種類別クワガタ飼育マニュアル
国産オオクワガタ
国産オオクワガタ
国産オオクワガタ
国産オオクワガタ
Dorcus antaeus

日本全土に分布するクワガタで大きいものでは80mmを超える。 常温で飼育でき、幼虫飼育、産卵ともに簡単なので飼育が初めての方にもオススメ。 産卵セットは発酵マット、産卵木、菌糸ブロックのどれにでも産む。 幼虫の飼育は発酵マット、菌糸ビンのどちらも使えるが、菌糸ビンで飼育すると大型の成虫になりやすい。

国産オオクワガタの成虫を飼育して卵を産ませる方法

ookuwa-sanran-tsukimushi
国産オオクワガタ成虫飼育

 

国産オオクワガタのオスとメスを飼育して

卵を産ませるためのセットの方法です。

ここでは菌床(きんしょう)ブロックを使った

産卵方法を紹介します。

 

産卵させない場合の飼い方▼

用意するもの

国産オオクワガタオスメス成虫
1ペア

成虫になってから半年から1年ほど経過し成熟したオスとメスを1頭ずつ入れます。

Mサイズ×1

Mサイズ

(305×195×185mm)

>>商品詳細ページ

1枚
フタとケース本体にはさんで使います。コバエの侵入防止と保湿に効果があります。
1個

Basicクヌギブロック

 

>>商品詳細ページ

1袋

ガス抜きと加水をして使います。

 

>>商品詳細ページ

適量

エサを切らさないように

こまめにチェックしましょう。

>>商品詳細ページ

適量

転んだときに起き上がれる

ように樹皮や木片を入れておきます。

1本
卵、幼虫を扱うときに使います。
適量
幼虫、卵を取り出したときに使います。

>>商品詳細ページ

セットの手順

1、きのこマットの下準備(ガス抜き、加水をする)

1-1、きのこマットを袋から出してガス抜きをする
発酵マットのガス抜き

きのこマットを袋から出し、

衣装ケースやたらいなどの大きい容器に入れるか

新聞紙やビニールシートなどの上に広げるなどして

1~7日ほど置き発生したガスを抜きます。

マットが山の土のような匂いになればガス抜き完了です。

1-2、きのこマットに加水する
発酵マット水分調整

ガス抜きしたマットに少しずつ水を加えて

均一になるように混ぜていきます。

ちょうどいい水分量の目安は

マットを握って形が残り、水はにじまない程度です。

2、セットする

2-1、ガス抜きと加水をしたきのこマットを5cm詰める
発酵マット詰め具合

ガス抜きと加水の終わったきのこマットを

手で押し固めながら詰めていきます。

ケースの底から5cmくらいの高さまで詰めます。

2-2、菌床ブロックをのせる
国産オオクワガタ成虫飼育-セット

菌床ブロックを袋から出してそのまま入れます。

(加水などの作業はいりません)

2-3、菌床ブロックを発酵マットで埋める
発酵マット詰め具合||オオクワガタ交尾

菌床ブロックを発酵マットで埋めます。

2-4、フタをしめて3日ほど置く
発酵マット詰め具合
フタをして3日ほど置いて様子を見ます。
(※このときディフェンスシートをはさむとマットの保湿とコバエの侵入防止に効果があります)
マットが発熱していなければセットできる状態です。
発熱があったらケースからマットを取り出して「1-1:発酵マットのガス抜き」からやり直します。
2-5、オオクワガタのオスとメスを入れる
国産オオクワガタ産卵セット
転倒防止の止まり木として樹皮や木片を入れ(写真では枯れ葉も入れています)、エサのゼリーを置き、オオクワガタのオスとメスのペアを入れます。
国産オオクワガタ飼育、ゼリーの置き方

※ゼリーはフタを開けてセットするより

カッターで十字に切れ目を入れてセットしたほうが

飛び散りにくいのでマットが汚れにくくなります。

2-6、フタをしてセット完了
セット完了

フタを閉めたらセット完了です。

同居させていれば交尾を済ませメスは

産卵のためにマットに潜っていきます。

新聞紙とビニールシートをはさむ理由
国産オオクワガタ産卵セット飼育ケースの注意
 

 

一般的なケースのフタは通気の穴が大きくなっています。

フタの通気穴が大きいと飼育に都合の悪い点が2つあります。

 

