昨日の日記内にてカシンさんより生体の累代についての質問がありました。
面白そうなので本日の日記にて、ちょっと取り上げてみました。
(※ここに述べている意見はあくまでShihoの考えです。参考事例として聞いて頂ければ幸いです)
【カシンさんからの質問】
いつも参考にさせて頂いてます。1つ質問があるのですが、飼育日記には累代が記載されてないですけど、shihoさんのブリードルームでは何代目まで同血統でいくのでしょうか?。[カブトの場合」。某オークションなどを見ているとF6なんてのもあります・・。我が家にはDHエクアのF3兄弟ペアがいますが、血の入れ替えをするべきか、F4幼虫を産ませるべきか・・・迷ってます。累代が進むと、奇形が多くなったりするのでしょうか?。答えられる範囲内で構いませんので教えてくれませんか??。
【Shiho的見解】
累代ですね、そうですね、累代書いていませんでしたね。私のミスでした。次回からは書くように致します。(^^)
さて、本題の累代重ねの影響ですが、あくまで私の見解ですが同血統しかも同兄弟のみの純累代ではF5辺りまではいけるのではないかと見ています。
私はよい血統のヘラヘラ(角太タイプ)とパプキン(良色タイプ)、オオクワ(アゴ太タイプ)を持つ機会に恵まれ飼育したことがあります。
一度良血統の個体を入手してしまうと、どうしてもその血統を固定化させ更によい個体を羽化させたくなります。そのためにはよい素質をもったもの同士、いわゆる兄弟同士で掛け合わせるのが一番です。ただ良い素質を受け継ぎやすい分、血の濃さというリスクも背負います。先に書きましたが、これもF5辺りまでなら何とか影響も薄いのですが、F6以降になってくると結構影響が出始めます。私はこれをヘラヘラやパプキンで体験しました。
ヘラヘラの場合はかなりの極太タイプだったので、純粋に兄弟のみの交配でF5までは普通に大丈夫でした。産卵も羽化もそこまで気にする事は無かったです。ただF6を過ぎたあたりから極度に産卵数が減少したり、奇形(羽化不全や蛹化不全)が目立つようになりました。
パプキンに至ってはかなり良い色(♂モスグリーン、♀バイオレットもしくはパープル)の系統だった為、F4あたりで固定化したものを枝分かれさせ、それぞれの累代を伸ばし、イトコやハトコの段階で掛け戻すようなやり方で行いました。これは結構効果がありました。そこそこ累代が続きました。掛け戻した時点で純粋なインラインではなくなりますのでCBと表記しますが、累代でいうとF15近くはいったと思います。それでもやはり最終的には全く産卵しなくなり羽化不全がかなり多発しました。
自然界においては同血統の同兄弟同士が交尾を行う可能性はかなり低いです。それゆえ血の濃さによる障害もないのでしょう。人がブリードを行うとなると入手出来る数も限られますから当然インラインでの累代飼育を行う可能性がおおくなります。血の濃さを無くす為にも外から新しい血を入れるアウトラインも必要だと考えます。
ちょっと説明が難しくなりましたが、まとめると、ある程度の累代は良いけれどやはり最終的には外から新しい血を補う事が必要ということだと思います。F値は私的にはF5までが限界と感じます。御参考までに聞いていただけますと幸いです。(^^)
使用したアイテム
今日もヘラクレス種の羽化報告です。今回はセプテントリオナリスです。
【ちょっと胸角先端が下に湾曲しています】
【飼育種】
和名:ヘラクレス セプテントリオナリス
学名:Dynastes hercules septentrionalis
【体長】♂132mm
【使用したエサ】きのこマット
【使用した容器】 小プラケース(W230×D155×H170)
【えさ交換回数】途中4~5回
【設定管理温度】25℃前後
【羽化までにかかった時間】2令投入して今現在で約11ヶ月
ヘラクレスの亜種セプテントリオナリスです。
この個体はちょっと蛹室の位置が悪かったのですが、私が気付くのが遅くてそのまま蛹化させてしまいました。
ケース側面にかなりの窓が開いていますね。小窓ではなく大窓です。
これは完全にチェックミスです。この手のケースならば人工蛹室行きは確実なのですが・・。
