
飼育日記をご覧の皆様、担当のShihoです。
勝手ながら先週1週間ほどお休みを頂きまして、九州の熊本地震で被害にあった知り合いの応援に行っておりました。
お時間を頂けたおかげもあって、まだ完全とは到底言えませんが、少しは力をお貸し出来たのではないかと思っております。
またその間、飼育日記の更新が遅れました事を深くお詫び申し上げます。
本日はとりあえずご報告までとなりますが、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
飼育日記担当:Shiho
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先日の日記のレスで、kabutomusiさんより2つの質問があったのですが、その内の一つを見逃していました。
集まるのはやはりクヌギの木なのでしょうか?
kabutomusiさん、スミマセンでした。
カブトムシの採れる時期の記事を書くのに集中して、こちらの質問を見逃していました。改めて今回の日記にてご紹介させて頂きたいと思います。ご了承下さいませ。
まずは虫の紹介から、
【参考画像:本土産カブトムシ♂個体】
和名:カブトムシ
学名:Trypoxylus dichotomus
国産カブトムシ、ここでは本土産カブトムシについてご紹介させて頂きたいと思います。
ご質問のあった「国産カブトムシが集まるのはクヌギの木だけでしょうか?」のご質問ですが、いいえ、そんな事はないというのが回答です。
国産カブトムシは非常に食欲が旺盛で、食べられるものがあれば、貪欲に探し出します。
木の樹液だと、
クヌギ、コナラ、ミズナラ、ハルニレ、アキニレ、ヤナギ、ヤシャブシ、カシワ、アベマキ、イタヤカエデ、ケンポナシ、アカメガシワ、タブノキ、アラカシ、シラカシ、スダジイ、ユリノキ、オニグルミ、サイカチ等 があります。
クワガタ、カブトムシの採れる木と言うと、すぐにクヌギの木を思い浮かべてしまいますが、実際には上記のように集まる木は沢山あります。
<カブトムシが集まる木:代表例>
その土地土地や環境、そこに生えている木等によって違いはありますが、カブトムシは発酵臭が強い木程多く集まります。
そういった意味ではクヌギの木の樹液は発酵し易く、また臭いも強力なので引き付ける力が強いのだと思います。
私が採集をするフィールドでは、クヌギ、ハルニレ、コナラ、シラカシ、アカメガシワ、タブノキ、スダジイの木が同地域に生えているフィールドがありますが、ここではクワガタ、カブトムシのほとんどがクヌギとハルニレの樹液に集まっています。
勿論、アカメガシワやコナラなどでも樹液は出ているのですが、クヌギとハルニレの樹液の発酵臭が強すぎるので、それらの木には集まりにくくなっているのです。
逆にアカメガシワやコナラしかないフィールドでは、これらの木に集まっているのを見かけます。
またカブトムシは食欲が旺盛なので、木の樹液以外にも集まる事があります。
例えば、イヌビワの実、熟したトマト、熟したトウモロコシ、畑の果物(ミカンやスイカ等)にも集まってくることがあります。
如何でしたでしょうか?
国産カブトムシはとても食欲が旺盛ですので、クヌギの木以外でも上記で紹介したような木があれば集まっている可能性もあります。
ただ上記でも書きましたが、生えている木等は地域や環境によって異なります。お出かけになられるフィールドを観察し、何の木があるかを認識しておくと採集時に役立つと思います。
※採集はマナーが大事です。採集する場所が私有地の場合は、 無断では入らないようにしましょう。必ず持ち主さんに断りを入れるのは必須です。あと、虫が木の穴の中に入って採れないからと言って、木を切ったり、傷つけたりするのも好ましいとは言えません、自然にやさしく、モラルを守って採集を楽しみましょう。(^^)
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先日の日記のレスにkabutomusiさんより以下の質問がありました。
カブトムシはいつ頃から採れますか?
