今日は生体の羽化ずれについてちょっと考えてみたいと思います。
繁殖を考えて飼育されている方なら誰しも経験した事があると思うのですが、飼育下においてのブリードもの個体の♂と♀の羽化のずれは結構深刻な問題になる場合があります。
今回はその羽化ズレをいかに防止させるか、その方法を対策をちょっと考えてみたいと思います。
ブリードもの(養殖もの)においては、同じ環境&エサで飼育下場合、どうしても♀が早く羽化してくるのは仕方ないような感じがします。
♂が大型に成長するようなものについてはかなりのズレが生じるようです。(ヘラクレス等)
この場合の対策・・と言ってよいのか分かりませんが、私は以下の方法をとることがあります。
①温度差のメリハリをつける事。
♂♀の判別が出来るようになったら♂と♀の飼育環境の温度設定に差をつけるということです。
管理温度によって幼虫の成長曲線は変わってくる事もありますので、私は♂を高めの方に♀を低めの方に持っていくようにしています。
ただ短い期間で早く羽化させるようにした場合、♂の体長はそこまで伸びません。あくまで繁殖専用の♂を作るという意味合いが強くなるような気がします。体長よりもまずは次世代へのバトンタッチを優先を考えている方には良いかもしれません。
②孵化日の違う♂♀で繁殖を考える
早くに孵化した♂幼虫と、遅くに孵化した♀幼虫で羽化までの時間の差を合わせるというやり方です。
簡単に例を挙げて言うと、
♂幼虫:1月に孵化~10月に羽化
♀幼虫:4月に孵化~10月に孵化
このような感じです。
これは同種であれば別血統(違う親♀)でもよいですが、その場合アウトラインブリード」になってしまいます。
同じ親♀(インラインブリード)でやるとすれば、産卵のセット時期をずらし、1回目の産卵セットと2回目の産卵セットの時期をずらすことです。
ただ同じ親♀だと寿命もありますので寿命の短いものだと時間をずらした再セット方法は結構厳しい場合があります。種類の例を挙げると、パプキン等がそれに当てはまると言えるでしょう。
③♂♀幼虫を同じ容器内で羽化させる。(多頭飼育)
これは昔から言われている方法のひとつですが、幼虫は複数での多頭飼育の場合、近くの幼虫が蛹化の準備を始めると、それに反応して自分も蛹化の準備を始めるという説です。
幼虫同士が同じ容器内で会話とは違う違う信号を出し羽化を合わせているとい説があります。羽化を合わせるのは勿論交尾の為だと考えられていいます。
私もこの方法をやってみた事がありますが、案外と上手くいかない場合が多かったです。
残念だったのは羽化してみると結構小型ばかりが羽化してしまい、ボリュームのある♂を求めるにはちょっと厳しい結果になりました。
と、まぁ以上3つのやり方を書きましたが、どれも絶対とは言えないのが現状です。
あくまで私の考え方ですが、私なりには②のアウトブリードの方法が一番しっくり感じています。
ただ凄い良血統を手にした時は、その遺伝子を受け継がせる為に出来るだけインラインの方が向いていますので、その場合はこの方法は向かないと思います。
あまりたいしたアドバイスが出来ませんが、参考にしていただけると幸いです。
他の皆様も是非、各自の対策等がございましたらご紹介下さいませ。(^^)
使用したアイテム
皆さん、大変ご無沙汰しておりました。
そして、長らくお待たせ致しました。
ここ2週間ほど、インフルエンザにかかりまして長らくお休みを頂いておりました。
今回はかなりこじらせてしまい、入院というハメになってしまい飼育日誌を書けませんでした。
まだ体調が不安定で、今後もう少しはご迷惑をおかけする事もあるかと思いますが、
とりあえず退院も出来ましたのでご報告した次第です。
また今後ともどうぞよろしくお願い致します。ご報告まで・・・。
使用したアイテム