胸角先端が少し曲がっています。一番上の画像でもお分かりのように下方向にも曲がっていますので、やはり角先端の空間が窮屈だったのでしょう。
線の細いセプテンですが、なかなかシャープな感じがして良いです。
もうちょっと上手く羽化させたかったです。次は頑張ります。(^^)
使用したアイテム
【飼育種】
和名:ヘラクレス エクアトリアヌス
学名:Dynastes hercules ecuatorianus
【体長】♂137mm
【使用したエサ】きのこマット
【使用した容器】 小プラケース(W230×D155×H170)
【えさ交換回数】途中4~5回
【設定管理温度】25℃前後
【羽化までにかかった時間】2令投入して今現在で約12ヶ月
ヘラクレスの亜種エクアトリアヌスです。
この個体は幼虫管理していた小プラケースそのままで羽化させました。
蛹室もギリギリ上手い具合に作ってくれたのでそのままにしました。
こういう場合は管理も楽です。(^^)
体長は中程度、エクアトの特徴も出てなかなか良い個体です。(^^)
使用したアイテム
今日はヘラクレス♀が主役です。
いつも♂個体ばかりの報告をしているので今日は♀個体の報告をしたいと思います。
羽化報告ではなく、途中経過の蛹化報告です。
【飼育種】
和名:ヘラクレス・ヘラクレス
学名:Dynastes hercules hercules
【使用したエサ】きのこマット
【使用した容器】 1500ccブロー容器(径137×高さ130)
【えさ交換回数】途中3回
【設定管理温度】25℃前後
【羽化までにかかった時間】2令投入して今現在で約8ヶ月
ちょっと順をおって見てみましょう。
【外側から見たケース全体図です】
マットは上から2cm程度の隙間を残して一杯に詰めていましたが、幼虫の喰いと沈下でだいぶ減っています。下のほうに蛹室らしき小窓が見えます。
【底面から見た蛹室】
こちらは容器底面から見た蛹室の様子です。蛹が見えるのが分かります。小型容器で管理するとこのようにほとんどといいっていいいほど底面に接して蛹化します。私の場合はこの場所を頼りに蛹化を判断します。
ヘラクレス♀ならばこの程度の大きさの容器で十分蛹化~羽化までもっていけます。
今回は様子を見せる為あえて露天掘りしましたが、 ♀の場合は露天掘りしなくてもほとんどと言っていいほど羽化不全も無くキレイに蛹化してくれます。
ですが♂の場合はそうはいきません。上記でお見せしたような側面からの小窓が見えるような状態になってしまった場合は人工蛹室に移すなどの何らかの対処が必要となります。
後はこのまま羽化を待つだけです。楽しみですね。(^^)
使用したアイテム
インドアンタエウスの羽化報告です。
この個体は少し前(昨年の11月羽化)の羽化になります。
菌糸ビンではなくきのこマットでの羽化になります。
【飼育種】
和名:アンタエウスオオクワガタ
学名:Doucus antaeus
【羽化体長】♂78mm
【使用したエサ】きのこマット
【使用した容器】 1100ccPP空ボトルを使用
【えさ交換回数】途中2回
【設定温度】25℃前後
【羽化までにかかった時間】2令投入して約11ヶ月
これもおなじみアンタエスオオクワガタの羽化報告です。
上記でも書きましたが、この個体は少し前の時期の羽化個体になります。
この個体は菌糸ビンではなくきのこマットで飼育しました。
インドアンテらしくヒマラヤ系の特徴がが出て大変美しい個体で羽化してくれました。
飼育自体はとても簡単です。幼虫飼育はマット飼育、菌糸飼育どちらでも育ちます。
マット飼育の場合、菌糸とは違ってエサ交換のタイミングがちょっと難しいです。
菌糸の場合は劣化や食痕で交換の度合いがわかりますが、マットの場合は慣れないと同じように見えてしまいます。その場合は劣化の度合いに関係なく約3ヶ月程度に1回交換すれば問題ありません。
ただ途中マットがコバエやダニ、線虫などで侵された場合には早々の交換が必要となる場合もあります。
その状況で臨機応変に対応する事が良いと思います。(^^)
使用したアイテム
ヘラクレス ヘラクレスが羽化しました。
【飼育種】
和名:ヘラクレス・ヘラクレス
