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前々回の日記で紹介した準備する採集道具、前回のクワガタ&カブトムシが集まる(採れる木)の日記記事に続いて、まず採集に行く前になるべく知っておきたい事、私Shih...続きを読む

前々回の日記で紹介した準備する採集道具、前回のクワガタ&カブトムシが集まる(採れる木)の日記記事に続いて、まず採集に行く前になるべく知っておきたい事、私Shihoが必ずしていることをご紹介していと思います。

またこの記事内容に関しましても、昨年紹介しておりますが、いよいよ採集時期が近づいて来ましたので、まだご覧になっていない方々の為にもう一度改めてご紹介してみたいと思います。あらかじめご了承下さいませ。

 

皆さんは、野外採集(昆虫採集)に行く時、どんな時に行かれますか?例を挙げるとすれば、

 

・仕事がお休みの時
・天気が良い時
・何だか自然と触れ合いたい時
・クワガタ&カブトムシと出逢いたい時
・子供さんと一緒に採集を楽しみたい時

 

と、色々と理由はありますよね。

折角計画していたのに行ってみたら採集地が雨で全然採れなかった。ってことはありませんか?

 

そんな時、あくまで私のやり方になるのですが、私は採集に行く前には必ず以下の事項を調べてから行くようにしています。

 

・採集地に近い地域の今現在の「天気」を調べる

・採集地に近い地域の「これまでの天気、降水量」を過去数時間さかのぼって調べる

・採集地に近い地域の「これからの天気」を、特に今後の雨雲の動きを調べる

・採集地に近い地域の「気温と、風の強さ」を調べる

 

 

IMGP5366
雨と霧につつまれた採集地の天候

 

野外採集(昆虫採集)に行くにあたって採集地の今現在の天気は重要です。今いる場所は晴れていても、採集地に行ってみて雨が降っていないとは限りません。それゆえ採集地の天気は事前に調べておくのが得策です。

では、そこにいないのにどうやってそんなことが分かるのか?ご心配なく。今の時代にはインターネットという強い味方がいます。

あくまで私のやり方ですが、私は野外採集に行く前は必ずインターネットで採集地の情報を調べてから行動するようにしています。

 

そこで一番頼りになるのが、インターネット内にある各種のお天気サイトの中のYAHOO!JAPAN天気・災害のというサイトです。
このサイトを見ると、採集地自体のピンポイントの天候を知るのは無理かもしれませんが、それでもその採集地に近い地域のおおよその天候、これまでの雨量、今後の雨雲の動き、気温、風の強さ等の情報が分かることが出来ます。

これらのサイトを有効に利用しながら、上記のポイントを調べて採集に行くようにしています。

 

では上記に書いた調べるポイントについて、なぜそれを調べる必要があるのか?の理由などをご紹介してみたいと思います。

 

【採集地に近い地域の今現在の「天気」を調べる】

インターネットのYAHOO!JAPAN天気・災害のサイトで天気を調べます。

晴れ、もしくは曇りならばOK。雨ならばNG。

 

 

【採集地に近い地域の「これまでの天気、降水量」を過去数時間さかのぼって調べる】

今現在は雨が降っていなくても、数時間前までに雨が降っていれば、採集地の木々達はとても雨で濡れた状態にあります。

そういう樹が濡れた状態の時は、樹の樹液も雨によって流れてしまっている可能性が高いので、虫の集まりもよくありません。

また蹴り採集をする際にも、樹を蹴っても虫がいたとしても、虫と一緒に雨も一緒に落ちて来てしまうので落ちたポイントを特定するのが難しくなります。

そういう意味でも非常に効率が悪いと考えられます。

そんな時はネットのYAHOO!JAPAN天気・災害のサイトで、雨雲の動き、「これまでの動き」でこれまでの雨雲の流れをチェックすると良いと思います。同時に降水量もチェックしておきましょう。最低でも3~4時間前まで雨が降っていない方が良いでしょう。

もし過去に雨が降っていても、降水量がほんのわずかの場合ならば、そこまで採集に影響しない場合もあるかもしれません。逆に降水量が多い場合にはより難しいと言えるでしょう。

 

 

【採集地に近い地域の「これからの天気」を、特に今後の雨雲の動きを調べる】

今は雨が降っていなくても、採集地に行ってすぐに降り出しては元も子もありません。

そんな時は同様にYAHOO!JAPAN天気・災害のサイトで、雨雲の動き、「これからの動き」で今後の雨雲の流れをチェックすると良いと思います。

後数時間もすれば雨雲がやってきそうな予報が出ていれば、思い切って中止するのも賢明だと言えます。

 

 

【採集地に近い地域の「気温と、風の強さ」を調べる】

気温が低いと虫の活動は鈍くなります。逆に気温が高いと虫の活動は活発になり、樹にもよく飛んでくるようになります。私的ですが、可能ならば25℃以上あるととても良いと考えています。

また風の強さも結構重要だったりします。風が強いと、木々が風で揺れてしまっているので、クワガタ達も落とされまいとガッチリと掴まっています。それゆえ、人が蹴った位では全然落ちて来ません。蹴り採集をメインに考えている方には強風は大敵だと言えると思います。

そんな時もネットのYAHOO!JAPAN天気・災害のサイトで気温や風の強さを確認します。

 

 

如何でしたでしょうか?
上記が私が野外採集(昆虫採集)に行く前に必ずチェックしておく天候対策です。

勿論、万全に対策を練って行動しても、天気には裏切られることもよくあります。

実際、昨年も2日連続で現地についた途端に雨が降り出し、採集を中止したこともありました。

なので絶対的ではないということをご理解の上、ご参考程度にして頂ければ幸いです。

少しでも皆様の採集が快適なものになり、採集率がアップすることをお祈り申し上げます。(^^)

 

※上記方法はあくまShiho個人の考え方&やり方ですので、あくまでご参考程度にお読み頂ければ幸いです。m(_ _)m ※

 

※ 採集はマナーが大事です。採集する場所が私有地の場合は、 無断では入らないようにしましょう。必ず持ち主さんに断りを入れるのは必須です。あと、虫が木の穴の中に入って採れないからと言って、木を切ったり、傷つけたりするのも好ましいとは言えません、自然にやさしく、モラルを守って採集を楽しみましょう。(^^)

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2016年5月21日

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野外で昆虫を採集するには、どんな木に昆虫...続きを読む

野外で昆虫を採集するには、どんな木に昆虫が集まるかを知っていなければ、昆虫採集、特に樹液採集においては難しいと考えます。 2015年のシーズン終了辺りから、「ク...続きを読む

野外で昆虫を採集するには、どんな木に昆虫が集まるかを知っていなければ、昆虫採集、特に樹液採集においては難しいと考えます。

2015年のシーズン終了辺りから、「クワガタ、カブトムシが集まる木(採れる木)」として9回に分けて調べたデータを公開させて頂きました。

本来当初は今回のように一つの記事で一気にご紹介する予定でしたが、あまりにも記事が長くなりすぎた為、分割して9回に分けてご紹介しました。

少しずつみるのが面倒だという方は、こちら「まとめ編」から一気にご覧下さいませ。

ただ、記事が長い事をあらかじめご了承下さいますようお願い申し上げます。

 

 

 

「クワガタ、カブトムシが採れる(集まる)木」

 

では、私:Shihoが採集しているフィールドで撮影した実際の木の画像などを元にご紹介してみたいと思います。

 

 

★★★クワガタ、カブトムシが集まる木★★★

 

【クヌギ】

 

IMGP3792
クヌギの全体像

 

IMGP3793
クヌギの葉

 

IMGP3786
クヌギの葉:表側

 

IMGP3788
クヌギの葉:裏側

 

IMGP3790
クヌギの樹皮

 

<Shiho採集実績>

オオクワガタ、ヒラタクワガタ、ミヤマクワガタ、
ノコギリクワガタ、コクワガタ、スジクワガタ、
カブトムシ、カナブン、クロカナブン、アオカナブン

 

クヌギ。クワガタムシ、カブトムシが集まる木としては全国的に最も有名な木の一つではないでしょうか?

樹皮表面はゴツゴツとしていて、肉厚。樹液も濃厚で、発酵するとかなり強めの甘酸っぱい発酵した臭いがします。この木が流す樹液は強烈で、遠くまでかなりの臭いがします。

 

IMGP5787
クヌギの樹液。発酵した甘酸っぱい強烈な臭い

 

IMGP6304
同じくクヌギの樹液:白っぽい所が樹液が煮詰まっている箇所

 

また台場クヌギと呼ばれるゴツゴツといびつな形をしたクヌギは、人の手で伐採~成長~伐採と繰り返した為、いびつな形になり、木の穴(ウロ)が出来ている事も多く、オオクワガタやヒラタクワガタの格好の住処ともなっているようです。

 

IMGP3804
台場クヌギではありませんが、クヌギのウロ(穴)

 

上記画像は人の手が加わって形成された台場クヌギではありませんが、クヌギのウロ(穴)。中からはしっかりと樹液が出ています。こいいう場所にウロ(穴)を好んで潜むオオクワガタやヒラタクワガタ、コクワガタが入っている場合が多いです。

 

クヌギの樹皮裏に集まるミヤマペア、他
クヌギの樹皮裏に集まる昆虫達

 

 

クヌギ16
クヌギの樹液に集まる、ノコギリクワガタ、カブトムシ

 

全国的にみても言わずと知れたクワガタ、カブトムシ採集の木のエース格、クヌギ。まずはこの木を探してみると良いかもしれません。

 

 

【ハルニレ】

 

IMGP4031
ハルニレの全体像:1

 

ハルニレ0
ハルニレの全体像:2

 

IMGP4032
ハルニレの葉

 

IMGP4033
ハルニレの葉:表側

 

IMGP4034
ハルニレの葉:裏側

 

