先日の日記のコメントに、シゲルさんより以下の質問レスがありました。
【シゲルさん】
質問があります。月夜野きのこ園様の生体販売品に産地別オオクワがありますが全て表記がCBとなっていますが、、 意味するところは何でしょうか?累代数は不明なのでしょうか?幾つかの産地内系統のクロスと考えて良いのですか? 個人的に韮崎産には興味があります。
シゲルさんレスありがとうございました。
今日はちょっとこの累代についてご紹介したいと思います。
まずはシゲルさんへの返答についてですが、シゲルさんがおっしゃる通り当園での累代表記CBは「幾つかの産地内系統のクロス」 という意味合いで表記させて頂いております。ゆえに累代数はカウント不明です。
これはあくまで当園内でのCBの表記ですが、あくまでも同産地内での交配累代という意味で表記させて頂いております。
例えば韮崎産CBならば、韮崎で採集されたワイルドからの末裔(同じ累代兄弟)同士ばかりでの交配ではなくて、 他の違う韮崎産ワイルドからの個体も交配されている個体という意味合いです。
累代表記については、人によってはいろんな表記方法があるようなかんじがします。あくまで当きのこ園での表記方法ですので、 一般とはまた違う場合が御座います。意味合いは上記の通りを示しておりますので、御理解の上、御了承下さいます様お願い申し上げます。 m(_ _)m
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2月に入りましたね。まだまだ寒さも残りますが、春ももう少し、そしてクワカブシーズンもいよいよ本格化してくるころです。 今日はクワガタ界を代表すると言ってもいいと思う「国産オオクワガタ」の飼育方法について紹介したいと思います。これから春になり、産卵シーズンもやってくるので、参考にして頂ければ幸いです。
※一部過去の画像&データでご紹介します事を御了承下さいませ。
【飼育種】
和名:国産オオクワガタ
学名:Dorcus hopei binoduosus
産地:日本国
累代:CB
【羽化体長】
♂72mm
♀46mm
【使用するエサ】菌糸、マット
【設定管理温度】23~25℃前後
【羽化までにかかった時間】
♂1令後期投入して約10ヶ月(合計12ヶ月程度)
♀1令後期投入して約9ヶ月(合計11ヶ月程度)
まずは幼虫飼育から・・・。
上記画像の個体は「きのこマット」で飼育しました。飼育はとても容易です。温度管理をすれば冬は越冬せずそのまま育ち約1年ほどで羽化します。(マット飼育の場合)温度管理をしない場合、冬場に寒い所で管理した場合は、冬は成長せず、もう少し羽化までに時間を必要とします。
また菌糸の方がより容易に大型が望めます。飼育コストは菌糸の方が高めですが、より大型を目指すならば菌糸飼育をお勧めします。そして次に産卵セット方法ですが、オオクワガタの場合、材産みの種ですので、私の場合は基本的に材を入れたセット方法と、 菌床で産ませる方法の2パターンで行います。
<材を入れたセット方法>
【産卵に使用するマット】マット+材2本程度
【産卵に使用するケース】クリーンケースL程度
【産卵管理温度】25℃前後
【水分量(湿度)】多からず少なからず
【セット方法】ケース底面を固くつめ、材を入れ、その回りは柔らかく詰める。上部2~3cmほどは柔らかくマットを入れる。材の頭が出るようにセット。
産卵セットは図示すると以下のような感じで組みます。(参考例です)
手順です
①マットをケース底面に固く5cmほど詰めます。フタマタ系は材産みが主体なのでマットは食が出来るマットならばなんでもOKです。針葉樹のマットでもOKですが、もし万が一幼虫が材よりこぼれ落ちた事態を考えて幼虫がスムーズに食可能な発酵マットが無難です。
②次に材を入れ、回りにマットを軽く詰めます。この画像で使用しているのはコナラ材2本です。少し柔らかめの材です。
③ゼリーと生体を入れて完成。
このようにマットをそこまで深く詰める必要はありません。
いわゆる「転がし産卵」で十分です。
<菌床産卵でのセット方法>
【使用したケース】クリーンケースLサイズ
【使用した菌床】Basicクヌギブロックまるまる1個
【周りを埋め込んだマット】きのこマット、くわマット、完熟マットどれでもOK
【水分量】菌床はそのまま、マットは少し水分少なめ
【設定温度】24~25℃程度
産卵セットは以下のような感じで組みます。(参考例です)
①まずケースを用意します。このケースはクリーンケースLサイズです。
②次にケース底面にマットを入れます。底2~3cm程度敷き詰めます。今回使用したマットはきのこマットです。
③次に袋から出した菌糸ブロックを丸ごと入れます。ケースに入りきらない場合は菌糸ブロックを削って入れてもOKです。
