スペクタビリスツヤクワガタの飼育【幼虫飼育&産卵方法】【Shiho的見解:2022年度版】
今回はツヤクワガタの一種、スペクタビリスツヤクワガタの飼育方法についてご紹介してみたいと思います。
【参考画像:スペクタビリスツヤクワガタ♂個体】
【飼育種】
和名:スペクタビリスツヤタクワガタ
学名:Odontolabis spectabilis
産地:スマトラ島
風貌のとても綺麗なスペクタビリスツヤクワガタ。
私の大好きなクワガタの一つでもあります。
産卵は個体によってバラツキがあり当たれば沢山産んでくれます。
幼虫飼育はマット飼育で育てております。
では、幼虫飼育方法からご紹介してみたいと思います。
★★幼虫飼育★★
【お勧めのエサ】
1令時:黒土マット、もしくは完熟マット
※産卵に使用したマットと同じマットで育てた方が無難です※
2~3令時:黒土マット、完熟マットをベースに、きのこマットを幼虫の食いを見ながら混ぜ加え、栄養価を高めていく。
【飼育する容器の大きさ】
1令時:800㏄PPボトル程度の容量
2~3令時:1400PPボトル程度の容量
【設定温度】
20~25℃前後
【羽化までにかかる大体の時間:20~25℃管理下】
♂:初令投入して約12~18ヶ月
♀:初令投入して12~16ヶ月
※管理温度&飼育エサの種類、また幼虫の大きさによって羽化までの時間帯は異なります。
幼虫飼育は 基本的にマット飼育です。
ツヤクワガタ種はよく熟したマットを好む傾向があります。
あくまで私のやり方ですが、1令時は黒土マットや黒土マットをベースにして与え、2~3令になってから栄養価の高いきのこマットを少しずつブレンド(混ぜて)して与えるやり方をしております。
きのこマットの方が栄養価の面では若干高いので2~3令の成長期に出来るだけ高栄養のものを与えたいのでそういう方法を取ることもあります。
但し幼虫個体によっては、エサを変えると食い渋る時がありますので、あくまで幼虫の様子を見ながら混ぜ与えてやると良いと思います。
栄養価の高いマットを与えることで、より大型のサイズを狙う目的です。
羽化サイズは特に気にしないという方は、ブレンドせずに産卵セットに使用したマットで最後まで羽化まで持って行っても構わないと思います。
エサの種類、幼虫の大きさ、管理温度により幼虫期間は大きく変わりますが、幼虫期間も比較的長くかかる傾向があるようです。
またツヤクワガタの幼虫は他の種でもそうですが、ちょっと変わったエサの食べ方をします。
ガラス瓶などの外から見える容器でマット飼育をしているとよく分かるのですが、容器の中間付近に空洞を作ってから居食いする傾向が見られます。
この空洞、結構大きく場合によってはマットが容器の中で上下に分かれているような状態になるときもあります。
その上下のマットに「くの字」に接するようなかんじで幼虫は居ずわりながらマットを食しているような様子です。
これはドルクスやノコ、ティタヌスなどではほとんど見られない様子なのでとても興味深いです。
管理自体はそう難しい種ではありませんので、エサ交換のタイミングと温度管理を気を付ければ無事に羽化させられると思います。
★★産卵方法★★
次に産卵方法についてご紹介したいと思います。
【お勧めのマット】
黒土マット、完熟マット
【お勧めの産卵ケース】
クリーンケースM~L程度
【水分量】
手でぎゅっと握って団子が出来て、なおかつ水が染み出ない程度
【マットの詰め方】
ケース底面5割程度固く詰めて上部5~8センチはフンワリと。
【設定温度】
23~25℃前後
セット方法を画像付きでご紹介します。
産卵セットに使用するケースの準備。
今回はクリーンケースを使用します。
クリーンケース使用の場合は間に新聞紙を挟んでセット完了
セット方法を図示するとこのような感じです。
産卵に関してですが、ツヤクワガタの♀は産む個体と産まない個体の当たりハズレが非常に大きいです。
産む時は60~70卵位産んだ時もありますが、産まない時は全くの0、もしくは産んでも1~2頭ということも珍しくはありません。
野外品個体の場合は、いかにして当たり♀をGETするかというのも成功の分かれ道となりそうです。
そして当たり♀に当たった場合は驚くほど沢山産んでくる場合もあります。
孵化率もそれほど悪くなく、順調に孵化してくれる感じがあります。
使用するマットで一番のお勧めは黒土マットですが、その後完熟マットで産卵させてデータを取った結果、そこまで悪くはありませんでしたので、黒土マットか完熟マットをお勧め致します。
また産卵セットのマットの詰め方ですが、ツヤクワガタ種は柔らかく詰めたマットの上部でもばら撒き産卵をする傾向もあります。
今回は私のやり方で、固く敷き詰めるタイプの様子をご紹介しましたが、そこまで固くマットを敷き詰めなくても大丈夫かもしれません。その辺りはお好みで試してみて頂けると幸いです。
如何でしたでしょうか?
