タランドゥスオオツヤクワガタの産卵について:質問レスより
先日の日記のレスにPuffinさんより以下の様な質問を受けました。
今回はタランドゥスの産卵に関する質問ですね。
貴園からの福袋に入っていたタランドゥスオオツヤクワガタ♀を先週末から産卵床に入れていたのですが、いつもガリガリ齧っていたので、産卵材を齧っているのかと思っていたら、驚愕の事実が。
なんと、新品の分厚い壁のコバエシャッター大ケースに大穴をあけていました。人力では歯でも爪でも傷一つ付けるのが困難なプラスチックの壁が完全に貫通されていましす。
さらに驚いたのは、穴から離れたところに移してみたら、1時間後にはまた穴のところに頭を突っ込んでいた事。そこで、転倒防止用の木材を1本当てて穴を塞 いで近寄れないようにしてからまた遠くに放したのですが、更に1時間後にはその木材も退けて再び穴のところに戻って来て頭を突っ込んでいました。
これって、地形を記憶している、という事?虫なので頭悪いかと思っていたのですが、その知能と忍耐強さには感服しました。穴の開いた産卵床には戻せないので、取り敢えずまた♂と同居させています。
産卵床投入から1週間しかたっていないのですが、もう産卵って終了したと考えて良いのでしょうか?産卵木(カワラ材)1本とカワラタケ菌床1個を入れてあるのですが、若干は齧ったらしき跡があります。
まだ時間不足、という事でしたら、穴を塞いでもう一度産卵床に投入するか、新たに別の産卵床を作成しようと思っています。ご教示頂ければ幸いです。
Puffin さん、いつもレスありがとうございます。飼育日記担当のShihoです。
タランドゥスの件ですが、そうですか、利口なんですねぇ~。よほどその穴にこだわる何かがあるのでしょうかね?
産卵投入よりまだ1週間しか経過していないとのことですので、おそらくですが、まだ産卵は終了してはいないでしょう。
私ならば、穴の開いたケースを新しく替えるか、穴を塞ぐかしてもう一度そのまま同じ産卵木などでセットを組んでみると思います。
しかし産卵木などが既に結構齧られてボロボロになっているようでしたら、その場合は産卵木を交換してセットを組み直しますが、まだそこまでなっていないようならば、そのままの産卵木でも良いのではないかと思います。
この鋭く尖った頑丈そうなアゴですが、ケースをも突き破るとは驚きですね。
もしかすると固いケースを材だと勘違いしてしまっている・・・ということもないとは言い切れません。
それで、前にもお話しした事があるかもしれませんが、産卵木にもう一度♀が入る位の穴を開けて、♀を頭から直接ねじ込んでしまう手もあると思います。「これが材だよ」って強引に誘導してやる方法です。
ちょっと強引な方法に聞こえますが、結構このやり方をする方も多いと聞きますし、実際私もやったことがあります。
クワガタ飼育をしていますと、時に人間の常識では分からない事も多々出てきます。まぁそこが虫飼育の醍醐味でもあるわけですので、色々と模索しながら飼育を楽しんで頂ければ幸いです。頑張って下さいませ。朗報を期待しております。
飼育日記担当:Shiho
11 Comments »
RSS feed for comments on this post. TrackBack URL
ご返信誠に有り難うございます。 産卵床をどうするか、悩んだのですが、別のケースで一から組みなおすには、新たに産卵木・マット・菌床を購入手配する必要があり、時間も労力もかかるので、解決策としては、自宅に使っていないコバエシャッター大3ケースがあったので、その一つを元のケースの外側に重ねて、元のケースを中に収納する形にしてはどうか、と考えました。外側にかぶせる形で、外側のコバエシャッター大で内側のケースの穴は完全にふさがります。念のため、転倒防止木を穴の隙間付近に詰め込めるだけ詰め込んで、近づけないようにしました。 更に、産卵木のカワラ材とカワラタケ菌床にも、電気ドリルで細長い♀が丁度入るサイズの穴を開け、誘導して置いてみました。 結果は、スルスルと中に入っていってくれました。 あとは、これで1ヶ月ちょっと様子を見てからメスを取り出し、更に1ヶ月おいてから割り出ししようと思っています。 プラスチックケースを食い破る、という想像だにせぬ事態にかなり動揺していましたが、大変適切なアドバイスのおかげで、何とか乗り切れそうです。誠に有り難うございました。 また、折に触れて出産レポートなども投稿させていただきます。 今後とも宜しくお願い致します。 先ずは御礼まで。
Comment by Puffin — 2016年2月24日 @ 7:31 PM
