
お客様からゴロファ・ピサロのの飼育方法(産卵)について質問がありましたので、本日の日記で取り上げてみたいと思います。
【飼育種】
和名:ゴロファ・ピサロタテヅノカブト
学名:Golofa pizarro
産地:エクアドル
久しぶりにゴロファの記事ですね。あくまで私なりのやり方ですが、私は以下のよなセット方法で組んでいます。
【産卵セット内容】
使用する(お勧め)マット:黒土マット、完熟マット
使用するケース:クリーンケースM
設定温度:25℃前後。
産卵セットの内容:ケースの7割程度をほんのり固く詰める。残り2割程度はふんわりと。
水分量:適量(握って水が染み出ない程度)
図示すると以下の様な感じになります。
今回はマット下部分を押し固める方法をご紹介しましたが、ゴロファ種の場合、ピサロもそうですが、多くはばら撒き産卵タイプが多いので、そこまでギュウギュウにマットを押し固めなくても大丈夫です。大事なのは親虫の成熟度、産卵設定温度(25℃程度が最適)だと私は思います。成熟してからの寿命はそこまで長い種ではないので、♂♀のタイミングを合わせるのもなかなか難しいところです。(^^)
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先日の日記のレスに以下の質問が来ました。
【ランプリマくん】
知り合いから羽化したパプキンを里子に1ペア頂きパプキン飼育を始めました。色々調べてみたのですが、パプキンの成熟した個体の印で後食開始してオシッコを飛ばし始めたらペアリング可能、成熟のサインと書いてあるのですがパプキンのオシッコは無色透明では無いのですか?当方、プリンカップに♂♀個別でティッシュを湿らせて管理しております。
質問レスありがとうございます。(^^)パプアキンイロクワガタですが、あくまで私の場合のやり方をご紹介させて頂きたいと思います。私の場合、パプアキンイロクワガタは♂も♀も後食開始したら即ペアリングさせても大丈夫だと思っています。元々、寿命がそんなに長い種ではない本種は後食開始した時点で身体は成熟に達していると考えています。実際、これまで何百頭も飼育してきましたが、私は後食開始した=入れたゼリーが減っている・・の段階でペアリング可能と判断してきました。結果は問題なく、交尾~産卵~無事孵化の結果を得ております。
さすがにオシッコの事は私も良くは分かりません。でもオシッコをするというのは後食が始まったらするのではないのでしょうか?違いますかね?
同兄弟のパプキンを羽化させると、他のクワカブ同様に♀の方が♂よりも早く羽化します。しかもパプキンは寿命がかなり短い種ですので、♂が大型で羽化してくれば羽化するほど♀の成熟がドンドン増してきます。これは自然界では血の混濁を防ぐ為に当たり前の事ですが、人間の都合で同血統だけの配合からインラインブリードさせたいとなると、結構ネックになってきます。もし譲って頂いたパプキンが同血統の同兄弟であるならば、♂が後食を開始した時点で、ペアリングをすると良いかと思います。
※ブリードには様々なやり方があると思います。私のやり方もその中のほんの一例に過ぎないと考えています。ご参考程度に聞いて頂ければ幸いです。m(_ _)m
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今日はパプアキンイロクワガタの羽化報告です。
【飼育種】
和名:パプアキンイロクワガタ
学名:Lamprima adolphinae
産地:アルファック産
累代:CB
【羽化までの内容】
体長:♂42mm 43mm
【使用したエサ】
Basic2001個
【設定温度】
25℃前後。
【エサ交換回数】
交換途中無し(2令投入)
【羽化までの期間】
♂2令幼虫~約5ヶ月(合計6ヶ月程度)
パプアキンイロクワガタ、通称パプキンです。Basic200を使用しての飼育しました。今回は♂のみの羽化です。毎回飼育していて思うのですが、パプキンは菌糸の場合だとマットと比べて成長が比較的ゆっくりとなるような気がします。今回も羽化までに半年程度かかりました。でもその分、大型の大歯タイプに育ってくれました。色合いは赤紫っぽいタイプとモスグリーンタイプです。どちらも発光が素晴らしく大変美しいです。今回は♀の紹介はありませんが、♀の羽化は早いので羽化ズレ対策をしっかりとしたいですね。(^^)
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先日の日記(ヘラクレス・ヘラクレスの飼育)について、Jさんより以下の質問レスが来ました。
【Jさん】
SIHO様こんにちは!ヘラクレス、カッコイイです!!自分も少しでも角が太いヘラちゃんを羽化させようとガンバってマス(≧∇≦)すみませんが質問お願い致します。ヘラクレスの幼虫をたくさん産ませたので、何匹か友人に譲るつもりなのですが、カブトの幼虫ってやはり顔がデカイ奴が将来的に大型になりやすいんでしょうか?それと、幼虫の中に何匹か背中(脊髄?)が曲がってしまっている子達がいるのですが、このような症状は加令すると共に改善されるのでしょうか?それとも死んでしまうでしょうか?教えていただけませんか?よろしくお願い致します。長文失礼しましたm(_ _)m
Jさん、質問ありがとうございました。私も長年飼育しておりますが、完全な回答というものははっきりとは分かりません。あくまで私個人が今まで経験した中での返答になります事を御理解下さいませ。m(_ _)m
まず、
Q1:ヘラクレスの幼虫をたくさん産ませたので、何匹か友人に譲るつもりなのですが、カブトの幼虫ってやはり顔がデカイ奴が将来的に大型になりやすいんでしょうか?