今回はスペクタビリスツヤクワガタのご紹介をさせて頂きました。
飼育もツヤクワガタ種の中でも比較的容易な種なので挑戦し易いと思います。
とても綺麗で美しいクワガタですので、是非皆様も機会がございましたら一度挑戦してみては如何でしょうか?(^^)
※ この日記で紹介したやり方や考え方はあくまで私:Shiho個人の考え方によるもので、それを押し付けるものではございません。あくまでご参考程度にご覧頂ければ幸いです ※
※ この飼育日記では過去にも同じ種類について飼育方法をご紹介しておりますが、過去で取り上げたデータと新しく公開したデータとでは、エサの種類、管理温度、羽化までにかかる日数などに差異が見られる場合がございます。
これは飼育をやりながら、私個人のやり方や考え方が変化しているということですので、今現在での私のやり方や考え方を参考にして頂くならば、一番最新の日付のデータをご参考にして頂けますと幸いです。ご了承下さいませ m(_ _)m
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2022年4月1日
カテゴリー
使用したアイテム
Basicプロテインゼリー(昆虫ゼリー), きのこMat(昆虫マット・発酵マット), プリンカップ, 完熟Mat(昆虫マット・発酵マット), 飼育ケース, 黒土マット(昆虫マット・発酵マット)
お世話になります。
先日野外品を入手する機会があり、ハンドペアリングを試みたのですが、ケンカしてメスが挟まれてしまい危うく粉砕されるところだったのですが、まだ成熟してなくて成立しなかったのでしょうか?
それとも、ケンカをしてメスを黙らせてから交尾するものなのでしょうか?
Comment by がりお — 2022年4月12日 @ 11:41 PM
がりお様
レスありがとうございます。
交尾をしない(したがらない)理由はいくつか考えられます。
・既に野外で交尾を完了している為の♀の嫌がり
・♂と♀の相性が合わない
・交尾をする管理環境になっていない(管理温度&湿度等)
・♂と♀の交尾時期(発情時期)のズレ
私が考えるのは上記に挙げた理由です。
野外品なので、熟成の方はほぼ問題はないかと思われます。
♀が嫌がる理由の一つとして、その♀は既に野外で他の個体と交尾が完了しているのかもしれません。その場合なかなか交尾を受け入れ難くなる傾向もあります。
♂と♀の相性というものあります。
この場合は何度も仕切り直しを図って根気よくチャレンジするしかありません。。
後はハンドペアリングをする際の環境です。
ハンドペアリングをさせようとしている時、そこの温度は産卵温度(スペクタの場合だと23~25℃前後)と同じ位の温度下で行わないと、なかなか交尾をしてくれない場合もありますので、産卵管理温度と同等の温度帯でハンドペアリングをさせるのが最適だと考えます。
他には♂♀の両方、またはどちらか一方の個体が古い個体だと繁殖意欲が無くなってしまっている場合もあります。
飼育ものならば羽化時期が分かっていますので、ある程度の歳(経過年数)が分かりますが、野外品の場合は、判別が難しくなると考えます。
しかしどちらにせよ、野外品ということですし、交尾も嫌がっているのであれば、♀のみで産卵をさせてみては如何でしょうか?
野外で交尾済みな♀ならば、その♂との交尾無しでも産卵はしてくれると思いますので、その♂との交尾が難しければ、まずはこちらをお勧め致します。
産卵セット後、約1~1ヵ月半程経過しても産卵傾向が見られない場合には、もう一度♂と再交尾させる必要がありますが、まずは♀のみで産卵させてみても良いのではないかと思います。
あくまでも私個人の考え方ですのでご参考程度にして頂ければ幸いです。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2022年4月13日 @ 7:57 AM
承知致しました!参考にさせていただきます!
ところで、野外品の場合例えばラコダールツヤクワガタとのハイブリッドが生まれてしまう。とゆい事は考えられますでしょうか?
Comment by がりお — 2022年4月13日 @ 8:48 AM
がりお様
レスありがとうございます。
各々がフェロモンによって種別を判別すると聞きますので、滅多にはないと思いますが、生息地域が重なっていれば、近縁種ですので交雑個体が生まれてくるということも考えられなくも無いと思います。
あくまで推測ですのでご参考程度に聞いて頂ければ幸いです。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2022年4月13日 @ 9:19 AM
承知致しました!
丁寧な回答、ありがとうございました!
参考にさせていただきます!
Comment by がりお — 2022年4月13日 @ 9:42 AM