タランドゥスの産卵セットの状態についてです。まず、10月10日にカワラボトル(濁っている透明でないボトル)にてタランドゥスの産卵セットを組んだ所直ぐに♀が穿孔し、10月12日には産卵床を作っていました。そこそこ広い範囲でした。数日後には卵が一個だけ側面に見えて来ました。色はベージュから緑に変色しました。その後ずーっと♀が出てこないでいたので11月の10日頃に栄養補給のため♀のみ取り出してボトルは放置している状態です。でも一向に幼虫が見えてきません。一個だけ側面に見えていた卵もいつしか見えなくなりました。卵は無精卵だったのでしょうか?羽化後8ヶ月以上経ったペア(累代もそこまで進んでない)を2週間程同居させてからのセットです。トビムシ、ダニも少ししかいません。幼虫は一匹だけ以前のセットで採っているので未交尾ではないので…乾燥のし過ぎ、多湿もありません。温度も20-25度です。♀には二本目のセットに入ってもらってまた直ぐに産卵床を作って出てきませんが無精卵と思うと心配です。今放置しているボトルは今直ぐに割り出すべきでしょうか?それとも幼虫が見えるまで待つべきでしょうか?自分は初齢や卵で割り出したくないので放置してます。後タランドゥスを菌糸ボトル産卵させた時は卵は絶対外から見えますか?(外に見えるようにしか産みませんか?)
Comment by パプキン飼育者 — 2020年11月28日 @ 1:50 PM
パプキン飼育者 さん
レスありがとうございます。
タランドゥスのボトル産卵ですが、産卵した卵は全てのものが外側から見えるわけではありません。これはどの虫にも言えることですが、ケース側面に産み付けられる卵もあれば、外側から見えない所に産み付けられる卵もあると思います。
見えていた卵が無くなってしまったのは、
・無精卵で消滅してしまった。
・幼虫に孵化し、菌糸内部に移動してしまった。
のどちらかが考えられると思います。
親虫の状態(熟成、血の濃さによる累代障害が薄い)、産卵環境(管理温度、湿度、産卵木等)、交尾状態が完璧にクリアしているように見えても、なぜか産まない個体って結構いるものです。
その場合は何がダメなのかという本当の原因は私にも分かりません。。
でも以前一頭だけでも幼虫が取れているのなら、未交尾や産めない身体ではないということは削除されて良いと思います。
その他、今の現状で他に打開策はないかと考えるならば、今のセッティングを一度リセット解除して、設定環境を変えてやってみるのも一つの手段と考えます。
管理温度や、産卵させるカワラボトル、湿度等を一度変化させることによって、再度産卵のスイッチが入るということもよくあります。
ただ、少し気になるのは設定温度。
20~25℃とありますが、温度差に少し幅があり、20℃の状況になった場合には少し温度が低いかと思います。
他の方がどうかは分かりませんが、私の場合、産卵の場合には、管理温度は常時25~27℃と、少し高めの場合で管理した方が沢山産んだことが多かったので、タランドゥスの産卵セットをする場合は私は常に25~27℃をキープするようにセッティングしております。
あくまで私個人の考え方ややり方で、絶対にこうだと決めつけるものではございません。
宜しければご参考程度にして頂ければ幸いです。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2020年11月29日 @ 9:47 AM
タランドゥスについて再び質問です。新しいタランドゥスのペアを同居させて3日経つのですが、♂がメイトガードしています。また、交尾器も時々出しています。これはもう交尾完了とみて良いでしょうか?また、別の♀を購入したのですが、以前買ったほぼ同一サイズの♀と比べて軽いので心配です。6月羽化の個体を10月末に購入したので使用済み個体ではないと思います。交尾も確認していますが産もうとしません。どうにか産まない体質の♀を産む体質にすることは出来ないでしょうか?(エサ等で)また、タランドゥスの産卵スイッチを入れるコツなんかがあれば教えて下さい。
Comment by パプキン飼育者 — 2020年12月16日 @ 3:19 PM
パプキン飼育者さん
レスありがとうございます。
実際にその現場(交尾している所)を目撃しない限りは、いくらメイトガードしていたとしても、確実な交尾成立とは言えないと思います。
それに交尾器を出しているということは、逆に言えば交尾が終了していないから、いつまでも交尾を♀に催促しているとも考えられるのではないかと思ってしまいます。
使用済で既に産卵をしてしまっている体重の軽い個体を再度産ませるのは、正直厳しいのではないかと思います。