■マットが乾燥しやすいので水分補給の手間が増える

■コバエなど雑虫が侵入して発生してしまう

乾燥とコバエの対策
新聞紙や通気の穴をあけたビニール(ディフェンスシート)をはさんでフタをします。これである程度、乾燥とコバエの侵入を防止することができます。

国産オオクワガタ産卵セット通気の穴の大きいケースを使う場合

3、産卵セット中の管理

産卵セット中の管理

セットを組んでから幼虫、卵を取り出すまでの1~2ヶ月間、

メスが産卵しやすいように管理していきます。

 

産卵セット中の管理では大きく分けて

3つのポイントがあります。

※産卵セット中の管理、3つのポイント

国産オオクワガタ産卵セットの温度管理1、温度

常温で飼育できます。(理想は25℃前後)

直射日光やエアコンの風が直接当たらない所に置いて

管理しましょう。

エサ切れ注意2、エサ

こまめにエサのチェックをして

エサを切らさないようにしましょう。

水分調整3、水分

乾燥に気をつけてときどきマットをさわってチェックします。

乾燥していたら霧吹きで水分を足してください。

4、幼虫の取り出し(割り出し)

・ケースからマットと幼虫を取り出す
卵、幼虫の取り出し

産卵セットしてから1~2ヶ月経つと

菌床ブロックの中にメスが産んだ卵の多くが

幼虫になっています。

取り出した産卵セット

新聞紙の上やたらいの中などにケースをひっくり返し

中の菌床とマットを取り出します。

卵、幼虫の取り出し

菌床ブロックは手でカンタンに割ることができます。

割っていくと中から幼虫や卵が出て来るのでそれを回収します。

卵、幼虫の取り出し

菌床から出てきた幼虫

菌床ブロックを割ったところから出てきた幼虫。

幼虫はスプーンを使って菌糸ビンに投入します。

菌糸ビンが手元にないときは産卵セットのマットをプリンカップに詰めて菌糸ビンに移すまで保管して置きます。

菌糸ビンがある場合

卵、幼虫の取り出し

スプーンで菌糸ビンに入れます

菌糸ビンがある場合はスプーンを使い幼虫を菌糸ビンの中に入れ幼虫飼育を開始します。

菌糸ビンがない場合

卵、幼虫の取り出し

マットに一時保管した幼虫

産卵セットのマットをプリンカップに詰めて
菌糸ビンに移すまで保管して置きます。

幼虫1頭に菌糸ビン1本が必要になるので幼虫と同じ本数の
菌糸ビンを用意して、なるべく早く移しましょう。

卵の状態で取り出した場合

卵、幼虫の取り出し

菌床から出てきた卵

菌床ブロックから出てきた卵、大きさは2ミリくらいです。

卵で取り出した場合はマットを詰めた容器に入れて幼虫になるまで管理します。

手順は以下の通りです。

1、プリンカップにマットを詰める

卵、幼虫の取り出し

プリンカップにマットを詰めます。

産卵セットで使用していたマットも使えます。

2、くぼみをつける

卵、幼虫の取り出し

指で押すなどしてくぼみをつけます。

3、卵を入れる

卵、幼虫の取り出し

くぼみをつけたところにスプーンを使い卵を入れます。

4、フタに空気穴をあける

卵、幼虫の取り出し

フタに空気穴をあけます。

5、フタをする

卵、幼虫の取り出し

空気穴をあけたフタを閉めたらセット完了です。

幼虫になるまでこの中で管理して

幼虫になったら菌糸ビンに移します。

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国産オオクワガタの幼虫飼育方法

国産オオクワガタ幼虫飼育方法

国産オオクワガタの幼虫を

菌糸ビンを使って飼育する方法です。

飼育期間は10~12ヶ月前後になります。

飼育期間中はだいたい3ヶ月に1度くらいの

ペースで菌糸ビンの交換をして、

成虫になるまで飼育していきます。

用意するもの

幼虫1頭に菌糸ビンを1本使うので、幼虫と同じ本数用意します。産卵セットから取り出したばかりの幼虫を入れる時は

800ccサイズで十分です。幼虫がある程度大きくなってオスだとわかれば1100ccサイズが適当です。

菌糸ビンに幼虫を入れる穴を掘るとき、

幼虫を扱うときに使います。

幼虫飼育セット手順

1、菌糸ビンを飼育する環境でならす

国産オオクワガタ幼虫飼育方法

届いた菌糸ビンを箱から出し、

飼育する環境で1~3日ほど置きます。


割り出してから初めて菌糸ビンへ幼虫を入れる場合には
800cc程度の菌糸ビンがオススメです。

2、菌糸ビンに幼虫を入れる

2-1、フタをあける
国産オオクワガタ幼虫飼育方法

フタをあけ幼虫より少し大きめの穴を掘ります。

きのこが発生していた場合にはきのこを取り除いておきます。

2-2、幼虫を菌糸ビンに入れる
国産オオクワガタ幼虫飼育方法

幼虫をスプーンにのせて菌糸ビンに入れたら

フタをしてセット完了です。

国産オオクワガタ幼虫飼育方法

幼虫を菌糸ビンに入れて数日たつと、
食痕(しょっこん)と呼ばれる菌糸を食べたあとが見られます。
(中には食痕が現れない物もあります)