kabutomusiさん、レスありがとうございます。
国産のカブトムシには亜種としてオキナワカブトムシ、クメジマカブトムシ、コカブトムシ等が存在しますが、今回は一般的な国産本土カブトムシについてご紹介してみたいと思います。
【本土産カブトムシ】
【参考画像:本土産カブトムシ♂個体:レッド色タイプ】
和名:カブトムシ
学名:Trypoxylus dichotomus
【採集時期】
7月中旬~9月中旬
※ベストシーズンは7月下旬~8月中旬
<Shihoの2015年度のカブトムシ採集実績>
★★ 初採集:8/7 ★★
2015年度、最初に採集したカブトムシです。
最初の採集は8/7でしたが、この年は他の例年と比べるとちょっと遅いと感じました。例年ならば7月中旬位よりぽつぽつ見かけ初めるのですが、2015年度は私が採集するフィールドでは出会いが少し遅かったです。
★★ 最後の採集:9/24 ★★
2015年度、最後に見かけたカブトムシです。
頭角が曲がっている♂個体です。この個体は見かけただけで実際には採集しませんでした。
この時には一緒に♀も見かけました。
この位の時期になると♀のほとんどが産卵するために産卵場に移動していることが多いので、なかなか珍しいと感じました。
★★ 2015年度採集の最大個体 ★★
2015年度に採集したカブトムシの中で最大値だったのが上記の個体でした。
サイズは♂86.8mm
採集日は9/7です。
このサイズより明らかに大きいと思うサイズの個体も採集したのですが、その時は計測しなかったので結果分からず。しかしこの個体もなかなか立派です。
冒頭でも書いていますが、本土カブトムシの場合、7月中旬~9月中旬頃に採集が可能です。数的に一番多く見かけるのは7月下旬~8月中旬頃です。
勿論、お住まいの地域等によって多少前後はあると思います。
昨年の例で言えば、6月初旬頃に既に採集したという話も聞きました。あくまでも参考として聞いて頂ければ幸いです。
最後に2015年度に野外フィールドで出逢ったカブトムシ達の画像をまとめてご紹介してみたいと思います。
ハルニレの樹液をお食事中
ハルニレの木に付く小型のカブトムシ♂
ハルニレの樹液でお食事中のカブトムシ♀
アカメガシワの樹液をお食事中
9/4採集:大型のカブトムシが沢山
如何でしたでしょうか?kabutomusiさん。
採集時期をご紹介しましたが、お住まいの地域の環境によって異なる場合がありますので、あくまでもご参考程度に聞いて頂ければ幸いです。
※採集はマナーが大事です。採集する場所が私有地の場合は、 無断では入らないようにしましょう。必ず持ち主さんに断りを入れるのは必須です。あと、虫が木の穴の中に入って採れないからと言って、木を切ったり、傷つけたりするのも好ましいとは言えません、自然にやさしく、モラルを守って採集を楽しみましょう。(^^)
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春到来シリーズのパートⅡです。
今回はちょっと近場のクワガタ採集が可能な場所に行って、今年の木々達の様子を見て来ました。
【クヌギの木】
4月初旬現在のクヌギの木の様子です。
【クヌギの葉】
まだ葉っぱも小さく柔らかいです。
色も薄く透き通るような感じがする葉です。
【コナラの木】
コナラの木です。
こちらの葉達もまだ柔らかく小さめです。
【コナラの葉に集まる虫達】
コナラの葉の裏側に虫達の姿がありました。
何の虫か分かりませんが、クワガタ達より一足早く活動を始めているようです。3匹がきちんと整列しているようで、可愛らしさを感じました。
【ミズナラの木】
ミズナラの木です。
クヌギやコナラと違い、ミズナラの葉はしっかりと大きく育っていました。
【大きなクヌギの木】
こちらは大きなクヌギの木です。
結構な大きさがあり、7~8m位はあるでしょう。
また、この木には大きなウロ(穴)があります。
【大きなクヌギの木のウロ】
ウロの中を覗いて見ました。
お分かりでしょうか?濡れている部分が樹液です。
樹液は出ていましたが、残念ながらクワガタの姿はありませんでした。
この木では、最盛期になるとコクワガタ、ヒラタクワガタがよく入っています。
如何でしたでしょうか?