学名:Dynastes hercules hercules
【羽化体長】♂129mm
【使用したエサ】きのこマット
【使用した容器】 小プラケース(W230×D155×H170)
【えさ交換回数】途中4~5回
【設定管理温度】25℃前後
【羽化までにかかった時間】2令投入して約10ヶ月(合計12ヶ月程度)
今回のヘラヘラは私の管理ミスにより小型で羽化させてしまいました。
小プラケースの短い方に蛹室をつくり、そのまま蛹化してしまったため、胸角先端も湾曲しサイズ的にも小型になってしまいました。
この蛹室の作り具合からすると本来ならば人工蛹室に以降するのがベストだと私的には判断します。ですが今回は蛹化に気付かなかった為、この蛹室でそのまま蛹化させてしまったのが失敗でした。
このような失敗も多々ありますが、まためげずに精進したいと思います。(^^)
使用したアイテム
【飼育種】
和名:エレファス エレファスゾウカブト
学名:Megasoma elephus
【羽化体長】♂121mm
【使用したエサ】きのこマット
【使用した容器】 小プラケース(W230×D155×H170)
【えさ交換回数】途中4~5回
【設定管理温度】25℃前後
【羽化までにかかった時間】2令投入して約13ヶ月
エレファス エレファスゾウカブトです。きのこマットで飼育しました。
飼育自体はとても簡単でぐんぐん育ってくれます。
多少羽化までの飼育期間が長めですが、大型ゾウカブトの中では比較的早い方に分類されると感じます。
産卵の方もとても簡単です。
産卵は完熟マット、黒土マットでよい結果を残しています。
上記マット達より産卵数は劣りますが、きのこマット、くわマットでも産卵可能です。
産卵方法は以下の通りです。
【産卵に使用するマット】黒土マット、完熟マット (オススメ)
【セット期間】開始~約1ヶ月~1ヶ月半
【産卵に使用するケース】衣装ケース(中型タイプ)
【産卵管理温度】23~25℃(幼虫飼育と同等温度)
【水分量(湿度)】多からず少なからず
【セット方法】ケース底面を固くつめ(ケースの3/5位、上部1/5はフンワリと敷き詰めます)
産卵数はかなり多産です。
私の場合は約2週間ごとに卵回収します。上手く産んだ場合には200近く回収できる事もあります。
大型ゾウカブトの中では比較的簡単ですので、機会があれば入門種として是非トライしてみて下さい。(^^)
使用したアイテム
皆さんおなじみのアルキデスヒラタの羽化報告です。
今回は菌糸ビンではなくきのこマットでの羽化になります。
【飼育種】
和名:アルキデスヒラタクワガタ
学名:Doucus alcides
【羽化体長】♂84mm
【使用したエサ】きのこマット
【使用した容器】 1000cc程度~1500cc程度の2タイプ使用
【えさ交換回数】途中1回
【設定温度】25℃前後
【羽化までにかかった時間】2令投入して約11ヶ月
アルキデスヒラタの短歯タイプです。今回はきのこマットで飼育しました。
毎回言っている事ですが、このアンバランスな前胸の太さはかなりインパクトがあります。
飼育自体はとても簡単です。幼虫飼育はマット飼育、菌糸飼育どちらでも育ちます。
菌糸飼育の場合はマット飼育よりも期間的に短くて羽化してきます。
まだまだ大型とは言えませんがきのこマットでも大きく育ってくれました。
産卵の方もとても簡単です。
産卵はきのこマット、くわマットでよい結果を残しています。
産卵方法は以下の通りです。
【産卵に使用するマット】きのこマット、くわマット
【セット期間】開始~約1ヶ月~1ヶ月半
【産卵に使用するケース】プラケース中(W300×D195×H205)
【産卵管理温度】23~25℃(幼虫飼育と同等温度)
【水分量(湿度)】多からず少なからず
【セット方法】ケース底面を固くつめ(プラケースの1/2位、上部1/3はフンワリと敷き詰めます)
このようにセットすれば早い場合セットした数日後よりケース側面に卵が見えます。
回収(産卵セット割り出し)するのは1ヶ月程度~がよいと思います。ケース底面や側面に幼虫が10頭程度見えてきた辺りが頃合です。あまり回収が遅くなりますと親♀が幼虫を食べてしまう場合がありますのでご注意下さいませ。(^^)
