ラコダールツヤクワガタの飼育【幼虫飼育&産卵方法】【Shiho的見解:2021年度版】
今回はツヤクワガタ種、ラコダールツヤクワガタの飼育方法についてご紹介してみたいと思います。
【参考画像:ラコダールツヤクワガタ♂個体】
【飼育種】
和名:ラコダールツヤタクワガタ
学名:Odontolabis lacordairei
産地:スマトラ島
私が初めて飼育したツヤクワガタ種がこのラコダールでした。
当時、奈良オオクワセンターでワイルドを購入し、初めて見るその美しさに一喜一憂したことを今でも鮮明に覚えております。
ツヤクワガタ種は、飼育、特に産卵に関しては難しい種のものも多いように思われますが、このラコダール種は個人的には比較的難易度は低いように感じています。
では、幼虫飼育方法からご紹介してみたいと思います。
★★幼虫飼育★★
【お勧めのエサ】
1令時:黒土マット
2~3令時:黒土マット+完熟マットの混合マット
【飼育する容器の大きさ】
1令時:800㏄PPボトル程度の容量
2~3令時:1400PPボトル程度の容量
【設定温度】16~25℃前後
【羽化までにかかる大体の時間:20~23℃管理下】
♂:初令投入して約14~17ヶ月
♀:初令投入して12~16ヶ月
※管理温度&飼育エサの種類、また幼虫の大きさによって羽化までの時間帯は異なります。
幼虫飼育は 基本的にマット飼育です。
ツヤクワガタ種はよく熟したマットを好む傾向があります。
あくまで私のやり方ですが、1令時は黒土マットを与え、2~3令になってから完熟マットを少しずつブレンド(混ぜて)して与えるやり方もしております。
黒土マットよりは完熟マットの方が栄養価の面では若干高いので2~3令の成長期に出来るだけ高栄養のものを与えたいのでそういう方法を取ることもあります。
栄養価の高いマットを与えることで、より大型のサイズを狙う目的です。
羽化サイズは特に気にしないという方は、ブレンドせずに産卵セットに使用したマットで最後まで羽化まで持って行っても構わないと思います。
エサの種類、幼虫の大きさ、管理温度により幼虫期間は大きく変わりますが、幼虫期間も比較的長くかかる傾向があるようです。
またツヤクワガタの幼虫は他の種でもそうですが、ちょっと変わったエサの食べ方をします。
ガラス瓶などの外から見える容器でマット飼育をしているとよく分かるのですが、容器の中間付近に空洞を作ってから居食いする傾向が見られます。
この空洞、結構大きく場合によってはマットが容器の中で上下に分かれているような状態になるときもあります。
その上下のマットに「くの字」に接するようなかんじで幼虫は居ずわりながらマットを食しているような様子です。
これはドルクスやノコ、ティタヌスなどではほとんど見られない様子なのでとても興味深いです。
管理自体はそう難しい種ではありませんので、エサ交換のタイミングと温度管理を気を付ければ無事に羽化させられると思います。
★★産卵方法★★
次に産卵方法についてご紹介したいと思います。
【お勧めのマット】
黒土マット
【お勧めの産卵ケース】
クリーンケースM~L程度
【水分量】
手でぎゅっと握って団子が出来て、なおかつ水が染み出ない程度
【マットの詰め方】
ケース底面5割程度固く詰めて上部5~8センチはフンワリと。
【設定温度】
23~25℃前後
セット方法を画像付きでご紹介します。
産卵セットに使用するケースの準備。
今回はクリーンケースを使用します。
クリーンケース使用の場合は間に新聞紙を挟んでセット完了
セット方法を図示するとこのような感じです。
産卵に関してですが、ツヤクワガタの♀は産む個体と産まない個体の当たりハズレが非常に大きいです。
産む時は60~70卵位産んだ時もありますが、産まない時は全くの0、もしくは産んでも1~2頭ということも珍しくはありません。
いかにして当たり♀をGETするかというのも成功の分かれ道となりそうです。
そして当たり♀に当たった場合、とても沢山産んでくれます。
孵化率もそれほど悪くなく、順調に孵化してくれる感じがあります。
また産卵セットのマットの詰め方ですが、ツヤクワガタ種は柔らかく詰めたマットの上部でもばら撒き産卵をする傾向もあります。
今回は私のやり方で、固く敷き詰めるタイプの様子をご紹介しましたが、そこまで固くマットを敷き詰めなくても大丈夫かもしれません。その辺りはお好みで試してみて頂けると幸いです。
如何でしたでしょうか?