今年になって初めてフィールドを訪れてみましたが、木々達も樹液も出て、なかなかいい感じで動き出しているようです。
もうあと少しすれば、寒さに強いコクワガタやオオクワガタなどが先んじて活動を始める事でしょう。
【桜の木】
この辺りでも桜の花が咲き誇っています。
とってもキレイですよね、マイナスイオンを感じるような気がしました。
今年も野外採集(昆虫採集)が楽しみです!(^^)
※ 採集はマナーが大事です。採集する場所が私有地の場合は、 無断では入らないようにしましょう。必ず持ち主さんに断りを入れるのは必須です。あと、虫が木の穴の中に入って採れないからと言って、木を切ったり、傷つけたりするのも好ましいとは言えません、自然にやさしく、モラルを守って採集を楽しみましょう。(^^)
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4月に入りましたね~!
ここの所、20℃を超える日もあり、まさに春本番といったところでしょうか。
私の飼育部屋の周りでも様々な花が咲き始めました。
今日はそんな飼育部屋の周りに咲いている花々を撮影してみました。
花の名称は分からないものが多いです。
また名称を書いているものでも、間違ってご紹介しているかもしれません。そこの所はご理解&ご了承の上、ご覧頂ければ幸いです。
【さくらんぼの花】
毎年、結構な実をつけてくれます。
果実自体は普通サイズの大きさですが、とても甘みが強く美味です。今年も期待しているさくらんぼの木です。
【庭梅】
背もまだ低くあまり目立ちませんが、花はキレイですね~。
【ボケ】
小さいモコモコした感じの花。
赤くて可愛いです。
【ビオラ】
プランタにズラリと沢山咲いています。
小型のパンジーみたいな花で、とっても可愛く、色合いが素晴らしくキレイです。
【ハナニラ】
この花はよく分かりませんが、庭に咲いていました。
小さく白い可愛らしい花をつけていました。
【カタバミ】
名前が分かりませんでしたが、SCOTTさんよりご教授頂きました。黄色くてキレイな花です。
【キルタンサス】
こちらも名前が分かりませんでしたが、SCOTTさんより名前をご教授頂きました。ラッパみたいな形をしている変わった花です。
【ムラサキカタバミ】
この花も名前が分かりませんでしたが、SCOTTさんより名前をご教授頂きました。
名前を教えてもらって気づいたのですが、二つ上の黄色い花【カタバミ】と名前の語尾が一緒なのですね。
もしかすると色違いの同種の花なのでしょうか?
道端などでもよく咲いているのを見かけます。
【ツツジ】
満開のツツジ。
このピンク色以外に赤色も咲いています。
【ツツジの拡大画像】
めっちゃキレイですね。色合いが素晴らしい!
【スイセンアヤメ】
こちらも私は名前が分かりませんでしたが、SCOTTさんよりご教授頂きました。
スイセンに似ているなぁ~と思っていました所、やはり似ている名前が付いていました。白と花内部の黄色のコントラストがとてもキレイな花だと思います。
【アブロチン】
赤と黄色に分かれているチョウチンみたいな花です。
小さくてとても可愛い花です。
【ビワ】
ビワの木にも実が付き、少しずつ膨らんできました。
まだ青いですが、もうしばらくすると黄色く色づき、鳥達も集まってきそうです。昨年も結構な数がなり、頂きましたが味も良好でした。今年も楽しみにしています。
【桜】
ピントが遠くなってしまったので、なかなかキレイな雰囲気が撮れませんでした。
【桜の花びら】
花びらがすごく可愛いですね。
サクラは日本の春の花の象徴ですね。
如何でしたでしょうか?
春が来て、沢山の花々が咲き誇っております。
春が過ぎればいよいよ待ちに待った夏!!
クワカブシーズンの始まりです。
今年もまたクワカブの採集の様子をご紹介していきたいと思っております。
今年はどんな虫達に逢えるのでしょうか?
