パプアキンイロクワガタの飼育【幼虫飼育方法&産卵方法】【Shiho的見解:2020年度版】
今回はランプリマ種:パプアキンイロクワガタの飼育方法をご紹介してみたいと思います。
【個体参考画像:パプアキンイロクワガタ♂♀】
【飼育種】
和名:パプアキンイロクワガタ
学名:Lamprima adolphinae
産地:イリアン、アルファックなど、産地多数
飼育方法もとっても容易な種です。
幼虫飼育と産卵方法をご紹介します。
★★幼虫飼育★★
【お勧めのエサ】
菌糸、きのこマット、完熟マット
【使用する飼育容器】
プリンカップ120~300㏄程度あればOK
【えさ交換回数】
途中1~2回程度(※マットの劣化や状況による)
【設定温度】
20~25℃前後
【羽化までにかかる時間】
♂:約5~8か月程度
♀:約3~6か月程度
※あくまで目安です。管理環境(管理温度、飼育するエサ等)によって個体差があります※
幼虫飼育はとても容易な種だと感じてます。
私は主にマット飼育で行っていますが、菌糸(Basicでもelementでも可)でもOK。
弊社のマットでは、きのこマット、完熟マットでよく育ってくれます。
マットを入れる容器も 120㏄~300㏄程度もあれば十分です。
マットに劣化等がなければ、2令投入位であれば、ほとんど羽化まで交換無しで羽化してくます。
管理温度は20~25℃程度 で管理。
パプアキンイロクワガタは暑さ、寒さ共に強い種ですが、極端な暑さ寒さには注意が必要です。
では次に産卵セット方法についてご紹介してみたいと思います。
産卵セットはマットのみで産卵させるやり方と、材を入れたセット方法の2パターンがあると考えます。
★★産卵方法★★
<マットのみを使用した産卵方法>
【産卵に使用するオススメマット】
完熟マット、黒土マット
【産卵に使用するケース】
クリーンケースS~M
【産卵管理温度】
25~27℃前後
【水分量(湿度)】
多からず少なからず
(※手でマットをぎゅっと握ったて土団子が出来、手のひらで転がしても壊れない程度。ぎゅっと握った時指の間から水が染み出ない程度の水分量)
【セット方法】
ケース底面を深さ7割位で固く詰める。
残りの1割程度はフンワリと。
残りの2割は空間。
画像でちょっと分かりやすく順をおってみてみましょう。
産卵セットに使用するケースの準備。
今回はクリーンケースを使用します。
クリーンケース使用の場合は間に新聞紙を挟んでセット完了
セット方法を図示するとこのような感じです。
次に材を使用した産卵セット方法のご紹介です。
<材を使用して産卵セットを組む場合>
【お勧めのマット】
完熟マット、黒土マット
【お勧めの材】
コナラ、クヌギ、レイシ、カワラなど
(※ 柔らかめの材が好ましい)
【お勧めの容器】
クリーンケースS~M
【産卵管理温度】
25~27℃前後
【水分量(湿度)】
多からず少なからず
(※手でマットをぎゅっと握ったて土団子が出来、手のひらで転がしても壊れない程度。ぎゅっと握った時指の間から水が染み出ない程度の水分量)
【セット方法】
ケース底面を固くつめ、材を入れ、その回りも固く詰める。
上部2~3cmほどは柔らかくマットを入れる。
少し材の頭が出るようにセット。
セット方法の具体例をご紹介してみます。
まずは使用する材を用意。
こちらはクヌギ材になります。
少し柔らかめの材がお勧めです。
材の皮は剥かない方もいらっしゃると思います。自然界では当然皮などは剥けていないので、より自然のままのセットをお好みの方はそのままセットするというやり方もありだと思います。
あくまで私のやり方ですが、私は材を水に浸す時、そこまで長い時間はかけません。
目安は水に浸している途中で材を取り出し、実際に持ってみて、重量的に十分に水分が含まれているかどうかをみて判断します。
実際に手に取って水分の染み込み具合を確認します。
これは感覚的なものなので、どれ位とご紹介するのはとても難しいです。
もし敢えて時間的に言うならば、あくまで私のやり方になりますが、早くて5分、長くても10分位といったところでしょうか。
これも私的にはあまり時間はかけません。
元々長く水に浸していませんので、陰干しもごくわずかの時間です。
敢えて時間的に言うならばやはり5~10分程度でしょうか。
次にマットを準備します。
