2015年野外採集(昆虫採集)シリーズ。
今回で25回目になります。
10月に入って2度目の採集です。
朝夕もかなり涼しくなって来ています。前回は10頭程しか見かけることが出来ませんでした。今回は何頭見かけることが出来るでしょうか?
秋晴れの中、AM 8:20、目的地に向かいます。
採集地に向かう途中、コスモスを見かけました。
秋桜(コスモス)、漢字の名前の通り秋の花の代名詞とも言える花です。この花を見かけると「10月だなぁ~」と思ってしまいます。
クマバチがコスモスの花に集まっていました。
【クマバチ】
体長:20mm前後
本州、四国、九州に生息
花に集まる
こちらにはトラマルハナバチの姿を発見。
【トラマルハナバチ】
体長:18mm前後
北海道~九州に生息
花粉と蜜に集まります。
ハチ達も厳しい冬に向けて準備が忙しそうです。
さて、クワガタ採集に戻って・・。
目的地に到着です。
ニレの群生があるところですが、心なしか葉の色合いも黄色くなり、葉の数も少なくなって来ています。
10月のこの時期、クワガタ樹液採集をしているのは私位のものでしょうか?
シーズン中は良くノコギリクワガタが落ちて来たハルニレ。
今は蹴ると、クワガタの反応はなく枯れかけた葉が多数落ちて来ます。
こちらのハルニレの木、
お分かりになりますでしょうか?
画像のちょうど中央位に横向きになっているネブトクワガタがいます。かなり見にくいですが、背中の縦筋が確認出来ます。
お顔を拝見させて頂く為に取り出させて頂きました。
やはりネブトクワガタでした。
拡大画像で見てみます。
キレイな個体ですね。
大歯の特徴は出ておりませんが、これでも立派なネブトクワガタ♂個体です。
こちらのハルニレの折れた枝先では、
大型のオオスズメバチが活発に活動していました。
今の時期のスズメバチ種はとても攻撃的なので注意が必要です。いつもならばあまり気にしないで撮影するのですが、今回は撮影時少しドキドキしました。
こちらのクヌギの木でもオオスズメバチを見かけました。
上記画像オオスズメバチを後ずさりながら撮影し、ふと隣のクヌギの木を見てみると、
目線より少し高めの所にミヤマクワガタの♂が樹液を舐めていました。
お分かりでしょうか?ミヤマの胸下にある黒く濡れている部分が樹液です。
樹液の出も段々と悪くなっているようですね。それでもこのミヤマはたくましくエサを求めて頑張って生きています。
嬉しくなってしばらく眺めたり、撮影したりしていたら、さすがに私の気配に感じたらしく落下してしまいました。
その個体を拾い上げて、記念にもう一枚撮影。
小型な♂ながら両手を上げて威嚇してきました。
最後に木を蹴ってみると、バラバラっと何か落ちて来ました。
予想だにしていなかったので、慌てて探してみると、
手前に落ちて来たのはクヌギの実。
丸々と太った大きい実でした。
なんと、ノコギリクワガタの♂69mm(後程計測)
こちらは木の反対側に落ちて来ました。危うく見落とす所でしたが、見事にGET!!
とても大型で欠損箇所もなくキレイな個体です。
しかもサイズも69mmとなかなかのサイズ。まだこんな個体が残っていたかと思うと嬉しくなりました。
1本の木でミヤマとノコギリをGETしたせいもあってテンションは一気にヒートアップ!気合が入りました!
同じくクヌギの木。
この木には深い樹皮裏があります。
隙間をライトで照らしながら見て、掻き出し棒で取り出してみると、
出て来たのはヒラタクワガタ♂61mm(後程計測)
かなり汚れていますが、元気いっぱいです!
それと、
コクワガタ♂46mm(後程計測)
なかなか大型のコクワガタです。
あともう一頭、
スジクワガタ♂小型個体。
同じ樹皮裏に違うし3種類のクワガタが入っていました。
素晴らしいです!
所変わって、こちらはハルニレの木。
木の本体と隣の木の枝が合わさってくっついている所にクワガタを発見。
お顔を拝見すると、
ヒラタクワガタの小型♂でした。
小さいですが、とても元気です。
こんな感じで楽しく3時間程採集しました。
最初の内に見かけた数頭は採らずにスルーしていたのですが、この時期に一体どれ位の数が採れるのか試してみたくなったので、一度見かけた個体は採集してみることにしました。
今回の結果は、
比較的大きめの個体達。
小型の個体達。
合計で23頭という結果でした。
種類は、ミヤマクワガタ、ノコギリクワガタ、ヒラタクワガタ、コクワガタ、スジクワガタ、ネブトクワガタの6種類。
圧倒的に寒さにも強い黒系クワガタが多数です。
前回の採集が10頭程しか見かけなかったので、今回はそれ以下かもしれないと覚悟していたのですが、結果は前回の倍以上という良結果!しかも最初に見かけた数頭(4~5頭)は採らずにスルーしたことを考慮すると、30頭近くを見かけたことになります。
10月のこの時期に来てまだこれだけ野外でも見かけることが出来るのですね。本当に嬉しくなりました。
山野ではカラスウリが美味しそうに赤く色づいていました。
こんなに赤く熟して、見た目にも美味しそうなのですが、実際は苦くて食するには向かないそうです。なんか残念ですよね~。
ほんのりと色づき始めた山々、本格的に紅葉時期に入っていく頃ですが、まだまだ山にはクワガタを見かけられることが分かりました。クワガタを見かけられる限り野外採集、チャレンジしてみようと思っています。
皆さんもお時間がある方はドライブがてら秋の空気を楽しみながら、10月採集如何でしょうか?もしかするとまだ見ぬ大物が待っているかもしれませんよ。(^^)
※この採集方法はあくまで私自身のやり方です。人によって採集方法や採集条件などは異なると思います。あくまで参考として見ていただければ幸いです。
※ 採集はマナーが大事です。採集する場所が私有地の場合は、 無断では入らないようにしましょう。必ず持ち主さんに断りを入れるのは必須です。あと、虫が木の穴の中に入って採れないからと言って、木を切ったり、傷つけたりするのも好ましいとは言えません、自然にやさしく、モラルを守って採集を楽しみましょう。(^^)
使用したアイテム
毎年恒例!冬場の温度管理方法。
Shiho自作の簡易発泡スチロールによる簡易温室の紹介です。
あらかじめ御了承を得たいのですが、この記事は毎年紹介しておりますので、何度もお目にかかられた方も多いと思います。
ですが、今年からはじめられたクワカブ初心者の皆様や当日記を初めて御覧になられている方達の為に少しでもお役に立ちたいと思い、しつこいながらも今年も紹介させて頂きたいと思います。
一部追記事項もありますが、大体の内容は例年と同じ重複しております。御理解&御了承の程よろしくお願い致します。
10月に入って日々だんだんと寒くなってきました。日中はまだまだ暑い日もありますが、 朝夕はめっきり涼しくなりました。外国産のクワカブにとっては日本の冬は寒さの厳しい時期です。
日本の虫は、元々この日本の四季のある環境に順応しており、氷点下になる冬でも乗り越えられる能力を持っています。ですが、外国産の虫についてはこの能力は持ち合わせておらず(一部例外もある)、日本の虫と同じように常温飼育をしてしまっては、 かなり動きが悪くなり、場合によっては死亡してしまいます。
それではどうすれば良いのか?