今からとっても楽しみです。(^^)
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日記を書いていたり、お話をしている時に、私達はよく、WD(ワイルド)個体という言葉を使用します。
先日、お客様と話していた時に、
「スミマセン、ワイルドって何ですか?」
と聞かれてしまいました。
WD(ワイルド)、いつも何気にサラッと言っていますが、言われてみて初めて気づきました。
確かに初めてクワガタ、カブトムシに挑戦する方達にとっては、意味が分からないかもしれませんね。
WD(WILDの略)
読み方:ワイルド
まず一言で簡単に申し上げますと、
野外で活動している虫
を表します。
生体(成虫の場合)が自分の意思で地上に出て来て、活動している個体です。
一度でも人間が養殖したものは含みません。
その場合はWD(ワイルド)ではなく、また違った呼び方になります。
【野外採集時のWD(ワイルド)個体:ヒラタクワガタ】
【野外採集時のWD(ワイルド)個体:ノコギリ&カナブン】
【野外採集時のWD(ワイルド)個体:ミヤマクワガタ】
如何でしたでしょうか?
今回は月夜きのこ園でよく使用しているWD(ワイルド)という言葉の意味についてご紹介させて頂きました。
昆虫業界やブリーダー、そして数多い飼育者さんの間で呼ばれている呼び名は様々なものがあります。
勿論、突き詰めれば正式な学名的な呼び名はあるとは思うのですが、実際によく使われている呼び名とは異なるものが多いと思います。
今回ご紹介したWD(ワイルド)という言葉ももしかするとその一つの可能性があるかもしれません。
私たちは日頃、日常的に使用していますが、「本当はそんな呼び名では呼ばないんだよ」とご指摘があるかもしれません。
あくまで月夜野きのこ園で使用している言葉の一つとして参考程度に理解して頂ければ幸いです。m(_ _)m
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先日の日記のレスに、採集初心者さんより以下のレスがありました。
夏が待ちきれなくて先日下見も兼ねて近くの雑木林に行ってみました。実際に行ってみると、昨日種類がなかなか分からず苦労しました。まだ葉っぱが生え揃っ ていないって言う理由もありますが、よくクワガタが取れると言うクヌギの木がわかりませんでした。何か目立った特徴はありますか?
採集初心者さん、いつもレスありがとうございます。
そうですね~、今週より4月ですものね。採集シーズンはもうそこまで来ているといってもおかしくないですよね。
ご質問のクヌギの木ですが、前にご紹介した記事と重複する内容となりますが、もう一度ご紹介してみたいと思います。
【クヌギの木】
<Shiho採集実績>
オオクワガタ、ヒラタクワガタ、ミヤマクワガタ、
ノコギリクワガタ、スジクワガタ、ネブトクワガタ
コクワガタ、カブトムシ
カナブン、アオカナブン、クロカナブン
クヌギ。クワガタムシ、カブトムシが集まる木としては全国的に最も有名な木の一つではないでしょうか?
樹皮表面はゴツゴツとしていて、肉厚。樹液も濃厚で、発酵するとかなり強めの甘酸っぱい発酵した臭いがします。この木が流す樹液は強烈で、遠くまでかなりの臭いがします。
また台場クヌギと呼ばれるゴツゴツといびつな形をしたクヌギは、人の手で伐採~成長~伐採と繰り返した為、いびつな形になり、木の穴(ウロ)が出来ている事も多く、オオクワガタやヒラタクワガタの格好の住処ともなっているようです。
上記画像は人の手が加わって形成された台場クヌギではありませんが、クヌギのウロ(穴)。中からはしっかりと樹液が出ています。こいいう場所にウロ(穴)を好んで潜むオオクワガタやヒラタクワガタ、コクワガタが入っている場合が多いです。
採集初心者さん、如何でしたでしょうか?