今日は幼虫の「暴れ」についてちょっと私なりのお話をしたいと思います。
※この考えはあくまで私Shihoの考えですので、参考程度に聞いて下さいませ。
一派に幼虫の「暴れ」というのは、
「幼虫がその環境に落ち着かず容器内を縦横無尽に動いてしまうこと」
と私は認識しております。
では何故このような暴れが起きるのでしょうか?いくつかパターンがあります。
★『菌糸ビンに投入した後の暴れ』★
このパターンの場合、最初は暴れますがしばらくすると幼虫は落ち着き居食いを始めます。
この場合は正常な動作です。そのままで問題ありません。
ただ3令後期で蛹化間近の幼虫においては落ち着かず暴れが激しくなるものもあります。
(特にニジイロクワガタなどによく見られる現象です)
【対策】
菌糸ビンまるまる1本をオガ化してしまうようならば、思い切ってマットに変えてしまうのも手です。
または設定温度を少し低めにしてやると以外に落ち着く事もあります。
他には稀にですが、今まで使用していた菌糸ビンとエサの種類が違った場合、拒食の反応から暴れることもあります。しかし最近の菌糸ビンはどのメーカーもきちんとしていますので、他メーカーからの移し変えでもめったに拒食は起こらないと思います。(絶対とは言い切れませんが)
★『酸欠や再発酵による暴れ』★
その名の通り、菌糸ビン内、もしくはマット内が酸欠や再発酵状態になった時の暴れです。
この場合の原因としては、
【酸欠の場合】
・菌糸ビン、もしくはマット内を固く詰めた事によって下まで酸素が行き渡らず幼虫が上に上がってくる。
・ケース内に沸いた線虫などによってケースの通気が遮断されケース内が酸欠になった場合。
【対策】
ケース内を斜めや逆さにしてやったり、ケース上面を取り除き酸素の供給を促す
【再発酵の場合】
・管理している温度が25℃以上の場合再発酵が起きやすくなる。
・十分なガス抜きをせずに使用した場合
【対策】
直ちにマットから出し、ガス抜き十分なマットに入れ適温で管理する。
今回上記に示した暴れをご紹介しましたが、他にも暴れが起きる原因はあると思います。
どの場合においてもあまり暴れが起きるのは良い事ではありません。(入れた直後の正常な暴れ、蛹化間近の正常な暴れを除いて)
いかに暴れを起こさずに管理するか・・・これも飼育の難しさと言えるでしょう。(^^)
使用したアイテム
スマトラ産のアトラスオオカブトが羽化してきました。
この種は以下のようなやり方で羽化しました。
飼育種:アトラスオオカブト(スマトラ産)
羽化サイズ:♂85mm
使用したマット:きのこマット
使用した容器:1500ccブロー容器
エサ交換回数:3回程度
管理設定温度:25℃前後
水分量:適量/多からず少なからず
羽化までの期間:11ヶ月
羽化までが比較的早いアトラスオオカブト、角の湾曲もコーカサスよりはずっと出やすく飼育のしやすい種です。産卵の方もとても簡単で、どのマットでも産んでくれます。
産卵セット方法は以下の方法で沢山取れています。
使用したマット:完熟マット
使用した容器:市販の大プラケース(W370×D220×H240)
水分量:手でぎゅっと握って団子が出来て、なおかつ水が染み出ない程度
マットの詰め方:ケース底面12~13センチ程度固く詰めて上部3~5センチはフンワリと。
設定温度:25℃位
セット期間:1~2ヶ月間
カルコソマ系のカブトは蛹化する時に容器底面に黒土を入れると角の長角が出やすいといいますが、このアトラスに至っては最後まできのこマットを使用しましたが、長角タイプは結構現われました。
まぁミンダナオアトラスではないので湾曲はありませんが、まっすぐ伸びきったいかにもスマトラアトラスらしい体つきなので満足しています。(^^)
使用したアイテム
ザウテルシカの羽化報告です。