答えは温度管理をしてあげれば良いのです。
簡単に答えてしまいましたが、この温度管理、結構大変で苦労している方も多いと思います。
大量に虫を飼育されている方等は、一部屋ごと空調(エアコン)による温度管理をされている方が多いようですが、少量を飼育されている方、 電気代を考えて一部屋エアコンを常時つけられない方も多数いらっしゃると思います。
そんな時は「簡易温室」を作ってみるという手があります。
簡易温室には、ガラス温室を利用した立派なものもあれば、メタルラックにビニールをかぶせたもの、 ダンボールや発泡スチロールを工夫して作ったもの等、工夫次第で色々手作りする事が可能です。
今日はその中で少量飼育の方の場合を想定して、発泡スチロールでつくった簡単な温室をご紹介します。
【3つの発泡スチロールを使用した小型簡易温室】
まず同じ大きさの発泡スチロールを用意します。
3つの発泡の内、2つを底面をカッターでくり抜き、キャンプ等で使用するバーベキュー用の金網をおきます。
残り一つは一番底面になるのでそのままですが、温度源となるものを置きますので、コードの穴を開けます。 今回は電気あんかを温源に使用しました。
電気あんかの下には少しでも熱を上に上げる為に、アルミ箔シートを下に敷き詰めました。
コードの穴の隙間部分は切り取った発泡スチロール部分を少し小さくして再度はめ直すとよいでしょう。
3つそろって下のような感じです。
後は重ねて、2つの段の上に飼育する虫を置くだけです。
この温室は小さいので多数の数は置けません。
また温源も電気あんかと比較的弱めの温源であるため、外気温が凄く寒い場合には、中が低くなる場合もあります。 置く場所などを選んで、 適温になるように調整しましょう。
<理想の温度帯>
温室が完成しましたら、必ず温度テストをしましょう。
どこにお住まいか、またどんな場所に置くかでも温度はかなり違ってくると思われます。
冬場でもクワガタ、カブトムシを活発に活動させるには、
15~28℃
大きく言うと、この温度帯をキープが必要かと思います。
※虫の種類によっては活発な活動温度帯は異なります。
それぞれの飼育種に合わせて更に細かく調整して下さい。
テスト実験してキープ温度がもう少し低いならば
・もう少し暖かい部屋に移動させる
・外側にアルミシートをかぶせる
・加温器をもう少しグレードアップさせる
・発泡スチロールの容量を少し狭くする
等の対処をして、ご自分のお住まいに合った調整法を考える必要があると思います。
<温度確認方法>
中に温度計を1つ入れて確認すると良いと思います。
弊社でも販売している「室内室外温度計」ならば、先端のセンサーの部分だけを小さな穴を開けて差し入れておけば外側からでもすぐに内部の温度が分かるので便利です。
また昔小学校の頃位に実験などでよく使っていた30cm位の長い温度計などでも発泡スチロールの上面から突き刺しておけば、外側からでも確認出来るので便利だと思います。
<通気確保>
また空気確保の為、発泡スチロール上面に小さな穴を2つ位開けておくと良いと思います。
元々そこまで保温能力は高くないので、大きめの穴は避けた方が良いでしょう。
この様な感じで小型のものならば結構簡単に作れます。
後は飼育の数に合わせて土台を選び、それにあった温源を選択するとよいでしょう。
温度が高く上がりすぎるような温源(小型電気ヒーター)等は、 コンセントとの間にサーモを接続して温度設定をしてあげれば、 一定の温度を保つ事も可能かと思います。
また、より広く、ちょっと本格的なものを作りたいならば、弊社でも販売している「組立式簡易温室 グリーンキーパー」を使用すればより簡単に簡易温室が作れます。
一番下の棚に温源となるものを入れて後は密閉するだけ・・・。
温源とサーモを接続してコンセントに差し込めれば、容易に温度管理が可能です。また内部に小型ファンを入れれば空気も循環して全体的にムラなく温度管理が出来るでしょう。
ご紹介したのはあくまで簡易温室ですが、以外となかなか役に立つものです。しかし上記でも書きましたが、皆様の住んでいる地域地域によっては能力に差が出てくることもあります。
例えば北海道で使用するのと九州、沖縄で使用するのとでは全然違ってきます。それぞれの管理する場所にあった温室作りが大事だと考えます。しっかりと温度対策をして厳しい冬を頑張って乗り切りつつ、クワカブライフを楽しみましょう。
※この方法はあくまで私自身のやり方です。
人それぞれによって考え方や方法等は異なると思います。
あくまで参考例として見ていただければ幸いです。
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段々と肌寒い日が増えて来ました。
毎年、今の時期位になると、冬場の生体管理方法。
特に「越冬のさせ方」についてよく質問が来ます。
今回は越冬の方法に関して少し書いてみたいと思います。
※管理のやり方には色々な方法があると思います。今回述べるのはあくまでも私Shihoの管理方法についてのやり方&見解です。 あくまでご参考程度に見て頂けますと幸いです。
またこれからご紹介するやり方は過去の日記でも取り上げておりますので、過去の日記の記事&画像が重複しますことをご了承下さいませ。※
代表的な越冬クワガタと言えば、おなじみ国産オオクワガタ。
国産オオクワガタは野外では春~秋(4月~10月位)にかけて活動、冬(11月~翌年3月位)には越冬をします。
飼育下においては温度をかけてやれば一年中活動しますが、温度管理が必要となります。温度をかけないやり方(常温飼育)の場合は越冬をさせてやることで翌年春より活動を再開します。
越冬後も元気な姿を見る為にも適切な越冬体勢を整えてあげることが必要かと思います。私:Shihoなりのやり方にはなりますが、国産オオクワガタを例にとって越冬のやり方をご紹介したいと思います。
まずは皆様、ご自分の飼育状況を考えて下さいませ。
エアコン温室などで、冬場も温度管理が出来る方は、そのままその管理下で飼育すれば良いと思います。
では、温度管理が出来ない場合どのようにして越冬させるのかをご紹介してみたいと思います。
国産オオクワガタ成虫(越冬可能なクワガタ含む)の越冬方法
<手順>
・まず用意したのはクリーンケースSSです。オオクワガタ1頭程度ならこの大きさでも十分だとは思いますが、もっと大きくても全然構いません・・・というよりスペースは広い方が温度が安定するので、なお良いと思います。
・越冬させるマット、紹介している画像では月夜野きのこ園で以前販売していた「ほだマット」を使用しております。しかし残念ながら今現在は販売は中止しております。
ではどんなマットを選んだら良いのか?
基本的にはどんなマットでも構いませんが、可能ならば粒子が粗く、空気が含みやすいものが私 は好きです。少し加水し、水分調整をします。この際、マットが固まる位の水分量では多すぎます。水分は少なめにします。
2015年10月現在、弊社で今販売している商品ですと、
ヒノキマット、 きのこマット、くわマット、完熟マットをオススメいたします。
内容的に詳しく申し上げると、
虫の体に優しいマットを選ぶならば、
きのこマット、くわマット、完熟マットがお勧め。
少しでもダニ等の発生を防ぎたいのであれば、
ヒノキマット がお勧めです。
・さぁセット開始です。まずはケースにマットを軽く敷き詰めます。マットは押詰めません、軽くです。
・あくまで私の場合ですが、生体が隠れれるように木片を1~2本入れます。
・その上からまたマットを軽くかぶせます。この時も押詰めずに軽く空気を含ませるような感じでかぶせます。
マットはケース高さの約8割程度までかぶせます。
・上部には転倒防止の木片とゼリー。完全に潜って上部に出てこなくなったらゼリーは撤去しても良いですが、セット初めの時は越冬のスイッチがまだ入り初めかどうかの時期ですので、一応ゼリーは入れておきます。
・上の段階のままでもOKですが、コバエ等から守る為に新聞紙とディフェンスシートを用意する手もアリです。
<用途理由>
ディフェンスシート:乾燥、コバエ等から守る
新聞紙:マットから蒸発した過剰な水分をケース内で蒸れさせずに吸収させる為
如何でしたでしょうか。
私は越冬するクワガタは上記のような方法でセットします。
また国産オオクワガタだけでなく、外国産のクワガタでも台湾オオクワガタ、ホペイなどは越冬させます。
それと形は似ていますが、国産ヒラタは厳しい寒さにはあまり強くはありません。
私なりには越冬は極力控えた方が良いと判断しています。ご参考までに・・・。
【国産オオクワガタ幼虫の場合】
次に幼虫の場合ですが、冬場に温度管理をすれば、冬の間もエサを食しますので成長を続けます。
常温管理の下におけばある程度の寒さに達した時点で越冬し始めます。この間はエサを食さないので成長は止まります。
やり方は飼育される方のお好みで選んで頂ければと思います。
より自然に近い方法がお好みならば常温飼育、冬場も成長させたいのであれば温度管理飼育・・・という具合です。
如何でしたでしょうか?上記が私Shiho流ではございますが、国産オオクワガタ(越冬するタイプのクワガタも含む)の越冬方法例になります。
夏場と冬場・・・厳しい温度変化のある日本では管理方法やその準備 がなかなか難しいですよね。。
でも手はかかりますが、やり方(方法)はありますので、少し頑張ってお大事な虫たちの為に準備してみては如何でしょうか?
