スマトラオオヒラタクワガタの飼育【幼虫飼育&産卵方法】【Shiho的見解:2020年度版】

今回はオオヒラタ種、スマトラオオヒラタの飼育方法をご紹介してみたいと思います。

 


【参考画像:スマトラオオヒラタ♂】
産地:アチェ産:人気の内歯下がりタイプ

 


【参考画像:スマトラオオヒラタ♂】
産地:ベンクール産:内歯上がりタイプ

 

 

【飼育種】
和名:スマトラオオヒラタクワガタ
学名:Dorcus titanus
産地:スマトラ島 ベンクール、パダン、リアウ、アチェ等

 

 

オオヒラタ種の中でもとりわけ人気の高いスマトラオオヒラタクワガタ。

同じスマトラ島の中でも採れる地域によって、内歯の形状が異なる傾向があります。

 

代表的な例を挙げると、

ベンクール産:内歯上がりタイプ
リアウ産:内歯中間タイプ
アチェ産:内歯下がりのタイプ

このように産地によりアゴ内歯の形状が違う場合があります。

とはいえ、絶対にそうだとは言えないらしく、例えばアチェ産でも内歯上がりのものや中間タイプのものも採れたりすることもあるそうです。あくまで傾向ということで考えていた方が良いでしょう。

 

その中でも特に人気が高いのが、

この内歯下がりのアチェ産タイプ。

極太タイプにもなりやすく、同じスマトラオオヒラタの中でも特に人気が高い産地です。

 

 

飼育は、幼虫飼育、産卵ともに至って容易な種だと感じています。

ではそれぞれについてご紹介してみます。

 

 

★★幼虫飼育★★

 

【お勧めのエサ】
菌糸(Basicでもelementでも可)、
きのこマット
【飼育容器:容量】
♂:1100~2000㏄程度
♀:800~1100㏄程度
(※3000~5000㏄クラスの容器を使用する方もいる)
【えさ交換回数】
菌糸ビン:途中2~3回程度
マット飼育:途中2~3回程度

菌糸ビンでの例(あくまでShihoの経験上)として、

♂:1100~1400~2000~2000㏄
♀:800~1100~1100㏄
(※幼虫の大きさ、性別、菌糸、マットの劣化により差異あり)
【設定温度】
20~25℃前後
【羽化までにかかる時間】
♂:約10~12ヵ月程度
♀:8~10ヵ月程度

(※あくまで目安です。♂♀、管理環境(管理温度、飼育するエサ等)、幼虫の大きさによって個体差があります※)

 

 

幼虫飼育はとても容易な種だと感じてます。

菌糸(Basicでもelementでも可)でもOK。

マットでも弊社のマットでは、きのこマットでよく育ってくれますが、私の場合は菌糸ビンの方が良い結果が出ています。

 

幼虫はかなり大きく育ちます。

この幼虫は52gですが、まだ白くまだまだ成長の余地があります。

大型の幼虫に育つので、幼虫もとにかくよく食べます。

エサを切らさずにタイミングよく、じっくり低温気味(20℃前後)で育て上げるとより大型が出やすくなる傾向があるように感じます。

 

管理温度は20~25℃程度 で管理。夏場の高温と冬場の極度の低温には注意が必要です。

 

 

 

では次に産卵セット方法についてご紹介してみたいと思います。

産卵セットはマットのみで産卵させるやり方と、材を入れたセット方法の2パターンがあると考えます。

 

 

★★産卵方法★★

 

<マットのみを使用した産卵方法>

 

【産卵に使用するお勧めマット】
完熟マット、黒土マット
【産卵に使用するケース】
クリーンケースM~L程度
【産卵管理温度】
25~27℃前後
【水分量(湿度)】
多からず少なからず
(※手でぎゅっと握って土団子が出来、少し揺らしても崩れない程。握った時指の間から水が染み出ない程度)
【セット方法】
ケース底面を深さ7割位で固く詰める。
残りの1割程度はフンワリと。
残りは空間。

 

画像でちょっと分かりやすく順をおってみてみましょう。

 