この種は以下の様な方法で羽化させました。
飼育種:ザウテルシカクワガタ(台湾産)
体長:38mm
飼育したエサ:菌糸カップ200cc2個での羽化
投入時期:初令
投入から羽化までかかった時間:6ヶ月
設定温度:23~25℃前後
台湾のシカ、ザウテルシカクワガタです。今回はちょっと失敗しました。1回目に一時保管として200cc菌糸カップに入れたまでは良かったのですが、2つ目の菌糸(大きなボトル)に入れるタイミングがかなり遅くなってしまい終令後期まで菌糸カップ1個で引っ張ってしまいました。
これ以上は伸びないだろうと判断し、菌糸の節約から200菌糸カップに以降、予想通り1/3も食さないうちに蛹化し羽化しました。サイズも小柄で、可愛いといった感じです。
もっと大きくなる種ですので次回は頑張ろうと思います。(^^)
使用したアイテム
先日の日記にキノッピさんよりコバエについてのレスを貰いました。
今日は皆さんの頭を悩ませているコバエや線虫、ダニなどについてちょっと考えてみたいと思います。
※この意見はあくまで私、Shihoの考えですので一般論ではない事を御了承下さいませ。
キノコバエは、「キノコ」という名前がついている通りキノコ系マットを特に好みます。
ですので、弊社で販売している「きのこマット」は菌糸系のマットですので、コバエが集まってくる率は高いです。
コバエ、ダニ、線虫についてはクワガタ、カブトムシを飼育している方にとってはの永遠の課題ですね。
私的考えとしては、対策は、いかに外部より侵入する事を防ぐかだと考えています。
使用するケースの空気の抜け道の密封性を考えるとかなり目の細かいのが理想です。
ですがそうなると今度は逆にケース内の蒸れや結露、酸欠の心配が出てきます。
水分多めを好む線虫などの発生の確率も上がってきます。
キノコバエによるマットの劣化は確かに嫌ですが、線虫出現による酸欠はもっとやっかいだと考えています。
じゃぁどうすれば良いのか・・・・。
正直な考え、これだという良策はないのが現状です。
どれも一長一短ですので、その辺をお客様がどこまで譲歩できるかを考えながら飼育していくしかないと考えております。
元々クワガタやカブトムシは天然野外で生息している昆虫。
自然界ではダニやコバエ、線虫などの雑虫はごく当たり前のように共生しています。
それを我々人間の都合で狭いケース内で鑑賞用として育ててる無理があります。
ケース内を外部と同じ環境に近づければ近づけるほど、やはり外部で共生している虫達も集まって来てしまいます。
確かに家の中で他の雑虫が発生するのは嫌です。可能なものならばクワガタ、カブトムシだけキレイに飼育していたいものです。ですが現状はそうはいきません。
ここをどう考えるか・・・。
どんな答えを出してもこの問題に正解はないと私は考えています。
そこは飼育者一人一人の考えやモラルによるものだと私は考えています。
難しい話になってしまいましたが、これはあくまで私Shiho的考えですので個人的意見として読んで頂ければ幸いです。(^^)
使用したアイテム
小型ノコギリのピプラギアトゥスが羽化してきました。
この種は以下の方法で羽化させました。
飼育種:ピプラギアトゥスノコギリ
羽化サイズ:♂35mm、♀20mm
使用したマット:きのこマット
使用した容器:300ccプリンカップ
エサ交換回数:途中1回程度
管理設定温度:25℃前後
水分量:適量/多からず少なからず
羽化までの期間:2令投入より~5ヶ月
とっても可愛いノコギリクワガタです。野外ものも、ブリードものもほとんどが小歯という種。稀に大歯個体を作出したのを見かけた事がありますが、それは別物と言って良いほど格好よかったです。インパクトもありかなりの人気でした。
飼育自体はとても簡単。産卵もマット、材どちらにも産みます。