使用したアイテム
アンティローペノコギリクワガタの羽化報告です。
【飼育種】
和名:アンティローペノコギリクワガタ
学名:Prosopocoilus antilope
【羽化体長】♂47mm
【使用したエサ】きのこマット
【使用した容器】500ccブロー容器
【えさ交換回数】交換なし
【設定温度】25℃前後
【羽化までにかかった時間】2令投入して約5ヶ月
アフリカの小型ノコギリアンティローペです。
この種には同サイズでも長歯タイプと短歯タイプがありますが、この個体は短歯タイプです。
やや赤褐色のボディが美しく、なかなか味があります。
飼育はとても簡単で幼虫飼育はマットでも菌糸でもどちらでも順調に育ちます。
産卵についてはマットにも産みますが、材を入れておいたほうが良く産みました。
アフリカのノコギリは材を入れたほうが良く産む傾向があります。
もうちょい大型の50mmUPを出してみたいですね。(^^)
使用したアイテム
先日の日記内でカシンさんより以下の質問を受けました。
ちょっと興味深い質問だったので本日の日記内で取り上げてみました。
【カシンさんからの質問】
>お久し振りです。162mm凄いですね!!。我が家も今日、DHエクアトリアヌスの♂が羽化しました。サイズは計測していませんが・・しかし角曲がりでした。そこで、少し疑問に思いましたが、飼育スペースは十分、蛹室の位置もバッチリ。なのに角曲がりでした。何が悪かったのでしょうか?。shihoさんは過去にこんな経験ありませんでしたか??。幼虫そのものに何か異常があったのでしょうか・・?。原因が分かりません・・。
御質問ありがとうございました。
この経験ですが、私も何度もあります。最初は確かに疑問に思いました。
そこで私なりに推測してみました。私が推測したのは以下のパターンです。
・角曲がりで蛹化してしまうのは蛹化する時の位置ではないかと思いました。
通常自然界では蛹化する際の土壌の量は膨大にある為、キレイな斜めラグビーボール型の蛹室を形状していると予想します。蛹室だけ取り出すとほとんど繭状になっていると思います。
この場合、蛹化する時は重力にしたがって蛹室の一番深い部分にかお尻部分を置きながら身体をくねらせ蛹化していくと考えます。
ただケース内で飼育している場合はどうでしょう?一番深くお尻を置く部分がケース底面と接していませんか?ほとんどと言っていいほどケース底面に接しているパターンが多いと思います。(少なくとも小プラケースで管理している私はほぼ100%接してしまいます)
これでは自然界のようなキレイなラグビーボール形の蛹室を作っていません。
結果、一番深い所にお尻を置く事が出来ず、くねらせて蛹化する時に、余計ずり上がってしまい、天井や角先端の部分がつかえてしまうのではないでしょうか?
上記の様に推測した私は、以下の対策で対処しています。
・どんなキレイな位置に蛹室をつくったとしても、上面を露天掘りにし、なおかつ蛹室に傾斜をつける。
(傾斜はケース自体を斜めにすること。ケース下に何かものをおいて傾斜をつける)
露天掘りにする事で頭角の天井部分へのぶつかりを防ぎ、なおかつ傾斜を付ける事により蛹化時の過剰なずり上がりを防ぎ胸角のぶつかりを防ぐ・・・という方法です。実際この方法を試してからほとんど角曲がりは改善しました。
・・・・・ただこれでも角曲がりが起きてしまう事があります。
たとえ人工蛹室に移して何の問題もなかった場合でもです。その時は、私的には蛹化不全だと考えています。蛹化する前、幼虫自体になんらかの障害があったりすると蛹化する際に力不足になりキレイな形状を形成出来ず角曲がりになる・・・。私個人の考えですがこのようなに思っています。
角曲がりについては上記で書いた事が私の個人的見解です。実際幼虫に直接聞いたわけではないので、本当の理由は違うのかもしれまえんが・・・。参考程度に聞いて頂けますと幸いです。
カシンさん、ちょっと分かりにくい難しい内容になってしまいました。文章で伝えるのはなかなか難しいですね。ご愛嬌を(^^)
使用したアイテム
最近のコメント