トカラノコギリクワガタの飼育【幼虫飼育&産卵方法】【Shiho的見解:2021年度版】

今回は日本のノコギリクワガタの一種、トカラノコギリクワガタの飼育方法をご紹介したいと思います。

 


【参考画像:トカラノコギリクワガタ♂】

 

【参考画像:トカラノコギリクワガタ♀】

 

 

【飼育種】
和名:トカラノコギリクワガタ
学名:Prosopocoilus dissimilis elegans

産地:トカラ列島(悪石島、中之島、口之島等)

 

 

日本のノコギリクワガタ種の中でも、最も色虫的要素の強い特徴があるノコギリクワガタです。

しかしその色合いは個体差があり、素晴らしく綺麗なオレンジ色の個体もあれば、本土に似て茶褐色の個体もあり様々です。

飼育はとても容易で、国産ノコギリクワガタと同じような飼育方法でOKです。

 

それでは私個人のやり方ではございますが、幼虫飼育方法と産卵方法をご紹介してみたいと思います。

 

★★幼虫飼育★★

 

【お勧めのエサ】
菌糸、きのこマット、完熟マット
【飼育容器】
ブロー容器800~1100㏄程度ボトル
【えさ交換回数】
途中1~2回程度(※マットの劣化や状況による)
【設定温度】
20~25℃前後
【羽化までにかかる時間】
♂:約8~12か月程度
♀:約8~10か月程度

※あくまで目安です。♂♀、幼虫時の大きさ、管理環境(管理温度、飼育するエサ等)によって個体差があります※

 

幼虫飼育はとても容易な種だと感じてます。

菌糸(Basicでもelementでも可)でもOK。

マットでも弊社のマットでは、きのこマットでよく育ってくれますが完熟マットでもOK。

マットを入れる容器も 800~1100cc程度もあれば十分。

管理温度は20~25℃程度 で管理。

日本のクワガタではありますが、気候の暖かい南西諸島の虫ですので、夏場の高温と冬場の極度の低温には念のために注意が必要しておいた方が良いでしょう。。

 

 

では次に産卵セット方法についてご紹介してみたいと思います。

産卵セットはマットのみで産卵させるやり方と、材を入れたセット方法の2パターンがあると考えます。

 

★★産卵方法★★

 

<マットのみを使用した産卵方法>

【産卵に使用するお勧めマット】
完熟マット、黒土マット
【産卵に使用するケース】
クリーンケースM~L程度
【産卵管理温度】
25~27℃前後
【水分量(湿度)】
多からず少なからず
【セット方法】
ケース底面を深さ7割位で固く詰める。
残りの1割程度はフンワリと。

 

セット方法を画像付きでご紹介します。

 

産卵セットに使用するケースの準備。
今回はクリーンケースを使用します。

IMGP7733

 

マットを大きなケースに出します。
IMGP7700

 

ケース底面を固めていきます。
IMGP7706

 

固く詰めたマットの上にフンワリとマットを敷きます。
IMGP7707

 

転倒防止のハスクチップを入れます。
IMGP7708

 

ゼリーを入れます。
IMGP7710

 

 

 クリーンケース使用の場合は間に新聞紙を挟んでセット完了

IMGP7724

 

セット方法を図示するとこのような感じです。

matsanranset

 

次に材を使用した産卵セット方法のご紹介です。

 

<材を使用して産卵セットを組む場合>

 

【お勧めのマット】
完熟マット、黒土マット
【お勧めの材】
コナラ、クヌギ、レイシ、カワラなど
【お勧めの容器】
クリーンケースM~L程度
【産卵管理温度】
25~27℃前後
【水分量(湿度)】
多からず少なからず
【セット方法】
ケース底面を固くつめ、材を入れ、その回りも固く詰める。
上部2~3cmほどは柔らかくマットを入れる。
少し材の頭が出るようにセット。

 

セット方法の具体例をご紹介してみます。

 