IMGP4035
ハルニレの樹皮

 

IMGP4060
樹液を流すハルニレの木

 

<Shiho採集実績>

オオクワガタ、ヒラタクワガタ、ミヤマクワガタ、
ノコギリクワガタ、コクワガタ、スジクワガタ、
ネブトクワガタ、アカアシクワガタ、カブトムシ、
カナブン、クロカナブン、アオカナブン

 

私の通うフィールドでは大活躍のニレの木。
詳しく調べてみると、ニレの中の「ハルニレ」という名称らしいです。近縁種にアキニレというのもありましたが、私がよく採集しているのは、おそらくハルニレだと思います。間違っていたらゴメンなさい。m(_ _)m

特徴は桜の葉のような葉っぱ。表面はツヤもなくザラザラとしている。樹液も良く出てほどよく発酵し、様々なクワガタムシ、カブトムシを引きつけます。

自然に放置されたハルニレの木はとても大きく育ち、ボクトウガなどによって穿孔され続け、木の穴(ウロ)が出来ている事も少なくありません。そこでは大型のヒラタクワガタや、時にはオオクワガタも入っていることもあります。

勿論木の穴(ウロ)だけではなく、枝先や樹皮裏、幹などにもクワガタムシやカブトムシが付きます。

 

IMGP5553
ハルニレの木の枝先に付くノコギリクワガタの♂♀

 

IMGP5636
若いハルニレの木の幹に付く昆虫たち

 

IMGP4229
ハルニレの樹皮裏に隠れるヒラタクワガタ♂

 

IMGP6649
細いハルニレの樹液を舐めるカブトムシ

 

ハルニレ17
ハルニレの樹液酒場でハーレム化するヒラタクワガタ達

 

地域によってはハルニレはあまり見られない所もあるらしいですが、私にとってはクヌギの木よりもこちらのハルニレの木の方がエース格と言っても過言ではありません。

 

 

 

【コナラ】

 

IMGP3866
コナラの全体像

 

コナラ樹皮1
コナラの樹皮

 

コナラ10
コナラの葉

 

コナラ12
コナラの葉:表側

 

コナラ13
コナラの葉:裏側

 

<Shiho採集実績>

ミヤマクワガタ、ノコギリクワガタ、コクワガタ、
スジクワガタ、アカアシクワガタ、カブトムシ、
カナブン、アオカナブン

 

私の中ではハルニレ、クヌギの強力ツートップに次点に当たる木、コナラです。

コナラはあくまで私の感覚ですが、先に紹介したクヌギ、ハルニレと比べると、樹液的には若干ですが薄くさらっとした印象があります。でも時には下記画像のように樹液が噴出している所もあり、甘酸っぱい発酵臭がします。

クワガタムシ、カブトムシを引き付ける力は強力!木の穴(ウロ)で採れるというよりも、木の枝や幹についているといったような感じでしょうか。よってルッキング採集や蹴り採集がメインの採り方となります。

 

IMGP5645
コナラの木の樹液に付く昆虫たち

 

IMGP6020
コナラの樹液に来たノコギリクワガタ♂

 

またコナラは平地~比較的標高の高い場所でも幅広く見かけます。このような木を見つけた場合は、とりあえずチェックしてみて下さいませ。

 

 

【ミズナラ】

 

ミズナラ1
ミズナラの全体像

 

ミズナラ6
ミズナラの樹皮

 

ミズナラ2
ミズナラの葉

 

ミズナラ3
ミズナラの葉

形はコナラに似るがコナラより葉は大きい。
色もコナラより心なしか少し明るめ。

ミズナラ4
ミズナラの葉:表側

 

ミズナラ5
ミズナラの葉:裏側

 

<Shiho採集実績>

ミヤマクワガタ、ノコギリクワガタ、コクワガタ、
スジクワガタ、アカアシクワガタ、カブトムシ、
カナブン、アオカナブン

 

ミズナラ。コナラより少し標高が高い所で多く見られる傾向があります。

私が通う採集フィールドでは、生えているもののそこまで数は多くなく、見かけるのはコナラの方が多いです。

しかしクワガタは集まります。採集実績はコナラとほぼ同じ種類ですが、ミズナラではミヤマクワガタが多く採れます。

樹液の出はコナラと似ていて若干ですが薄くさらっとした印象があります。でも時には荒い樹皮の割れ目などから樹液が噴出している所もあり、甘酸っぱい発酵臭がします。

コナラ同様、木の穴(ウロ)で採れるというよりも、木の枝や幹についているといったような感じでしょうか。よってルッキング採集や蹴り採集がメインの採り方となります。

 

 

【シラカシ】

 

シラカシ2-1
シラカシの全体像

 

コナラの樹 樹皮
シラカシの樹皮

 

コナラの葉・表
シラカシの葉:表側

 

コナラの葉・裏
シラカシの葉:裏側

 

<Shiho採集実績>

ミヤマクワガタ、ノコギリクワガタ、コクワガタ、
カナブン、クロカナブン

 

カシの木の種の中のシラカシです。
樹液の質はにじみ出るような感じで、サラッと薄い印象があります。

 

IMGP5789
樹液がにじみ出ているシラカシの木

 

シラカシ樹液1
木の根元部分から樹液が出ているシラカシの木

 

シラカシの木は公園や神社などによく植えられており、時間が経つと結構な大木に育ちます。

私が通うフィールドにあるシラカシでは蹴ると主にノコギリクワガタが落ちて来ることが多いです。実際先日夜に採集に行った際、樹液にノコギリの大歯♂が付いて樹液を舐めていました。その他ではコクワガタ、ミヤマクワガタも採れる事があります。

 

シラカシ10
シラカシの樹皮から染み出る樹液に付くノコギリ♂
(ノコのアゴ下の白っぽいのが樹液です)

 

また他の場所では、シラカシの周りには沢山のクヌギの木もありました。さすがにクヌギの木の樹液パワーには適わないようで、ほとんどのクワガタ、カブトムシはクヌギの樹液に付いていました。

でもその時もノコギリクワガタが2頭ほど付いていましたので、クワガタ、カブトを引き付ける樹液は間違いなく出すようです。とりあえずシラカシを見つけたら、まずはルッキングしてみると良いと思います。

 

 

 

【アラカシ】

 アラカシ2-1
アラカシの全体像

 

アラカシ2-2
アラカシの樹皮

 

アラカシ2
アラカシの葉

 

アラカシ2-4
アラカシの葉:表側

 

アラカシ2-5
アラカシの葉:裏側

 

<Shiho採集実績>

ノコギリクワガタ、コクワガタ、カナブン

 

シラカシと同様、カシの木の種類、アラカシです。全体像、樹皮などほとんどシラカシと酷似しますが、葉っぱの形(鋸歯の位置)が若干異なるようです。

樹液はシラカシ同様ににじみ出るような感じで、サラッと薄い印象。木の個々の差もあるでしょうが、あくまで私が見てきた感じでは、アラカシよりもシラカシの方がまだ樹液力が強いような感じを受けました。でもそれも地域差や個体差があると考えます。

とはいえ、こちらも採集実績はあります。
種類的にはノコギリがよく付いています。

 

 

【タチヤナギ】

 

IMGP5627
タチヤナギの全体像

 

IMGP5629
タチヤナギの樹皮

 

IMGP5632
タチヤナギの葉:表側

 

IMGP5633
タチヤナギの葉:裏側

 

<Shiho採集実績>

ミヤマクワガタ、ノコギリクワガタ、コクワガタ、
スジクワガタ、ヒラタクワガタ、アカアシクワガタ、
カブトムシ、カナブン、アオカナブン

 

タチヤナギの木。標高の低い場所~標高の高い場所まで幅広く見られます。河川敷や山間の川沿いに生えていることが多いですね。

ヤナギの木は日本には約30種類もあるそうです。良く知られていて有名なのはシダレヤナギですが、私がいつも採集するのはこのタチヤナギという種類です。

 

このタチヤナギの木、クワガタ、カブトムシはよく集まります。
標高の低い河川敷などではヒラタクワガタやカブトムシ、ノコギリクワガタなどをよく見かけます。

ある程度標高のある(標高約300m位)山間の川沿いでもよくタチヤナギを見かけます。その辺りではミヤマクワガタを中心にノコギリクワガタ、スジクワガタ等をよく見かけています。

更に標高の高い場所にあるヤナギの木ではヒメオオクワガタやアカアシクワガタなども捕獲出来るようです。全国的にもよく生えている木ですので、覚えておいて損は無いはずです。

 

 

 

【クリ】

 

IMGP4363
クリの全体像

 

 

クリ6
クリの樹皮

 

クリ2
クリの葉

 

IMGP4364
クリの木の葉:表側

 

IMGP4365
クリの木の葉:裏側

 

クリ8
クリの実

 

<Shiho採集実績>

ノコギリクワガタ、コクワガタ、
カブトムシ、カナブン

 

 秋の味覚の一つでもある、クリ(栗)。この木も立派な広葉樹の木で、あまりメジャーではないかもしれませんが、クワガタ、カブトムシが集まる木の一つでもあります。

樹液が出ている所になかなかお目にかかりずらく、出ていたとしても樹液的には少し薄い(弱い)感じがます。それでも周りに強烈な樹液が出ている木がなければ集まってくることもあります。

ただしクリ(栗)の木はほとんどが人為的に植えられている事が多いので、そのような場所に無断で採集していると持ち主に怒られてしまうことがあるので、注意が必要です。

 

 

 

【アカメガシワ】

 

 アカメガシワ20
アカメガシワの全体像

 

アカメガシワ1
アカメガシワの葉の群生

 

アカメガシワ22
アカメガシワの樹皮(大型木)

 

アカメガシワ2
アカメガシワの若木の樹皮

 