上記がクヌギの木の特徴、実際に採集時の様子です。
特徴の一つである長いギザギザの葉は、確かにまだこの時期で生え揃っていないかもしれませんね。樹皮がめくれていてその内側がオレンジ色をしていたら、クヌギの木の可能性が高いです。
初めて採集するのであれば、なかなか分かりずらいかもしれませんが、少しでもご参考になれば幸いです。
※ 採集はマナーが大事です。採集する場所が私有地の場合は、 無断では入らないようにしましょう。必ず持ち主さんに断りを入れるのは必須です。あと、虫が木の穴の中に入って採れないからと言って、木を切ったり、傷つけたりするのも好ましいとは言えません、自然にやさしく、モラルを守って採集を楽しみましょう。(^^)
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先日の日記で、幼虫の令数、1令~3令までの様子についてご紹介させて頂きました。
その令数が次の段階に上がる時、いわゆる加令(かれい)と言っていますが、その加令時の様子と注意点について今回の日記でご紹介してみたいと思います。
【加令(かれい)】
※加齢(かれい)という漢字使いもあり※
幼虫が1令から2令へ、2令から3令へと次の段階に上がる事を加令(かれい)と言います。詳しく言うと令数を加えるという意味ですね。
加令時には必ず脱皮が起こります。脱皮時の幼虫の様子を初めて見る方は「何だこれ?」と思ってしまわれる方もいらっしゃるようです。
その理由の一番は加令直後の幼虫は頭の色がほぼ半透明色(厳密には乳白色)をしており、本来の色合いをしてはいないからです。
【1令から2令に加令直後の幼虫の画像】
上記画像をご覧下さいませ。
1令幼虫から加令して2令になったばかりのクワガタの幼虫です。頭がいつものオレンジ色ではなく、体と同じような白っぽい半透明色をしています。
【通常は鮮やかなオレンジ色(※クワガタの場合)】
上の2枚の画像を見比べただけでも違いが一目瞭然ですよね。
この加令直後(脱皮直後)の幼虫は頭、体全てがとても柔らかくデリケートです。頭はまだ柔らかく色合いもついていません。色は心配しなくてもその後急速に色付き始めます。
【ほんのうっすらと色付き始めた頭部】
加令直後は頭はとても柔らかいので、まだ固いマットや菌糸などを食する事ができません。加令直後の幼虫達はほとんどが皆自分が脱皮した柔らかい殻をまずは食するようです。
その内頭が固まって来てから材やマット、菌糸等を食するようになります。
【加令直後の注意点】
ここで注意点があります。
もし産卵セットを割り出した時、この上記画像のような加令直後の幼虫が出てきた場合、その幼虫をすぐにマットや菌糸の内部に入れてはいけないと考えます。
理由は頭がまだ固まっていないためです。
頭が固まっていなければ牙もまだ柔らかく、マットや菌糸をしっかりと噛み砕くことが出来ません。なのでマットや菌糸の中に完全に入れ込んでしまっては、マットや菌糸を食べられないのは勿論のこと、更には柔らかい頭や牙が傷つく恐れがあります。
こういう場合は、マット上や菌糸の上にそっと置いてやり、自らのタイミングで潜って行くのを待つのが一番無難と言えるでしょう。
【参考例:マットの上に置かれた1令クワガタ幼虫】
幼虫は体がある程度固まると自然と自分から潜って行きますので・・・。
如何でしたでしょうか?
