「夏に採集したクワガタを産卵させてみよう」シリーズ。

今回は「オオクワガタ」の産卵セットの方法をご紹介です。

 

※この記事は昨年もほぼ同じ内容で掲載させて頂いております。今年より産卵を初めてする方も多くいらっしゃいますので改めて掲載させて頂きました。記事内容&画像が重複しますことをご了承下さいませ※

野外採集してきた個体も、飼育個体も産卵方法は同じですので、オオクワガタを産卵させようと思われている方の参考になれれば幸いです。

 

 
【参考画像:国産オオクワガタ♂】

 

【飼育種】
和名:国産オオクワガタ
学名:Dorcus hopei binodulosus
産地:日本国

 

 

オオクワガタの場合、2つのセット方法がああります。

 
①材を使用して産卵セットを行う方法
②菌床に産卵させる方法(菌床産卵セット方法)

 

産卵セッティングは人それぞれお好みがあるのでしょうから、両方のやり方をご紹介したいと思います。

 

<産卵セット時の方法>

 

★材を使用して産卵セットを組む場合★

 

【産卵に使用するマット&材】
マット+材2本程度
【産卵に使用するケース】
クリーンケースM~L程度
【底面&材の周りに埋め込むマット】
きのこMat 、完熟Mat (お勧め)
【産卵管理温度】
25~27℃前後
【水分量(湿度)】 
多からず少なからず
【セット方法】
ケース底面を固くつめ、材を入れ、その回りは柔らかく詰める。
上部2~3cmほどは柔らかくマットを入れる。
材の頭が出るようにセット。

産卵セットは図示すると以下のような感じで組みます。(参考例です)

 

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では画像と共にセット方法の手順をご紹介したいと思います。

 

 <手順>

 

まずは使用する材を用意。
下記画像はクヌギ材になります。

オオクワガタを産卵させる材の場合、あくまで私が選ぶ基準は、少しは柔らかいが、しっかりと身の詰まった材を選ぶようにしています。

オオクワガタ♀は身体ごと穿孔して産む事があるので、あまりにも柔らかい材だとすぐにバラバラになってしまう為です。
IMGP7730

柔らかいがしっかりとした材を選ぶ

 

次に材の皮を剥きます。
IMGP7731

材の皮は剥かない方もいらっしゃると思います。自然界では当然皮などは剥けていないので、より自然のままのセットをお好みの方はそのままセットするというやり方もありだと思います。

 

材を水に浸します。
IMGP7736

あくまで私のやり方ですが、私は材を水に浸す時、そこまで長い時間はかけません。

目安は水に浸している途中で材を取り出し、実際に持ってみて、重量的に十分に水分が含まれているかどうかをみて判断します。

 

IMGP7737

実際に手に取って水分の染み込み具合を確認します。

これは感覚的なものなので、どれ位とご紹介するのはとても難しいです。

もし敢えて時間的に言うならば、早くて5分、長くても10分位といったところでしょうか。

 

水から出した材を縦に置き、陰干しします。
IMGP7739

これも私的にはあまり時間はかけません。
元々長く水に浸していませんので、陰干しもごくわずかの時間です。
敢えて時間的に言うならばやはり5~10分程度でしょうか。

 

次にマットを準備します。

IMGP7740

マットをケース底面に固く5cmほど詰めます。
国産オオクワガタは材産みが主体なのでマットは基本的には何でもOKです。
針葉樹のマットでもOKですが、もし万が一幼虫が材よりこぼれ落ちた事態を考えて幼虫がスムーズに食可能な発酵マットが無難です。きのこMat 、完熟Mat 、など、どれでもOKです。

 

次に材を入れ、回りにマットを軽く詰めます。
この画像で使用しているのはクヌギ材2本です。少し柔らかめの材です。

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ゼリーと生体を入れて完成。

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真上からの画像です。

img_20110820T154057531

このようにマットをそこまで深く詰める必要はありません。
いわゆる「転がし産卵」で十分です。

 