アカメガシワ9
アカメガシワの葉:表側

 

アカメガシワ10
アカメガシワの葉:裏側

 

アカメガシワ6
真っ黒いアカメガシワの実

 

<Shiho採集実績>

ノコギリクワガタ、ヒラタクワガタ、コクワガタ、
カブトムシ、カナブン、クロカナブン

オキナワノコギリ、
オキナワヒラタ(沖縄やんばるにて)

 

クヌギやニレなどに慣れている私にとっては少し変わった感じがする木です。木自体もそんなに大きくないものも多く、枝別れした辺りからよく樹液が出ているのを見かけます。

沖縄では樹液採集をする時はミカンの木とアカメガシワの木をよく見ます。実際私も沖縄に行った時、やんばるというところで、アカメガシワの木についているオキナワノコギリとオキナワヒラタを採集した事があります。沖縄では樹液採集をする場合、主力の木だとも言えます。

 

アカメガシワ14
アカメガシワの樹液を舐めるカブトムシ♂

 

樹液の質はさらりとしたような感じで、黒っぽくにじんでいる事が多いです。周りに強力な樹液を出す木が無い場所などでは結構クワガタムシ、カブトムシが集まって来ます。時には大きなヒラタクワガタが来ているのを見たことがありました。なかなか侮れない木だと思います。

 

 

【タブノキ】

 

タブ2
タブノキの全体像

 

タブ3
タブノキの樹皮

 

タブ4
タブノキの葉と実

 

タブ6
タブノキの葉の表側

 

タブ7
タブノキの葉:裏側

 

タブ8
タブノキ:実

 

<Shiho採集実績>

ミヤマクワガタ、ノコギリクワガタ、
コクワガタ、カナブン

 

数年前に行ったポイントに大きなタブノキの木があり、そこにミヤマ、ノコ、コクワガタなどがついていました。枝先というよりは木の幹の樹皮よりにじみ出てくるような薄い樹液をかろうじてなめているといったような印象を受けました。

タブノキの木はかなり大きくなり、かなり上の方にクワガタが付いている場合もあります。蹴ったら落ちて来たことでクワガタがいるという事が分かる事もしばしば。しかしとても大きくて頑丈な木が多いので、蹴って木を振動させるには骨が要ります。樹液の臭いはあまりなく、あっさりとした印象があります。

 

 

【イタヤカエデ】

 

イタヤカエデ15
イタヤカエデの全体像

 

イタヤカエデ6
イタヤカエデの樹皮

 

イタヤカエデ8
イタヤカエデの葉

 

イタヤカエデ2
イタヤカエデの葉:表側

本州産のカエデ類の中で唯一鋸歯(葉のギザギザ)がないのが特徴

 

イタヤカエデ3
イタヤカエデの葉:裏側

裏側を見てみると、基部だけに毛の固まりがある

 

イタヤカエデ4
裏側の拡大画像、基部に毛の固まりがある

 

<Shiho採集実績>

ミヤマクワガタ、ノコギリクワガタ、コクワガタ
カナブン、アオカナブン、クロカナブン

 

イタヤカエデ。もう10年以上前に友人に教えられ行っていた採集ポイントの一つに何本か生えていました。そこは近くにお寺があって、境内ではありませんでしたが、道沿いにイタヤカエデの木がありました。

葉っぱがもみじみたいな形をしているので、この様な木でクワガタが付いているのか半信半疑でしたが、よく見るとミヤマクワガタ、ノコギリクワガタが樹皮表面や枝ににじみ出ている樹液を舐めに沢山付いていたのを思い出します。

 

イタヤカエデの葉はもみじのような形をしています。本州産のカエデ類の中で唯一、鋸歯(葉のギザギザ)がなく、縁取りはつるっとして波打っているのが本種の特徴です。

また葉を裏返すと根元(基部)の部分に毛の固まりがあります。樹液は舐めると甘いです。カエデ(この場合サトウカエデという種らしい)の樹液は、ホットケーキ等にかけるメープルシロップの原料になるらしいので、その仲間の木ならば甘いのもうなずけます。

 

イタヤカエデ10
イタヤカエデの樹液を舐めるクロカナブン

 

今の私の採集はハルニレ、クヌギ中心に見ていますが、イタヤカエデ、侮れない木の一つだと思います。見かけた時は要チェックです。

 

 

【ケンポナシ】

 

ケンポナシ6
ケンポナシの若木の全体像

 

ケンポナシ2
ケンポナシの樹皮

 

ケンポナシ3
ケンポナシの葉

 

ケンポナシ4
ケンポナシの葉:表側

 

ケンポナシ5
ケンポナシの葉:裏側

 

 

<Shiho採集実績>

ミヤマクワガタ、ノコギリクワガタ、コクワガタ、
カブトムシ、カナブン、アオカナブン、クロカナブン

 

ケンポナシの木、実は私が知っているこの木のあるポイントは2ヶ所しかありません。しかも樹液が出ているポイントは1ヶ所だけ。

よって採集回数もその場所だけで、2~3回程しかこの木で採集したことしかありませんが、その時はカブトムシがかなり沢山採れました一回の採集で20頭近く。

そ の場所は3~4本まとまってケンポナシが生えていましたが、どのケンポナシの木も樹液の出も良くカブトムシがついていました。他にはノコギリ、ミヤマクワガタ、コクワガタ、などが数頭ですがついていました。カナブンは多数いました。樹液は結構濃く、樹皮裏から出ていた樹液はかなりの発酵臭がありました。

上記画像で紹介してるケンポナシの木は、その後別の場所で見かけたケンポナシです。残念ながら若木ゆえそこまで大きく育っておらず、樹液も出ていませんでした。

しかし樹液が出ていたケンポナシ木は印象があまりにも強烈でした。ケンポナシの木、今後見かけたら要注意ですね。

 

 

ここまでが、私自身、実際にその木に出逢って採集したことのある実績とデータです。
全国にはまだその他、クワガタムシ、カブトムシが集まる木が沢山あります。私自身はまだそれらの木にもお目にかかっていないか、あるいは見過ごしてしまっているかですが、クワガタムシ、カブトムシが集まり、採集できるという木を全てではありませんが、私なりに調べ上げた分だけでもご紹介しておきます。

 

 

【スダジイ】

 

スダジイ大1
とてつもなく大きなスダジイの全体像

 

スダジイ1
小さなスダジイの若木の全体像

 

スダジイ2
スダジイの葉:表側

 

スダジイ3
スダジイの葉:裏側

 葉の裏が黄金色っぽく見えます。

スダジイ4
スダジイの葉:表側

 

スダジイ5
スダジイの葉:裏側

 

スダジイ6
スダジイの樹皮

 

<Shiho採集実績>

なし

 

スダジイと聞くと、私は沖縄でのマルバネ採集を思い浮かべます。マルバネクワガタは夜間シイの木に付くそうで、その話は有名です。

スダジイはかなり大きくなり、巨木になることでも有名です。ただ私は残念ながら樹液が出ているのをあまり見たことがありません。本土での一般的なクワガタ、カブトムシ採集においてはあまり採れた話は聞かず、実際私も残念ながらスダジイの木で採集した経験はありません。

一般的なクワガタムシ、カブトムシならばあまりお勧めの木とは言えませんが、逆にマルバネクワガタに関して言えばかなりお勧めの木になるのではないかと思います。

 

 

【ヤシャブシ】

 

ヤシャブシ1
まだ若木のヤシャブシの全体像

 

ヤシャブシ2
ヤシャブシの若木の樹皮

ヤシャブシは老木になると縦横に不規則な割れ目が入るそうですが、このヤシャブシの木はまだ若い為、その兆候が見られないようです。

 

ヤシャブシ11
ヤシャブシの葉と実

 

ヤシャブシ6
ヤシャブシの葉:表側

 

ヤシャブシ7
ヤシャブシの葉:裏側

 

ヤシャブシ5
ヤシャブシの実

 

ヤシャブシ8
ヤシャブシの熟した実

 

<Shiho採集実績>

なし

 

ヤシャブシ、私が通うフィールドにも良く探してみたらありました。結構な数があったのですが、正直今までこのヤシャブシでクワガタを採集した事がありません。

私が採集するポイントではハルニレ、クヌギ、コナラ等と、強力な樹液を出す木が多数存在するので、クワガタ達はどうしてもそちらの方に集まってくるようです。

ヤシャブシは標高の高い場所でも生えているそうなので、ヤシャブシの木でクワガタを狙うのならば、少し標高を上げて、ハルニレやクヌギなどの木が無い場所にあるヤシャブシの木を探してみるとクワガタ達がついている可能性が高いのではないでしょうか?