加令(脱皮)直後は幼虫はとても傷つきやすくデリケートです。
自然界では幼虫自らそれに対応していきますので問題は無いのですが、これに人間の手が入ってしまうと、時に必要以上の事をしてしまったりする場合がありますので注意が必要と言えるでしょう。
「加令(脱皮)直後は優しく、なるべく幼虫の意思に任せる」
そう考えて飼育されるのが無難だと考えております。
※ここでご紹介させて頂いた考え方や飼育方法はあくまで私Shiho個人のやり方&考え方であってそれを押し付けるものでは御座いません。あくまでもご参考程度にご覧頂ければ幸いです。よろしくお願い申し上げます。
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クワガタムシやカブトムシの幼虫を飼育している際に、よく幼虫の「令数(れいすう)」という言葉を耳にすることがあると思います。
初めてクワカブ飼育をする方にとっては意味的にも分からない方も多いと思います。今日はこの幼虫の令数についてShiho的見解ではございますが、ご紹介して見たいと思います。
令数(れいすう)
クワガタやカブトムシ等の幼虫を飼育する際に良く聞かれる言葉です。
クワガタやカブトムシの幼虫は、卵から孵化した後初めて幼虫になるわけですが、この幼虫の期間が3段階に分けられます。
幼虫は脱皮を繰り返し、その都度次の段階に入っていきます。
【クワガタ、カブトムシ成長の流れ】
卵→1令幼虫→2令幼虫→3令幼虫→蛹→成虫
【1令幼虫(初令幼虫)】
卵から孵化したての幼虫を1令幼虫、もしくは初令幼虫とも呼びます。
孵化したての幼虫はとても小さくほんの数mmしかありません。
人間でいうならば赤ちゃんの段階です。扱いは慎重にしましょう。
【2令幼虫】
1令幼虫から最初の脱皮を行い、次のステージに上がった幼虫のことを言います。
この時期からエサを良く食べるようになります。良質のエサを豊富に与えましょう。
【3令幼虫(終令幼虫)】
2令幼虫から脱皮を行い次のステージに上がった幼虫のことを言います。
クワガタ、カブトムシの場合、脱皮するのは2回(2令、3令のステージに上がる時)です。
3令幼虫は令数で言えば最後の段階の幼虫ですので、それを取って終令幼虫という呼び方をする事もあります。
1令時、2令時より期間的にも最も長い間継続するのが3令幼虫です。来るべき蛹化~羽化に向かって最終的に身体を作っている大事な時期ですので、エサをしっかりと与えてストレスを与えない管理を心がけましょう。
【1~3令幼虫の外見上の違い】
1令幼虫と2令幼虫、そして3令幼虫の外見上の違いですが、まず脱皮直後から頭の幅が全然違ってきます。
頭の幅、「頭幅(とうはば)」という言葉を私たちはよく使っています。
【頭幅比較:右から、1令幼虫、2令幼虫、3令幼虫】
上記画像をご覧下さいませ。頭幅(頭の幅)の大きさが令数によって全く異なるのがお分かりいただけますでしょうか?
この頭幅はその令数が次のステージに上がるまで変わることがありません。
つまり脱皮直後の頭幅がそのままその令数時の頭幅ということになります。
勿論身体は(胴回りや長さ)は時間とともにエサを食し成長していきます。
【1令幼虫と3令幼虫の身体の大きさの比較画像】
上記画像のように1令幼虫と3令幼虫ではこんなにも差が出てしまう場合があります。
つまり頭幅は令数の最初の段階(脱皮直後)で決まりますが、体の大きさはそれ以降の成長具合によって決まるといった感じです。
どのステージでもしっかりとエサを与えてきちんと管理することによって、より大型の3令幼虫(終令幼虫)になり、それが大型の蛹~成虫につながっていきます。
如何でしたでしょうか?
上記がクワガタ、カブトムシの幼虫時の令数という意味とその時の詳細です。
こうやって段階を踏まえて大きくなる姿を見て行くのは飼育者にとってはとても楽しいものですよね。と同時に自然界の神秘的なものさえ感じさせられます。まさにクワガタ、カブトムシ飼育の醍醐味の一つですね。
※ここでご紹介させて頂いた考え方や飼育方法はあくまで私Shiho個人のやり方&考え方であってそれを押し付けるものでは御座いません。あくまでもご参考程度にご覧頂ければ幸いです。よろしくお願い申し上げます。
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飼育日記のレスに毎度おなじみ、takeruさんより、以下のような質問がありました。
今回の質問はユダイクスミヤマクワガタに関してです。
ひょんな事から3令幼虫ペアを入手しまして、いざ飼育と思いましたが何処を探しても飼育情報が少なく困っております。
ミヤマということなので低温飼育は必須かと思いますが、それ以外の重要ポイントを教えて頂けたら助かります。
出来ましたら幼虫飼育→成虫飼育→産卵までの注意点なども教えて頂きたいです。
takeruさん、いつもレスありがとうございます。
なるほど、今回はユダイクスミヤマの質問ですね?
