野外採集の方法(本土ノコギリクワガタ):Shiho流
野外採集の方法シリーズ。今回は本土産ノコギリクワガタの採集方法をご紹介します。
【飼育種】
和名:国産ノコギリクワガタ
学名:Prosopocoilus inclinatus
あくまで私の採集方法になりますが、どのようにして採集出来るのか、紹介してみたいと思います。(※あくまで私の採集方法ですので、人それぞれによって異なります事を、あらかじめ御了承下さいませ)
【採集時期】
5月下旬~9月下旬、ベストシーズンは6月上旬~7月中旬。
【採集場所】
平地に近い所に多い、ただ高所でも生息、近くに川(水辺) が流れているような場所が好ましい
【採集される木】
代表例:クヌギ、ニレなど(※地域によって変わると思います)
【ノコギリのいそうな場所】
ノコギリの場合、ミヤマ同様に木の枝に掴まっている事が多いです。昼間は日差しを避ける為、葉の影などに潜んでいるようです。木の太さは細くても太くても、どちらもいるようです。すっごく細い背丈位の木でもいることがあります。
【採集方法】
ルッキング(目で見て採る)採集、蹴り採集(木を蹴って落とす)
灯火採集(光に集まってきたのを採る)があります。
私の場合、ほとんどが蹴り採集です。一発目の蹴りは結構重要です。最初の蹴りでノコギリがビックリして足を縮めて落ちてきます。2回目以降の蹴りでは、今度は逆に落ちまいとしがみつくのでなかなか落ちにくくなります。大型の場合、一度しがみついたらなかなかおちないのでご注意を。
後、ノコギリは灯火採集でも良く取れます。
クワガタの中では一番飛翔性が高いように思われます。昔はかなりの数のノコギリを灯火で捕獲した事があります。
【採集する時間帯】
基本的には早朝~午前中が私的にはベスト。蹴り採集時には落ちてくる場所が見えることが必須条件。暗くなると厳しくなる。後は、夕方~夜間。こちらは灯火採集に向きます。ただ超大型の飛来はまれ。♀が多いです。
【採集道具】
私はノコギリを採る時は一応以下のものを使用してます。ノコギリとミヤマは同じ道具ですね。
上記網は私の手作り。4~5mの釣竿の先に幅15cm位のエビ取り用網をつけたもの。小さなエビ取り網の方が、 枝が分かれている間にいた時などの隙間に入り込みやすいので便利。ルッキング採集の場合には必需品。
【その他の採集のポイント】
風が強い日は採集が難しいです。強い風が吹くとノコギリは木にしっかりとしがみつくので木を蹴ってもなかなか落ちてきません。後、雨が降っている時&降った直後も難しいです。理由は木を蹴っても葉や枝に残っている雨粒が無数に落ちてきて、どれがクワガタかどうか判断がしずらい時があります。
上記が私がノコギリを採集するときに注意して行う事項です。ちなみに昨年の本土ノコギリ採集最大個体は♂74mmでした。このサイズはなかなか捕獲できないほどのサイズ。今年もこれに匹敵するサイズを捕獲してみたいものです。さぁ、皆さんも今年はノコギリを捕まえてみましょう!!(^^)
※この方法はあくまで私自身のやり方です。人それぞれによって採集方法や採集条件などは異なると思います。あくまで参考として見ていただければ幸いです。(^^)
※採集はマナーが大事です。採集する場所が私有地の場合は、 無断では入らないようにしましょう。必ず持ち主さんに断りを入れるのは必須です。あと、虫が木の穴の中に入って採れないからと言って、木を切ったり、傷つけたりするのも好ましいとは言えません、自然にやさしく、モラルを守って採集を楽しみましょう。(^^)
6 Comments »
RSS feed for comments on this post. TrackBack URL
はじめまして。
Youtubeを良く拝見させて頂き参考にさせてもらってます。
自分は特にノコギリクワガタが好きで地元の千葉市で採集してますが、2つ質問があります。
1 自分も蹴り採集をやるのですが、蹴っても微動だにしない太い樹はどうやって振動させてクワガタを取りますか? ネットで道具を使わずに出来る方法があると見たことがあるのですが、、
2 採集したことのあるノコの最大は64mmです。なんとか70台を千葉で取りたいと考えているのですが、大型の個体が取れるポイントの条件は何でしょうか?