では皆様、これから寒い冬が来ますが、一緒に頑張っていきましょう。(^^)/
※この方法はあくまで私自身のやり方です。
人それぞれによってやり方や考え方などは異なると思います。あくまで参考として見ていただければ幸いです。
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2015年クワガタ野外採集記(昆虫採集記)シリーズ。
今回で24回目になります。
本日より10月に突入しました。
暦の上でも立派な秋。この時期にはたしてクワガタ達はどんな活動をしているのでしょうか?
AM7:20、目的地へと向かいます。
このクヌギの木で出迎えてくれたのは、
クヌギの木のほぼ真正面に堂々と付いているミヤマクワガタ♂。
体中傷だらけで、「戦い抜いて生きて来た!」というオーラを感じます。
体格もなかなかの大型。
後程の測定で♂70.7mm というサイズでした。
まだこの時期でも70mmUPは採れるんですね。
10月に入っての採集最初で大型に出逢い、気合も入りました!
次にこちらのクヌギの木、
お分かりでしょうか?樹皮裏に黒い影が見えます。
なかなか大きそうなので、ちょっとお顔を拝見して見たいと思います。
樹液まみれで姿を表してくれたのは、
ヒラタクワガタ♂62mm(後程計測)
通常は♀も一緒に入っていることが多いのですが、この樹皮裏にはこの♂一頭のみ。
とても元気いっぱいで、手の上に乗せて撮影しているとかなり威嚇してきました。まだまだとても元気いっぱいです。
こちらのハルニレのウロ(穴)を見ようと見上げると、
カナブンがお出迎え。
10月に入りましたが、まだカナブンがいました。
キレイなグリーン色タイプです。
そのウロ(穴)の中からは、
ヒラタクワガタ♂63mm(後程計測)を掻き出し棒でGET!
先ほどご紹介した♂62mmと同様に元気いっぱいで、手で握っていなければ撮影できないほどでした。
ポイントを少し移動して、こちらのクヌギの木では、
樹皮裏に隠れるコクワガタを発見!
ちょいとお顔を拝見させて頂きました。
なんととても美しい個体です。
体長はなかなか大型で45mm以上はあるでしょう。
近くの同じクヌギの木では、
ヒラタクワガタ♂♀が交尾をしていました。
邪魔をせずにそおっとスルーします。
こちらのクヌギでは、
樹皮裏に一頭、頭を突っ込んでいるクワガタが一頭います。
表に出てきているクワガタを拝見してみると、
スジクワガタの♂でした。
スジクワガタ♂の特徴の一つでもある立派な斧状の歯型。
体長は♂30mm程でしょうか。小さいと思われがちですが、スジクワガタならばこのサイズでも立派なサイズです。
樹皮裏に隠れている個体、
もうあえて取り出しませんでしたが、外側から見た感じではおそらくヒラタクワガタの♂だと思います。
周りを探していると、
アブラゼミの亡骸。
こちらにも小型セミの亡骸が・・・。
こういう光景を見ると、夏の終わりをまざまざと感じ、寂しい気持ちになります。
こちらには種類は不明ですが、何かのキノコ種が生えているクヌギの木がありました。
こうやってキノコ種が生えて分解され、朽木となって新たな生物のエサとなります。細い木ですが、コクワガタ等はこれ位の材にも産卵することもあります。
ここまで採集してきて最初にミヤマクワガタが採れたものの、その一頭だけで後は全て黒系の虫達ばかり。さすがにコクワ、スジは寒さに強いです。ヒラタクワガタも本来はそこまで寒さに強くはないのですが、まだこの時期の気温ならば活動しています。
ノコギリを見かけないなぁ~。と思って採集していましたが、最後の最後に
樹液に来ているノコギリ♂小歯型を見つけました。
この場所は少し暗かったので、フラッシュ撮影でパチリ。
よーく見てみると、このノコギリ♂、右前足が欠損しています。
10月まで戦い生き抜いて来た証でしょう。
3時間程、採集させて頂きました。
スタート直後にミヤマクワガタの♂70mmUPがいきなり現れたので、10月でもまだまだいけると気合が入りましたが、その後はあまり成果は得られず、今回は合計で10頭程しか見かけませんでした。
種類的には一応、ミヤマクワガタ、ノコギリクワガタ、ヒラタクワガタ、コクワガタ、スジクワガタを見かけることが出来ましたが、やはり黒系の虫達の方が多く見かけられました。
しかし10月に来て見かけられる数は激減。次回の採集辺りがクワガタ達を見かけられる最後位になってしまうような気もしますが、あともう少しだけフィールドでのクワガタ達の生き様を見届けてみたいと思います。
※この採集方法はあくまで私自身のやり方です。人によって採集方法や採集条件などは異なると思います。あくまで参考として見ていただければ幸いです。
※採集はマナーが大事です。採集する場所が私有地の場合は、 無断では入らないようにしましょう。必ず持ち主さんに断りを入れるのは必須です。あと、虫が木の穴の中に入って採れないからと言って、木を切ったり、傷つけたりするのも好ましいとは言えません、自然にやさしく、モラルを守って採集を楽しみましょう。(^^)
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野外採集(昆虫採集)した虫を産卵させてみよう!シリーズの第2回目。
前回のミヤマクワガタの紹介からちょっと間があいてしまいまして申し訳ございませんでした。
今回は「ノコギリクワガタ」の産卵セットの方法をご紹介して見たいと思います。
※ノコギリクワガタには沢山の亜種:アマミノコギリやトカラノコギリ等:がありますが、産卵方法に関しましては全て今回ご紹介するセット方法で産卵が可能です※
【飼育種】
和名:ノコギリクワガタ
学名:Prosopocoilus inclinatus
ノコギリクワガタの場合、2つのセット方法があります。
①マットのみで産卵セットを行う方法
②材を使用して産卵セットを行う方法
です。
産卵セッティングは人それぞれお好みがあるのでしょうから、両方のやり方をご紹介したいと思います。
<産卵セット時の方法>
※野外品の♀を利用した産卵セットのご紹介になります※
★マットのみで産卵セットを行う場合★
【累代】天然ものWD♀を使用
【お勧めのマット】くわマット、完熟マット、黒土マット
【お勧めの容器】クリーンケースM~L程度
【水分量】
手で握って土団子が出来て、なおかつ水が染み出ない程度
【マットの詰め方】
ケース底面7割程度固く詰めて上部3センチはフンワリと。
【設定温度】25℃前後
今回はつい最近セットを組んだばかりの様子の画像がありますので、それと共に合わせてご紹介して見たいと思います。
まずは産卵セットに使用するケースを準備。
今回はクリーンケースを使用します。
マットを大きなケースに出します。
お勧めは完熟マット、もしくは黒土マット。
★材を使用して産卵セットを組む場合★
【お勧めのマット】くわマット、完熟マット、黒土マット
【お勧めの材】コナラ、クヌギ、レイシ、カワラなど
【お勧めの容器】クリーンケースM~L
【産卵管理温度】25℃前後
【水分量(湿度)】多からず少なからず
【セット方法】
ケース底面を固くつめ、材を入れ、その回りも固く詰める。
上部2~3cmほどは柔らかくマットを入れる。
少し材の頭が出るようにセット。
材の皮は剥かない方もいらっしゃると思います。自然界では当然皮などは剥けていないので、より自然のままのセットをお好みの方はそのままセットするというやり方もありだと思います。
あくまで私のやり方ですが、私は材を水に浸す時、そこまで長い時間はかけません。
目安は水に浸している途中で材を取り出し、実際に持ってみて、重量的に十分に水分が含まれているかどうかをみて判断します。
実際に手に取って水分の染み込み具合を確認します。
これは感覚的なものなので、どれ位とご紹介するのはとても難しいです。
もし敢えて時間的に言うならば、早くて5分、長くても10分位といったところでしょうか。