まずは使用する材を用意。

こちらはクヌギ材になります。
少し柔らかめの材がお勧めです。
IMGP7730

 

次に材の皮を剥きます。
IMGP7731

材の皮は剥かない方もいらっしゃると思います。自然界では当然皮などは剥けていないので、より自然のままのセットをお好みの方はそのままセットするというやり方もありだと思います。

 

材を水に浸します。
IMGP7736

あくまで私のやり方ですが、私は材を水に浸す時、そこまで長い時間はかけません。

目安は水に浸している途中で材を取り出し、実際に持ってみて、重量的に十分に水分が含まれているかどうかをみて判断します。

 

IMGP7737

実際に手に取って水分の染み込み具合を確認します。

これは感覚的なものなので、どれ位とご紹介するのはとても難しいです。

もし敢えて時間的に言うならば、あくまで私のやり方になりますが、早くて5分、長くても10分位といったところでしょうか。

 

水から出した材を縦に置き、陰干しします。
IMGP7739

これも私的にはあまり時間はかけません。
元々長く水に浸していませんので、陰干しもごくわずかの時間です。
敢えて時間的に言うならばやはり5~10分程度でしょうか。

 

次にマットを準備します。

IMGP7740

今回は材に産ませるようにセッティングしますので、マットはある程度なんでも可能ですが、幼虫が材から出て来て、こぼれ落ちてしまった場合、マットでも食せるように敢えて発酵マットを使用します。

弊社のマットでのお勧めは、完熟マット、黒土マット。

 

材を入れます。今回は2本のクヌギ材です。

IMGP7742

 

材の周りをマットで埋め込みます。
IMGP7744

 

上から見た画像
IMGP7745

マット産みの傾向も強い種類では、材の横より下の隙間もマットを固く詰めると良い傾向があります。材に気に入らなればマットにも産んでくれますので・・・。

 

後は上に転倒防止のハスクチップを敷きます。
IMGP7746

 

ゼリーを入れます。
IMGP7748

 

後は親♀を入れフタをします。
IMGP7755
今回はコバエシャッターを使用してみました。

 

セット方法を図示すると以下の様な感じです。

(※図では2本の材は平行セットになっていますが、Tの字でセットでも構いません。)
zaisanranset

 

産卵セッティングに関しては上記の2パターンのいずれかでセットを組めば大丈夫だと思います。

私は主にマットのみの産卵で行っていましたが、材を入れてのセットも有効です。

♀によは個体差があり、はマット産みを好む個体、材産みを好む個体がいるようです。

材を入れて産卵させる場合、材は柔らかめの材を使用する事をお勧めします。

 

 

 いかがでしたでしょうか?      
 
以上が私が行っているトカラノコギリの幼虫飼育&産卵方法です。

特別難しい種ではないと感じています。

皆さんも是非飼育に挑戦してみては如何でしょうか?(^^)

 

 

※ この日記で紹介したやり方や考え方はあくまで私:Shiho個人の考え方によるもので、それを押し付けるものではございません。あくまでご参考程度にご覧頂ければ幸いです ※

 

※ この飼育日記では過去にも同じ種類について飼育方法をご紹介しておりますが、過去で取り上げたデータと新しく公開したデータとでは、エサの種類、管理温度、羽化までにかかる日数などに差異が見られる場合がございます。

 

これは飼育をやりながら、私個人のやり方や考え方が変化しているということですので、今現時点での私のやり方や考え方を参考にして頂くならば、一番最新の日付のデータをご参考にして頂けますと幸いです。ご了承下さいませ m(_ _)m ※

[`yahoo` not found]
GREE にシェア
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントはまだありません »

No comments yet.

RSS feed for comments on this post. TrackBack URL

Leave a comment

月夜野きのこ園
〒379-1305 群馬県利根郡みなかみ町後閑1170/0278-20-2060
TSUKIYONO KINOKOEN All Rights Reserved.