【使用したBasicクヌギ菌糸ブロック】
今回の場合産卵種がオオクワですので完全に埋めきる必要はありません。半分か1/3程度でOKです。
⑤ゼリー、生体♂♀を入れます。
⑥フタをして完成です。
上記が産卵の手順です。
【菌床産卵の利点】
・セットが楽(産卵木の柔らかさや加水の手間が要らない)
・割り出しが楽(産卵木の割り出し時のように幼虫を潰すことも少なく、また手で楽に割り出せる)
・若令幼虫に最初から菌糸を摂取させられる。
菌床産卵の利点は何と言っても割り出しの楽さ、それと若令幼虫より菌糸を与える事が出来るという利点です。ただ産卵数に関しては材産みの方が若干多い場合もあるような気もします。ただ過去には40頭近く産んだ例もあるので、どっちが良いとは一概には言えないのも事実です。
上記が私の国産オオクワガタの飼育方法です。飼育のやり方は人それぞれです。あくまでご参考程度に見ていただければ幸いです。(^^)
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少し前になりますが、リュウキュウノコギリクワガタの産卵セットを割り出しました。その時の結果をご紹介したいと思います。
オキナワノコギリ♂個体画像(WDもの)
オキナワノコギリ♀個体画像(WDもの)
【飼育種】沖縄ノコギリクワガタ
【累代】天然ものWD
まずは以下の様なセット方法で産卵セットを組みました。
【使用したマット】黒土マット
【使用した容器】クリーンケースM
【水分量】手でぎゅっと握って団子が出来て、なおかつ水が染み出ない程度
【マットの詰め方】ケース底面10センチ程度固く詰めて上部3センチはフンワリと。
【設定温度】25~28℃前後
上記セットで、約2ヶ月半後に割り出しました。少し割り出しが遅かったせいか、ほとんど2令後期~3令に加令しておりました。(上記画像参照)
結果:幼虫45頭
結果から見れば十分合格点です。本当によく産んでくれました。ワイルドものからの産卵でしたので、♀の持ち腹で再交尾なしで産ませました。ワイルドものは休眠期間がないのでとてもやり易いですよね、また今年もワイルドものを入手してセットを組みたいと思います。(^^)
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先日、人工蛹室の件で質問がありました。
今日は人工蛹室についてご紹介したいと思います。
人工蛹室とは一体なんでしょうか?
これは幼虫飼育をしている際、最後のステージ、いわゆる蛹化ステージで蛹になる際、もしくは蛹になった後、蛹のいる場所(蛹室) の状態があまり良くない場合に、移し変える人工で作成した代替蛹室の事を言います。
では実際にどのようなものか・・・。
上記人工蛹室は、私がヘラクレス用に作成したものです。人工蛹室の形状は虫の種類、前蛹の大きさなどのよって調整して作成します。
蛹化ラッシュの時には沢山用意します。
これに実際に蛹を入れた様子が・・・。
このような感じになります。
ヘラクレスの人工蛹室の場合、私の場合、頭部分の方は囲みを作らずスーっと上まで滑らかに作ります。これは前蛹から蛹になる際、 胸角が伸びきる際にまっすぐ伸びるためです。あくまで私の考えですが、今の所この形状が一番良いように思えます。 蛹化して上手く角が伸びきった時などはとても嬉しいものですよね。(^^)
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先日、お客様より、「生体の温度管理」についての質問が来ました。
今日の日記ではこの事に関して少し書いてみたいと思います。
※この考えはあくまで私:Shiho一個人の考えや、飼育のやり方です。飼育のしかたはひとそれぞれですので、正確な答えはないと思います。あくまで参考程度に聞いて頂けると幸いです。
温度管理・・・・・。
クワカブ飼育をするものにとっては飼育スペースの確保と同様にこの温度管理も苦労されている方も多いのではないでしょうか・・・。
日本のクワカブならば、ほぼ常温飼育でいけると考えます。成虫管理も幼虫も・・・。(※ただし離島ものは除きます)
ノコギリやミヤマなど自然下では9月も終わればほとんど見えなくなるのですが、 夏の野外ものを捕まえてきてきちんと温度管理してやると飼育下ではとても長く生きてくれます。実際、昨年の夏に採集したノコギリですが、 今現在まだ何頭か元気で生きている個体がいます。人間が少し手を加えてやる事で、寿命的にも+になる事は確かなようです。 野外ではもうとても見る事が出来ませんからね・・・。
では外国産クワカブはどうでしょう・・・。
これらの個体達は日本での一年を通しての常温飼育は難しいと考えます。