出来ることとすれば、たっぷり高蛋白質のエサを食べさせて、ひたすら産卵セットを組む他はないかと思います。
産卵させる木やボトル、管理温度や湿度などの環境を変えたりして試すこともアリかと思います。
あくまで私個人の考え方ですのでご参考程度にして頂ければ幸いです。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2020年12月16日 @ 4:06 PM
タランドゥスのペアリングについてですが、♂が下手なのかなかなか上手くいきません。何か人の手でサポートできることはありますか?サイズは♂82 ♀55です。♀が♂の下に入ったまま動かなかったり、交尾器を♂が出しても届かなかったりという感じです。
Comment by パプキン飼育者 — 2020年12月16日 @ 6:46 PM
パプキン飼育者さん
レスありがとうございます。
う~ん、こればっかりは♂と♀の意思に任せるしかないと考えます。
交尾の場合は♀のフェロモンを感じて交尾する傾向があると言いますので、人が触ったりしたら、その匂いが付いてしまう場合があるかもしれませんので、もしかしたら逆にその気(交尾意欲)が止まってしまう可能性もあるのではないか?と考えてしまいます。
周りの環境(温度や湿度等)を変化したり、あるいはしばらくの間、期間を空けてから何度も仕切り直しをして根気良く挑戦を続けてみる・・・これしかないのかなぁ・・と考えます。
あくまで私個人の考え方ですのでご参考程度にして頂ければ幸いです。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2020年12月17日 @ 10:18 AM
メソトプスの産卵の際、一度産卵させた後もう一度ペアリングさせてから再セットしないと産卵しないかもしくは無精卵になると聞いた事があるのですが、実際どうなのでしょうか?
現在レギウスを2回目の産卵セットに入れようと思っているのですが、上記の事が不安で雄と向かい合わせたのですが(初めてのペアリング時と同一の雄)雌が拒否して交尾に至りませんでした。1回目のセット(ボトル)からは一頭だけですが幼虫が見えています。しかし、後から産み付けられた別の卵は産み落とされて2日程で黒くなってしまいました。
そのまま2回目のセットに入れて問題なく幼虫が採れるか心配です….
Comment by メソトプス初心者 — 2021年5月11日 @ 10:34 PM
メソトプス初心者さん
レスありがとうございます。
あくまで私個人の経験上の話ですが、私の場合、過去にタランドゥス、レギウス共に何度も飼育しておりますが、交尾は最初の一回のみで、その後(再セット後)も問題なく2度、3度目位まで卵は取ることが出来ております(ただ卵を産む数は段々と少なくなって来てしまいますが・・)。
やり方や考え方は人それぞれですので、絶対こうだという正解はないと考えます。
あくまでご参考程度にして頂ければ幸いです。
宜しくお願い申し上げます。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2021年5月12日 @ 9:28 AM
初めてタランドゥスのブリーディングに挑戦しています。
タランドゥスペアを同居させたところ、♀が逃げ回り♂が追いかけ回す様子が見られました。それが翌日も変わらなかったことから一旦避難させるつもりで先に組んであった産卵セットに♀を移したところ、翌日から穿孔を始め、今やもう穴の奥にいます。
これって交尾できたのでしょうか?
1日弱しか同居させていないのでよくわかりません。
Comment by せぷてんばー — 2021年5月28日 @ 9:15 PM
せぷてんばー さん
レスありがとうございます。
♀が材に潜り込んでいるのならば、産卵の兆候で良いことだとは思いますが、ただ一日のみの同居、しかも♀が逃げ回っていたという状況だと、確かに交尾成立については少し心もとないかもしれませんね。
でも、とりあえず材に潜ったのであれば、しばらく様子を見てみるのが無難だと思います。
タランドゥスは個体差もありますが結構長生きする種ですので、しばらく様子を見て産卵していないようであれば、セットを解除し、再ペアリングなどの仕切り直しをしてみるのも良いかもしれません。
あくまで私個人の考え方ですのでご参考程度にして頂ければ幸いです。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2021年5月29日 @ 2:37 PM