時間がある時で構わないので、ご教授ください。
147
Comment by スヌーカー147 — 2018年7月29日 @ 2:44 PM
スヌーカー147 さん
レスありがとうございます。
大きな大木の場合、勿論ビクともしませんが、それでも蹴り等の振動を与える事で、クワガタはその小さな振動にも反応して落ちてくることがありますので、私の場合はどんなに大きくてもとりあえずは叩く、蹴るなどは行っております。
勿論、それでも落ちて来ない事はあります。
特に風の強い時などは既に木にしっかりと掴まっている可能性が高いのでなかなか落ちて来ません。
クワガタがいる場所を目視確認出来ていれば長い網などで落とす方法もありますが、それもお持ちでない場合はその時は諦めざる負えない場合も出てくると考えます。
大型採集個体のポイントですが、あくまで、あくまで私独自の考え方なのですが、やはり採集地(ポイント)によって大きさの傾向はあると考えます。
私がいる宮崎は比較的大型の個体に出逢う可能性が高い地域だと思いますが、群馬県(これもあくまで群馬で私が通うフィールド範囲内でのこと)では大型はぽつぽつ採れるものの数的にも平均サイズもそこまで大きくはありません。
そのクワガタが育つ環境等に左右される可能性もないとは言えないと思います。
なので、通われるフィールドであまり大型が採れない場合は、思い切って採集地(ポイント)を変えてみるのも手かもしれません。
新しいポイントを見つけることは容易なことではありませんが、誰も知らない新ポイントを発見した時に、もしかしたら素晴らしい出会いがあるかもしれません。
ちなみに小さい木だからと言って超大物がいないとは限りません。
私が通うポイントではそこまで大きくない木からでも大物が採れることが良くあります。
あくまで私独自の考え方なので、ご参考程度に聞いて頂ければ幸いです。
コメントありがとうございました。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2018年7月30日 @ 12:28 AM
Shiho様
早速の丁寧なご回答、ありがとうございます。
1 蹴りについてですが、大木の場合 私の経験では落ちてきた事がありません。
蹴りかたについて何か気をつけている事はありますか? 例えばリズム、力のいれ具合等。
2 マットによっても大きさが変わってくるので、やはりその土地の環境に左右されるということですね。
ところで離島のノコギリは結構大きいですが、土地の違いの他に何か本土との違いはありませんか?
3 最近カブトムシのおかげでノコに出会えてません。
よくカブトムシが終わらないとノコは出てこないと聞きますが、本当ですか?
ノコギリも生きているでしょうから、クヌギ以外の別の樹についているのではないでしょうか?
またまた質問ですみませんが、宜しくお願いします。
スヌーカー147
PS 新規開拓してますが、なかなか良いポイントには出会えてません。。
Comment by スヌーカー147 — 2018年8月2日 @ 8:04 AM
スヌーカー147さん
レスありがとうございます。
1:大木の場合、勿論振動は伝わりにくいと思いますが、それでもイチかバチかで蹴ってみる事をお勧めします。
2:確実な事は分かりませんが、気温、湿度も違ってくると思います。
しかし勿論それだけとは言えないと思います。
やはりその地に昔から受け継がれてきた独自のDNAがあるのではないでしょうか?
3:あくまで私の認識ですが、基本、クワガタはカブトムシが発生する前に発生する傾向が強いです。
理由はカブトムシが出て来てからではエサの奪い合いに負けてしまうからです。
なのでクワガタは5/下旬~7/中旬の位に主に発生し、カブトムシは基本的には7/上旬位から発生する傾向が強いです。
しかし7月中旬以降は全然発生しないというわけではありません。
あくまで傾向ですので、クワガタも8月になっても発生する個体もあると思います。
実際、私が通うフィールドでは8月になっても普通にクワガタを見かけます。
その辺りは地域性の問題もあると考えます。
地域それぞれのの気候や湿度などによって発生の時期は多少誤差があるのではないかと考えます。
私の通うフィールドでは九州の宮崎なので、例年10月位まで虫達を見かけることが出来ます。
あくまで私の通うフィールドで、私が感じている傾向ですが、
・5~7/前半:クワガタ
・7/中旬~8/下旬:カブトムシ、クワガタ
・9/上旬~10/中旬:クワガタ
このような感じで見かけることが出来ます。
結論から言うと、確かにクワガタの発生のピークはもしかしたら過ぎた感があるかもしれません。今はカブトの発生のピークだと思いますので。
でもだからといって完全にクワガタがいなくなっているという訳でないと思います。
おっしゃるように、戦いを避けメインの樹液木をさけて別の新たな天敵がいない場所に移動している可能性もあると考えます。
根気よく探してみれば意外な所にクワガタ達が潜んでいるかもしれませんよ。
ご検討お祈り申し上げます。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2018年8月2日 @ 9:39 AM
Shiho様
引き続き貴重なご回答、ありがとうございます。
早速本日早朝出撃して、カブトムシもいましたが多少ノコも取れました。
1のアドバイス通りダメモトで蹴りまくったところ以外な樹から落ちてきました。ただ落ちても見失ったのも結構ありました。
3は重いカブトムシは樹の低いところや根元を陣取り、ノコギリは追いやられて高いところに住み分けているので人間からはいないように見える事になるのではと考えてます。
ポイントの新規開拓は引き続き取り組んでいきます。
それでは、失礼します。
147
Comment by スヌーカー147 — 2018年8月3日 @ 8:04 AM
スヌーカー147さん
レスありがとうございます。
採集意欲、探求心が凄いですね!素晴らしいです^^
沢山採れると良いですね。
またの朗報お待ちしております。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2018年8月3日 @ 11:24 AM