今回はラコダールツヤクワガタのご紹介をさせて頂きました。
飼育もツヤクワガタ種の中でも比較的容易な種なので挑戦し易いと思います。
とても綺麗で美しいクワガタですので、是非皆様も機会がございましたら一度挑戦してみては如何でしょうか?(^^)
※ この日記で紹介したやり方や考え方はあくまで私:Shiho個人の考え方によるもので、それを押し付けるものではございません。あくまでご参考程度にご覧頂ければ幸いです ※
※ この飼育日記では過去にも同じ種類について飼育方法をご紹介しておりますが、過去で取り上げたデータと新しく公開したデータとでは、エサの種類、管理温度、羽化までにかかる日数などに差異が見られる場合がございます。
これは飼育をやりながら、私個人のやり方や考え方が変化しているということですので、今現在での私のやり方や考え方を参考にして頂くならば、一番最新の日付のデータをご参考にして頂けますと幸いです。ご了承下さいませ m(_ _)m
4 Comments »
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2021年12月17日
カテゴリー
使用したアイテム
Basicプロテインゼリー(昆虫ゼリー), プリンカップ, 完熟Mat(昆虫マット・発酵マット), 飼育ケース, 黒土マット(昆虫マット・発酵マット)
いつも拝見しております。
上記にあるハズレなメスだったようで、産卵セットを割出しても幼虫は0でした。
このようなメスは再び産卵セットを組んでも産まないものなのでしょうか。
ペアリングは目視で確認しているので、その点は大丈夫だと思うのですが。
Comment by けい — 2023年12月11日 @ 1:49 PM
けい様
レスありがとうございます。
一概にどうとは明確には言い切れませんが、私が個人的に思うには、産む個体っていうのはやはり最初からガンガン産む傾向が強いような気もします。
私の場合は一回目のセットで産まなかった場合、♀がまだ元気ならばダメ元で二回目を組んでみますが、期待度はそんなに大きくはありません。。
でも、過去の経験では、一回目の産卵セットで産まなかった♀が二回目のセットでは見違えたように産み始めたことも何度もあります。
なので色んなパターンがあるものだなぁと考えまてしまいます。。
あくまで私個人の考え方ややり方ですのでご参考程度にして頂ければ幸いです。
Shiho
Comment by tsukiyono — 2023年12月12日 @ 7:12 AM
毎度お世話になっております。
ラコダールの産卵なのですが、完熟マットでも産卵は可能でしょうか?
また購入してから1年立っておりまして線虫、粘菌の発生を確認しております。
よろしくお願い致します。
Comment by 山田 — 2024年4月14日 @ 11:03 PM
山田様
コメントありがとうございます。
ラコダールの産卵の場合、弊社の推奨マットとしては、黒土、完熟、この2種のマットを主にお勧めしております。
ツヤクワガタ系は熟度の進んだマットを好みますので、どちらか順列を敢えてつけるとするならば、黒土>完熟と考えています。
ただし、マットが既に劣化していたり、雑虫などが発生している場合にはその限りではなく、その場合はご使用は控えた方が良いかもしれません。。
弊社のマットの使用期限としては一応3か月をめどにしておりますが、マットの管理環境次第では早まる場合もありますし、、逆にもっと長く持ちる場合もございます。
その辺りはお客様のマットの保管管理環境などによるので一概には言えませんが、上記でも書いたようにマットが劣化(ベチャベチャになっている、ふわふわとスポンジ化している等・・)、雑虫や粘菌などが発生している場合には、少なからず産卵にも影響があるかと考えます。
その場合は、新しいもので試してみることをお勧め致します。
あくまで弊社の考え方によるものですので絶対では御座いませんがご参考にして頂ければ幸いです。
宜しくお願い申し上げます。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2024年4月15日 @ 1:46 PM