産卵セットに使用するケースの準備。
今回はクリーンケースを使用します。

IMGP7733

 

マットを大きなケースに出します。
IMGP7700

 

ケース底面を固めていきます。
IMGP7706

 

固く詰めたマットの上にフンワリとマットを敷きます。
IMGP7707

 

転倒防止のハスクチップを入れます。
IMGP7708

 

ゼリーを入れます。
IMGP7710

 

 

 クリーンケース使用の場合は間に新聞紙を挟んでセット完了

IMGP7724

 

セット方法を図示するとこのような感じです。

matsanranset

 

 

次に材を使用した産卵セット方法のご紹介です。

 

<材を使用して産卵セットを組む場合>

 

【お勧めのマット】
完熟マット、黒土マット
【お勧めの材】
コナラ、クヌギ、レイシ、カワラなど
※なるだけ直径が大きい方が良い
【お勧めの容器】
クリーンケースM~L
【産卵管理温度】
25~27℃前後
【水分量(湿度)】
多からず少なからず
(※手でぎゅっと握って土団子が出来、少し揺らしても崩れない程。握った時指の間から水が染み出ない程度)
【セット方法】
ケース底面を固くつめ、材を入れ、その回りも固く詰める。
上部2~3cmほどは柔らかくマットを入れる。
少し材の頭が出るようにセット。

 

 

セット方法の具体例をご紹介してみます。

 

まずは使用する材を用意。
こちらはクヌギ材になります。
少し柔らかめの材がお勧めです。
IMGP7730

 

次に材の皮を剥きます。
IMGP7731

材の皮は剥かない方もいらっしゃると思います。自然界では当然皮などは剥けていないので、より自然のままのセットをお好みの方はそのままセットするというやり方もありだと思います。

 

材を水に浸します。
IMGP7736

あくまで私のやり方ですが、私は材を水に浸す時、そこまで長い時間はかけません。

目安は水に浸している途中で材を取り出し、実際に持ってみて、重量的に十分に水分が含まれているかどうかをみて判断します。

 

IMGP7737

実際に手に取って水分の染み込み具合を確認します。

これは感覚的なものなので、どれ位とご紹介するのはとても難しいです。

もし敢えて時間的に言うならば、あくまで私のやり方になりますが、早くて5分、長くても10分位といったところでしょうか。

 

水から出した材を縦に置き、陰干しします。
IMGP7739

これも私的にはあまり時間はかけません。
元々長く水に浸していませんので、陰干しもごくわずかの時間です。
敢えて時間的に言うならばやはり5~10分程度でしょうか。

 

次にマットを準備します。

IMGP7740

今回は材に産ませるようにセッティングしますので、マットはある程度なんでも可能ですが、幼虫が材から出て来て、こぼれ落ちてしまった場合、マットでも食せるように敢えて発酵マットを使用します。

弊社のマットでのお勧めは、完熟マット、黒土マット。

 

材を入れます。今回は2本のクヌギ材です。

IMGP7742

 

材の周りをマットで埋め込みます。
IMGP7744

 

上から見た画像
IMGP7745

マット産みの傾向も強い種類では、材の横より下の隙間もマットを固く詰めると良い傾向があります。材に気に入らなればマットにも産んでくれますので・・・。

 

後は上に転倒防止のハスクチップを敷きます。
IMGP7746

 

ゼリーを入れます。
IMGP7748

 

後は親♀を入れフタをします。
IMGP7755
今回はコバエシャッターを使用してみました。

 

セット方法を図示すると以下の様な感じです。

(※図では2本の材は平行セットになっていますが、Tの字でセットでも構いません。)
zaisanranset

 

産卵セッティングに関しては上記の2パターンのいずれかでセットを組めば大丈夫だと思います。

私は主にマットのみの産卵で行っていました。
ただ他の人に聞いてみると材を入れた方が良いという方もいらっしゃいました。

♀によってはマット産みを好む個体、材産みを好む個体がいるようです。

材を入れて産卵させる場合、材は柔らかめで、直径の大きめの材を使用する事をお勧めします。

 