これも私的にはあまり時間はかけません。
元々長く水に浸していませんので、陰干しもごくわずかの時間です。
敢えて時間的に言うならばやはり5~10分程度でしょうか。
次にマットを準備します。
今回は材に産ませるようにセッティングしますので、マットはある程度なんでも可能ですが、幼虫が材から出て来て、こぼれ落ちてしまった場合、マットでも食せるように敢えて発酵マットを使用します。
お勧めは、完熟マット、黒土マットです。
材を入れます。今回は2本のクヌギ材です。
マット産みの傾向も強い種類では、材の横より下の隙間もマットを固く詰めると良い傾向があります。材に気に入らなればマットにも産んでくれますので・・・。
後は親♀を入れフタをします。
今回はコバエシャッターを使用してみました。
セット方法を図示すると以下の様な感じです。
(※図では2本の材は平行セットになっていますが、Tの字でセットでも構いません。)
産卵セッティングに関しては上記の2パターンの内のいずれかでセットを組めば大丈夫だと思います。
私の場合は主にマットのみの産卵で行っていました。
ただ他の人に聞いてみると材を入れた方が良いという方もいらっしゃいました。その場合、材は柔らかめの材を使用する事をお勧めします。
次に産卵セットを組んだ後、今度はいつその幼虫の割り出し作業を行ったら良いのかについてご紹介してみたいと思います。
<割り出し、幼虫取り出しの時期>
基本的にはケース側面や底面に幼虫が見え始めてからになります。
卵や幼虫が1~2頭見え始めたからといってで早期に割り出してしまうと、まだ産む気がある♀の産卵活動を一旦ストップさせてしまうことがあるのであまり好ましくありません。
上記画像は「マットのみの産卵」で産まれた幼虫達の画像ですが、上の数位見えてきたら、大成功!もう十分割り出しても大丈夫です。
あくまで私の場合になりますが、「マットのみの産卵セット」の場合、大体産卵セット開始して、約1ヶ月半~2ヶ月程度を目安に割り出すようにしています。
「材を使用したセットで産卵セットを組んだ場合」は、ケース側面などに幼虫が見えていれば、それを目安にすれば良いのですが、材に産卵していた場合は材に入り込んでしまっているので外側からは幼虫が確認出来ません。
その場合は2ヶ月ほどして一度材を掘り起こしてみ て下さい。材に産卵の形跡があればそのまま割り出しを行ってもよいと思います。
ただし飼育ケース内の環境が急激に悪化したり、ケース側面や底面にまったく卵や幼虫が見られなかったり、♀が全く潜る気配を見せずマット上面を徘徊ばかりしている時は話は別になります。
今回は野外ものの♀はほぼ交尾が終了していると言っても過言ではないので、♀の持ち腹を期待して、そのまま♀のみを産卵セットに入れるやり方をご紹介しました。
しかし、♀がなかなかマットに潜る行動をしなかったり、何回かセットしても全く産まない場合は、♂がいるならば再交尾をさせた方が良い場合もあると思います。そのあたりは状況を見て臨機応変に対応してあげて下さいませ。
下の画像は過去に行ったノコギリクワガタ産卵セット割り出し風景です。
いかがでしたでしょうか?上記が私のノコギリクワガタの産卵セットの組み方です。
ノコギリクワガタの産卵セット時の管理温度は可能ならば25℃前後程度が望ましいので、少し気温が低くなってくる場合は温度対策などをして調整してあげて下さいませ。
是非一度産卵セットを組み、幼虫飼育を挑戦してみて下さいませ。(^^)
※この方法はあくまでも私:Shihoの産卵セットの組み方です。やり方は人それぞれですので、あくまでご参考程度にご覧頂けますと幸いです。m〈_ _)m※
使用したアイテム
くわMat(昆虫マット・発酵マット), 完熟Mat(昆虫マット・発酵マット), 産卵木, 飼育ケース, 黒土マット(昆虫マット・発酵マット)
2015年9月28日
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2015年クワガタ野外採集記(昆虫採集記)シリーズ。
今回で23回目となります。
もう9月も終わりに近づいて来ました。
まだまだ虫達に出逢えるならば出かけてみせます!
というわけで野外採集記(昆虫採集記)スタートです。
PM4:30、今回は夕方に出発。
目的地に向かいます。
木をルッキングしてみますが、見当たりません。
10本位見て、見当たらなければ蹴ってみますが反応なし。
さすがにもういなくなったのでしょうか?
と、寂しい気持ちになります。
このハルニレの木を蹴ってみると、
バサバサッと数頭一気に落ちて来ました!
まず最初に拾い上げたのはカブトムシの♂。
頭角が大きく曲がっています。中型の個体です。
こちらはカブトムシの♀。
上の♂とペアで一緒にいたのでしょうか?
まだあります。
ノコギリクワガタ♂中歯型。
全体的にはキレイな個体ですが、ケンカ傷が見えます。
こちらはノコギリクワガタ♂大歯型。
なかなかの大型個体ですが、シーズン中の戦いの為か、両アゴ先が折れています。激しく戦い生き残ってきた歴戦の戦士ですね。アゴが折れていなければ65mm位の個体です。
それにもう一頭。
こちらはとてもキレイなノコギリクワガタ♂大歯型。
掴んでいないと撮影が出来ないくらい元気な個体です。
サイズは上記のアゴ折れノコギリと同じくらい、65mm程度でしょうか。
5頭のクワガタシャワーで、沈みかけたテンションが一気に上がりました!この時期にクワガタシャワーとは嬉しい限りです!ありがとうございます。山の神様!(^^)
まだ虫達はいると分かり、気合が戻りました。
さぁ採集再開です!
ちょっとポイントを移動してクヌギの木を見てみると、
ミヤマクワガタ♂とカナブン2頭の素晴らしい光景が!!
いるという気持ちになると、案外容易に出逢えるもの、何事も前向きに行くべきだと痛感しました。
そしてこちらのクヌギの木にも、
ノコギリクワガタ♂大歯型と、カナブン。
思いっきりピンボケ画像で申し訳ございません。
こちらのノコギリ♂も片アゴが折れていますが、とても元気!撮影していると威嚇してきました。
さらに近くのクヌギの木でも、
ヒラタクワガタ♂♀ペアの姿が。。
この木の樹皮裏から出る樹液はかなり少ないように見えますが、集まっています。
お次はこちらのハルニレの木、
赤い部分は樹皮なのか?樹液なのでしょうか?
ベロンと一皮むけているような感じです。
近づいてよーく見てみると、
何とその中にクワガタがいました。
アゴの形状からすると、どうやらコクワガタのようです。
樹液を舐めてるのか、隠れているのか?よく分かりません。
こちらのハルニレの木では、
クロカナブン2頭と、コアオハナムグリが付いていました。
樹液を舐めるコアオハナムグリ。
この虫は花粉に集まると聞いていましたので樹液で見かけるとは少し驚きました。私も長年採集していますが、樹液に来ていたのは初めて見ました。今年見かけたのもこの時期に来て初めてです。
【コアオハナムグリ】
体長:10~14mm程度
北海道~九州に生息
花に集まる。
このコアオハナムグリ、小さくて美しいです。腹側の画像を撮影してみましたが、こちらから見るととても可愛い!!つぶらなお目目がとてもお茶目たっぷりです。可能ならば飼育してみたいですね。
今回は夕方からの採集ということもあって日没まで、約2時間程の採集となりました。
見かけたクワガタ、カブトムシの数は前回よりも多少多いような気もしましたが、やはり20頭程度でしょうか。
今回も観察だけにし、お持ち帰り個体はゼロ。
野外採集観察を楽しみました。
西の空に沈む夕日。日が暮れるのも早くなりました。
早いもので来週はもう10月に入ります。
今回の9月末の時点で、まだカブトムシ、ミヤマクワガタ、ノコギリクワガタ、コクワガタ、ヒラタクワガタ。一応まだ一通りの種類は確認出来ておりますが、今後どういった変化を見せてくれるのでしょうか?