今回は材に産ませるようにセッティングしますので、マットはある程度なんでも可能ですが、幼虫が材から出て来て、こぼれ落ちてしまった場合、マットでも食せるように敢えて発酵マットを使用します。
弊社のマットでのお勧めは、完熟マット、黒土マット。
材を入れます。今回は2本のクヌギ材です。
マット産みの傾向も強い種類では、材の横より下の隙間もマットを固く詰めると良い傾向があります。材に気に入らなればマットにも産んでくれますので・・・。
後は親♀を入れフタをします。
コバエシャッターを使用してのケース例です。
セット方法を図示すると以下の様な感じです。
(※図では2本の材は平行セットになっていますが、Tの字でセットでも構いません。)
産卵セッティングに関しては上記の2パターンのいずれかでセットを組めば大丈夫だと思います。
私はパプキンの場合は主にマットのみの産卵で行っていました。
ただ他の人に聞いてみると材を入れた方が良いという方もいらっしゃいました。
♀によってはマット産みを好む個体、材産みを好む個体がいるようです。
材を入れて産卵させる場合、材は柔らかめの材を使用する事をお勧めします。
皆さんも是非機会がございましたら飼育に挑戦してみては如何でしょうか?(^^)
※ この日記で紹介したやり方や考え方はあくまで私:Shiho個人の考え方によるもので、それを押し付けるものではございません。あくまでご参考程度にご覧頂ければ幸いです ※
※ この飼育日記では過去にも同じ種類について飼育方法をご紹介しておりますが、過去で取り上げたデータと新しく公開したデータとでは、エサの種類、管理温度、羽化までにかかる日数などに差異が見られる場合がございます。
これは飼育をやりながら、私個人のやり方や考え方が変化しているということですので、今現在での私のやり方や考え方を参考にして頂くならば、一番最新の日付のデータをご参考にして頂けますと幸いです。ご了承下さいませ m(_ _)m
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2020年2月3日
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Basicシリーズ(菌糸ビン・菌床ブロック), Basicプロテインゼリー(昆虫ゼリー), Elementシリーズ(菌糸ビン・菌床ブロック), きのこMat(昆虫マット・発酵マット), プリンカップ, 完熟Mat(昆虫マット・発酵マット), 産卵木, 飼育ケース, 黒土マット(昆虫マット・発酵マット)
産卵セットについて教えてください。
月夜野さんの完熟マットでパプキンの産卵セットを組みましたが、ケース天面に水滴が付着しています。
これはマットの水分量が多いせいでしょうか?
管理環境は温室25度、室温40%程度の温室です。
マットの水分量は握って水が滲み出るようなことはありません。
参考に教えてください。
よろしくお願いいたします。
Comment by sakimichi — 2021年2月9日 @ 10:34 PM
sakimichi さん
レスありがとうございます。
マットの水分量が握って水が染み出るようなことはない・・ということはその産卵セットのマット水分量は適量だと考えます。
それでいてケースに水滴が付くとするならば、おそらくですが、ケース内の通気の問題かと思います。
通気口が狭かったりすると、どうしても中で蒸れが起こり水滴が付く結露が起きてしまう場合があります。
しかし、産卵セットのマット湿度は、その水分量(マットを握って水が染み出ない)で適量だと思いますので、ケース天井に水滴が付いていても、特別ダニが発生していたり、線虫などが出ていなければ、そのままでも良いのではないかと思います。
どうしても気になるのであれば、対策としては、通気口を広げるか、もしくはケースと蓋の間に新聞紙などを挟んで余分な水分を吸収してしまうか、このいずれかの方法かと考えます。
あくまでも私個人のやり方や考え方ですので、ご参考程度にして頂ければ幸いです。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2021年2月10日 @ 10:03 AM
shihoさんアドバイスありがとうございます!
