クワガタ、カブトムシの冬場の温度管理方法 Ⅰ【発砲スチロールで作る簡易温室作成】【2018年度版】
毎年恒例!冬場の温度管理方法。
Shiho自作の簡易発泡スチロールによる簡易温室の紹介です。
あらかじめ御了承を得たいのですが、この記事は秋口になると毎年紹介しております。それゆえに何度もお目にかかられた方も多いと思います。
ですが、今年から始められたクワカブ初心者の皆様や当日記を初めて御覧になられている方達の為に少しでもお役に立ちたいと思い、しつこいながらも今年も紹介させて頂きたいと思います。
一部追記事項もありますが、大体の内容は例年と同じ重複しております。御理解&御了承の程よろしくお願い致します。
10月に入って日々だんだんと寒くなってきました。日中はまだまだ暑い日もありますが、 朝夕はめっきり涼しくなりました。外国産のクワカブにとっては日本の冬は寒さの厳しい時期です。
日本の虫は、元々この日本の四季のある環境に順応しており、氷点下になる冬でも乗り越えられる能力を持っています。
ですが、外国産の虫についてはこの能力は持ち合わせておらず(一部例外もあります)、日本の虫と同じように常温飼育をしてしまっては、 かなり動きが悪くなり、場合によっては死亡してしまいます。
それではどうすれば良いのか?
答えは温度管理をしてあげれば良いのです。
簡単に答えてしまいましたが、この温度管理、結構大変で苦労している方も多いと思います。
温度管理方法で一番先に思いつくのは、
【エアコンでの管理方法】
大量に虫を飼育されている方等は、一部屋ごと空調(エアコン)による温度管理をされている方が多いようです。
しかしコストが割高になる、家族の理解など、なかなか問題があり、そうそう容易に実行出来るものではありません。
少量を飼育されている方、 電気代を考えて一部屋エアコンを常時つけられない方も多数いらっしゃると思います。
そんな時は「簡易温室」を作ってみるという手があります。
簡易温室には、ガラス温室を利用した立派なものもあれば、メタルラックにビニールをかぶせたもの、 ダンボールや発泡スチロールを工夫して作ったもの等、工夫次第で色々手作りする事が可能です。
今回はその中でも、少量飼育の方の場合を想定して、発泡スチロールでつくった簡単な温室をご紹介してみたいと思います。
【発泡スチロールで作る小型簡易温室】
同じ大きさの発泡スチロールを3個用意します。
3個の発泡の内、2個を底面をカッターでくり抜き、キャンプ等で使用するバーベキュー用の金網をおきます。
残り一つは一番底面になるのでそのままですが、温度源となるものを置きますので、コードの穴を開けます。 今回は電気あんかを温源に使用しました。
電気あんかの下には少しでも熱を上に上げる為に、アルミ箔シートを下に敷き詰めました。
コードの穴の隙間部分は切り取った発泡スチロール部分を少し小さくして再度はめ直すとよいでしょう。
3つそろって下のような感じです。
後は重ねて、2つの段の上に飼育する虫を置くだけです。
この温室は小さいので多数の数は置けません。
また温源も電気あんかと比較的弱めの温源であるため、外気温が凄く寒い場合には、中が低くなる場合もあります。
置く場所などを選んで、 適温になるように調整しましょう。
<理想の温度帯>
温室が完成しましたら、必ず温度テストをするようにしましょう。どこにお住まいか、またどんな場所に置くかでも温度はかなり違ってくると思われます。
ご自分の育てる場所で、どれくらいの温度をキープ出来るかを認識しておくことは重要です。
冬場でもクワガタ、カブトムシを活発に活動させるには、
15~28℃
大きく言うと、この温度帯をキープが必要かと思います。
※飼育する虫の種類によっては活発な活動温度帯は異なります。それぞれの飼育種に合わせて更に細かく調整するなどの工夫も必要かと思います※