勿論寂しくはありますが、そういった自然の変化を楽しむのも野外採集(昆虫採集)の楽しみの一つと言えるでしょう。
ではまた次回の採集報告もお楽しみに。(^^)
※この採集方法はあくまで私自身のやり方です。人によって採集方法や採集条件などは異なると思います。あくまで参考として見ていただければ幸いです。
※ 採集はマナーが大事です。採集する場所が私有地の場合は、 無断では入らないようにしましょう。必ず持ち主さんに断りを入れるのは必須です。あと、虫が木の穴の中に入って採れないからと言って、木を切ったり、傷つけたりするのも好ましいとは言えません、自然にやさしく、モラルを守って採集を楽しみましょう。(^^)
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2015年野外採集(昆虫採集)シリーズ。
今回で22回目となります。
皆さん、シルバーウィーク、如何お過ごしでしょうか?
私は野外採集に行ってきました。
さて今回はどんな虫達に出逢えるのでしょうか?
AM7:10、林道を駆け抜け、採集ポイントへ向かいます。
最初に出迎えてくれたのはカブトムシの大型♂個体。
周りがちょっと暗かったので、フラッシュ撮影でパチリ!
同じ木の下の方では、
虫達が集まっていました。
皆さん、この上記画像の中に何頭の虫が隠れて写っていると思いますか?
答えはこうです。
①:真ん中のカブトムシ♀1頭
②:右上のカナブン1頭
③:カブト♀のすぐ左の個体に2頭、おそらくコクワガタペア
④:③の2頭の左上に1頭
⑤:カブト♀の下のちょい右側にネブトクワガタ1頭
答えは合計6頭です。
お分かりでしたでしょうか?
画像があるやつだけちょっとご紹介。
①のカナブン。体半分しか映っていませんでした。
③の樹皮裏に隠れているコクワガタの♂♀ペア、2頭。
⑤の樹皮の隙間に頭を突っ込むネブトクワガタ。
こんな、狭い空間に6頭もの個体が共存しているんですね。
素晴らしいです!
こちらのハルニレの木の小さめのウロ(穴)からはヒラタクワガタ中型位の♂が顔を出しています。
この木はまだ樹液の出も良さそうですね。
ウロ(穴)の周りが染み出た樹液で変色し、かなりの臭いが漂っていました。
次はこのハルニレの木、
ルッキングでは見付けきれなかったので、蹴ってみると、
バサッと落ちて来た、ノコギリクワガタ♂大歯型。
赤いレッドボディタイプ。
改めて手に乗せて撮影。
なかなかの大型です。60mm後半はあるでしょう。
こちらのハルニレの木では、
樹皮裏に潜む2頭の個体を見つけました。
ズームアップで撮影。
背中のツヤ等から判断して、おそらくコクワガタの♂♀ペアでしょう。仲良くしているのでそのままスルー。
ところで、この2枚上の画像、クワガタ2頭の上に小さい虫がいます。お分かりでしょうか?
そうです、こいつです。
前の採集記で紹介した「ヨツボシケシキスイ」と一緒に良く見かけます。
調べてみると、
【ヨツボシオオキスイ】
体長:10~15mm程度
北海道~九州に生息
広葉樹の樹液に集まる
「ヨツボシケシキスイ」と似たような名前。
両者を比べてみると、
※クリックすると拡大画像が見られます※
なるほど、「オオキスイ」は黄色の四つ星模様。
「ケシキスイ」は赤色の四つ星模様で大アゴが発達。
似たような名前だけど、だいぶ違いますね。
格好よさでは「ケシキスイ」の方が個人的には好きですね。
お次はハルニレの木が数本、
蹴ってみますが、なかなか落ちて来ません。
ここには木が4~5本ありますが、最後の一本でようやく、
本日初のミヤマクワガタ♂が落ちて来ました。
小型♂体長は50mm前半といったところでしょうか。
このミヤマは体毛もかなり残っていて凄くキレイな個体でした。まるで発生してきたばかりのようです。
それともう一頭、
コクワガタ♂大型個体。体長は45mm以上はありそうです。
アゴもなかなか太く立派な個体です。
このコクワガタとても元気でなかなか撮影に手こずりました。
さすがにコクワガタはこの時期になっても元気がありますね。この個体もおそらく越冬して来年を迎える事でしょう。
こちらは細いクヌギの木、
仲良く頭を合わせて3頭のカナブンが樹液を舐めています。
カナブン達は複数頭で、よく頭をそろえて樹液を舐めていることが多いです。
今年は上記の様な似たような画像を何枚も撮ったような記憶があります。
こちらのハルニレのウロ(穴)の入り口には、
ヒラタクワガタの♂がウロ(穴)から体を乗り出しています。
すかさず掻き出し棒で引っ張り出してお顔を拝見!
んっ??
左アゴと右アゴの長さが非対称です。
左の長いアゴで計測すると、♂50mm後半位でしょうか。
蛹化不全によるアゴの未発達個体ですね。
一瞬、雌雄同体個体かと思ってしまいました。
お隣の細いハルニレの木では、
大きなヒラタクワガタの♀が木に口を突っ込んで樹液を舐めていました。
なかなか大きい♀です。
産卵活動前のエネルギー補給といったところでしょうか。
それとも産卵後のエネルギー補給でしょうか。。。
少し大きめのクヌギの木では、
ノコギリクワガタの♂♀ペアの姿が。
そーっと近づいて撮影してみました。
樹液を舐めている♀に♂がやさしく寄り添っています。
秋の季節を感じながら、2時間程採集させて頂きました。
見かけた頭数はおよそ20頭位でしょうか。
本日は観察だけにし、お持ち帰り個体はゼロ。
とても楽しい採集でした。
この時期は彼岸花が咲き誇っていますね。
赤と白の彼岸花、とてもキレイです。
秋の風物詩ともいえるススキも風になびいていました。
朝夕はだいぶ肌寒い日が多くなってきました。
また次回も虫達に出逢えるでしょうか?
楽しみにして今回はこの辺で終了とさせて頂きます。
※この採集方法はあくまで私自身のやり方です。人によって採集方法や採集条件などは異なると思います。あくまで参考として見ていただければ幸いです。
※採集はマナーが大事です。採集する場所が私有地の場合は、 無断では入らないようにしましょう。必ず持ち主さんに断りを入れるのは必須です。あと、虫が木の穴の中に入って採れないからと言って、木を切ったり、傷つけたりするのも好ましいとは言えません、自然にやさしく、モラルを守って採集を楽しみましょう。(^^)
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2015年クワガタ野外採集記(昆虫採集記) シリーズ。
今回で何と21回目のご紹介になります。
今シーズンはそんなにも行っているんですね~。全然そんな気がしません。
今回はどんな虫達に出逢えるのでしょうか?
数多く採集に行っている私でも、そう思うと毎回毎回が新鮮な気持ちです。
では採集スタートです。
今日は少し早目のAM 6:30、段々と日の出が遅くなって来ています。
一見見過ごしそうですが、道路の左上にハルニレの木があります。
じっくりと見上げると、良い木ですね~。
木の途中より樹液が流れ落ちています。
何も見えないので蹴ってみようと思いましたが、少し高い位置にあるので、蹴るには難しく、手で揺すってみます。
すると、
バチッとアスファルト側に一匹。
お顔を拝見。
ノコギリクワガタ♂中歯型。
サイズは50mm前半ってところでしょうか。キレイな個体です。
もう一頭転がっていました。
こちらもノコギリクワガタの♂。小歯型ですね。
こちらも美個体!!