 

 いかがでしたでしょうか?      
以上が私が行っているスマトラオオヒラタの幼虫飼育&産卵方法です。
 

特別難しい種ではなく、産卵も幼虫飼育も容易な種ですが、幼虫飼育ではとにかく大きくなりますので、エサ切れには注意しましょう。

100mmを超えた個体が羽化した際にはその大きさに驚くことでしょう。

 

皆さんも機会がございましたら、是非飼育に挑戦してみては如何でしょうか?(^^)

 

 

※ この日記で紹介したやり方や考え方はあくまで私:Shiho個人の考え方によるもので、それを押し付けるものではございません。あくまでご参考程度にご覧頂ければ幸いです ※

※ この飼育日記では過去にも同じ種類について飼育方法をご紹介しておりますが、過去で取り上げたデータと新しく公開したデータとでは、エサの種類、管理温度、羽化までにかかる日数などに差異が見られる場合がございます。

これは飼育をやりながら、私個人のやり方や考え方が変化しているということですので、今現時点での私のやり方や考え方を参考にして頂くならば、一番最新の日付のデータをご参考にして頂けますと幸いです。ご了承下さいませ m(_ _)m ※

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2 Comments »

  1. はじめまして、ゆげと申します。
    ブリードはオスの顎を縛った方がよいのでしょうか?
    どのくらいオスメス同居させればよいのでしょうか?
    どのくらいメスをセットに入れておけばよいのでしょうか?
    幼虫は出来るだけ早く菌糸瓶に入れる方がよいのでしょうか?
    お考えをお聞かせください。

    Comment by 弓削 弘文 — 2020年5月6日 @ 4:50 PM

  2. 弓削弘文さん

    初めまして、レスありがとうございます。

    あくまで私個人の考え方&やり方で宜しければご参考にして頂ければ幸いです。

    ブリードのアゴ縛りは、基本私は致しません。

    理由は過去にアゴ縛りをした際、あまりにも暴れまくって交尾の前にフセツがボロボロ取れてしまって結局♀を押さえつけるのに必要なフセツが無くなってしまった苦い想い出があります。

    その印象が強く残っているのと、アゴ縛りがなくても同居ペアリングにおいてそこまで失敗(♀殺し等)することが少なかった為、それ以来アゴ縛りはしておりません。

    ハンドペアリングならばアゴ縛りはそこまで必要ないかと思いますが、同居ペアリングの場合はどうしても危険だと思うようならばやった方が無難かもしれません。

    次に同居ペアリングの場合の期間ですが、そのペアの相性にもよりますが、私の場合は基本4~7日です。

    メスをセットとは産卵セットにいれてからのことでしょうか?
    産卵セットに移行した後は、基本的には約1か月半~2か月程度経過してから割り出すようにしています。

    ただドルクス系の場合は「子食い」の危険性が強いので、早ければ1か月程度で割り出す場合もあります。

    菌糸ビンに早く入れるかどうかですが、あくまで私の場合は、初令でも入れます。

    ただし、孵化したばかりでお腹の中が黒くなっていないものはまだ入れません。

    頭もしっかりと固まり、お腹の中も黒く見えて来ているような状態になったものだけ投入するようにしています。

    菌糸の巻き(再生)が強いと、力の弱い初令幼虫は菌糸に巻かれて死亡してしまう可能性もありますので、安全な2令位になって入れる方も多いように聞きます。

    しかし私の場合は早く菌糸(栄養価の高いエサ)を与えて大型を目指したい為、最初から菌糸投入するようにしています。

    大きさよりもより安全性を求めるのであれば、2令になってからの投入でも良いのではないかと思います。

    以上、冒頭でも書きましたが、ここでご紹介したのはあくまでも私個人のやり方や考え方です。

    やり方や考え方は人それぞれですので、様々なご意見がございます。
    あくまでご参考程度にして頂ければ幸いです。

    飼育日記担当:Shiho

    Comment by tsukiyono — 2020年5月7日 @ 7:44 AM

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