 

 

 
【アベマキ】

 

アベマキ1
アベマキの全体像

 

アベマキ3
見た感じはクヌギに似ている

 

アベマキ4
アベマキの樹皮

 

アベマキ5
アベマキの葉と実

 

アベマキ7
アベマキの葉:表側

クヌギの葉と似ているが、クヌギと比べると若干丸みを帯びている

 

アベマキ8
アベマキの葉:裏側

裏側は微毛が生え、クヌギの葉と比べると白っぽい

 

アベマキ9
アベマキの実

 

<Shiho採集実績>

なし

 

アベマキの木。今回調べるまでこの木を実際見た事がありませんでした。私が通う採集フィールドでもお目にかかる事もありませんので、当然この木でクワガタ、カブトムシを採集した事はありません。

しかし調べてみると、地域によっては生えている所も多いらしく、樹液の出も質も良く、クワガタ、カブトムシもよく集まってくるようです。

良く見てみると確かにクヌギに良く似ていて、樹液が出ていればクワガタ達が集まって来そうな雰囲気をしています。樹皮はゴツゴツとして荒く、コルク層も厚そうです。手で押すと弾力があります。

もし皆さんの採集フィールドにあったならば、是非チェックして見て下さいませ。

 

 

【カシワ】

 

カシワ1
カシワの全体像

 

カシワ3
カシワの樹皮

 

カシワ5
カシワの葉

 

カシワ6
カシワの葉:表側

鋸歯は丸くギザギザにはならない

カシワ7
カシワの葉:裏側

裏は白っぽい。表も裏も微毛が生えている。

 

<Shiho採集実績>

なし

 

カシワの木。5月5日の端午の節句にお供えされる「かしわ餅」の葉で使用されます。今回色んな木を調べていき、途中人の話を色々と聞きました。その中でご年 配の方達が「カシワの木でよくカブトムシが採れるよなー」との話を何人かの方に聞き、今回紹介してみることにしました。

実際ネットでも調べてみると、やはりカシワの木での採集実績はあるらしいです。私も実際カシワの木は見たことがなかったのですが、幸運なことにある公園で見つけることが出来ました。

樹皮&葉はミズナラの木によく似ています。ミズナラの葉のギザギザ(鋸歯)がないバージョンといった感じでしょうか。

地域によってはかなりお勧めの木の一つになるかもしれません。私も今後採集に出かけた時は気を付けて見てみようと思います。

 


【オニグルミ】

 

オニグルミ1
オニグルミの全体像

 

オニグルミ3
オニグルミの樹皮

 

オニグルミ9
オニグルミの葉

 

オニグルミ10
オニグルミの葉:表側

 

オニグルミ11
オニグルミの葉:裏側

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
オニグルミの実

 

<Shiho採集実績>

なし

 

オニグルミの木。
山沿いの沢や渓流、河川敷などに多く見られる。樹液はさらりとしてにじみ出るような感じ、樹皮が黒っぽくなってる所は樹液が出ている可能性が高いです。

全国的にもクワガタ、カブトムシが集まる木としてもかなり有名らしいですが、お恥ずかしい話、私の採集実績はありません。私が通う採集フィールドでは全く見かけない木でもあります。というか見落としているだけかもしれませんが・・・・。

川に実(種)を落として、水流を利用して種を遠くまで運んで生息範囲を広げるらしいのです。凄いですね。自然と言うのは良く出来ているものだな~と感心させられます。

川の近くで採集する時にはこの木もチェックして見ると良いかもしれません。

 

 
【ユリノキ】

 

ユリノキ2
ユリノキの全体像

 

ユリノキ4
ユリノキの樹皮

 

ユリノキ3
ユリノキの葉

 

ユリノキ5
ユリノキの葉:表側

 

ユリノキ6
ユリノキの葉:裏側

 

<Shiho採集実績>

なし

 

ユリノキ。北米原産の外来種。公園樹や街路樹としてよく植えられているらしいです。樹液が出ている所にはクワガタ、カブトムシも集まる事もあるらしいです。

外来種ゆえ、日本の雑木林などに自生することはなく、私も採集フィールドではお目にかかったことはありません。今回、クワガタが集まる木の事を調べていて初めてお目にかかりました。

葉もとても大きく、木自体もかなり大きくなるそうです。実際この画像のユリノキも30mほどありました。

 

何本か見ていったところ、樹液が出ているユリノキを発見しました。

ユリノキ7
ユリノキの樹液

ふむふむ、こんな感じで樹液は出るんですね。

残念ながらこの樹液には何も集まっていませんでした。

葉が特徴のある形をしているので分かりやすいと思います。見かけたら一応チェックしてみると良いでしょう。

 

 
【ケヤマハンノキ】
【サイカチ】

 

 ※これらの木は今後画像や採集出来た等のデータが入手しましたら、随時追加アップしていく予定です※

 

番外編:熟した実にあつまる木

【イヌビワ】

イヌビワ6
細いイヌビワの若木の全体像

 

イヌビワ1
ある程度の太さのイヌビワの木

 

イヌビワ2
イヌビワの樹皮

 

イヌビワ3
イヌビワの葉

 

イヌビワ8
イヌビワの葉:表側

 

イヌビワ9
イヌビワの葉:裏側

 

イヌビワ4
イヌビワの実

 

イヌビワ7
イヌビワの実

 

イヌビワ5
イヌビワの熟した実

 

イヌビワ実1
イヌビワの実の拡大画、こんな大きさ

 

イヌビワ実2
イヌビワの実の断面

イチジクに似ている。水分多めで、ほのかな甘みがある

 

<Shiho採集実績>

カナブン、シロテンハナムグリ、カブトムシ

 

イヌビワの木。この木の場合、樹液に集まるというよりも、熟した実に集まる事があります。私が通う採集フィールドでもよく見かける木で、熟すと黒い実がなります。熟した実は水分を多く含み、甘みがあり、イチジクに似たような感じがします。

熟した実には、クワガタ、カナブンやシロテンハナムグリ、時にはカブトムシさえ集まることがあります。実際私もカブトムシが顔を突っ込んで食べている所を何度も見ています。

 

IMGP7571
イヌビワの熟した実に付く小型のコクワガタ♂

 

人間も食べられるイヌビワの実。ごちそうとなるのは人間だけではないようです。鳥達も好物なようで、黒く熟した実は発見が遅れると次々と食べられてしまいます。

木(樹液)に集まるわけではないのですが、カブトムシ等は集まることがあるので今回番外編として、掲載しました。

クワガタムシの採集は難しいかもしれませんが、カナブン系、カブトムシが好きな方には要チェックかも。見かけたら一度チェックして見るのも良いかと思います。

 

 

如何でしたでしょうか?
今回、クワガタムシ、カブトムシが集まる木の紹介をさせて頂きました。勿論、この他にもクワガタムシ、カブトムシが集まる木はまだまだ沢山あるかと思います。今回はあくまで一部のご紹介となりますことをご了承下さいませ。

どの木も立派にクワガタムシ、カブトムシを集めてくれる木です。ただここで一つ注意してほしい事があります。

日本全国、様々な場所において集まりやすい木はそれぞれ異なる事だと思います。今回ご紹介したデータはあくまで私:Shihoが実際に私が通うフィールドにて実際に採集して感じたものを元に書いていますので、このデータが必ずしも正論ではないことをご理解&ご了承下さいます様お願い申し上げます。

 

また確実な正式名称は只今勉強中です。上記でも書きましたが、今回ご紹介した木も、もしかしたら正式な名前が間違っているかもしれません。

ただ<採集実績>がある木は間違いなく私が実際に採集したことのある種類の木ですので、この画像の様な木を皆さんのフィールドで探してみて下さいませ。きっとそこには皆さんの大好きなクワガタムシ、カブトムシがいることだと思います。(^^)

 

※この方法はあくまで私自身のやり方です。
 人それぞれによって採集方法や採集条件などは異なると思います。あくまで参考として見ていただければ幸いです。

 

※ 採集はマナーが大事です。採集する場所が私有地の場合は、 無断では入らないようにしましょう。必ず持ち主さんに断りを入れるのは必須です。あと、虫が木の穴の中に入って採れないからと言って、木を切ったり、傷つけたりするのも好ましいとは言えません、自然にやさしく、モラルを守って採集を楽しみましょう。(^^)

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2016年5月19日

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今年:2016年も野外採集(昆虫採集)のシーズンがやって来ました。 昨年も、またその間も何度か質問があったため何回も紹介しているのですが、そろそろ本格的な野外採...続きを読む

今年:2016年も野外採集(昆虫採集)のシーズンがやって来ました。

昨年も、またその間も何度か質問があったため何回も紹介しているのですが、そろそろ本格的な野外採集シーズン開始ということもあって、今年初めて採集に行く方達の為に、改めて採集で必要な道具や身なりなどの紹介をしてみたいと思います。

何回も過去記事と同じ文面が重複しますので、既にそんなことはご承知だと思われるの方々が大多数だとは思いますが、ここはご勘弁して敢えてご紹介させて下さいませ。よろしくお願い致します。

 

昆虫を採集する時、皆さんはどうやって捕まえますか?

そのまま素手で捕まえるという方もいらっしゃるでしょう。それはそれで十分よいのですが、採集するにあたり、少しの道具を使うことでより捕まえやすく、かつ安全に採集することが出来ると考えます。

今回ご紹介するのはあくまで私個人:Shihoの使用している道具等です。勿論人によっては自分に合った様々な道具が存在すると思いますので、あくまでご参考程度に読んで頂ければ幸いです。

 

<服装・身なり>

まずは道具というより、身に着けるものからご紹介したいと思います。

 

長袖シャツ、長ズボン

これはもう常識ですよね。自然の中には色々な虫がいます。人間の体に害を及ぼす虫も沢山存在するわけです。最近特によく聞くのが「マダニ」です。勿論マダニ以外にも蚊やアブ、ヒル、ハチ、など沢山の虫が寄ってきます。

そして虫だけではありません。草むらや木に登ったりする際に、身体を傷つける野バラや葉っぱ、木切れなど沢山の危険なものがあります。

また画像の服は少し黒っぽい服ですが、可能ならば白色に近い服だとより良いと思います。黒っぽい服はハチに狙われやすいと聞きます。

こういったものから少しでも身体を守るために肌を表に出さないように装備して出かけましょう。

 

帽子

帽子、夏の山には必需品です。夏はとても日差しが強くなります。最近は夏になるとよく熱中症で病院に運ばれる方が多数いらっしゃいますので、しっかりと帽子をかぶって対策をしましょう。また帽子は日差し対策だけではなく、頭を防護してくるという役目ももっています。

 

手袋

手袋、これも必需品ですよね。野外の草木は思ったより鋭くてすぐに手が切れてしまいます。普通の軍手でもよいのですあ、この画像の手袋は手のひらの部分がゴムで覆われている頑丈なタイプです。これならば多少のものならば安心して掴むことが出来ます。

 