顔=頭がデカイやつが大型になりやすい・・・これはその傾向は強いと思います。頭がデカイ個体は意外に大きな体になりやすいように思えます。実際、ヘラクレスに限らずオオクワなどでも頭の大きい2令幼虫がデカく期待が持てるといったクワ仲間達も大勢いました。ヘラクレスにもそれは言えてくるのではないでしょうか・・・。
Q2:幼虫の中に何匹か背中(脊髄?)が曲がってしまっている子達がいるのですが、このような症状は加令すると共に改善されるのでしょうか?それとも死んでしまうでしょうか?
あくまで私の経験上の話ですが、1令、もしくは2令時での段階で曲がっているのであれば、加令の段階で元に戻るものもありました。ただ3令の時点でなったものに関してはそのままでしたが・・・。 死んでしまう事はありませんでしたよ。またその曲がった個体は私のところでは問題なく羽化しました。羽化不全もありませんでした。また3令の段階で顎が折れた個体も蛹化した時点では問題なくキレイに蛹化しました。羽化した時もきちんと角はありました。ただ成長という意味では少し小さめだったような気もします。
あまり正確性のない返答で申し訳御座いません。ご参考程度に聞いて頂けますと幸いです。これからもよろしくお願い致します。(^^)
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久しぶりのヘラクレスの飼育データです。
【ヘラクレス・ヘラクレス♂145mm】
【飼育種】
和名:ヘラクレス・ヘラクレス
学名:Dynastes hercules hercules
【羽化体長】♂145mm
【使用したエサ】きのこマットのみ
【使用した容器】クリーンケースS
【えさ交換回数】途中4~5回
【設定管理温度】25℃前後
【羽化までにかかった時間】2令投入して約12ヶ月(合計14ヶ月程度)
おなじみのH・ヘラクレスです。幼虫飼育はとても容易、弊社のマットではきのこマット、完熟マット、くわマット、黒土マット、どのマットでも飼育可能です。
飼育スペースを考えて私の場合、Sサイズのケースで飼育しておりますが、大きなスペースでゆったり飼育することに越した事はありません。小さいケースの場合、蛹化の時に注意をする必要があります。狭い方向に蛹室を作った場合、蛹化の時に角曲がりになる可能性があるからです。 ちょっと例を挙げると、以下のような画像のように作った場合が注意が必要です。
実際、この蛹室で羽化した個体は以下の様な角曲がりになりました。
皆さん、こうならないように注意して飼育して下さいね。(^^)
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今日はお客様から先日質問がありました、シェンクリングオオクワガタの飼育方法についてちょっと書いてみたいと思います。
【シェンクリングオオクワガタ♂参考画像】
【シェンクリングオオクワガタ♀参考画像】
【飼育種】
和名:シェンクリングオオクワガタ
学名:Dorcus schenkingi
産地:台湾産
【使用したエサ】
♂:Element11002本使用
♀:Element11002本使用
【設定温度】23~25℃前後
【羽化までにかかった時間】
♂2令投入して約8ヶ月(合計10ヶ月程度)
♀2令投入して約6ヶ月(合計8ヶ月程度)
台湾のドルクスの一種、シェンクリングオオクワガタです。
幼虫飼育はとても容易、菌糸、マットどれでも育ってくれます。
今回紹介しました個体はElement1100を使用しました。 ♂は1本目をまるまる喰いきり、菌糸の白い部分が約9割り程なくなった時点で2本目に移行。2本目も7~8割は白い部分がなくなりました。 ♀の方は1本目を約7割ほど食いきった状態で交換。2本目に交換すると2~3割食べた状態で暴れが始まり、そのまま蛹室を形成。その後蛹化~羽化となりました。
♀は♂よりもサイクルが早く、約2ヶ月ほど早く羽化して来ています。寿命もかなり長い種ですので、羽化ズレはあまり気になりませんが、 同血統同士の血の濃さには注意したいですね。
次に産卵方法ですが、私は以下のような方法でセット組んでいます。
【産卵にお勧めのマット】、完熟Mat+材2本
【産卵にお勧めのケース】クリーンケースM~クリーンケースL
【産卵管理温度】25℃前後
【水分量(湿度)】多からず少なからず
【セット方法】ケース底面を固くつめ、材を入れ、その回りも固く詰める。
上部2~3cmほどは柔らかくマットを入れる。少し材の頭が出るようにセット。
セット方法を図示してみました。以下の様な感じです。
このような感じです。
下の画像は他の種をセットした際の実際画像です。
シェンクも同じセット方法なので参考に御覧下さいませ。