幸先よく2頭の美しいノコギリクワガタ♂の姿を見ることが出来ました。
まだまだクワガタはいますよ~。テンションも上がります!!
と同時に
一緒にシロスジカミキリが落ちていました。
凄く迫力のある面構え!!
他のカミキリムシとは違いとても大型です。
【シロスジカミキリ】
体長 45~55mm程度
本州~奄美諸島に生息
クヌギ、ハルニレなどに集まる
子供の頃からよく見かけていたのは黒いボディに白い水玉模様のあるゴマダラカミキリでした。クワガタ採集をするようになってからは、このシロスジカミキリを一番よく見かけます。この個体も大きいですが、まだ更に大きな個体を見た事もあります。
個人的にはルリボシカミキリを見てみたいです。
しかしまだ一度もお目にかかったことがありません。
一度ルリボシカミキリを「見つけた!」と思ったことがありましたが、それは小型の「ラミーカミキリ」でした。
ラミーカミキリもとても小さく色合いもキレイですが、青と黒のコントラストがとても美しいと聞いている「ルリボシカミキリ」・・・いつかは是非見てみたいものです・・・。
さて、採集再開です。
こちらはハルニレの木の樹液を舐めに来ていたカブトムシ♂。
周りがちょっと暗く上手くピントが合わなかったので、仕方なくフラッシュをたいて撮影。
フラッシュ撮影するのは虫を驚かせてしまう可能性があるので、あまり好きではないのですが、やむを得ず。。
過去ほとんどフラッシュ撮影したことのない私・・・。
意外にキレイに撮れるものでビックリ。少し見直しました。
同じ木の左側を歩いていたスジクワガタ♂。
こちらも調子に乗ってフラッシュ撮影でパチリ!
これも同じ木の上の方で樹液を舐めているカブトムシ♂。
フラッシュ撮影させて頂きました。
2つに分かれているハルニレの木、
この木は蹴ると毎回何かしら落ちてくるので、期待の木の一本です。
早速蹴ってみると、
大きなミヤマクワガタ♂が落ちて来ました。
体長♂73.8mm(後程計測)
今シーズン、大きい順から数えて3番目の大型サイズ。
やはり期待通りの木ですね~。さすがです!
それともう一頭落ちていました。
ノコギリクワガタ♂68mm(後程計測)
レッドタイプボディのノコギリでした。こちらもなかなかのサイズ。立派な個体です。
大型ミヤマGETに気を良くして、何気に近くの細いハルニレの木を見てみると、
おおっつ!!これはっ!!
1頭の♂に4頭の♀が集まっています。
まさにヒラタクワガタのハーレム状態。
この♂も大型で、体長65mm程はありそうです。
♀もなかなか立派なサイズばかりが集まっています。
ヒラタクワガタにおいて、ハーレム状態は決して珍しい事ではありません。
ヒラタクワガタ♂が多頭数の♀と一緒に居ることはたまにですが見かけます。
私が過去で見つけた一番大きなヒラタハーレムは、ハルニレの木の4位上にある少し大きめのウロ(穴)でした。
そのウロ(穴)の中に、1♂10♀が一緒に居たことがありました。
その♂は大型で68mm程度あり、♀もそこそこのサイズだったことを覚えています。
1♂に10♀はなかなかありませんが、4♀でも立派です!
既にお尻の下の♀とは交尾状態にあったので、ここは採集なしでスルーしました。沢山子孫を増やしてほしいものです。
次にこちらは細めのクヌギの木。
樹液にカブトムシ♂♀ペア、ノコギリクワガタ♂♀ペアが付いています。
それと、よーくみると真ん中の樹皮が少しめくれている中にも実はクワガタが潜んでいます。
この画像からは分かりにくいかもしれませんが、背中の光沢からするとおそらくヒラタクワガタでしょう。
こういう風景に逢うと、とても嬉しくなります。年々虫の数が減ってきているとはいえ、まだまだ山も捨てたものではないですね~。
繁殖活動を期待し、そのままそっとスルーしました。
こちらのクヌギの木にはカナブン4頭が集まっていました。
グリーン、ブロンズ、ブラウンと色彩豊かな個体達です。
今年も沢山のカナブン達を見ました。
スーパーレッドの個体には出会えましたが、ブルー、パープル個体は未だ見かけておりません。
残り少ない採集機会で出逢えるでしょうか?段々とカナブン達の数も減ってきているようです。
さて、ちょっと話が逸れますが、山で採集していると、いくつかのとても身近な厄介な敵がいます。
まずその一つが、
上記画像の個体。そうです、アブです。
場所によっては十数匹以上のアブが体の周りを飛び交い、血を吸おうと次々に攻撃をしかけてきます。服の上からでもお構いなしです。
実は今シーズン初め頃、手袋の上から人差し指を刺されてしまい、大変大きく腫れてしまいました。
私は採集の時は比較的緩めのダボついた綿のつなぎを着ていますので、アブに服の上から刺されても比較的大丈夫ですが、これが肌が露出していたり、ぴっちりとした肌に密着した服(たとえばTシャツなど)ならば、相当数噛まれているでしょうね。皆さんもご注意を!!
それともう一つの厄介な敵がいます。
それは、
上記画像、こいつです。
体長は2mm程度。ハエなのかブヨなのか、種類はちょっと分かりません。
こいつの厄介な所は、顔の周りを飛び回って、スキあらば目の中に入ってこようとするんです。まさに特攻です。
目の中に入ったら自分も死んでしまうのに特攻してくる。
水分か塩分を欲しているのでしょうか?
理由は分かりませんが、これがまた非常にしつこくて厄介です。本当はゴーグルや伊達メガネなどをかける等の対策を取ると良いのかもしれませんが、ゴーグルや伊達メガネは採集しているとすぐ曇ってしまい、見えづらくなるので勝手が悪いんですよね~。曇り止めを塗ってもあまり効果はありませんでした。
とりあえず顔に近づいたら息を吹きかけて近づかないようにし、目に入った時は即座に取り出し、後処置として目薬をつけています。
目薬の所持は欠かせません。
今回も3時間程楽しみました。
合計で20頭程のクワガタ、カブトムシを見ることが出来ました。
お持ち帰り個体は3~4頭程の♂大型のみにしました。
山の神様、いつもありがとうございます!
それにしても何度来ても山は楽しいですね!
虫達が多くても少なくても、それぞれの楽しさがありますし、また季節の移り行く様を実際に目の当りに感じるのはとても心地よい気分になります。
柿の実もたわわになっていました。季節の変化を感じます。
季節はもう完全に秋。しかしまだまだ虫達は活動しています。今シーズンはどこまで虫が見られるか試してみようと思っています。まだまだ頑張りますよ~。
※この方法はあくまで私自身のやり方です。
人それぞれによって採集方法や採集条件などは異なると思います。あくまで参考として見ていただければ幸いです。
※採集はマナーが大事です。採集する場所が私有地の場合は、 無断では入らないようにしましょう。必ず持ち主さんに断りを入れるのは必須です。あと、虫が木の穴の中に入って採れないからと言って、木を切ったり、傷つけたりするのも好ましいとは言えません、自然にやさしく、モラルを守って採集を楽しみましょう。(^^)
使用したアイテム
2015年クワガタ野外採集記(昆虫採集記)シリーズ。
今回で20回目になります。
今回はどんな虫達に出逢えるのでしょうか?
とっても楽しみです。(^^)
AM 8:20、目的地へと向かいます。
ハルニレの木。樹皮裏から出る樹液に頭を突っ込んでいる2頭の個体。
大きい方だけお顔をちょいと拝見、
出てきたのは小型のヒラタクワガタ♂。
体長は30mm位でしょうか?