長靴

長靴。草むらには様々なものが潜んでいます。その代表格がヘビの「マムシ」です。近づいた覚えがなくても気づかずにそのテリトリーに入ってしまって攻撃を受けてしまう例は数えきれないほどあります。そういった意味でも長靴は必需品です。この画像の長靴はひざのすぐ下あたりまでくるタイプです。でもいくら長靴をはいているとはいえ、注意は絶対必要です。襲われないことにこしたことはありませんからね。

 

タオル

タオル。これは言われなくても皆さん身に着けていくと思います。私は長めに折りたたんで首と服の回りに埋め込んで、首の隙間からの虫や草などの侵入を防ぎます。勿論、汗も吸い取ってくれるので、これも必需品でしょう。

 

 

<採集道具>

次に私が日頃使っている採集道具をご紹介したいと思います。

 

補虫網(径大)

虫とり網です。よく100円ショップでも売られている大き目の網です。
こういう大きい網で捕獲する場合は、くっついている樹の下に網を受け皿のようにして置き、その上で網のへりで樹を揺すります。そうすれば振動を感知した虫が落ちてきて下にある大きな網に入る・・・そういう採り方をすれば良いかと思います。

 

補虫網(径小)

上記網は私の手作り。4~5mの釣竿の先に幅15cm位のエビ取り用網をつけたもの。小さなエビ取り網の方が、 枝が分かれている間にいた時などの隙間に入り込みやすいので便利。なかり長く伸ばせることが出来ます。ルッキング採集の場合には必需品。

 

懐中電灯(大)

懐中電灯(大)です。結構大き目の懐中電灯で、光の強さも強く、かなり遠くまで光が届きます。暗い所で回りを照らしたり、灯火採集の際にとても重宝します。

 

懐中電灯(小):ペンライトタイプ

こ ちらも懐中電灯ですが、小さいペンライトタイプです。大きさは15cm程度。このライトは主に樹のウロ(穴)の中を照らす時に使用します。オオクワガタ、 ヒラタクワガタ、コクワガタ、スジクワガタ、ネブトクワガタなどのウロや樹皮裏などに潜むクワガタの発見に重宝します。

 

掻き出し棒

通称:掻き出し棒:これで樹のウロの中や樹皮裏を探ります。ウロや樹皮裏などに潜むクワガタを発見する時には、これは絶対必需品!

 

ラジオペンチ

主にウロの中にいるクワガタを採集する際に使用します。先が真っすぐな物と、鍵状になっている物と2種類あるとより便利です。ウロの中のクワガタの顎を掴み、これで引っ張りだす事ができます。しかし結構力が入りすぎる場合がある為、引っ張る時はある程度の加減が必要。必要以上に力を入れるとクワガタのアゴなどが折れてしまうのでご注意を。

 

スコップ

ハンドスコップ。日中に樹の根本などに潜っているカブトムシなどを掘り起こして捕まえる時に使用します。

 

脚立

樹の高い所に登る時に使用します。樹のウロが手の届かないような高い場所にあった時、そーっと脚立を立てて静かに上ってウロを見ます。

 

採集ケース(ルアーケース)

小さなマスに一頭ずつ入れます。入れられる数は限られていますが、個別に仕切られている為にお互いに噛み合うなどの喧嘩の心配はありません。一頭一頭をきれいな状態で捕獲したい時には便利。

 

採集ケース(虫カゴタイプ)

まとめて大量に入れることが出来ますが、ルアーケースのように仕切りがない為、中で噛み合いや喧嘩が起こる可能性があります。それでも大量に入れられるのは便利ですね。

 

 

<予防薬>

いくら完全防備をしているからといっても、やはり虫などに刺される場合があります。そんな時の為に私は以下のようなものを常備持っていくようにしております。

 

虫よけスプレー、虫さされ薬

虫よけスプレー(右2つ)、虫さされ薬(左)です。最近「マダニ」などで騒がれているように虫よけ対策は必要だと考えます。右2つの虫よけスプレーはマダニ対策にも適応したものらしいです。強力タイプ。

そしてそれでも刺された場合には、左の虫刺され薬を・・・。持っていれば安心ですので、なるべく常備するように心がけましょう。

 

目薬

目薬。これ結構必需品です。
採集に行くと、なぜか必ず小さいコバエみたいなものが顔の回りにまとわりついてきて、スキあらば目の中に入ろうとするんです。ナゼなのか理由は分かりませんが、これがかなりやっかい。何度目の中に入られて嫌な思いをしたことか・・・。そういう時には目薬は必需品です。目に入った虫を排除した後に消毒するようなかんじで目薬をつけるようにしています。

 

 

 <水分&塩分補給>

野外採集に行くときには、必ず水分補給や塩分補給が必要になります。日本の夏は30℃をも軽く超える炎天下になります。野外採集はとても楽しく、夢中になり気がつかないうちに水分や塩分がどんどん失われていきます。それらが不足してくると熱中症などを引き起こす原因にもなりますので、注意が必要です。こまめな水分補給、塩分補給を心がけるようにしましょう。

水分&塩分補給用

私がよく持っていく補給用品です。
こまめな水分&塩分補給は絶対必要です。

 

 

如何でしたでしょうか?上記が私が採集に持っていく際の主な道具類です。勿論、脚立などは持っていくことも大変なので、そこは個人のお好みで・・・。しっかりと安全対策をして、野外採集を楽しみましょう。(^^)/

 

※上記採集用具はあくまでShiho個人のお勧めです。ご参考程度に読んで頂ければ幸いです。m(_ _)m

※採集はマナーが大事です。採集する場所が私有地の場合は、 無断では入らないようにしましょう。必ず持ち主さんに断りを入れるのは必須です。あと、虫が木の穴の中に入って採れないからと言って、木を切ったり、傷つけたりするのも好ましいとは言えません、自然にやさしく、モラルを守って採集を楽しみましょう。(^^)

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2016年5月17日

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先日、累代飼育の限界について私的な考えを...続きを読む

先日、累代飼育の限界について私的な考えをご紹介しました。 私の過去の具体例を挙げ、それに基づいて私の考え方を書いてみたのですが、初心者の方々にとってはあまり内容...続きを読む

先日、累代飼育の限界について私的な考えをご紹介しました。

私の過去の具体例を挙げ、それに基づいて私の考え方を書いてみたのですが、初心者の方々にとってはあまり内容が分からない部分もあったかもしれません。

今回はちょっと順序が逆になってしまうようで今更ですが、インラインブリードとアウトラインブリードについて簡単に分かりやすくご紹介してみたいと思います。

 

【インラインブリード】

同種による同血統の同兄弟同士♂♀の配合で次世代を作ること

 

<メリット>

兄弟がゆえ、遺伝子が似通っており、体型や体長が遺伝する確率が高くなる。

大型や良型&極太個体の特徴を、子孫に受け継がせたい時には非常に有効とされる。

 

ホペイ

良型のホペイ:インラインブリードだと形も遺伝しやすくなる

 

 

<デメリット>

兄弟同士の配合がゆえ、血が濃くなってしまい、蛹化不全、羽化不全、奇形、産卵数減少などの障害が出やすくなる。累代を重ねれば重ねるほど、この現象は顕著に表れてくる傾向が強くなる場合がある。

 

 羽パカヒルス1

羽パカヒルス2

羽化不全により羽が割れてしまったヒルスシロカブト、すべての個体が血の障害だけとは限らないが、インラインブリードで累代を重ねていくことにより、その確率は多くなっていく傾向が強くなっていく。

 

 

【アウトラインブリード】

同種による異血統どうしの♂♀の配合で次世代を作ること

 

<メリット>

異血統ゆえ、血の障害が起こりにくくなり、蛹化不全、羽化不全、奇形、産卵数減少などの障害が出にくくなる。

健康な個体を作出するにはこの方法が一番有効だとされている。

 

 

<デメリット>

血の入れ替えによって、全く別の親の遺伝子同士が配合されるので、どちらかの親片方の特徴を持った個体が出にくくなってしまう。

気に入った親個体の型を子に伝えようとしても、片方の伴侶が別血統ならば、親の型を受け継ぐ力は1/2となり、確率は下がってしまう。

アウトラインブリードを続ければ続けるほど健康的にはなるが、型を子孫に伝える力は弱くなってしまう。

 

 

如何でしたでしょうか?

インラインブリードとアウトラインブリード、どちらにもメリット、デメリットがあります。

健康な個体をと考えるならば、間違いなくアウトラインブリードですが、実際は親の型を子供にも伝えたい、飼育している虫が1ペアしかいない、等の理由でインラインブリードの方が多く行われている傾向があります。

なかなか難しい問題かとは思いますが、血が絶えてしまっては意味が無くなってしまいますので、適度なインラインブリードを行った後にはアウトラインブリードによって血の入れ替えを行うのが無難かと考えます。

 

※ここでご紹介させて頂いた考え方や飼育方法はあくまで私Shiho個人のやり方&考え方であってそれを押し付けるものでは御座いません。あくまでもご参考程度にご覧頂ければ幸いです。よろしくお願い申し上げます。

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日記のレスに毎度おなじみtakeruさん...続きを読む

日記のレスに毎度おなじみtakeruさんより以下の質問レスがありました。   1点目はヘラヘラの産卵に関してですが、現在複数の産卵セット(衣装ケース)...続きを読む

日記のレスに毎度おなじみtakeruさんより以下の質問レスがありました。

 

1点目はヘラヘラの産卵に関してですが、現在複数の産卵セット(衣装ケース)を組んでおります。
その中の一つがメスの潜りが悪かったので1サイクル目は3週間見ようと思っていたら約2週間経った昨日産卵セットの中でブンブン飛び回っておりました。これは既に生む場所が無いと考え割り出して良いのでしょうか?