3、セット後の管理

2-1、フタをあける
国産オオクワガタ幼虫飼育セットの管理

幼虫飼育のセットができたら、直射日光やエアコンの風が

直接当たらない所に置いて管理していきます。

 

飼育期間は約10ヶ月間になります。

1度セットした後は菌糸ビンの様子を見て

表面に出てきたフンの量をみてマットの交換を行います。

※幼虫飼育の管理のポイント
国産オオクワガタ産卵セットの温度管理温度

常温で飼育できます。(理想は25℃前後)

直射日光やエアコンの風が直接当たらない所に置いて

管理しましょう。

エサ交換が必要な幼虫飼育セットエサ交換

セットしてから3ヶ月を目安に交換します。

オオクワガタの幼虫のオスメスの判別
クワガタのオスメス判別

 

クワガタのオスメスの判断は

お尻のオレンジ色の斑点の有無で判断します。

無いのがオスであるのがメスです。

 

ただし、オスの場合でもお尻から3節目のあたりにオレンジ色の
斑点(卵巣と呼ばれる事が多い)が見える事がありますので

オスメスの判別を斑点で行う場合は100%ではありません。

国産オオクワガタの幼虫飼育-エサ交換

菌糸ビン交換

菌糸ビン飼育の場合、幼虫の成長具合や

菌糸ビンの状態に合わせて交換が必要です。

交換のタイミングはなかなか難しいのですが
コツがつかめるまでは3ヶ月を目安に交換すると良いでしょう。

菌糸ビン交換(エサ交換)に必要なもの

エサ交換が必要な幼虫飼育セット古くなった菌糸ビン

セットしてから3ヶ月くらい経過したもの。

もしくは白い部分が半分くらいになったもの。

幼虫を入れる1~3日前には

飼育する環境で菌糸ビンをならしておきます。

菌糸ビンを掘るのに丈夫なスプーンを使います。ドライバーのような細長くて硬いものがあれば代用できます。

菌糸ビンの交換(エサ交換)の手順

1、新しい菌糸ビンを用意する
国産オオクワガタ幼虫飼育方法

エサ交換する新しい菌糸ビンを用意します。

サイズはオスの場合1100cc、メスなら800ccのビンが

おすすめです。

 

交換する1~3日前から新しい菌糸ビンを

飼育する場所の温度になれさせておきます。

2、古くなった菌糸ビンから幼虫を取り出す
国産オオクワガタ幼虫を取り出したところ
丈夫なスプーンやマイナスドライバーなどを使い、
幼虫を傷つけないように慎重に掘っていきます。
国産オオクワガタ幼虫を取り出したところ
てこの原理で掘りやすくなります。
国産オオクワガタ幼虫を取り出したところ

掘り進めていくと幼虫が見えてきます。

このままビンを傾けて取り出します。

国産オオクワガタ幼虫を取り出したところ

掘り出した幼虫

3、新しい菌糸ビンに入れかえる
幼虫飼育のエサ交換、発酵マットを詰めたところ

飼育する環境で1~3日ほど置いておいた菌糸ビンの

フタをあけ幼虫が入る大きさの穴をあけます。

幼虫飼育のエサ交換、発酵マットを詰めたところ

幼虫はスプーンで扱います。

幼虫飼育のエサ交換、発酵マットを詰めたところ

あけた穴に幼虫を入れ、潜ったのを確認したらフタをして

セット完了です。

菌糸ビンの交換(エサ交換)に注意が必要な時期

マットの中に蛹室を作ってさなぎになった国産オオクワガタ

菌糸ビンの中の前蛹

前蛹やさなぎの状態の時は飼育中で一番デリケートな時期で、触ったり環境が変わることが虫にとってストレスになる事が考えられるので、前蛹やさなぎを扱うときは衝撃を与えないように注意します。
菌糸ビンの交換が必要と考えられる場合でもケースの側面や底面をみてすでに前蛹やさなぎになっている場合や前蛹やさなぎになり始める時期の交換は控え、成虫になるまでそのまま管理したほうが安全です。

取り出したときに前蛹かさなぎになっていた場合

国産オオクワガタ前蛹国産オオクワガタの前蛹

国産オオクワガタの蛹(さなぎ) 国産オオクワガタのさなぎ

 