また幼虫飼育もマットで問題なく育ちます。容器も小さめのものでOK。スペースもいらずお手軽です。
大型の虫も格好よいですが、小型は小型なりに味がありなかなか良いですよ。皆さんも機会がありましたら飼育してみて下さい。(^^)
使用したアイテム
ビルマゴホンヅノカブト(通称ビルマニクス)が羽化しました。
この種は以下の方法で羽化させました。
飼育種:ビルマゴホンヅノカブト
羽化サイズ:♂63mm
使用したマット:きのこマット
使用した容器:1500ccブロー容器
エサ交換回数:2回程度
管理設定温度:25℃前後
水分量:適量/多からず少なからず
羽化までの期間:11ヶ月
胸角の形がとても可愛いビルマゴホンヅノカブト。一般のゴホンヅノカブトと違い、色合いは一色ですが、その形状はとてもユニークです。
幼虫飼育は問題なく可能です。ただ産卵の方が少々手強いタイプで、産卵数もなかなか伸びてくれません。当飼育ルームでも、産んだ個体で30程度でした。
ワイルド(野外品)に至ってはかなりの当たり外れがあるようで、産まない個体は全くと言っていいほど産んでくれない傾向があります。また野外ものはかなり短命なので購入時には注意が必要です。
それにしても愛嬌がある形ですよね。(^^)
使用したアイテム
ヒペリオンクワガタが羽化しました。
この種は以下の方法で羽化させました。
飼育種:ヒペリオンクワガタ
羽化サイズ:51mm
使用したマット:きのこマット
使用した容器:500ccのブロー容器
エサ交換回数:途中1回
管理設定温度:25℃前後
水分量:適量/多からず少なからず
羽化までの期間:10ヶ月
今回のヒペリオンはきのこマットでの羽化です。大型になる種ですのでまだまだ全然小さいですね。幼虫飼育自体は問題なかったのですが、マット飼育より菌糸飼育の方が向いているのでしょうか?
独特のアゴの形状がとても魅力です。昔はかなりの珍品だったのですが今では普通流通しています。皆さん、大型を羽化させましたら是非ご報告下さいね。(^^)
使用したアイテム
今年、地元で採集した国産ミヤマクワガタの産卵結果をご報告します。
今回は黒土マットのみで産卵させました。
この国産ミヤマクワガタは以下の様なセット方法で組みました。今回は3セット組みましたのでそれぞれA、B、Cと明記しています。
飼育種
国産ミヤマクワガタ 累代:天然もの
結果
A 幼虫:39頭
B 幼虫:28頭
C幼虫:33頭
使用したマット:黒土マット
使用した容器:市販の大プラケース(W370×D220×H240)
水分量:手でぎゅっと握って団子が出来て、なおかつ水が染み出ない程度
マットの詰め方:ケース底面12~13センチ程度固く詰めて上部3~5センチはフンワリと。
設定温度:23℃位
国産クワガタの内、ミヤマクワガタは以外に難しいと言われがちです。その理由は産卵させるマットと設定温度にあると思います。
設定温度に関してはミヤマクワガタは野外では比較的涼しい地域に生息しているので、極度の暑さは厳しいということで比較的低めで設定しました。
産卵マットにかんしては、以前ならば弊社で販売している完熟マットのみ、もしくは完熟マット+黒土(ホームセンター等で販売している一般的なもの)というパターンをご紹介して来ました。要するにマットの熟度が大切だと考えています。ただ今回からは熟度抜群の黒土マットがありますので、こちらで試してみました。結果は上記に明記しているように、ぞれぞれ30頭近い幼虫を回収する事が出来ました。この結果には大変満足しています。
今度はこの黒土マットを使用しての幼虫飼育を行ってみたいと思います。ミヤマの場合羽化までに時間がかかりますが、また結果はご報告したいと思っています。(^^)
使用したアイテム
最近のコメント