 

カブトムシ産卵セット1

【参考画像:潜らず上部にいる国産カブトムシ♀】

 

takeruさん、いつもレスありがとうございます。
なるほど、♀が潜らないという事ですね。
実際虫の気持ちなので、ハッキリとした明確な答えは分かりませんが、私ならばこう考えてしまいます。

 

・しっかりと交尾が成立していない。

ハンドペアリングしているならば問題ないですが、同居ペアリングで実際に交尾を確認していなければ、もう一度しっかりと交尾をさせる必要があるかもしれません。

 

・♀が環境を気に入らない。

マットの固める部分が少ない、マットの水分量が少ない、管理温度が低い、もしくは高すぎるなどの原因より♀がその産卵環境を気に入らず潜らないという事はあります。もし当てはまる箇所があるならば改善をした方がよいかもしれません。

 

・交尾は成立したが、実際まだ♀の成熟が足りない

♀の成熟が足りないと産卵する気が無い場合があるので、産卵しない事があります。
しかし飛び回っているのならば、熟成はしていると思っても良いと思います。
そう考えるとこの線は薄いですが、一応考えられる要因の一つとして。。。

 

・単なる産みしぶり、環境に慣れている途中

どの虫でもそうですが、環境に慣れるまでには結構な時間がかかるものがあります。
2週間ほど程度ならよくあります。私が過去にセットしたヘラクレスやクワガタ種など、1ヶ月経ってようやく潜り、産み始めました。原因は分からずじまいです。なので、まだそこまで慌てる必要はないかと考えます。

 

・既に多数産卵していて、産む場所がない

これはtakeruさんが思っていることですね。
産卵セット開始して、すぐに潜り、そして2週間後に久しぶりに見かけた時に飛んでいるというのならば、一度潜り、ある程度の産卵を済ませている可能性もあります。

通常産卵モードに入っている♀ならば、マット上に上がって来ても栄養補給をしたらまた潜り、産卵活動を再開することが多いです。今現在飛び回っているという事ですが、上がって来た♀が飛ぶ行動をするのはよくあります。

しかしこの状態が長く続くようならば、おっしゃるようにもしかしたら産む場所が確保出来ないのかもしれません。その場合は一度産卵セットを解除して、採卵をし、新たに産卵セットを組み直した方が良いかと思います。

 

 

もう一つご質問がありました。

 

2点目はクワガタの蛹化目前の暴れに関してです。
ニジイロクワガタ等の暴れは有名で我が家でもレッド・グリーン・ブラックの3系統全てで大暴れ(菌糸ボトルが全てマット化)からの蛹化羽化となっており苦笑い状態です。まぁニジイロはサイズとか気にしていないので暴れても全然平気なのですが、問題はタランドゥスやギラファです。
タランドゥスやギラファも蛹化目前の暴れがかなり酷く、特にタランドゥスが青カビ発生の為全頭ボトル交換しましたら大暴れの末いきなり蛹化…折角の大型期 待の幼虫がかなり小さくなってしまいました。ボトル交換が蛹化のスイッチを押した可能性が高いですがShihoさんは実際暴れが何日続いたらマットに交換しておりますか?その基準やマット交換の際に気をつけること等ございましたら教えて下さい。

 

幼虫の暴れの問題ですね。なるほど。

3令後期における菌糸ビンの交換はタイミング的に非常に難しい事が多いです。

クワガタの幼虫は蛹化前になると通常ある程度は暴れます。
中には暴れの大きい種や個体も存在します。

この時、慌てて菌糸ビンを交換してしまうのはあまり良い傾向とはいえません。
私の場合、10日位程度ならば暴れていてもそのままにしておきます。

なぜならそこで慌てて新しい菌糸ビンに投入したところで、また同じことを繰り返して、更に幼虫が縮んでしまうと考えるからです。

こういう時には菌糸ビンは交換せず、少し管理温度を低めにして幼虫が落ち着くのを待ちます。

しかし低すぎるのも良くはありません。
今の管理温度からマイナス3~5℃程度といったところでしょうか。
マイナス5℃はちょっと低いかな・・・。これで幼虫が落ち着くのを待ちます。

 

しかしtakeruさんのように青カビ等が発生してしまった場合には、また話が違ってきます。

IMG_0463-1

【参考画像:菌糸ボトルに蔓延した青カビ】

 

青カビが菌糸ビン全体を覆う様に広がっているならば、幼虫の縮むのは覚悟の上で、交換したほうが良いと考えます。

その場合、菌糸ビンには入れないで、マット、出来る限り微粒子系のマット:弊社の商品ならば「くわマット」がお勧め:に入れるのが好ましいです。

また水分も適度にきっちりふくませてやると、その後の蛹室の作成がとてもスムーズに行き、その結果縮みが少なくなることがあります。

しかし例外があります。

ギラファノコギリ幼虫は菌糸でもマットの環境でも大丈夫ですが、タランドゥス、レギウス等に関してはカワラ菌糸の方が良いとされています。

タランドゥス1

ローゼンベルグ1

タランドゥス、オウゴンオニ等の場合は新しいカワラ菌糸へ

 

なので、ギラファノコギリの場合は、マットに入れ替え、タランドゥスの場合は大幅な縮みの可能性はあるがカワラ菌糸に交換するのが無難だと考えます。

 

まとめると

菌糸ビン内に問題が無く、暴れた場合

・まずはそのまま見守り、そのまま蛹化を見守る。
・あまりにも暴れが長期間(10日位以上)続くようならば、まずはそのまま交換せずに低温管理してみる。
・それでもまだ1週間位以上暴れが止まらない場合には、微粒子系のマット(水分もきちんと含ませる)に交換してみる。
・ただし例外もあり、タランドゥス、レギウス、オウゴンオニなどのカワラ菌糸で育てる種類は、そのまま新しいカワラ菌糸に交換してみるが多少の縮みは覚悟するしかないと考える。

 

菌糸ビン内に青カビ発生などの問題がある場合

・直ちに交換する。

その場合、タランドゥスやレギウス、オウゴンオニ等のカワラ菌糸主流で育てるものに関しては、そのまま新しいカワラ菌糸ビンに交換する。

通常のマット飼育でも大丈夫な種(ギラファやニジイロ等)は新しい菌糸ビンではなく、微粒子系のマット(水分もきちんとふくませる)に交換させてやる。

 

このような感じで対処してやると良いかと思います。

takeruさん、如何でしたでしょうか?
なかなか文章で表現するのは難しいので、伝わりずらいかもしれません。
もしその場合は、タイミングがあえばお電話でも質問対応しておりますので、月夜野きのこ園宛にご連絡頂ければ幸いです。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

飼育日記担当:Shiho

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2016年5月10日

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先日の日記のレスにacroさんより以下の...続きを読む

先日の日記のレスにacroさんより以下の質問がありました。   <acroさんんからの質問>   私は、国産オオクワガタをメインに10数年ブ...続きを読む

先日の日記のレスにacroさんより以下の質問がありました。

 

<acroさんんからの質問>

 

私は、国産オオクワガタをメインに10数年ブリードをしています。
累代による血が濃くなって起こる弊害を防ぐため、基本的にF3になったら血縁関係のない系統とアウトラインにしてCBF1にするようにしています。
しかし、せっかく血を入れ替えたにもかかわらず、CBF1にした途端に、やたらにメスが多く羽化(酷いときはオスの4倍くらいメスが羽化)したり、羽化不全が発生したりして、むしろ逆効果な結果になってしまうことが何度かありました。
F3の時にはこれと言った問題は発生していなかったにもかかわらずです。

この様な結果になった系統は、兄弟に大きな個体が羽化していても、それ以上、累代を続けない様にしてきましたが、
もし、そのままF2・F3とブリードした場合、「やたらにメスが多く羽化する、羽化不全が発生する等」は継承されてしまうのでしょうか?
気にせず累代を続けても問題はないのでしょうか?

累代が進むと「メスが多く羽化する」や「羽化不全が多くなる」等と言う話は聞いたことがありますが、全く逆なこの現象がなぜ起こるのか長年の疑問です。
Shihoさんは、この様な現象が起こったことはありませんか?
ご意見を是非お聞かせください。

 

なるほど、累代飼育の問題ですね。
実は累代飼育については2008年頃にその時よくレスを入れてくれていたカシンさんという方と話し合った経験がございます。

その時のお話に、その後現在までに感じたことを加えて、「累代飼育の限界」についてあくまでShihoの考え方になってしまいますが、ご紹介して見たいと思います。

文章的には過去の日記記事と重なる点が多いと思いますが、ご理解&ご了承頂ければ幸いです。

 

 

「累代飼育の限界」

 

 極太血統ヘラヘラ

 【参考画像:良型血統のヘラクレス・ヘラクレス】

 

 

画像003 045

【参考画像:良発色タイプのパプアキンイロクワガタ】

 

 

<私:Shihoの過去の経験談と考え>

 

私は良型血統のH・ヘラクレス(角太タイプ)とパプキン(良発色タイプ)、オオクワ(アゴ太タイプ)を持つ機会に恵まれ飼育したことがあります。

一度良血統の個体を入手してしまうと、どうしてもその血統を固定化させ更によい個体を羽化させたくなります。そのためにはよい素質をもったもの同 士、いわゆる兄弟同士で掛け合わせるのが良いとされています。

