国産ノコギリクワガタを産卵させてみよう!【夏につかまえた虫を産卵させる:②】
【夏につかまえた虫を産卵させる】シリーズの第2回目。
今回は「国産ノコギリクワガタ」の産卵セットの方法をご紹介して見たいと思います。
※この記事は昨年もほぼ同じ内容で掲載させて頂いております。今年より産卵を初めてする方も多くいらっしゃいますので改めて掲載させて頂きました。記事内容&画像が重複しますことをご了承下さいませ※
※ノコギリクワガタには沢山の亜種:アマミノコギリやトカラノコギリ等:がありますが、産卵方法に関しましては全て今回ご紹介するセット方法で産卵が可能です※
【飼育種】
和名:ノコギリクワガタ
学名:Prosopocoilus inclinatus
ノコギリクワガタの場合、2つのセット方法があります。
①マットのみで産卵セットを行う方法
②材を使用して産卵セットを行う方法
産卵セッティングは人それぞれお好みがあるのでしょうから、両方のやり方をご紹介したいと思います。
<産卵セット時の方法>
※野外品♀を使用した産卵セットのご紹介です※
★マットのみで産卵セットを行う場合★
【累代】
天然ものWD♀を使用
【お勧めのマット】
くわマット、完熟マット
【お勧めの容器】
クリーンケースM~L程度
【水分量】
手で握って土団子が出来て、なおかつ水が染み出ない程度
【マットの詰め方】
ケース底面7割程度固く詰めて上部3センチはフンワリと。
【設定温度】
25~27℃前後
今回はつい最近セットを組んだばかりの様子の画像がありますので、それと共に合わせてご紹介して見たいと思います。
産卵セットに使用するケースの準備。
今回はクリーンケースを使用します。
親となるノコギリ♀を入れます。
頑張ってくれよ~。
★材を使用して産卵セットを組む場合★
【お勧めのマット】
くわマット、完熟マット
【お勧めの材】
コナラ、クヌギ、レイシ、カワラなど
【お勧めの容器】
クリーンケースM~L
【産卵管理温度】
25~27℃前後
【水分量(湿度)】
多からず少なからず
【セット方法】
ケース底面を固くつめ、材を入れ、その回りも固く詰める。
上部2~3cmほどは柔らかくマットを入れる。
少し材の頭が出るようにセット。
まずは使用する材を用意。
こちらはクヌギ材になります。
少し柔らかめの材がお勧めです。
材の皮は剥かない方もいらっしゃると思います。自然界では当然皮などは剥けていないので、より自然のままのセットをお好みの方はそのままセットするというやり方もありだと思います。
あくまで私のやり方ですが、私は材を水に浸す時、そこまで長い時間はかけません。
目安は水に浸している途中で材を取り出し、実際に持ってみて、重量的に十分に水分が含まれているかどうかをみて判断します。
実際に手に取って水分の染み込み具合を確認します。
これは感覚的なものなので、どれ位とご紹介するのはとても難しいです。
もし敢えて時間的に言うならば、早くて5分、長くても10分位といったところでしょうか。
これも私的にはあまり時間はかけません。
元々長く水に浸していませんので、陰干しもごくわずかの時間です。
敢えて時間的に言うならばやはり5~10分程度でしょうか。
次にマットを準備します。
今回は材に産ませるようにセッティングしますので、マットはある程度なんでも可能ですが、幼虫が材から出て来て、こぼれ落ちてしまった場合、マットでも食せるように敢えて発酵マットを使用します。
お勧めは、完熟マット、くわマットです。
材を入れます。今回は2本のクヌギ材です。
マット産みの傾向も強い種類では、材の横より下の隙間もマットを固く詰めると良い傾向があります。材に気に入らなればマットにも産んでくれますので・・・。
後は親♀を入れフタをします。
今回はコバエシャッターを使用してみました。
セット方法を図示すると以下の様な感じです。
(※図では2本の材は平行セットになっていますが、Tの字でセットでも構いません。)
産卵セッティングに関しては上記の2パターンの内のいずれかでセットを組めば大丈夫だと思います。
私の場合は主にマットのみの産卵で行っていました。
ただ他の人に聞いてみると材を入れた方が良いという方もいらっしゃいました。その場合、材は柔らかめの材を使用する事をお勧めします。
次に産卵セットを組んだ後、今度はいつその幼虫の割り出し作業を行ったら良いのかについてご紹介してみたいと思います。
<割り出し、幼虫取り出しの時期>
基本的にはケース側面や底面に幼虫が見え始めてからになります。
卵や幼虫が1~2頭見え始めたからといってで早期に割り出してしまうと、まだ産む気がある♀の産卵活動を一旦ストップさせてしまうことがあるのであまり好ましくありません。
上記画像は「マットのみの産卵」で産まれた幼虫達の画像ですが、上の数位見えてきたら、大成功!もう十分割り出しても大丈夫です。
あくまで私の場合になりますが、「マットのみの産卵セット」の場合、大体産卵セット開始して、約1ヶ月半~2ヶ月程度を目安に割り出すようにしています。
「材を使用したセットで産卵セットを組んだ場合」は、ケース側面などに幼虫が見えていれば、それを目安にすれば良いのですが、材に産卵していた場合は材に入り込んでしまっているので外側からは幼虫が確認出来ません。
その場合は2ヶ月ほどして一度材を掘り起こしてみ て下さい。材に産卵の形跡があればそのまま割り出しを行ってもよいと思います。
ただし飼育ケース内の環境が急激に悪化したり、ケース側面や底面にまったく卵や幼虫が見られなかったり、♀が全く潜る気配を見せずマット上面を徘徊ばかりしている時は話は別になります。
今回は野外ものの♀はほぼ交尾が終了していると言っても過言ではないので、♀の持ち腹を期待して、そのまま♀のみを産卵セットに入れるやり方をご紹介しました。
しかし、♀がなかなかマットに潜る行動をしなかったり、何回かセットしても全く産まない場合は、♂がいるならば再交尾をさせた方が良い場合もあると思います。そのあたりは状況を見て臨機応変に対応してあげて下さいませ。
下の画像は過去に行ったノコギリクワガタ産卵セット割り出し風景です。
いかがでしたでしょうか?