では、今回はユダイクスミヤマを含むユーロミヤマ種(他にアクベシアヌス、ケルブス等)の飼育方法についてご紹介してみたいと思います。
takeruさんがご質問されたのはユダイクスミヤマですが、同じヨーロッパミヤマであるケルブス種、そしてアクベシアヌス種、そして意外に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、国産ミヤマクワガタも幼虫飼育~成虫飼育~産卵まで、ほぼ同じようなやり方で大丈夫と考えて頂いても良いと思います。
まずは幼虫飼育についてご紹介してみたいと思います。
<幼虫飼育>
【お勧めのエサ】
完熟マット、くわマット、きのこマット(後々のブレンド)
【使用している容器】
800cc~1400cc程度のブロー容器、またはビン容器
※幼虫の大きさ、♂♀によって使用する容器は異なります
【えさ交換回数】
約4~5回程度(マット劣化時などは例外)
【設定管理温度】
18~20℃前後
【羽化までにかかる大体の時間】
合計12~20ヶ月程度
※♂と♀、更に個体差があります※
幼虫飼育は管理温度を除けば、比較的容易な方だと言えます。
基本はマット飼育。弊社のマットでは、くわマット、完熟マット、きのこマットで羽化実績があります。
産卵セットから割り出した直後は、産卵セット時に使用した同じマット(新しいやつ)を使用するのが良いでしょう。その後成長に従って、しっかりとした高栄養のマット(弊社のマットで言えばきのこマットやくわマット)を少しずつブレンドしていくとより大型が目指せると思います。
何度も書いていますが、ミヤマクワガタを飼育する上で一番重要なのは管理温度だと考えます。基本18~20℃前後で管理するのが良いと考えます。
高温飼育で管理した場合、幼虫期間中は落ちる個体は意外にも少ないですが、後々、蛹化前になって影響が出始める事が多かったです。いつまでたっても蛹化しない幼虫、蛹化不全、蛹化の段階で死亡する個体等が多発しました。
それを考えるとやはり通年を通して低温管理(18~20℃)の必要性があると考えます。
<成虫管理&休眠期間>
次に成虫管理です。
ユダイクスを含むミヤマクワガタの場合、個体によってはかなりの羽化ズレが発生する場合があります。
同じ同血統の同兄弟同士でも一年で羽化する個体もいれば、二年ほど経過して羽化する個体も存在します。しかも体長はほぼ差がないのにです。この原因ははっきりとは分かっておりません。
羽化をしたら、マットを深く敷いた容器に入れ、後食を開始するのを待ちます。
羽化したらしばらくの間は休眠期間となります。
この休眠の期間についてもそれぞれ個体差があり、一概にはどれ位だとは断言は難しいです。過去の経験では半年程のものや一年程のものもありました。
後食を開始するまで管理するマットが乾燥しないように注意しましょう。成虫がマット上を頻繁に徘徊するようになると後食が近づいた合図と思っても良いかもしれません。
<交尾開始時期>
後食開始すれば、約1ヶ月半程度で交尾&産卵が可能になると考えます。
その間来るべき交尾&産卵に向けてしっかりとエサを与えましょう。
特に♀には高蛋白質なものを与えてやると良いと思います。
<交尾方法>
♂♀が熟成し、時が来たら交尾をさせましょう。
やり方は
・ハンドペアリング
・同居ペアリング
どちらかの方法でやるのがお勧めです。
ミヤマクワガタはハンドペアリングで上手くいくときもあります。
しかしなかなか成功せず難しい場合は同居交尾の方法で交尾をさせましょう。
この時♂は結構気性が荒いので、♀を攻撃してしまうことが多々あります。
あまりにも♂が攻撃的な場合には、相性の問題もある場合がありますので、複数の候補がいる場合は、相手をチェンジしてみるのも良いと考えます。
またその♀一頭しか候補がいない場合は、後日仕切り直しをする。
もしくは♂が攻撃できないように♂の大アゴを縛ってしまうとう荒療治を施す方法もあります。