日本に気候が近い(四季があり、温度変化も似ている)地域に生息しているクワカブならば可能だと思いますが、大抵の外国産、 特に熱帯~亜熱帯に生息するクワカブにとっては日本の夏の高温、冬の激寒はかなりこたえると考えます。
最近スマトラヒラタの温度管理でよく質問が来ています。スマトラヒラタ・・・格好いいですよね。私も大好きなクワガタです。(^^)
スマトラヒラタはオオヒラタ系で、あまり寒さには強くありません。色が黒く、形的にもオオクワになんとなく似ている所もあるので、 オオクワガタと同様に寒さには強いと思われがちですが、オオヒラタは意外に寒さには弱いところがあると思います。 管理温度は最低でも15℃を下まわるとよくないと考えます。適温は20~27℃位でしょうか・・・。それ以下の温度になるようでしたら、 なにかしら工夫が必要だと考えます。いわゆる寒さ対策ですね。エアコン、温室などですね。。。
外国産のクワカブを飼育する事は結構大変な事です。かわいい彼らを守る為にも、 私達飼育者が少しばかり工夫してよりよい環境を提供してあげることが必要だと考えます。 色々と工夫して楽しいクワカブ生活をエンジョイしましょう。(^^)
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先日、お客様からの質問でクワガタのペアリングの方法について質問が来ました。
今日はちょっと初心にかえってペアリングのやり方をご紹介したいと思います。
ペアリングにおいて重要なのは以下の事だと私は考えます。
※この考えはあくまで私:Shihoの考えです。
ご参考程度に聞いて頂けますと幸いです。
【親になる個体♂♀の熟成】
産卵をする際に一番重要だと考えているのが、この親個体の熟成です。熟成が甘いと、ペアリング自体も上手くいきませんし、 仮にうまくいっても無精卵を産卵させる場合あります。片側だけの熟成ではなく、両親個体ともしっかりと熟成させる事が大事だと思います。
【親♂と親♀の体格差】
ペアリングをする場合、体格差がかなりあるとペアリングそのものが上手くいきません。カブトの話になりますが、 小型の♂と大型の♀を掛け合わせようとした場合、♀のパワーに♂が負けて身体を引きずられてペアリングが不発する場合がよくあります。 これはクワガタにも言えると思います。それ相応の体格差で行うのが望ましいです・・・。ちなみにあくまで参考例ですが、 国産オオクワガタの場合、♂70mmならば♀40mm程度が理想とよく聞きます。。。ご参考までに・・・。
【親♂と親♀の相性】
親♂と親♀の相性・・・これも結構大事です。相性が悪いと喧嘩がはじまり、最悪の場合にはどちらかが殺されたりする場合もあります。 特に気性の荒いオオヒラタ系などは注意が必要です。♂がバチバチ♀を攻撃する場合は、一旦♀を離して再度チャレンジするか、 もしくは相手そのものを替えてチャレンジするのが望ましいです。
【ペアリングを行う方法(ハンドペアリングか同居か】
あくまで私の場合ですが、わたしの場合、カブト系はハンドペアリング、クワガタ系は♂♀同居でセットします。ただカブトの場合、 超小型種やコロコロと丸いサイカブトなどの様な種は同居でペアリングを行います。クワガタの場合は基本同居ですが、ペアリングをしやすい種、 ニジイロやメンガタなどはハンドペアリングをさせる場合もあります。
【同居ペアリングだった場合の容器のセット方法】
同居ペアリングの場合、容器の大きさなどには気を使います。小さすぎず、大きすぎない程度で・・・。 小さいとペアリングが上手くいかなかった場合、♀の逃げ場がないですし、逆に大きすぎると、♂と♀の距離がありすぎて、 ペアリングに至らない可能性も出てきます。マットは薄く敷き、転倒防止の材も適度に入れた方がよいでしょう・・・。
【ペアリング中の管理温度】
クワカブの場合、幼虫飼育の温度と違い産卵モードに入る時にはある程度の温度が必要な場合があります。今の時期、日本は寒いですので、 常温の環境でハンドペアリングや同居ペアリングを行おうとしても、親個体の動きは活発化せず、不発に終わる事が多いです。 ペアリングをする時は、20~28℃程度で、後は種類によって調整しましょう。
以上が私がペアリングをするときに注意することです。ただあくまでやり方はひとぞれぞれなので、ご参考程度に聞いて頂ければ幸いです。 (^^)
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飼育日記を御覧の皆様、新年あけましておめでとうございます。
昨年中は大変お世話になりました。よいお正月をお迎えになられたでしょうか?(^^)
早いもので、今年で飼育日記を続けて10年目になります。今まで数多くのクワカブを飼育してきましたが、まだまだ突き当たる問題もあり、 謎だらけの問題もあり、疑問だらけの日々です。