上記が私のノコギリクワガタの産卵セットの組み方です。
ノコギリクワガタの産卵セット時の管理温度は可能ならば25~27℃前後程度が望ましいので、少し気温が低くなってくる場合は温度対策などをして調整してあげて下さいませ。
是非一度産卵セットを組み、幼虫飼育を挑戦してみて下さいませ。(^^)
※この方法はあくまでも私:Shihoの産卵セットの組み方です。やり方は人それぞれですので、あくまでご参考程度にご覧頂けますと幸いです。m〈_ _)m※
7 Comments »
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こんばんは。
今年も国産ノコギリ惨敗。
昨春手にしたアマミノコは今年の9月まで活動。
材にもマットにも産卵があったものの孵化せず。
国産ノコギリはメスのみでマットへ。
10個ほど卵が確認できたのに、こちらも孵化せず組み直すもののメスは寿命。
卵がダニにかたられて…
国産は温度管理が余り要らないので、楽で飼育してますが中々の手強さです。
どうすれば孵化まで持ち込めますか?
Comment by やまたか — 2017年10月7日 @ 10:35 PM
やまたかさん
レスありがとうございます。
国産ノコギリ、本土ノコギリの卵孵化についてはある程度(25℃前後)の温度さえあれば孵化すると思いますが、それでもしない場合は、卵自体が無精卵だったか、あるいは卵自体に何か欠陥があったと考えるべきでしょうか?
全ての♀が産むわけでもありませんし、卵を産んだからと言って、卵が孵化しなかったことも多くあります。
決定的な理由は分かりませんが、持ち腹産卵で産ませたのならば、野外で♂とかかっていない無精卵の可能性が高かったのではないかと考えますが、あくまで推測です。ご参考程度に聞いて頂ければ幸いです。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2017年10月10日 @ 12:04 PM
ご回答ありがとうございます。
難しいですね。
来年こそはノコギリクワガタの孵化から羽化まで持ち込みたいです。
回答は参考にさせていただきます。
Comment by やまたか — 2017年10月12日 @ 12:34 AM
マットなのですが、くぬぎマットでも、大丈夫ですか?今日見てみたら、オスが、メイトガードしいて、一応、くぬぎ二本埋めてはいるのですが、ブリードするのが初めてで、心配なので聞いてみました。
Comment by yt.86 — 2020年8月18日 @ 1:10 AM
yt.86さん
レスありがとうございます。
確認なのですが、これはノコギリクワガタを産卵させるために使用しているマットが、「くぬぎマット」というものなのでしょうか?
また、「くぬぎマット」とは弊社のマットのどれかなのでしょうか?
もし仮に弊社のマットではない場合、そのマットの質や内容が全く情報がありませんので、回答は難しいかと思います。
その場合は、失礼ですが、ご購入されたところでお聞きすのが一番かと思います。
現時点では回答になっていないと思いますがご理解&ご了承下さいませ。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2020年8月18日 @ 8:47 AM
こんばんは。
伺いたいことがあり書き込みします。
国産ノコでキノコマット。
シホさんが前にキノコマットでも産卵します!と仰ってたのでそのまんま使用。
見え卵7。8月頭か7月末辺りに確認。
9月にアゴの形はないものの、幼虫の蛇腹は確認。
でも、孵化はまだしてません。
卵も透明感あり真ん丸です。
気温も20度切りました。
加温は出来ない常温なので、冷蔵庫の上に置いて温めるぐらいです。あとはヒヨコ電球。
暴いて幼虫確認か、冷蔵庫上かヒヨコ電球か迷ってます。
シホさんならどれを選びますか?
国産ノコの初の卵なので出来るなら孵化に持ち込みたいと考えてます。
宜しくお願いします!
Comment by やまたか — 2024年9月23日 @ 2:27 AM
やまたか様
コメントありがとうございます。
7/末時点で卵ならば孵化が少し遅いのが気になりますが、管理温度が下がって来ている状況が原因なのかもしれませんね。。
なるべく25℃位に近づけてあげることをお勧め致します。。
今後についてですが、私ならば、産卵に使用したきのこマットの状況が悪くなければ、そのまま孵化まで持って行くと思います。
でもダニや線虫、コバエなどの雑虫が多く発生している状況ならば、割り出すだろうと考えます。
あくまでも私個人の考え方ですのでご参考程度にして頂ければ幸いです。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2024年9月23日 @ 8:43 AM