同居交尾の場合、セットして数日後、様子を見た際に、「♂と♀が近くにいる」、「エサを一緒に食べている」、等の光景が見られれば、絶対とは言い切れませんが、とりあえず交尾は成功していると考えても良いかと思います。
<産卵方法>
交尾が上手く行き、次に産卵方法についてご紹介してみたいと思います。
【産卵に使用する親虫】
♂♀共に熟成している個体
【産卵に使用するお勧めマット】
黒土マット、完熟マット
【産卵に使用するお勧めケース】
クリーンケースM~L程度
【産卵セット期間】
セット開始後、約2ヶ月
【産卵管理温度】
18~20℃前後
【水分量(湿度)】
多からず少なからず
感覚としては手でギュッと握った時土団子が出き、それを手のひらで転がした際に形が崩れない程度の水分量
<産卵セットの組み方>
ではセットのやり方を画像に合わせてご紹介してみたいと思います。
主役のミヤマ♀を入れます。
セット方法を図示するとこのような感じです。
ミヤマクワガタの産卵ポイントは何といっても設定温度です。
18~20℃ この温度帯がカギとなります。
この温度をキープするのは普通のご家庭では難しいでしょうが、この設定具合によって全て決まるといってもおかしくないと思います。
温度設定さえクリアすれば案外普通に産んでくれることもあります。
しかし産卵数は♀によってバラつきがあり、産む♀は結構な数を産んでくれますが、産まない♀はゼロというのも珍しくありません。
次に産卵セットを組んだ後、今度はいつその幼虫の割り出し作業を行ったら良いのかについてご紹介してみたいと思います。
<幼虫割り出し時期>
基本的にはケース側面や底面に幼虫が見え始めてからになります。
卵や幼虫が1~2頭見え始めたからといってで早期に割り出してしまうと、まだ産む気がある♀の産卵活動を一旦ストップさせてしまうことがあるのであまり好ましくありません。
上記の数位見えてきたら、大成功!もう十分割り出しても大丈夫です。
ミヤマクワガタの♀はオオクワガタやヒラタクワガタ等によく見られる子食いの可能性は低いと思いますので、多少割り出しする期間を長く持っても大丈夫かと思います。
あくまで私の場合になりますが、大体産卵セット開始して、約1ヶ月半~2ヶ月程度を目安に割り出すようにしています。
ただし飼育ケース内の環境が急激に悪化したり、ケース側面や底面にまったく卵や幼虫が見られなかったり、♀が全く潜る気配を見せずマット上面を徘徊ばかりしている時は話は別になります。
今回は野外ものの♀はほぼ交尾が終了していると言っても過言ではないので、♀の持ち腹を期待して、そのまま♀のみを産卵セットに入れるやり方をご紹介しました。
しかし、♀がなかなかマットに潜る行動をしなかったり、何回かセットしても全く産まない場合は、♂がいるならば再交尾をさせた方が良い場合もあると思います。そのあたりは状況を見て臨機応変に対応してあげて下さいませ。
下の画像は過去に行ったミヤマクワガタ産卵セット(※国産ミヤマクワガタになります)割り出し風景です。
上手くいけばこのように幼虫を得られる機会も大いにあります。
いかがでしたでしょうか?
上記が私のユダイクスミヤマクワガタを含めたミヤマクワガタの飼育方法です。
何度も書いていますが、ミヤマクワガタを産ませるかどうかは温度管理にかかっています。低温管理をキープするのは難しいですが、何とか頑張って管理して下さいませ。
takeruさん、ご質問ありがとうございました。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。
※この方法はあくまでも私:Shihoのやり方です。やり方は人それぞれですので、あくまでご参考程度にご覧頂けますと幸いです。m〈_ _)m※
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2016年3月17日
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