セットしてから5日ほどしか経っていませんが、今のところダニや線虫の発生もないのでそのまま様子を見ようと思います。
やはりダニや線虫が発生した際はマットの交換などした方が良いのでしょうか??線虫に関してはどうしても発生する時があるので困っています。
ちなみにですが、マット上に白いカビ?のような綿状のものが出ていました。おそらくキノコの菌なのだと思いますが、そのままでも問題ないですか??
Comment by sakimichi — 2021年2月10日 @ 5:49 PM
sakimichiさん
レスありがとうございます。
ダニは少しならば、産卵セット期間が終わるまで耐えれると思いますが、あまりにもかなりの量(ケース内面やケース蓋やマットの表面全体にこびりつく位)に及んだ場合には、もう一度新しくマットを変えて再セットをした方が良いと思います。
線虫は主に湿度過多によって多く発生するので、ケース内に結露が出ない程度にすれば自然と消えてしまう場合があります。
対策方法としては、先日ご紹介したように、蓋上面の通気口を多くするか、間に新聞紙を挟んで余分な水分を取り除く等の方法があります。
マット上のカビは恐らく浮遊菌が付着して、菌が発生したと思います。
カビの色が白ならばそこまで気にする必要はありませんが、青いカビの場合は毒素を出すトリコデルマというカビの場合がありますので、その青カビが多く蔓延した場合には、やはり新しいマットで産卵セットを作り直した方が良いかと思われます。
あくまでも私個人の考え方ですのでご参考程度にして頂ければ幸いです。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2021年2月12日 @ 12:53 AM
shihoさん、いつも質問ばかりすいません。
マットの温度についてアドバイスお願いします。
外気温は温室で25℃前後をキープしておりますが、一部のマットで(産卵セット、幼虫飼育)マット温度が28℃を超えるものが出てきています。
原因はヒーターが下部にあるため(30センチ程度は離れています)マットが温められて上昇していると思いますが、マットの温度ってどの程度まで問題ないのでしょうか?
先日の結露やカビもこれが一部で起因していると思われます。
意外とマット温度についての投稿がなかったので、幼虫や産卵セットのマット温度についてアドバイスお願いします。
Comment by sakimichi — 2021年2月16日 @ 7:13 PM
sakimichiさん
レスありがとうございます。
管理する外気温とケース内マット温度の関係性は以下の状況により様々に変化すると考えます。
・ケースの通気密度
・マットの水分量
・温室や室内の湿度
・ケースの大きさや、マットの量
これらの条件によって、管理する外気温とケース内マット温度はプラス2~5℃位の差異が出る場合があります。
あくまで私の考え方ですが、ケース内マット内温度は、どんなに高くても28℃以内で納めた方が良いと思います。
理由はそれ以上の温度になってしまうと、マットが再発酵してしまう可能性が高くなるからです。
マットが一度再発酵し出すと、温度はグングン高くなり、あっという間に30℃を軽く超えてしまします。
最終的には40~50℃以上になってしまう可能性もありますので、ケース内マット温度はどんなに高くても28℃以内で納めた方が無難と言えると考えます。
今回25℃前後ですでに30℃近くあるのでしたら、管理する外気温を20~22℃程度にするなどして調整してみては如何でしょうか?それでマット内の温度を計測して、マット内温度が25~28℃程度になるようにしてみると良いかと思います。
あくまで私個人の考え方ですのでご参考程度にして頂ければ幸いです。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2021年2月18日 @ 9:11 AM