【斜めから見たセット完成図】
【真上から見たセット完成図】
【フタをして完了!】
私が飼育した際には産卵形態はほぼ材産みのように思えました。産卵数はあまり多くは無いようです。私も過去に何度かセットしましたが、 多くて30程度だった記憶があります。ただその時も材をこまめに入れ替えてです。材を4~5本使用した記憶があります。
ペアリング方法ですが、私の場合は基本的には産卵セット前に10日程度♂♀を小さめのケースに入れて同居させています。 産卵セットに♂♀直接入れても構わないと思いますが、逃げ場が結構あるので♂♀の交尾が成立しない場合を考慮して、あらかじめ♂♀のみでしっかり交尾が成立させるようにしています。10日程度同居させたら、後は♀のみを産卵セットに投入します。
私はこのような方法でセットを組んでいますが、これはあくまで私の方法ですのでご参考程度に聞いて頂けると幸いです。(^^)
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皆さん、新年も明けていかがお過ごしでしょうか?こっちはちょっと自身のPCの不具合があり、日記の更新が遅れてしまいました。お詫び申し上げます。
その間、りょーさんより質問のレスが届いていましたので、今日の日記内で返答したいと思います。
【りょーさん】
明けましておめでとうございます!今年もこちらの日記を参考に違う種にも挑戦したいと思います。私もアマミノコを頑張りたいと思います。去年起きた個体たちは痩せ型・短命で可哀相だったので、エサ交換のタイミング等に注意したいと思います。またアドバイスいただけましたらと思います。
りょーさん、レスありがとうございます。返答が遅れましてすみませんでした。今年も宜しくお願いしますね。(^^)さて、話題に上がったアマミノコギリですが、私は以下のように飼育しております。過去に日記内で取り上げたデータですが、参考事例として挙げさせていただきます。
【飼育種】
和名:奄美ノコギリクワガタ
学名:Prosopocoilus dissimilis
産地:日本国奄美大島産
累代:WF1
【羽化体長】♂72~75mm
【使用したエサ】菌糸ビンElement1100×2本、きのこマット
【えさ交換回数】菌糸、マット共に途中1回(計2本)
【設定管理温度】23~25℃前後
【羽化までにかかった時間】初令投入して合計約9~11ヶ月程度
日本のノコギリの中ではほぼ最大種となるアマミノコギリクワガタです。
フォルム的にはトカラノコギリと大変似ております。ただ体色的には真っ黒。本当に漆黒のボディです。ただやはり本土ノコギリとはまた別のまったく違う迫力があります。本当に格好よいです。
飼育は菌糸、マットどちらでも大丈夫です。過去に羽化させた最大75.8mmの個体は菌糸飼育でした。マット飼育では72mmの個体が羽化しました。えさ交換は菌糸、マット共に途中1回、合計2本の使用です。交換のタイミングですが、菌糸ならば8~9割程度じっくり食べあがった時、マットでは目安的に約4~5ヶ月程度で交換しました。ご参考までに聞いて頂けますと幸いです。(^^)
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いつもこの日記を御覧になっている皆様、新年明けましておめでとう御座います。昨年は大変お世話になりました。今年もどうぞよろしくお願い致します。(^^)
2012年がスタートしました。今年の目標ですが、個人的には国産種に力を入れてみたいと思っております。その大きさや格好よさから外国産がもてはやされる傾向が強いですが、国産種も国産種独自の魅力があります。その魅力を少しでもご紹介出来れば・・・と思っている次第です。ではどうぞ本年度もよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m
Shiho(^^)/
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毎年恒例!冬場の温度管理。Shiho自作の簡易発泡スチロールによる簡易温室の紹介です。
あらかじめ御了承を得たいのですが、この記事は毎年紹介しておりますので、何度もお目にかかられた方も多いと思います。ですが、今年からはじめられたクワカブ初心者の皆様や当日記を初めて御覧になられている方達の為に少しでもお役に立ちたいと思い、しつこいながらも今年も紹介させて頂きたいと思います。内容は例年と同じ重複しております。御理解&御了承の程よろしくお願い致します。m(_ _)m
外国産のクワカブにとっては寒さの厳しい時期です。では、クワカブを冬場にどう管理するか?