しかし良い素質を受け継ぎやすい分、血が濃くなってしまうというリスクも背負います。

これもF5辺 りまでなら何とか影響も薄いのですが、F6以降になってくると次第に影響が出始めます。私はこれをヘラヘラやパプキンで体験しました。

ヘラヘラの場合はかなりの極太タイプだったので、あまり外部の血を入れたくなかったのもあって、純粋に兄弟のみのインライン交配でF5までは普通に大丈夫でした。

産卵も羽化もそこまで気にする事は無かったです。ただF6を過ぎたあたりからし次第に産卵数が減少したり、奇形(羽化不全や蛹化不全)が目立つようになりました。

やはり純血のインラインブリードではF5位までが限界なのか、と感じた私は当時気に入っていた血統のあるパプキン(パプアキンイロクワガタ)で試してみる事にしました。

そのパプキンの血統はかなり良い色(♂モスグリーン、♀バイオレットもしくはパープル)の系統でした。パプキンは羽化してからの成熟~交尾~産卵~幼虫期間~羽化までのサイクルが他の種と比べても段違いに早い事もあって、累代飼育の経過を見るには最適でした。

まず、F4位まで色合いの良い親虫で煮詰め、インラインブリードによってほぼ色合いを固定化させました。

その後、固定化したものを枝分かれさせ、それぞれの累代を伸ばし、イトコやハトコの段階で掛け戻すようなやり方で行いました。

この方法は結構効果がありまして、その後もその方法を繰り返して、そこそこ累代が続きました。

掛け戻した時点で 純粋なインラインブリードではなくなるので、F値でカウントするのは無理があるかもしれませんが、最初の血統からカウントしたと考えれば、累代でいうと15代近くはいったと思います。

しかしそれでもやはり最終的には全く産卵しなくなり羽化不全がかなり多発しました。いくら累代を枝分かれさせても累代を行うのは難しいのだろうかと感じました。

 

自然界においてはクワガタ&カブトムシの同血統の同兄弟同士が交尾を行う可能性はかなり低いと思われます。仮に1代偶然的にあったとしても2代連続で続いている事はほとんどないのではないかと考えます。

毎回違う血統が交配しているのですから、それゆえ血の濃さによる障害もないのでしょう。

 

ここで私の考えです。本当にただの考えです。確証は全くありません。根拠もありません。

もし1~2代でも同兄弟同士で交配してしまったら、少なからずその個体はやはり外見上では見えなくても遺伝子的に弱くなっているのではないでしょうか?

それゆえ、F4辺りから慌てて血の入れ替えを行ったとしても、既に見えない所で障害が出ているのではないかと・・・。

しかもその交配相手がワイルド個体ではなく、同じくある程度累代のあるクラスだとすれば、その時点でその相手も何かしら遺伝子的に弱くなっているのではないかと・・・。

血統的には何もつながりのない個体だとしても、それぞれの個体同士が遺伝子的に弱ってきている血統であるために、その後の累代飼育で早い段階で障害(羽化不全や蛹化不全、産卵数減少)が出てしまうのではないでしょうか??

 

・・・・・・・・・・・と、ここまで書いていたのですが、少し調べてみました。

 

すると、近親交配に関するデータに「劣性遺伝子」と「優性遺伝子」なる単語が目につきました。

簡単にいうと、近親交配による血のタブーは「劣性遺伝子」を多くもっている為に障害が出て来てしまうということらしいです。

ただ、累代を重ねれば必ずしも「劣性遺伝子」が多くなっていくわけではないようです。逆に「優性遺伝子」を伝える可能性もあるらしいです。

しかし「劣性遺伝子」を持った相手同士が交配して、それが次世代に伝われば、その影響が出てくるということらしい。

原点となる親同志が「劣性遺伝子」を持っていれば、それは累代を重ねれば重ねるほど「劣性遺伝子」が多くなり、そして伝わりやすくなり、影響が出始めるということらしいです。

そう考えると、もしかすると上記で私が思っていたように、累代が1~2代進んだ個体がもし「劣性遺伝子」を多く持っていれば、それはその後血の入れ替えを行ったとしても、相手によっては「劣性遺伝子」が更に多くなる可能性があるかもしれないということなのではないでしょうか??

しかしネットで調べてみると、F20以上累代を重ねていても影響が全く出ていないという方もいらっしゃいました。こういう方は累代を重ねても「劣性遺伝子」が出て来ていない、あるいは影響を及ぼすほど「劣性遺伝子」を持っていないということになるということでしょうか・・・。

 

う~ん、調べれば調べるほどに難しいです。
調べると意見は星の数ほどあり、皆様のご意見も様々です。

しかし、少なからず共通していることは、やはり累代飼育を続けると少なからず「劣性遺伝子」の影響が現れる可能性が高くなってしまうということだと感じました。

相手になる個体が「劣性遺伝子」を多く持っているかどうかなんて、見た目からは全然分からないと思います。

それゆえ、「劣性遺伝子」を持っている可能性が少しでも少ないと思われるワイルドに近い累代の浅い個体を相手候補に選ぶことが良いのかもしれません。

でもそうすると、累代で強調したいと考えている親の特徴は受け継がれにくくなってしまうと考えられます。まさに一長一短です。

しかし落ち着いてよく考えてみると、私達人間は自身の都合で良型や極太を受け継がせようと、インラインの累代飼育を考えますが、それは自然の理に反することになっているのかもしれません。

難しい問題ですよね・・・。

 

 

<♀が多く羽化する問題>

 

またもう一つの「累代を進めると♀が多くなる」の質問ですが、う~ん。正直こちらも明確な答えは難しいです。

しかし♀の偏りは私にも経験があります。

血の入れ替え後の累代個体ではなく、純潔の累代F3~4程度だったのですが、サバゲノコギリとユーロミヤマ(ケルブス)で経験しました。

サバゲノコギリは30頭程いて、2♂28♀
ユーロミヤマ(ケルブス)は20頭いて、0♂20♀

という結果でした。

その時は「何でこんなに偏るんだ?」と思いました。

勝手な理由付けとして、もしかすると、「♀殺しが多いから♀の方か多く羽化するのか?」などと思っていましたがそこまでは深く追及はしませんでした。

サバゲノコギリはいつも♀の羽化が多いのは事実ですが、ケルブスに関してはこの時以外は普通にバランスよく♂♀羽化してくれましたので、たまたまなのかな~とスルーしてしまった事があります。

それ以外は極端な♀の偏りはなかったと記憶しております。

 

これは勝手な推測ですが、「血の濃さによる根絶を恐れた種の本能的感覚が、♀を多く産ませることによって、少しでも多く産卵し、絶滅を防ごうとした防衛反応ではないのだろうか」・・・・・・・・・・・と私的に考えてしまったのですが、全く根拠はありません。

やはり分からないというのが正直なところです。

 

 

如何でしたでしょか?acroさん。
結局、どれも明確な答えは出せず、ごまかしたみたいな回答になってしまったようで本当に申し訳ございません。少しでも参考になれば幸いです。

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

飼育日記担当:Shiho

 

※ここでご紹介させて頂いた考え方や飼育方法はあくまで私Shiho個人のやり方&考え方であってそれを押し付けるものでは御座いません。あくまでもご参考程度にご覧頂ければ幸いです。よろしくお願い申し上げます。

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2016年5月6日

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クワガタ、カブトムシを飼育していて、同じ...続きを読む

クワガタ、カブトムシを飼育していて、同じ兄弟同士の配合で次世代を作出しようとする際に、♂と♀の交尾可能なタイミングが合わず、繁殖が難しくなってしまったケースが良...続きを読む

クワガタ、カブトムシを飼育していて、同じ兄弟同士の配合で次世代を作出しようとする際に、♂と♀の交尾可能なタイミングが合わず、繁殖が難しくなってしまったケースが良くあります。

いわゆる♂と♀の羽化のタイミングが同時期に合致しない事、そのことを私達は

 

羽化ズレ(うかずれ)

 

と呼んでいます。

今回はその羽化ズレをいかに少しでも防止するか、あくまでも私:Shihoの個人的な考え方&やり方では御座いますが、その対策方法等をちょっとご紹介してみたいと思います。

 

ブリードもの(養殖もの)においては、同じ環境&エサで飼育した場合、♀が♂よりもかなり早くに羽化してしてしまう場合があります。

特に♂が大型に成長するようなものについてはかなりのズレが生じるようです。(例:オオヒラタクワガタやヘラクレス等)

この場合の対策・・と言ってよいのか分かりませんが、私は以下の方法をとることがあります。

 

①温度差のメリハリをつける事

 

幼虫飼育時、♂♀の判別が出来るようになったら♂と♀の飼育環境の温度設定に差をつけるというやり方です。

 

♂を高めの温度の所に置き、♀を低めの所に置く

 

【具体例】
オオクワガタ♂:25℃管理
オオクワガタ♀:20℃管理

 

幼虫飼育の場合、管理温度の変化をつけることによって、幼虫の成長曲線は多少なりとも変わってくる傾向があります。

この方法を取ると、高温の場所に置いた幼虫は早く成長し、低めの幼虫はじっくりと時間をかけて成長し羽化する傾向があります。これを逆手に取って利用したのがこの方法です。

 

飼育部屋1

※置き方によっては上と下の部分でかなり差が出る場合もある

 

しかしこれにはデメリットも存在します。
♂を高温でいち早く羽化を急がせた場合、♂の羽化体長はそこまで伸びません。あくまで繁殖専用の♂を作るという意味合いが強くなるような気がします。

体長よりもまずは次世代へのバトンタッチを優先を考えている方には良いかもしれません。

 

②孵化日の違う♂♀で繁殖を考える

 

早くに孵化した♂幼虫と、遅くに孵化した♀幼虫で羽化までの時間の差を合わせる

 

【具体例】
♂幼虫:1月に孵化~10月に羽化
♀幼虫:4月に孵化~10月に孵化

 

このような感じです。
これは同種であれば別血統(違う親♀)でもよいですが、その場合アウトラインブリードになってしまいます。

血の混濁などを考えると、本来はアウトラインブリードの方が望ましいのですが、同じ親♀(インラインブリード)でやるとすれば、産卵のセット時期をずらし、1回目の産卵セットと2回目の産卵セットの時期をずらすと良いでしょう。