<前蛹>・・・手と口が動かなくなった状態(左の写真)

<さなぎ>・・・幼虫の皮を脱いだ状態 (右の写真)

前蛹かさなぎで取り出したときは人工蛹室に移します。

 

>>人工蛹室の作り方

オオクワガタ前蛹の動画

体は動いていますが、口と手が動かなくなっているのが確認できます。

 

前蛹(ぜんよう)・・・幼虫が蛹になる直前の状態で色は茶色っぽくなり
口と手が動かなくなくなります。

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国産オオクワガタ蛹化

ケースの中に蛹室を作ってさなぎになった国産オオクワガタ

人工蛹室に入れたオオクワガタのさなぎ

幼虫飼育が順調にできていると菌糸ビンの中に

さなぎになるためのスペース(蛹室)をつくり、

さなぎになります。

 

さなぎの時期はデリケートなので

あまり触らないようにします。

 

蛹室が壊れた、または壊れそうな場合や

エサ交換で取り出したらすでに前蛹やさなぎに

なっていた場合、人工蛹室に移し成虫になるまで管理します。

>>人工蛹室の作り方

国産オオクワガタ羽化

羽化して間もない国産オオクワガタ

羽化して間もない国産オオクワガタ

さなぎの期間を無事に終えると

羽化して成虫になります。

羽化した成虫はすぐにはエサを食べませんが

いつ食べ始めてもいいように、成虫飼育セットに

移してエサも置いておきます。

国産オオクワガタの成虫を飼育する方法

国産オオクワガタ成虫飼育方法

オオクワガタの成虫を1頭飼育する方法です。

羽化したばかりの成虫の飼育、

交尾の終わったオスの飼育、

鑑賞用の飼育などにおすすめの方法です。

 

産卵させる場合の飼い方▲

用意するもの

国産オオクワガタの成虫オオクワガタ
1頭

1ケースに1頭ずつ飼育します。

Sサイズ×1

Sサイズ

(235×155×185mm)

>>商品詳細ページ

1枚
フタとケース本体にはさんで使います。コバエの侵入防止と保湿に効果があります。
オオクワガタ成虫飼育用マット、ほだマットほだマット
1/10袋

しいたけのホダ木を粉砕したマットです。

水分を含ませて使います。

>>商品詳細ページ

適量

エサを切らさないように

こまめにチェックしましょう。

>>商品詳細ページ

適量

転んだときに起き上がれる

ように樹皮や木片を入れておきます。

セット方法

1、ほだマットに加水する
ほだマットを湿らせるほだマットのちょうどいい水分量の目安

使用するほだマットに加水します。

加水の目安は強く握って形が残り、

水はにじみ出てこないくらいです。

2、ケースにほだマットをしく
国産オオクワガタ成虫飼育、ほだマットをしいたところ

加水したほだマットを3~4cmしきます。

3、エサのゼリー、止まり木、オオクワガタを入れる
国産オオクワガタ成虫飼育、エサ、止まり木、成虫をいれたところ

エサのゼリーと止まり木、オオクワガタを1頭投入します。

ゼリーのセット方法

ゼリーはフタを開けてセットするより

カッターなどで十字に切れ目を入れてセットしたほうが

飛び散りが少なくマットが汚れにくくなります。

4、フタをしてセット完了
国産オオクワガタ成虫飼育、フタをしたところ
フタを閉めたらセット完了です。
(※このときディフェンスシートをはさむとマットの保湿とコバエの侵入防止に効果があります)
※フタの通気穴が大きいケースを使う場合
国産オオクワガタ成虫飼育、通気穴の大きいケースを使う場合

フタの通気穴が大きいケースを使う場合は、新聞紙や小さい通気の穴をあけたビニールシート(ディフェンスシート)などをはさんでフタをします。これでコバエなどの雑虫の侵入と乾燥を防ぎます。

セット中の管理方法

オオクワガタ成虫飼育、管理温度温度

理想は20~25℃ですが極端な温度にならなければ常温で飼育できます。直射日光やエアコンの風が直接当たらない所に

置いておきます。

昆虫用ゼリーなどのエサは減り具合を見ながら

切らさないようにしてください。

夏場はエサが腐りやすいので早めの交換をオススメします。

乾燥注意水分

ケース底に敷いた、ほだマットが乾燥していたら

霧吹きなどで加水してください。

国産オオクワガタ飼育頭数飼育頭数

1ケース2頭以上飼育すると

お互いに傷つけあってしまう事がありますので

出来るだけ1頭ずつ飼育してください。

 

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