖能力がきちんとある。
・産卵環境(設定温度、湿度、マットや材等のセッティング内容)がきちんと合っている。

 

上記のことが全て揃って初めて産卵する傾向が強まると考えます。

 

管理温度もかなり重要です。
日本は四季がありますので気温の変化が激しいです。
外国産のものを産卵させようと思うならば、その生息地に合った設定温度を調整してあげる必要があります。

 

 

セッティング環境。
管理温度、湿度は勿論ですが、マットや材の種類によっては産まない可能性もあると考えます。
お店で購入する際は、その種について実績があるマットや材を選ぶようにしましょう。

 

また♀のコンディションも重要です。
熟成が十分であること、親となる♂♀が健康であること(繁殖能力があること)などです。

繁殖能力があるかないかは外見上では判断は出来ませんが・・・。

 

【テルシテスヒメゾウカブトの♂♀交尾】
※正常のように見えても外見上からは繁殖能力の有無は分からない※

 

また越冬する種(オオクワ、コクワ、スジクワ等)を寒い時期に産卵させようとする場合、状況によっては既に越冬体勢に入ってしまっていて、産卵のスイッチがなかなか入らないこともあります。

一度越冬のスイッチが入ると、温度設定を高めにしても、なかなか産卵スイッチを入れてくれにくく諦めざるおえないこともよくあります。

その場合は、その時はもう無理をせず、しばらく時期を置き、暖かくなってから産卵セットを組みなおするとよいと思います。

 

そして、セットを組んだ♀が必ずしも産卵するとは限りません。
私も産まなかった♀は何十頭、何百頭と見てきました。
そういう♀に当たると不運というしかありませんが、実際には結構な確率で存在するのも事実です。

 

如何でしたでしょうか?

あくまでも私個人:Shihoが経験してきた上での考え方ややり方ですので、他のご意見も色々とあるかとは思います。

ご参考程度に読んでいただければ幸いです。

 

飼育日記担当:Shiho

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