前々回の日記で「露天掘り(ろてんぼり)」とはどういうものなのか?

というお客様のご質問に対して実際の露天掘り画像をご覧頂きました。

では今回は、その露天掘りのやり方について手順を追ってご紹介してみたいと思います。

 

 

【露天掘りのやり方】

まずは、露天掘りを決行するに至った容器の管理状況についてご紹介。

 

1500㏄程のブロー容器に、ヘラクレス♀幼虫をきのこマットを入れて管理していました。

マットも少々劣化してきたようなので、そろそろ交換時期かと思っていた際に側面に窓のようなものが出来ているのを発見!

 

 

底面から確認してもお分かりにように完全に蛹室。

既に蛹化も完了している状態に見えました。

 

マット劣化も進んでいたので気になり露天掘りを決行することにし、内部の様子を確認することに。

 

【手順】

 

容器の蓋を開け、ケース側面と底面から見える蛹室の位置より蛹室の場所を特定します。

 

 

次に少しづつスプーンのようなもので、削っていきます。

あまり力を入れてやってしまうと、中は空洞になっているので蛹を傷つけてしまう場合がありまうので慎重に行います。

すると、蛹室の上部が開き、蛹の一部が見えました。

 

 

全体を確かめるために上部分の方だけマットを剥がします。

この時、あくまでも上部分だけを剥がして下さい

側面まで崩してしまうと、羽化する際に蛹室横の引っ掛かりが無くなるため、起き上がりにくくなる場合があります。

そうなると蛹室の機能が損なわれ、人工蛹室に移動させなければならない場合も起こる可能性も出てきますのでご注意を!

 

 

蛹自体を上部よりそっと取り出してチェックしました。

マット劣化の影響もなく、見た目良い感じの蛹だと思います。

実際、この後このヘラクレス♀は無事に完品で羽化してくれました^^

 

 

本来は生体自体が作り出す蛹室形状が一番なので、そのまま触らずにしておくのが一番良いですが、止むおえない場合は露天掘りを決行せざるおえない状況もあります。

その際、露天掘りにもメリット、デメリットがあると考えます。

 

【メリットの一例】

・入れているマットや菌糸の状態が、水分過多や劣化等で蛹室内の湿度が高すぎる場合に露天掘りをすると湿気を逃がす事が出来ます。

・形成した蛹室の形状が悪く、このままでは蛹化時もしくは羽化時に不全を起こしてしまうのではと思われる場合、露天掘りにする事によって蛹室の様子をチェックできます。最悪の場合は人工蛹室に移行させる。

 

【デメリットの一例】

・蛹室内の乾燥
・露天掘りした蛹室内にマット破片などが落ちてしまう。

 

特に乾燥については蛹室がむき出しになっているので気をつけます。蛹といえど水分は必要ですので・・。

後は周りのマットなどが露天掘りした蛹室内に落ちて来ていないか・・。このようなチェックも行います。

破片があると、蛹化時や羽化時の柔らかい身体に当たってしまい、その部分がシワやディンプルなどを引き起こす可能性がある場合があります。

そのまま蛹室内に戻す時には、崩れたマットの破片がある場合には取り除き、水分等が溜まっている場合にはテッシュペーパー等で吸い取るなどをして蛹室内を綺麗にしてからもどしてやると良いと思います。

また、マットがコバエの幼虫などによって劣化している場合は、マットはどんどん劣化していきますので蛹室周りのマットが劣化していくようであれば、思い切って人工蛹室への移動をお勧め致します。

 

如何でしたでしょうか?

上記が私が行っている露天掘りのやり方、そして気を付けている注意事項です。

上記でも書きましたが、本来は生体が自ら作り上げる蛹室が一番良いのでそのままにしておくのがベストなのですが、何だかの理由でチェックしておきたい時にはこのように行っております。

あくまで私個人の考え方ややり方ですので、ご参考程度に読んで頂ければ幸いです。

 

※ 今回ご紹介した考え方ややり方はあくまで私:Shiho個人の考え方によるものです。人それぞれやり方も考え方も違うと思いますので、あくまでご参考程度に読んで頂ければ幸いです。ご了承下さいませm(_ _)m ※

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