テスト実験してキープ温度がもう少し低いならば
・もう少し暖かい部屋に移動させる
・外側にアルミシートなどをかぶせる
・加温器を少しグレードアップさせる
・発泡スチロールの容量を少し狭くする
等の対処をして、ご自分のお住まいに合った調整法を考える必要があると思います。
<温度確認方法>
中に温度計を1つ入れて確認すると良いと思います。
弊社でも販売している「室内室外温度計」ならば、先端のセンサーの部分だけを小さな穴を開けて差し入れておけば外側からでもすぐに内部の温度が分かるので便利です。
また昔小学校の頃位に実験などでよく使っていた30cm位の長い温度計などでも発泡スチロールの上面から突き刺しておけば、外側からでも確認出来るので便利だと思います。
<通気確保>
また空気確保の為、発泡スチロール上面に小さな穴を2つ位開けておくと良いと思います。
元々そこまで保温能力は高くないので、大きめの穴は避けた方が良いでしょう。
この様な感じで小型のものならば結構簡単に作れます。
飼育の数に合わせて土台を選び、それにあった温源を選択するとよいでしょう。
温度が高く上がりすぎるような温源(小型電気ヒーター)等は、 コンセントとの間にサーモを接続して温度設定をしてあげれば、 一定の温度を保つ事も可能かと思います。
また、より広く、ちょっと本格的なものを作りたいならば、例を挙げるならば下記の画像のような園芸用の温室等を使用すればより簡単に簡易温室が作れます。
一番下の棚に温源となるものを入れて後は密閉するだけ・・・。
温源とサーモを接続してコンセントに差し込めれば、容易に温度管理が可能です。
また内部に小型ファンを入れれば空気も循環して全体的にムラなく温度管理が出来るでしょう。
ご紹介したのはあくまで簡易温室ですが、以外となかなか役に立つものです。
しかし上記でも書きましたが、皆様の住んでいる地域地域によっては能力に差が出てくることもあります。
例えば北海道で使用するのと九州、沖縄で使用するのとでは全然違ってきます。
それぞれの管理する場所にあった温室作りが大事だと考えます。
しっかりと温度対策をして厳しい冬を頑張って乗り切りつつ、クワカブライフを楽しみましょう。
※この方法はあくまで私自身のやり方です。 人それぞれによって考え方や方法等は異なると思います。あくまで参考例として見ていただければ幸いです。
7 Comments »
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ありがとうございます。
とても助かりました。
Comment by ヒラタクワガタ — 2018年10月8日 @ 1:21 PM
ちょっと記事内容と異なるのですが、飼育ケースの大きさに関して質問させてください。
この発泡スチロールを使用した保温を行うにあたって、飼育ケースを小さくしたいと思っています。(夏であれ冬であれ、飼育ケースが小さいほうが管理しやすいので。)
今回相談させていただく種は、パラワンオオヒラタ(ブルックスポイント産、♂101mm, ♀52mm)とアンタエウスオオクワガタ(コタン産、♂88mm, ♀53mm)です。
パラワンも今は17度のワインセラーにいます
今現在は、
パラワン♂・アンテ♂:デジケースHR-2G(幅235mm×奥行155mm×高さ165mm)
パラワン♀・アンテ♀:デジケースHR-1G(幅180mm×奥行125mm×高さ155mm)
という感じで1頭1ケース(合計4ケース)で管理しています。
これを、
HR-2Gにセパレータを入れて、1ケースで♂・♀2頭管理できないか相談させていただきたいです。
具体的には、
パラワン♂・アンテ♂の空間:幅135mm×奥行135mm×高さ165mm
パラワン♀・アンテ♀の空間:幅75mm×奥行135mm×高さ165mm
になります。
これだとさすがに狭いですかね??