この木の上の方でも、
小型のヒラタクワガタ♂と♀が交尾をしていました。
繁殖の季節ですからね~。そっと見守ります。。。
同じ木のどこからかポロっと落ちて来たコクワガタの小型♂。
すぐとなりのクヌギの木では
こちらでは樹液を舐めるノコギリクワガタ♂中歯型と蛾がいました。
9月ですが、まだまだ樹液の出も良く、一安心です。
こちらはハルニレの木。
カブトムシが樹液を舐めています。
上の枝先の方では夢中に樹液をむさぼるカナブンがいました。
こちらのハルニレの木のウロ(穴)の近くでは、
少し大型め(55mm位でしょうか)のヒラタクワガタが私の存在に気付き、慌ててウロ(穴)の方に隠れようと急いでいました。
こちらのウロ(穴)の奥からは、
大きな影が見えました。
すかさず掻き出し棒を突っ込んで逃げ込むのを阻止し、取り出します。
立派なヒラタクワガタ♂大型個体GET!!
かなり立派な大型個体です。
帰宅後の計測で♂67.5mm 程ありました。
特大個体とまではいかないものの、昔と違ってこの位のサイズはなかなか見かけません。今シーズン採集したヒラタクワガタの中では2番目の大きさです。
大型サイズのヒラタクワガタ採集に夢中になっていましたが、ふと上を見上げると、
ほぼ真上に大型のムカデの姿が。
樹液を一生懸命舐めていました。
下でウロを探っていたのに、よく落ちてこなかったものです。
一つの個体に集中していると、周りに気が付かなくなるものです。皆さんも気を付けましょう。
次はポイントを移動して、クヌギの木を見ます。
以前ヒラタクワガタの♂♀ペアがいたクヌギの木。
今回はミヤマクワガタ♂♀ペアと、ミヤマ♂の右下の樹皮に潜っているのはヒラタクワガタ♀、それにカナブン多数がいました。
カナブンはブロンズ、ライトグリーン、モスグリーンと色鮮やかです。
この時期ですが、まだこんな光景が見られるのは幸せです。
こちらのクヌギの木でも樹液に群がるカナブンがいました。
左のカナブンはグリーン色が強く出ていてキレイです。
次はハルニレの木、
なかなか大きい木で、気合を入れて蹴ってみると、
ノコギリクワガタ♂大型個体が落ちて来ました。
体長は計測していませんが、おそらく♂67mm近くはあるでしょう。背中の部分にはケンカ傷の跡が見えます。
あと一頭、
ミヤマクワガタ♂中型個体も一緒に落ちて来ました。
体長はおそらく50mm後半程度。
今回は2時間程ゆっくりと楽しみました。
見かけたクワガタ、カブトムシの頭数は約30頭程。
今回見かけた多さとしては、
コクワガタ>ヒラタクワガタ>カブトムシ>ノコギリクワガタ>ミヤマクワガタ
といった感じでしょうか。
ここに来て数的にはかなり少なくなりました。
今回はヒラタクワガタの♂67.5mmのみお持ち帰りさせて頂きました。
今の時期の虫達の活動を観察し、自然を大いに満喫しました。
9月ももう半ば。山間ではすっかり秋の空気に変わり、夜になると秋の虫達の声も聞こえます。
それでもまだまだクワガタ、カブトムシも精力的に活動をしている姿を見かけます。また木々の樹液の出も若干弱まってはきているものの、まだまだ衰えず、沢山の虫達を集めています。
彼らが活動をしている間は観察を続けていこうかと思っています。また次回が楽しみです。
※この採集方法はあくまで私自身のやり方です。
人それぞれによって採集方法や採集条件などは異なると思います。あくまで参考として見ていただければ幸いです。
※採集はマナーが大事です。採集する場所が私有地の場合は、 無断では入らないようにしましょう。必ず持ち主さんに断りを入れるのは必須です。あと、虫が木の穴の中に入って採れないからと言って、木を切ったり、傷つけたりするのも好ましいとは言えません、自然にやさしく、モラルを守って採集を楽しみましょう。(^^)
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皆さん、今年の野外採集(昆虫採集)は如何でしたか?
野外採集をされて採集した大事な虫、もしくは飼育(ブリード)していた大切な虫が死亡した場合、皆さんはどうされていますか?
安らかに眠らせてあげるように土に還す方もいらっしゃるでしょう。またあるいは思い出にと、その個体を大事に標本にしていつまでも手元に置いておくという楽しみ方もあると思います。
大切に育てた、夏の想い出のつまった大切な昆虫を大事に残したい。そんな想いを形にするには「想い出標本」がおすすめです!採集や飼育で大事に育てた虫達をきちんとした形にして残しておけば、虫に対して感謝の気持ちも愛着もこれまで以上にわいてきます。
今回の飼育日記では月夜野きのこ園でご紹介している「標本の作り方」についてご紹介してみたいと思います。
でも標本って作るの大変そう・・・
そんなふうに思われがちですが、実は標本は「乾燥させるだけ」で大丈夫なんです。 ですのでここでの紹介は特別な薬品などの用意はいりません。このページでは月夜野流の標本作りをかんたんな3ステップでご紹介します!
★★★標本つくり方の3つのステップ★★★
ステップ① 「カチコチに固まった昆虫をほぐす(軟化)」
ステップ② 「昆虫針を昆虫に刺す(貫通させる)」
ステップ③ 「形を整える(展足)」
お亡くなりになってしまった昆虫は固く乾燥しているか、お亡くなりからあまり時間の経っていないものが良いです。 また、体がグニャグニャするものは腐敗防止の為にも一旦乾燥させてからの方が扱い易いです。
今回は乾燥して体が固くなっているものを用意しています。
〜用意するもの〜
①段ボールか発泡スチロールのような針が刺しやすい板
②固定用の針、マチ針でもOK
③使い古した歯ブラシ
④木工用ボンド(足が取れたりした場合の修復用)
⑤昆虫針、今回は6号というものを使います。
⑥有れば便利、ピンセットや先の細長い物、竹串や楊枝
⑦お亡くなりになった昆虫
まずは昆虫を洗いましょう!
お亡くなり後、そのままの状態で乾燥していますので、体に付いたオガやゴミを水で洗い流し、歯ブラシなどでキレイに汚れを取り除きます。
汚れを落としたら次に50~60度のお湯に漬けます。 (熱湯に入れてしまうと眼が白くなってしまいますのでご注意!)。昆虫の乾燥具合で柔らかくなる時間が変わってきますが、30分~1時間位で柔らかくなってきます。
足の先端の方から柔らかくなってきますので昆虫の足を動かしながら確認していってください。 まだ固いようであればさらに漬けてください。
足がだいたい動かせるようになったらお湯から引き揚げます。
昆虫がやわらかくなったらティッシュで水気をきって発泡スチロールの上に置きます(この時、足を全体に広げるように置きます)。 うまく広げられたら初めに1本昆虫針を刺します。 刺す位置は真ん中よりやや右です。真ん中だと背中の羽<翅>が開いてしまったり、形が崩れてしまいます。
結構固いので、抑えの板なんか有ると便利です。あと、ラジオペンチを使用するとより簡単かもしれません。(両手を添えると刺しやすくなります(1人での撮影のためここでの画像は片手ですが、、、)。
針の刺さり具合ですが、一旦上部の羽(翅)が貫通したら角度を確認します。前、後ろから確認して垂直に刺さっていれば、角度に気を付けて下まで貫通させます。 針の上部1.5cm位を目安にしてください。
ちなみに標本の道具で平均台という物があり、あると針の差し込みの時に便利です。
一番上段の大きいほうの穴に針の頭を差し込み、グイっと一気に押しつけます。
すると、丁度良い刺し具合になります。
さてお次は昆虫の形を整えていきます。まずは、このままだとクワガタが回転してしまうのでお尻の方を針で抑え、次にアゴをお好みで広げて針で固定します。標本の形は図鑑などに載っているものをお手本にするのがわかりやすくておすすめです。
では、後ろ足から形を整えていきます。
ここで一つポイントがあります。出来るだけ左右対称に整えてあげましょう!