ただ同じ親♀だと寿命もありますので寿命の短いものだと時間をずらした再セット方法は結構厳しい場合がありますので飼育する種類によっては注意が必要です。例を挙げると、パプキン等がそれに当てはまると言えるでしょう。

 

 

③♂♀幼虫を同じ容器内で羽化させる(多頭飼育)

 

 国産カブトムシ幼虫飼育方法

※多頭飼育とは一つのケースで複数の幼虫を育てる事

 

これは昔から言われている方法のひとつですが、幼虫は複数での多頭飼育の場合、近くの幼虫が蛹化の準備を始めると、それに反応して自分も蛹化の準備を始めるという説です。

幼虫同士が同じ容器内で会話とは違う違う信号を出し羽化を合わせているとい説があります。

私もこの方法をやってみた事がありますが、正直実際には上手くいくものと、いかないもの、結果的にはバラバラでした。

しかも残念だったのは羽化時期が合った♂はかなり小型ばかりが羽化してしまい、ボリュームのある♂を求めるにはちょっと厳しい結果になりました。

上記の結果を見て思ったのは、本当は♂♀幼虫が信号を出して羽化を合わせているのではなく、小型の♂ばかり羽化してしまうから偶然にも♀との羽化時期が合ってしまうのではないかということでした。

この件に関してははっきりとしたことは断言出来ないという事が正直な感想です。

 

如何でしたでしょうか?
今回羽化ズレ対策の具体案として、3つのやり方を書きました。

正直なところ、上記のやり方を実践すれば、絶対うまくいくとは言い切れません。あくまで私が行っているやり方ですので、ご参考程度に聞いていただれば幸いです。

 

また本当ならば同血統、同兄弟同士の交配、いわゆるインラインブリードはあまりお勧め出来ません。

好みの形を子孫にも維持(遺伝)させる為にはインラインブリードはとても有効な手段ですが、近親交配なので血が濃くなってしまうというリスクがあります。

同血統同兄弟同士で累代を重ねていくと、どんどん血が濃くなりますので、蛹化不全、羽化不全、産卵数減少などといった障害が次第に多くなってきます。

健康をまず第一に考えるならば異血統、異兄弟同士のアウトラインブリードが無難といえるのではないでしょうか。

ご参考程度に聞いて頂ければ幸いです。

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少し前になりますが、国産ミヤマクワガタの...続きを読む

少し前になりますが、国産ミヤマクワガタの産卵セットの割り出しを行いました。 今回はその時の結果と様子をご紹介してみたいと思います。   【ミヤマクワガ...続きを読む

少し前になりますが、国産ミヤマクワガタの産卵セットの割り出しを行いました。

今回はその時の結果と様子をご紹介してみたいと思います。

 

ミヤマクワガタ参考画像

【ミヤマクワガタ参考画像♂72mm】

 

【飼育種】
和名:ミヤマクワガタ
学名:Luxanus maculifemoratus

 

 

<産卵セット時の方法>

※野外品の♀を利用した産卵セットのご紹介になります※

 

【累代】
天然ものWD♀を使用

 

【使用したマット】
黒土マット

 

【お勧めの容器】
クリーンケースL

 

【水分量】
手でぎゅっと握って団子が出来て、かつ水が染み出ない程度

 

【マットの詰め方】
ケース底面7割程度固く詰めて上部3センチはフンワリと。

 

【設定温度】
18~20℃前後(※重要)

 

セット方法を図示するとこのような感じです。

matsanranset

 

 

次に実際に割り出しの時の様子をご紹介したいと思います。

 

<割り出し時の産卵結果の様子>

 

産卵セットのケースのフタを外した様子です。

IMGP8407

この時点で産卵セット開始より約4ヶ月経過しております。すでに♀はご臨終になり、ゼリーケースもボロボロです。

 

頑張ってくれたミヤマ親♀です。合掌・・・。

IMGP8409

 

本来ならば2ヶ月程度で割り出しても良いのですが、既に親♀の死亡を確認しており、その時のマットの状態も良かったため、卵での回収を避けたいのもあって、しばらくそのまま保管していました。

親♀が死亡しているのを確認してから2ヶ月は経過しているので、最後に産んだ卵も既に孵化していると考えられます。

 

ケース側面に幼虫の姿が見えます。

IMGP8410

 

衣装ケースに産卵セットをひっくり返しました。

IMGP8412

幼虫の姿がちらほら見えます。

 

IMGP8421

令数は2令ですね。

 

ミヤマ幼虫頭1

国産ミヤマクワガタのお顔!
いい面構えです。迫力満点です!!

 

IMGP8424

次々にマットより回収されました。

 

気になる結果ですが、今回このセットからは、

 

<産卵結果>

幼虫41頭

 

幼虫41頭を回収することが出来ました。
41頭の内、1令と2令の割合は2:1くらい。1令の方が多かったように思えます。

 

<全体の感想>

今回ミヤマクワガタの産卵セットを割り出し、41頭と沢山の幼虫を回収することが出来ました。幼虫はどれも元気いっぱいでさわっていると噛みつきに来るものもいました。

上記でも書きましたが、1令の方が2令よりも多かったことから、親♀は終盤にかけて産卵を頑張ってくれたようです。

本当にお疲れさまでした。感謝感謝です。(^^)

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2016年4月28日

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飼育日記をご覧の皆様、担当のShihoです。 勝手ながら先週1週間ほどお休みを頂きまして、九州の熊本地震で被害にあった知り合いの応援に行っておりました。 お時間...続きを読む

飼育日記をご覧の皆様、担当のShihoです。

勝手ながら先週1週間ほどお休みを頂きまして、九州の熊本地震で被害にあった知り合いの応援に行っておりました。

お時間を頂けたおかげもあって、まだ完全とは到底言えませんが、少しは力をお貸し出来たのではないかと思っております。

またその間、飼育日記の更新が遅れました事を深くお詫び申し上げます。

本日はとりあえずご報告までとなりますが、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

shihoimage4

飼育日記担当:Shiho

 

 

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2016年4月26日

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先日の日記のレスで、kabutomusi...続きを読む

先日の日記のレスで、kabutomusiさんより2つの質問があったのですが、その内の一つを見逃していました。   集まるのはやはりクヌギの木なのでしょ...続きを読む

先日の日記のレスで、kabutomusiさんより2つの質問があったのですが、その内の一つを見逃していました。

 

集まるのはやはりクヌギの木なのでしょうか?

 

kabutomusiさん、スミマセンでした。
カブトムシの採れる時期の記事を書くのに集中して、こちらの質問を見逃していました。改めて今回の日記にてご紹介させて頂きたいと思います。ご了承下さいませ。

 

まずは虫の紹介から、

IMGP5910

IMGP5912

【参考画像:本土産カブトムシ♂個体】

 

 和名:カブトムシ
学名:Trypoxylus dichotomus

 

 

国産カブトムシ、ここでは本土産カブトムシについてご紹介させて頂きたいと思います。

ご質問のあった「国産カブトムシが集まるのはクヌギの木だけでしょうか?」のご質問ですが、いいえ、そんな事はないというのが回答です。

国産カブトムシは非常に食欲が旺盛で、食べられるものがあれば、貪欲に探し出します。

 

木の樹液だと、

クヌギ、コナラ、ミズナラ、ハルニレ、アキニレ、ヤナギ、ヤシャブシ、カシワ、アベマキ、イタヤカエデ、ケンポナシ、アカメガシワ、タブノキ、アラカシ、シラカシ、スダジイ、ユリノキ、オニグルミ、サイカチ等 があります。

クワガタ、カブトムシの採れる木と言うと、すぐにクヌギの木を思い浮かべてしまいますが、実際には上記のように集まる木は沢山あります。

 

 <カブトムシが集まる木:代表例>

 

IMGP3792【クヌギの木】

 

 

ハルニレ0
【ハルニレの木】

 

 

IMGP3866
【コナラの木】

 

 

アカメガシワ20
【アカメガシワの木】

 

その土地土地や環境、そこに生えている木等によって違いはありますが、カブトムシは発酵臭が強い木程多く集まります。

そういった意味ではクヌギの木の樹液は発酵し易く、また臭いも強力なので引き付ける力が強いのだと思います。

 

私が採集をするフィールドでは、クヌギ、ハルニレ、コナラ、シラカシ、アカメガシワ、タブノキ、スダジイの木が同地域に生えているフィールドがありますが、ここではクワガタ、カブトムシのほとんどがクヌギとハルニレの樹液に集まっています。

勿論、アカメガシワやコナラなどでも樹液は出ているのですが、クヌギとハルニレの樹液の発酵臭が強すぎるので、それらの木には集まりにくくなっているのです。

逆にアカメガシワやコナラしかないフィールドでは、これらの木に集まっているのを見かけます。

 

 

 またカブトムシは食欲が旺盛なので、木の樹液以外にも集まる事があります。

例えば、イヌビワの実、熟したトマト、熟したトウモロコシ、畑の果物(ミカンやスイカ等)にも集まってくることがあります。

 

IMGP7571【イヌビワの実に集まるコクワガタ】

 

如何でしたでしょうか?
国産カブトムシはとても食欲が旺盛ですので、クヌギの木以外でも上記で紹介したような木があれば集まっている可能性もあります。

ただ上記でも書きましたが、生えている木等は地域や環境によって異なります。お出かけになられるフィールドを観察し、何の木があるかを認識しておくと採集時に役立つと思います。

 

※採集はマナーが大事です。採集する場所が私有地の場合は、 無断では入らないようにしましょう。必ず持ち主さんに断りを入れるのは必須です。あと、虫が木の穴の中に入って採れないからと言って、木を切ったり、傷つけたりするのも好ましいとは言えません、自然にやさしく、モラルを守って採集を楽しみましょう。(^^)

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2016年4月15日

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