Comment by たん — 2020年1月14日 @ 11:41 PM
補足すると、セパレート前後でデジケースHR-2Gの奥行が155mmと135mmで異なっているのは、
155mm:デジケース自体の大きさ(プラスチックの厚みを含む)
135mm:デジケースの内のり(クワガタが利用できる実空間)
です。
表記が統一されていなくてすみません。
Comment by たん — 2020年1月14日 @ 11:46 PM
たんさん
レスありがとうございます。
あくまで私の考え方ですが、その大きさならば問題ないのではないかと思います。
私もスペース確保の為、羽化した成虫は特別な鑑賞用でもない限り、羽化したボトルにそのまま入れておきます。
おそらくその個体のサイズならば、パラワン、アンテ共にはP1400ボトル程度の容器に入れておくと思います。
参考までにですがP1400ボトルの底面の直径は約12㎝程です。
元々は広い野外で生活しているので、空間が小さいとストレスが溜まるという方もいらっしゃいますが、私は今までにこのクラスの大きさで何も問題なく管理出来てきました。
人それぞれ意見は違うとは思いますが、私はその大きさであれば成虫管理には大丈夫なのではないかと思います。
あくまでご参考程度にして頂ければ幸いです。
宜しくお願い申し上げます。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2020年1月15日 @ 9:24 AM
ありがとうございます。
追加で4つ質問させてください。
①飼育ケースの広さは、成虫の寿命に影響しますか?具体的には、デジケース2個を1個にまとめることで飼育スペースが小さくなりますが、これにより成虫の寿命が半年以上縮むことはありませんか?Shihoさんのお考え・実体験(寿命が明らかに縮んだという経験はないなど)をお聞かせください。
②飼育ケースが小さいと符節が取れやすいというのは本当でしょうか。止まり木を入れておけば大丈夫ですかね?(一方で、飼育ケースが大きいと動き回るから符節が取れやすい、という真逆の意見も聞いたことがあります)
③同じ大きさのクワガタでも種類によって飼育ケースの大きさを変えていますか?例えば、アンタエウスオオクワガタは臆病でおとなしいため小さいケース、逆に気性の荒いパラワンはちょっと大きめのケースみたいな感じです。
④仮に110mmのギネス級パラワン♂を飼育するとします。この大きさでもデジケースをセパレータで区切った空間(幅135mm×奥行135mm×高さ165mm)で足りると思いますか?
長文失礼いたしました。
Comment by たん — 2020年1月15日 @ 11:06 PM
たんさん
レスありがとうございます。
①:どんなに元気な個体であっても突然死することもあります。
前日まで後食をバリバリしていた個体が次の日に死亡してたってことも何度も経験しました。
ただこれが飼育ケースに影響下における短命なものなかどうかは分かりません。
同じケースで管理していても2年近く(ヘラクレス例)生きたこともあります。
寿命の長さについては生き物である限り、どこでどうなるかは分からないのが正直な考えです。
②:フセツが取れやすい。それはあると思います。
スペースが狭いとどうしてもストレスなどを感じてしまうと思いますので、頻繁に壁にぶつかったり、狭い隙間に爪をひっかけたりしながら動き回ると思います。
③:あくまで私のやり方ですが、気性の荒さというよりも体長で考えて大きさは選択しています。
④:体長的にはサイズは足りているように見えても、ギリギリの大きさですと、ゼリーが後ろに言った場合、反転などの行動がやりずらくなるかもしれません。
どうしても気になるのでしたら、行動時期によってスペースを変えてみては如何ですか?
後食前などのあまり動かない時期は、小さめのケース、熟成がしっかりしてきて、活発に行動してきたら少し広めのスペースのケースで、とか。。
以上が私の考え方です。
あくまで私の考えですが、本当はスペースは広いことに越したことはないと思います。
元々広大な森に生息している生物ですからね。。
しかし、どうしてもそれが不可能ならば、現時点で可能な限りの大きさのケースで管理するしかないかと。。。
それか思い切って、大きめの温室自体を用意させてあげた方が良いかもしれません。
なかなか難しいですが、ご参考までにして頂ければ幸いです。
宜しくお願いい申し上げます。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2020年1月16日 @ 10:41 AM
そうですね。
冬の間はデジケースHR-2Gでまとめて、春にはまた別々のケースで飼育しようと思います。
ありがとうございました。
Comment by たん — 2020年1月16日 @ 11:57 PM