それと、足をなるべく縦になるように針で固定します。ピンセットを使って整えてから固定すると上手くいきました。足の固定は針を十字に刺すと安定します。
そして、足の爪を開かせます。足の爪を開かせるとよりぐっと標本っぽく見えてきます。
次に中足です。この足も少し癖がついていたのでピンセットで少し引っ張りながら整えました。
もともと爪が開いている足は針の固定はしていません。
要するに整って乾燥出来ればそれで良いのです!
ここでポイント!「触角をお忘れなく!!」
私はついつい終わってから気がつくことが多いです、、、。
眼の下の方に折りたたまれているので、細い棒で出してあげます。
中足も整えて、なるべく左右対称にします。
整え終えたら、あとは乾燥させて出来上がりです。
乾燥する際は風通しの良い日陰で干してください。もともとの昆虫の乾燥具合にもよりますが、 2週間~1ヶ月が目安です(大きいものだと1ヶ月以上かかる場合もございます)。 また乾燥期間中に少しずれたりすることもありますので時々チェックして微調整しましょう。
同じ要領でメスも隣で整え(展足)ました。オスメスの形を揃えると奇麗に見えるのでおすすめです!。
乾燥できたら標本箱に納めてみましょう。
自分の思い出が残るっていいですね~!うん、かっこいい!
※標本箱の中には一緒に防虫剤を入れる事をお勧め致します。
鑑賞用でだけでなく、 データも残したい場合はラベルを作成しましょう!
【野外採取の場合】①何時 ②何処で ③誰が採った
この3つが基本です。
【飼育の場合】①昆虫名 ②産地(~産) ③累代
やその他飼育中の管理の仕方など表記しておくとよいかもしれません。
ラベルは標本昆虫の針に一緒に刺しておきましょう。
他にも 想い出深いエピソードを記載しておくのもおすすめです! 自分なりに工夫したり楽しみながら標本を増やしていけたらより楽しめると思います。
ステップ① 「カチコチに固まった昆虫をほぐす(軟化)」
・昆虫は歯ブラシなどで水洗いする。
・50~60度のお湯に30分~1時間位漬けこみます。
・関節の動き具合で確認し、固いようならさらに漬けこむ。
ステップ② 「昆虫針を昆虫に刺す(貫通させる)」
・昆虫針を刺す時は支え板やラジオペンチを使うと刺しやすいです。
・貫通させる前に針の角度を垂直かを確認してから貫通させる。
ステップ③ 「形を整える(展足)」
・形を整えるにはまず昆虫が動かないよう大まかに固定してから細かい所を整えていく。触角を整えるのを忘れずに!
・乾燥期間の目安:乾燥にはオオクワ♀なら3週間が目安。オオクワ♂70mm程度の大きさなら1ヶ月以上。オオヒラタやオオカブトなど体長80~150mmのものは3ヶ月以上かかる場合もあります。元々の扱う昆虫の乾燥具合にもよりますので確認しながら乾燥させて下さい。
・データを残したい場合はラベルを作成、標本昆虫の針に一緒に刺しておく。
【ポイント】
・基本的にはルールは有りませんが、左右対称にする事や足の爪を開かせたり触角を整えるとより標本っぽく奇麗に見えます。
・有る程度数を並べるのであれば整える形に一貫性を持たせると並べた時に奇麗に見えます。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
上記までは月夜野きのこ園HP上でもご紹介している「標本の作り方」です。
後はこんなのもあった方が良いな、こんなやり方もあるよ、と思うものをShiho的に少し補足してみました。
【酢酸エチル、もしくは除光液での防腐処理】
標本を作製するには死亡した虫を乾燥させるだけでも勿論大丈夫です。
月夜野きのこ園的には自然乾燥をお勧めしますが、中には防腐処理をしておきたいという方もいらっしゃると思います。
そんな方達の為に防腐剤について少しご紹介しておきたいと思います。
防腐剤として主に使用されるものには、「酢酸エチル」もしくは「除光液」などがあります。
本来ならば、純度の強い「酢酸エチル」の方が望ましいのですが、こちらは劇薬の為、簡単に入手することが難しく、最近では薬店でも販売や取り扱ってくれない所が多いです。
上記画像は「酢酸エチル」
また取り扱っている場合にも購入には「用途説明」や「身分証明書提示」等、何かと手続きが必要な場合があります。
この「酢酸エチル」の代用品として「除光液」を使うという手もあります。
「除光液」とは女性が爪等につけるマニキュアなどを洗い落す液体のことで、この除光液の中には「酢酸エチル」が含まれているものがあります。
勿論「酢酸エチル」より効き目は強くはありませんが、それでも何もしないよりは効果はあると考えます。
こちらは化粧品店や薬店、場合によっては100円均一ショップでも販売しています。購入する際にも身分証明書なども必要ないので、とてもお気軽に入手することが可能です。
上記画像は100円均一ショップで入手した除光液。
★★酢酸エチル&除光液の使用方法★★
酢酸エチル、もしくは除光液を手に入れ、防腐処理の方法をご紹介します。
気密性の高いビンなどにティッシュペーパーを数枚入れ、そこに液を数滴~適量入れ、ティッシュペーパーに染み込ませます。液はなるだけ染み出ないようにし、気化させた蒸気で防腐処理を促します。
密閉したビンに入れたノコギリクワガタの死亡個体。
ティッシュペーパーは除光液の色を染み込んでピンク色になっています。
実は本当は、生きたままの生き虫を入れた方が防腐剤としての効き目は強いそうです。勿論入れた昆虫は死ぬことになりますが、呼吸器から防腐剤を吸い込むことで更に防腐効果が強まると聞いていますが、私には抵抗があり、ちょっと無理ですね。
【展足した後、標本を乾燥させる方法】
皆さんは昆虫を展足した後、どのように管理されていますか?
上記の説明でも書いているように展足が完成し、昆虫が乾燥するにはかなりの時間がかかります。
問題はその間の管理方法です。
もう10年以上前の話ですが、当時よく標本を作っていた私は、展足を終え、完成した標本を乾燥させていました。
当時はそのまま日の当たらない日陰に置いてそのまま放置しておいたのですが、まだ十分に中が乾燥していない間は腐敗臭がします。
その腐敗臭に引き寄せられ沢山のハエが外部からやって来て、結果的にそこに卵を産みハエの幼虫が沸き、標本がダメになったものも出てしまいました。
その時は酢酸エチルがあったので、生体の死亡後は酢酸エチルで防腐剤処理をしていました。最初は酢酸エチルの強烈な臭いでハエは集まらなかったのですが、時間とともに酢酸エチルの臭いは薄れていくので集まってくるようになりました。
なので、標本を乾燥している間、外部からハエなどの虫が集まらないようにしておく工夫も必要だと考えます。
そこで私はその後はタッパー等の気密性の高い容器の中で乾燥させるようにしました。風通しが良くありませんので、勿論外で乾燥させるより時間はかかりますが、ハエなどの外敵から守るには仕方ありません。
少しでも乾燥を助ける為、乾燥剤を入れておくと良いです。
きっちりとフタをして外部からのハエ等の侵入を防ぎます!
数ヶ月後、乾燥が終了し、標本が完成した後は、
標本箱に入れてみましょう。
きっちりと並ぶ姿はさぞかし美しいでしょうね。
私も久々に標本作り始めましたので、完成しましたらまた改めて飼育日記上でご紹介して見たいと思います。
今年第一号標本のミヤマクワガタ♂個体
今回色々と標本作成について書いて来ましたが、特別なルールはないので、個々で色んな形にしても楽しいので、 是非、みなさんもチャレンジしてみてください!!(^^)
※この方法はあくまでShiho&月夜野きのこ園流のやり方です。人それぞれによってやり方は様々です。 あくまで参考として見ていただければ幸いです。
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