
過去の日記記事ですが、エウレカさんから以下の様な質問を受けました。
>ディディエールシカの産卵セットを教えて下さい。後、ペアリングの仕方を教えて下さい。
今日はこの質問について、日記内でご紹介したいと思います。
まずディディエールシカクワガタですが、ディディエールを知らない方の為にご紹介したいと思います。
【参考個体:ディディールシカ♂71mm】
【飼育種】
和名:ディディエールシカクワガタ
学名:Rhaetulus didieri
産地:マレー産
上記がディディエールシカクワタです。
次に産卵セッティングの紹介ですが
【産卵にお勧めのマット】くわMat、完熟Mat +少し柔らかめの材2本
【産卵にお勧めのケース】クリーンケースM ~クリーンケースL
【産卵管理温度】22℃前後(若干低温気味)
【水分量(湿度)】多からず少なからず
【セット方法】ケース底面を固くつめ、材を入れ、その回りも固く詰める。
上部2~3cmほどは柔らかくマットを入れる。少し材の頭が出るようにセット。
セット方法を図示してみました。以下の様な感じです。
このような感じです。
下の画像はオーベルチュールシカをセットした際の実際画像です。オーベルもディディエールと同じセット方法なので参考に御覧下さいませ。
私はこのような方法でセットを組んでいます。産卵形態はほぼ材産みです。 しかし過去にスペキオサスシカではマットに産卵した事も多々ありました。ですのでマットもしっかりと入れておくようにしています。
またペアリング方法ですが、私の場合は基本的には産卵セット前に10日程度♂♀を小さめのケースに入れて同居させています。 産卵セットに♂♀直接入れても構わないと思いますが、逃げ場が結構あるので♂♀の交尾が成立しない場合を考慮して、あらかじめ♂♀のみでしっかり交尾が成立させるようにしています。10日程度同居させたら、後は♀のみを産卵セットに投入します。
私はこのような方法でセットを組んでいますが、これはあくまで私の方法ですのでご参考程度に聞いて頂けると幸いです。(^^)
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今日は、先日の日記内でカシンさんから質問があった「交尾」について色々と一緒に考えてみたいと思います。
【ヒルスシロカブトの交尾光景】
※下に書いていますが、このパターンはAパターンです。
【カシンさんからの質問】
>質問があるのですが、クワガタ「アンテ」の交尾って普通何分ぐらいなのでしょうか?。産卵レポートなどを見ていると、良くハンドペアリングと書いてありますが・・・。我が家のアンテF2ペア「ラオス産」も交尾させたのですが、2~3秒交尾?しては離れる・・の行動を数回繰り返す程度です。これは交尾成立?不成立?なのでしょうか?。「私はクワガタは初心者です」 いかがなものでしょうか?。
カシンさん、いつも興味深い質問ありがとうございます。(^^)
交尾・・・・繁殖を目的としたブリードにはこの交尾は欠かせないものですね。
ハンドペアリングですが、わたしの場合、やり方は2パターンに分かれます。
【Aタイプ:♂を♀の後から重なるように置くタイプ】
カブトを例にとってみると♀の上に後ろ側からそっと♂を乗せます。
背中の部分からフェロモンが出ていると言われているので、私は♂の口あたりを♀の小循板の辺りに置く世にします。そうすると♂が♀のフェロモンを嗅いでやがて触覚をピクピク盛んに動かし始めたら交尾開始の兆しありと見ています。
このタイプのハンドペアリングははカブト類でよく使いますが、クワガタでもニジイロやギラファ、オウゴンオニといった比較的体高のあるものに関しては上手くいく場合が多いです。
ただしカブト類でもサイカブト等の足の短いタイプは直ぐ転んでしまってなかなか上手くいかない場合が多いです。
このAタイプの交尾は一度交尾をしてしまうと時間的にも結構長く交尾をしてくれる場合が多いです。
【Bタイプ:♂を♀とクロス(十字)になるように重ねて置くタイプ】
この方法は、主にドルクス系、オオクワ、アンテ、ヒラタに良く使います。
こちらはフェロモンを感知したあと、お尻同士を斜め「V」のような感じで合わせて交尾を始めます。
このタイプはAタイプと違って交尾時間も比較的短く、しかもかなり神経質な所が多いのでちょっとした振動や刺激で交尾を直ぐに止めたりします。
上記から見てみると、カシンさんの御質問のあったアンテはBタイプの部類に入ります。
私はBタイプの生体の場合、個人的にはあまりハンドペアリングはしません。3~5日同居させ、自然に交尾を持っていくパターンです。
ただこの場合♂が大型であったり、♂♀の相性が合わない場合は危険性を伴いますので、ちょくちょくのチェックが必要になります。人によっては♂のアゴを縛ったりなどの工夫をしている場合も多いです。
色々と長く書きましたが、カシンさんの御質問「短い時間での交尾は成立か不成立か?」
私的考えで言えば、ドルクス系だったらそのパターンは・・・う~ん微妙です。1回の時間が短くても数度交尾していれば私は良いとしますが、2~3秒はちょっと短い気もしますが・・。出来れば最低でも3~5分は欲しい所ですね。
実際、ハンドペアリングをよく遂行するカブト類に至っても長く交尾をしたからと言って全く産卵しないものもあります。かといってほんの数分しただけでも十分に産卵してくれる♀もいました。
私的に考えると交尾は決して時間(どれ位長く交尾時間をもてたか)だけで成功の有無は言えないと思うんです。その他にも♂♀お互いの熟成、相性、タイミング、生まれ持った身体的機能、色々と考えられる要因はあります。
それと、このカシンさんのアンテのデータですが、
>言い忘れました・・。♂は羽化後5ヶ月、♀は羽化後7ヶ月経過してます。
この熟成ならばひとまずは合格点だと思います。
♂5ヶ月というのは私のやり方ではギリギリのラインです。強いて言えばちょっと早いかな・・・という感じです。私はアンテをブリードする場合、♂♀ともに最低でも10ヶ月程度は寝かせます。半年程度でもよいとよく聞きますが、私はこちらの方が結果が良かったので以後その程度は熟成を置いています。
私的考えで言えば♂が若すぎて交尾の意欲がまだ十分ではなかったのかもしれません。あくまで推測になってしまいますが・・・。
最後はいつも曖昧な言い方になってしまいますが、これも解明されていないゆえの見解です。なかなか難しい所です。この交尾のやり方や考え方はあくまで参考として聞いて頂ければ幸いです。(^^)
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