日本の虫は、元々この日本の四季のある環境に順応しており、氷点下になる冬でも乗り越えられる能力を持っています。ですが、外国産の虫についてはこの能力は持ち合わせておらず(一部例外もある)、日本の虫と同じように常温飼育をしてしまっては、かなり動きが悪くなり、場合によっては死亡してしまいます。
それではどうすれば良いのか?答えは温度管理をしてあげれば良いのです。
簡単に答えてしまいましたが、この温度管理、結構大変で苦労している方も多いと思います。
大量に虫を飼育されている方等は、一部屋ごと空調(エアコン)による温度管理をされている方が多いようですが、少量を飼育されている方、電気代を考えて一部屋エアコンを常時つけられない方も多数いらっしゃると思います。
そんな時は簡易温室を作ってみるという手があります。簡易温室には、ガラス温室を利用した立派なものもあれば、メタルラックにビニールをかぶせたもの、ダンボールや発泡スチロールを工夫して作ったもの等、工夫次第で色々手作りする事が可能です。
今日はその中で少量飼育の方の場合を想定して、発泡スチロールでつくった簡単な温室をご紹介します。
【3つの発泡スチロールを使用した小型簡易温室】
まず同じ大きさの発泡スチロールを用意します。
3つの発泡の内、2つを底面をカッターでくり抜き、キャンプ等で使用するバーベキュー用の金網をおきます。
残り一つは一番底面になるのでそのままですが、温度源となるものを置きますので、コードの穴を開けます。今回は電気あんかを温源に使用しました。コードの穴の部分は切り取った部分を少し小さくして再度はめ直すとよいでしょう。
3つそろって下のような感じです。
後は重ねて、2つの段の上に飼育する虫を置くだけです。
この温室は小さいので多数の数は置けません。また温源も電気あんかと比較的弱めの温源であるため、外気温が凄く寒い場合には、中が低くなる場合もあります。置く場所などを選んで、適温になるように調整しましょう。中に温度計を1本入れて確認すると良いと思います。
この様な感じで小型のものならば結構簡単に作れます。後は飼育の数に合わせて土台を選び、それにあった温源を選択するとよいでしょう。温度が高く上がりすぎるような温源(小型電気ヒーター)等は、コンセントとの間にサーモを接続して温度設定をしてあげれば、一定の温度を保つ事も可能です。
ご紹介したのはあくまで簡易温室ですが、以外となかなか役に立つものです。しかし皆様の住んでいる地域地域によっては能力に差が出てくることもあります。例えば北海道で使用するのと沖縄でしようするのとでは全然違ってきます。それぞれの管理する部屋にあった温室作りが大事だと考えます。しっかりと温度対策をして厳しい冬を頑張って乗り切りましょう。(^^)
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先日の国産オオクワガタの越冬方法に続いて、今日は外国産の冬場の温度管理について少し触れたいと思います。当たり前の事ですが、国産のクワカブ達と違い、外国産のクワカブは日本の気候そのままには適していないと考えられます。外国産のクワカブを冬場に管理する場合、温度調節が必要な場合が多々多いです。
日本の虫は冬場は越冬する虫が多いでで、外国産も同じように思ってしまいがちですが、それは違います。勿論越冬する外国産(例えばホペイなど)はいますが、ほんの数例です。
一番大事なのは、飼育している虫の生息地での環境などをインターネットや本などを使用して調べ、その土地のその時期の気温などを調べると一番良いです。最近はネットなどで情報も比較的入手出来るようになってきましたので、活用すると良いでしょう。温度管理する方法、いわゆる今の冬場だと加温する方法といえば、エアコンを使った空調管理が一番楽ですが、コスト面やスペース面などの確保を考えるとなかなか難しい場合が多いです。
後は簡易温室を作成するか、家の一番暖かい場所において管理するか・・・。ただ家の一番暖かい場所といっても24時間温度は一定ではないので、設置する前にあらかじめ温度計などを置いて実験データを取るようにする事が必要です。一日の中で暑い時と寒い時の寒暖差が少ないのが理想的だと思います。数字で言えば、15~28℃位でしょうか・・・。この位をキープできていれば大体の種は大丈夫だと思われますが、種類によっては多少の誤差があることは確認しておいた方が無難でしょう。
人間の都合でいうならば常温管理出来れば一番楽ですが、外国産の虫を飼育するには、一年を通して温度管理が必要になってしまいます。これも虫飼育の楽しみの一つとしてとらえて楽しむのもまた味があり良いと思っています。皆さん、冬場の飼育を楽しみましょう。(^^)/
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