レギウスオオツヤクワガタの飼育(産卵方法&割り出し菌糸ボトル1本目結果!)
本日は、先日レギウスオオツヤクワガタの産卵割り出しを行いましたので、その様子をご紹介したいと思います。
まずはレギウスの紹介。
【飼育種】
和名:レギウスオオツヤクワガタ
学名:Mestopsu tarandus f.regius
レギウスオオツヤクワガタ。
オオツヤクワガタとは呼ばれていても、ツヤクワガタ種の仲間ではありません。
身体がピカピカとツヤがあるのでそう呼ばれているのでしょう。近種にはタランドゥスオオツヤクワガタがいます。
通常レギウスやタランドゥスを産卵させる時は、材は一般的な材ではなく、特殊材であるレイシ材やカワラ材を使用します。
しかし、レイシ材やカワラ材はなかなか入手も難しく、かくいう弊社でも販売をしておりません。
しかし、その材が無くても、カワラ系菌糸にならも産んでくれるというありがたい性質も持ち合わせています。
いわゆる菌床産卵(菌糸ビン産卵)です!
今回の産卵では、弊社でも販売しているしているカワラ菌糸ボトル「ナチュラ:N-1100」を使用して産卵セットを組んでみました。
今回はその時の様子をご紹介します。
<産卵セット方法>
【産卵に使用する菌糸】
ナチュラ:N-1100
【産卵に使用するオススメマット】
きのこマット、くわマット、完熟マット
※基本的に菌糸ボトルに産ませるので、特にはありませんが、万が一幼虫がボトルよりこぼれ落ちた時の為に発酵マットを用意しておくのが良いでしょう。
【産卵に使用するケース】
クリーンケースL
【産卵管理温度】
27℃前後
【セット方法】
ケース底面を深さ2割程度マットを敷き、そこに菌糸ボトルのフタを外した状態で横倒しにする。
画像で紹介すると、こんな感じになります。
(※画像の様子は割り出し直前の様子です)
カワラ菌糸ビン:ナチュラ(N-1100)をフタを外した状態でマットに横倒しにします。その際、菌糸ビンの穴がマットと接するようにして置くと、親♀がスムーズに入りやすくなりますのでお勧めです。
またレギウスを産卵させる場合、あくまで私のやり方ですが、管理温度は少し高め(27℃前後)に設定するようにしています。過去に何度がセットを試しましたが、この温度帯が一番安定して産卵してくれましたので、今はこの温度帯に合わせるようにしています。
このようなセット方法をして約1ヶ月半程放置。
ナチュラ菌糸ボトルの様子を見てみると、
ボトルには♀が入り込んだ形跡が見えます!
よーくボトルを見てみると、
マット状になっている箇所に、3頭の幼虫(赤○箇所)が見えます!
菌糸の箇所にも一頭!
こちらにも一頭!
こちらにも、もう一頭!!
沢山の幼虫を確認出来ました!!
どうやら産卵は成功したようです!!
一本のボトルでこれだけ幼虫を確認出来れば、親♀はもう産む場所が無いと判断するかもしれませんので、菌糸ボトルを交換することにします。
取り出した菌糸ボトル:ナチュラ
そしていよいよ、菌糸ボトルの中の幼虫の割り出しです!
菌糸ボトルの中の幼虫を取り出す方法ですが、勿論このまま慎重に菌糸ボトルをスプーンか何かで堀り下げていって回収しても良いとは思いますが、その際慎重にやらなければ幼虫をスプーンで潰してしまう可能性があります。
あくまで私のやり方ですが、私の場合、菌糸ボトルの肩口より下の部分にナイフで切り込みを入れ、ボトルごと切断します。
※ナイフで切断する際もその切断箇所に幼虫がいない事を確認しましょう※
こんな感じです。
こうすればボトルの肩口の狭い部分に邪魔されずに幼虫を回収しやすくなります。
少しずつ掘っていくと、幼虫が見えて来ました!
ここにも!!
元気なレギウスの幼虫です!
結果は、
幼虫 8頭!
結果、カワラボトル:ナチュラ1本から8頭の幼虫が出て来ました。
取り出した幼虫はナチュラブロックを崩して作ったプリンカップ(90cc)菌糸に入れてとりあえず管理。
如何でしたでしょうか?
約1ヶ月半の産卵セット。
カワラ菌糸ビン:ナチュラ1本で8頭の幼虫が取れました!
カワラ材やレイシ材ではなく、菌糸ビン産卵でも十分産んでくれることが分かりました!
これなら産卵セッティングもお手軽に出来ます。
まだ2本目のナチュラもセットしましたし、親♀もまだまだ元気ですので、更なる産卵を期待しましょう!
※ここでご紹介させて頂いた考え方や飼育方法はあくまで私Shiho個人のやり方&考え方であってそれを押し付けるものでは御座いません。あくまでもご参考程度にご覧頂ければ幸いです。よろしくお願い申し上げます。
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2017年4月13日
カテゴリー
使用したアイテム
Basicプロテインゼリー(昆虫ゼリー), Naturaシリーズ(菌糸ビン・菌床ブロック), きのこMat(昆虫マット・発酵マット), くわMat(昆虫マット・発酵マット), 完熟Mat(昆虫マット・発酵マット), 飼育ケース
質問させていただきます。
カワラ菌糸瓶を用いてタランドゥス の産卵セットを組み、無事に潜ってくれたようです。
初めてなこともあり、卵の扱いも不慣れなので幼虫で取り出そうと考えていますが、
大体どの程度の期間経ってから雌を取り出せばよろしいでしょうか。
また、産卵には27度くらいの高めの温度が良いとは聞いておりますが、カワラの劣化的には低めの温度の方が良いかと思いますが、カワラ菌糸瓶が入ったケースの管理はどのようにするのがよろしいでしょうか。
もしよろしければアドバイスいただければ幸いです。
Comment by Leek — 2020年7月20日 @ 4:13 PM
Leek さん
レスありがとうございます。
♀は一通り産卵が終えた後や、栄養補給の為に産卵菌糸から出てくることがあります。
私の場合は、そのタイミングに引き離すことをよくしますが、あくまで期間的な目安となると、約1か月~1か月半程度くらいではないでしょうか。
あまり早期に♀を取り出すと、折角産卵モードに入っているのに途中で産卵を止めさせ産卵スイッチが途切れてしまう可能性がありますのでご注意をされた方が良いかと思います。
カワラ菌糸瓶が入ったケースの管理とは、産卵セットをしていたケースのことでしょうか?
産卵セットを組んだものだとすれば、温度管理はそのままで行った方が良いと思います。
確かに菌糸の劣化等には低温の方が良いですが、低温で管理すると、卵の孵化や幼虫の発育にも影響が出てくると思います。
未使用のカワラ菌糸瓶の保管ことをおっしゃっているなら、こちらは使用するまでは低温管理、冷蔵庫などで管理された方が劣化の進行が抑えられると思います。
ただしこれは弊社のカワラ菌糸使用の際に基づく考え方ですので、他のメーカー様のカワラ菌糸をご使用の場合は、その中身も成分比なども異なる場合がありますので、劣化速度、管理温度などは当てはまらない場合もございますのでご注意下さいませ。
あくまで私個人の考え方ですので、ご参考程度にして頂ければ幸いです。
宜しくお願い致します。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2020年7月21日 @ 2:53 AM