本土産カブトムシの飼育(幼虫飼育&産卵方法)について
先日本土産カブトムシの野外採集についてご紹介しました。
本日はそのカブトムシの幼虫飼育&産卵方法について書いてみたいと思います。

【参考画像:国産カブトムシ♂】
【飼育種】
和名:カブトムシ
学名:Trypoxylus dichotomus
皆さんごぞんじの本土産カブトムシです。
飼育は成虫飼育、幼虫飼育、産卵、全てにおいてとても容易な種です。まさに初心者向けといえます。
マットは何でもOK。
とてもえさ食いが激しいので、エサを切らさないようにしましょう。
お勧めは「きのこマット」。
単独飼育の方が多頭飼育よりもより大型になる傾向があります。
また温度管理(通年25℃管理位)があると、野外天然ものよりも早めに羽化してきます。日本の虫ですので、常温飼育でも大丈夫です。
当園でしいくした過去データがありますので、ちょっとご紹介します。
【羽化体長】♂74mm
【使用したエサ】完熟Mat
【使用した容器】 1100PPボトル
【えさ交換回数】途中2回
【設定管理温度】25℃前後
【羽化までにかかった時間】10/11~6月上旬
羽化後の取り出しの様子をちょっと順を追ってみてみましょう。
まず幼虫を入れた1100PPボトルです。
マットは完熟Mat
を使用しています。
少しずつ掘り起こしていくと・・・出ました蛹室!
中に居るのは♂個体のようです。
こっちは別の個体。最初のブラックタイプと違い、レッドタイプでした
【産卵】
お勧めは「完熟マットもしくは黒土マット」です。
国産のカブトムシはばら撒き産卵しますので、ヘラクレスのセット等のようにマットをそれほど固く敷き詰めなくても大丈夫です。 管理温度は25~28℃位がベストです。
こちらも産卵セット時の様子があるのでご紹介します。
【産卵に使用したマット】黒土マット
【セット期間】開始~約1ヶ月~1ヶ月半
【産卵に使用するケース】クリーンケースLサイズ(W375×D220×H280)
【産卵管理温度】23~25℃(幼虫飼育と同等温度)
【水分量(湿度)】多からず少なからず
【セット方法】ケース底面を固くつめ(ケースの2/5位、上部2/5はフンワリと敷き詰めます)
本土産カブトばら撒き産卵が多い為、マットを固く詰める部分も少なくてよいです。
このようなかんじでセットを組みます。
如何でしたでしょうか?
採集も飼育も容易に出来る本土産カブト。今年は是非挑戦してみては如何でしょうか?(^^)
5 Comments »
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質問させてください! 国産カブトムシを温室で、飼育していて、今月、蛹になったのですが、やや体が黒くなって、角の辺りからカビのようなものが出来てしまったのですが、考えられる原因はなんですか?このカブトムシは、もうだめでしょうか?
Comment by 寛明 — 2013年5月4日 @ 8:05 AM
寛明さん レスありがとうございます。 温室で飼育しているならば、羽化が始まっていたとしてもおかしくないとは思います。体が黒いのはもしかすると、蛹の中で体が出来はじめている羽化前の状態、もしくは残念ながら死亡してしてしまっている状態が考えかれるかと思います。カビについては私もちょっと詳しくは分かりませんが、生きているならば、少し揺らしてみれば蛹が動くはずです。そこの辺りで見てみてはどうでしょう?ご参考までに・・・。
Comment by shiho — 2013年5月4日 @ 9:59 AM
ありがとうございます!!
Comment by 寛明 — 2013年5月7日 @ 8:25 AM
はじめまして。私は山中湖で現在、7匹の終齢幼虫を飼育中です。冬場は全員一緒に衣裳ケースで冬越ししました。四月の終わり、薄手の丸いプラスチックケースにマットを入れ、霧吹きで湿度を与えてから一匹ずつ入れておいたところ、数日後に見ると数匹がマットの上で横になった状態になっていました。死んでしまったのかとふたを開け、そっと持ち上げて少しマットを掘っておいておきましたら、暫くして自分でマットの中に潜っていきホットしました。でも、どの幼虫も上半身は白いものの体の中央から下の部分が黒いのが気になります。それに、幼虫がマットの上で横に丸まっていたのは、、、?調べると色々理由があるようですが、穴をあけた容器のふたとマットの隙間が少ないために、酸欠になっていたのか・・・。この大きさになったら、もう餌はあまり食べなくても心配いりませんか?蛹になるまではガツガツ食べ続けるのでしょうか?最近は食べている様子がありません。ふたには空気穴を複数あけてあります。霧吹きも数日単位でしていますが、朝晩の気温は3度くらいまで下がります。長々すみません。
Comment by 伊藤美加 — 2017年5月9日 @ 3:39 PM
伊藤美加 さん レスありがとうございます。 飼育日記担当のShihoと申します。初めまして。 ご質問の件ですが、お話の内容から考えると、幼虫がマットの上で丸まっていたのは、おっしゃるとおり「酸欠」に陥っていた可能性が高いと思います。 ただ幼虫の上半身は白くて下半身が黒いっていうのはちょっと気になりますね。 あまりそういう状態なのは見たことはないので、正確には何とも言えませんが、通常蛹化が近づくと、全体的に黄色味を帯びた色合いになってきます。 こうなってくるともうあまりエサを食べる量は少なくなり、蛹になる準備を始めます。 時期的にも国産カブトであるのであれば、逆算しても、もうそろそろ蛹化の段階に入ってもおかしくはないと考えます。 また霧吹きはマットの水分量がある程度に保たれているならばそんなにする必要はないと思います。私なんか、最初に調整して、その後1~2度あるかないか位です。 実際に容器の様子などが分からないので何とも言えませんが、一度酸欠にかかっているのであれば、もう少し空気穴を増やしてみるのも良いかもしれません。 ご参考にして頂ければ幸いです。 ご質問ありがとうございました。 飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2017年5月9日 @ 7:12 PM