 

★★菌床に産卵させる方法★★
(菌床産卵セット方法)

 

【使用したケース】
クリーンケースLサイズ
【使用した菌床】
Basicクヌギブロックまるまる1個
【周りを埋め込んだマット】
きのこMat 、完熟Mat どれでもOK
【水分量】
菌床はそのまま、マットは少し水分少なめ
【設定温度】
25~27℃前後

産卵セットは以下のような感じで組みます。(参考例です)

 

まずケースを用意します。このケースはクリーンケースLサイズです。

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【クリーンケース L】

 

次にケース底面にマットを入れます。底2~3cm程度敷き詰めます。

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次に袋から出した菌糸ブロックを丸ごと入れます。
 ケースに入りきらない場合は菌糸ブロックを削って入れてもOKです。

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【Basicクヌギ菌糸ブロック使用】

 

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周りをほんの少しマットで埋め込みます。
今回の場合産卵種がオオクワですので完全に埋めきる必要はありません。
半分か1/3程度でOKです。

 

ゼリー、生体♂♀を入れます。

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フタをして完成です。

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【真上から見た画像】

 

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【横から見た画像】

 

上記が産卵の手順です。

参考までにですが、2008年度に菌床産卵セットを8セット組んだ時の結果をご紹介させて頂きます。

画像003 024
【割り出した幼虫の一部】

 

①幼虫31
②幼虫29
③幼虫12
④幼虫48
⑤幼虫41
⑥幼虫5
⑦幼虫33
⑧幼虫22

この時は8♀セットで合計221頭
1セットあたりの平均27頭

※2008年度のセット時には上記のような結果が得られました。この時は爆産で、全てのセットで産卵を確認し、とても良く産んでくれたのを覚えています。

 

また今弊社にはお手軽に菌床産卵セットが出来る「オオクワガタ専用:産卵初めてセット」という商品もありますので、菌床産卵の組み方が苦手だ、面倒だと思われる方はこちらを使用してみるのも良いかと思います。

 


オオクワガタ専用:産卵初めてセット

 

通常国産オオクワガタは材産卵が主流ですが、菌床産卵することで利点もあります。

 

【菌床産卵の利点】

・セットが楽(産卵木の柔らかさや加水の手間が要らない)
・割り出しが楽(産卵木の割り出し時のように幼虫を潰すことも少なく、また手で楽に割り出せる)
・若令幼虫に最初から菌糸を摂取させられる(大型作出に有効)。

 

菌床産卵の利点は何と言っても割り出しの楽さ、それと若令幼虫より菌糸を与える事が出来るという利点です。 ただ産卵数に関しては材産みの方が若干多い場合もあるような気もします。ただ過去には40頭近く産んだ例もあるので、どっちが良いとは一概には言えないのも事実です。

 

 

【今の時期から産卵させたい方へ】

今からの時期は外気温もすでにかなり低くなってくるので国産オオクワガタが越冬体勢に入ってくることが考えられます。

勿論そのまま越冬させて来年の春以降目覚めてから産卵させても良いですが、どうしても今から産卵させたい方は、管理温度を少し高め(28℃前後)にし、湿度も高めにキープして、♀に「あっ、まだ夏だ、産める!」と錯覚させるような環境づくりをしてみると良いと思います。

こうすることによって、産卵のスイッチが入ることも少なくありません。すでに越冬体勢に入っている個体や今から産ませようと思っている方に試してみるのも手だと思います。

 

如何でしたでしょうか?
上記が私:Shihoの国産オオクワガタの飼育方法です。
是非一度産卵セットを組み、幼虫飼育を挑戦してみて下さいませ。(^^)

 

 

※この方法はあくまでも私:Shihoの産卵セットの組み方です。やり方は人それぞれですので、あくまでご参考程度にご覧頂けますと幸いです。m〈_ _)m※

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