勿論未だ飼育していない種も多数あり、今年も少しずつではありますが、新たな種にもチャレンジしていこうと思っております。 その旨この日記上で取り上げ、紹介していこうと思います。
私が知らないやり方や知識など沢山あると思いますので、皆さんもどしどしコメントしてご教授下さいますようお願い申し上げます。
それでは今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。m(_ _)m
飼育担当:Shiho
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飼育日記を御覧の皆様、いつもこの日記を御覧頂きありがとうございます。m(_ _)m
さて、早いものでもう年末・・・今年も最後の飼育日記になりました。
なかなか更新がはかどらず、遅れがちだったことをお詫び申し上げます。来年度も飼育に採集記事、 雑談なども盛り込んでよりいっそう楽しい飼育日記にしていければと思っております。
本年度も大変お世話になりました。また来年度もどうぞ宜しくお願い申し上げます。それではよいお年をお迎え下さいませ。(^^)
飼育担当:Shiho
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10月に産卵セットしたアカアシクワガタ、1セットだけ割り出してみました。
まずは産卵セットの詳細の紹介です。
アカアシクワガタ参考画像個体♂&♀
わたしの場合は以下のようなセッティングを組みました。
今回は完熟マットを使用しました。
【産卵に使用したマット】完熟マット+柔らかめのコナラ材2本
【産卵に使用するケース】クリーンケースM (W305×D195×H232)
【産卵管理温度】20~23℃(若干低温気味)
【水分量(湿度)】多からず少なからず
【セット方法】ケース底面を固くつめ、材を入れ、その回りも固く詰める。
上部2~3cmほどは柔らかくマットを入れる。少し材の頭が出るようにセット。
セット方法を図示してみました。以下の様な感じです。
(※図では2本の材は平行セットになっていますが、Tの字でセットでも構いません。)
【真上から見たセット完成図】
このような感じで、約2ヶ月ほど放置、そして割り出した結果は
幼虫31頭 でした。
以下が割り出し時の画像です。
マットには幼虫は見当たりません・・・。
親♀はまだまだ全然元気です。
ただフセツは2箇所欠損していました。
親♀はまだまだ全然元気でしたが、卵の回収がなかったところを見ると、産卵は一時休息していたのかもしれません。
アカアシはまだ複数セット組んでいますので、楽しみです。
1セット目の割り出しから幸先の良いスタートでした。(^^)
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2012年12月21日
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Basicプロテインゼリー(昆虫ゼリー), 完熟Mat(昆虫マット・発酵マット), 産卵木, 飼育ケース
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秋に産卵セットしました本土ヒラタクワガタの割り出し結果(まだ一部ですが)です。
【参考画像:本土産ヒラタ♂67mm】
【飼育種】
和名:本土ヒラタクワガタ
学名:Dorcus titanus
今回は以下の条件で産卵セットを組みました。
【産卵に使用した親虫】
天然♀からの持ち腹産卵
【産卵に使用したマット】
完熟Matのみ
【産卵に使用するケース】
クリーンケースM(W305×D195×H232)
【産卵管理温度】
25℃前後
【水分量(湿度)】
多からず少なからず
【セット方法】
ケース底面を深さ7割位で固く詰める。残りの1割程度はフンワリと。
図示すると以下の様な感じになります。
クリックでクワガタ発酵マット産卵の詳細に移動
【参考画像:真上から見たセット完成図】
【参考画像:斜めから見たセット完成図】
そして結果です。
セット1:幼虫31頭+卵5個
セット2:幼虫25頭+卵11個
セット3:幼虫10頭+卵3個
セット4:幼虫33頭+卵7個
セット5:幼虫18頭+卵10個
セット6:幼虫0頭+卵0個
合計:幼虫117頭+卵36個
かなり高確率で産卵してくれました。まだ割り出していない産卵セットにも幼虫が見えているので、数はまだ増えるはずです。材を入れずとも結構産んでくれますね。私的には大満足です。(^^)
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