■菌床(きんしょう)とは?
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菌床ブロック | 菌糸ビン |
(↑中身は一緒です↑) |
国産オオクワガタなどの幼虫飼育に使う菌糸ビン・菌床ブロックとはどういった物なのか簡単ですが説明をしてみたいと思います。
■もともと菌床はきのこの栽培に使う物です。


菌糸ビン(菌床)は元々、きのこを人工栽培する為に作られた、きのこ菌を蔓延させたオガ屑の塊です。
菌床を使った栽培方法は日本では最も一般的でエノキタケ、マイタケ、ブナシメジ、エリンギ、マイタケ、ナメコなどスーパーなどでよく見かけるきのこ達のほとんどは、菌床栽培の物になります。 クワガタ用の菌床の場合にはヒラタケやオオヒラタケ、カワラタケなどの菌を使います。水分量はきのこ栽培用の物より少なくし50%前後で仕込まれるのが一般的です。菌床では、きのこの菌がオガ(木材成分)をクワガタ幼虫がより吸収しやすい状態まで分解するため発酵マットなどよりも安定して大型のクワガタが育ちます。
■オオクワガタ幼虫飼育方法の進化

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こだわり派

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菌糸ビン飼育に向かない種の飼育など

より大きく育てたい
オオクワガタの幼虫飼育は「材飼育」・「発酵マット飼育」・「菌糸ビン飼育」と進化し、より大型のオオクワガタを育てることが出来るようになりました。 きのこの菌はオガ(木材成分)を分解しクワガタ幼虫がより食べやすい状態にしていると考えられます。 いずれの方法も現在、飼育種別、目的別に使われている飼育方法です。
■菌床ブロックの製造過程
【1】
菌床の原料の「オガ」です。 クワガタ幼虫飼育用の菌床はクヌギやコナラ、ブナ、エノキなどの広葉樹オガを使うのが一般的です。

【2】
オガを大型ミキサーに入れ「水」とフスマなどの栄養剤を入れてよく混ぜます。混ぜた物は「培地」と呼びます。

【3】
培地をミキサーからコンベアで袋詰め機に送り耐熱袋にいれます。

【4】
袋詰めした培地を高温殺菌釜へ入れます。

【5】
ボイラーを使い水蒸気を釜に送り込み100℃前後で数時間かけて殺菌します。

【6】
高温殺菌した培地は24時間かけて冷却し、その後、きのこの菌を培地に植えつけます。

【7】
培地に菌を植え付けたら23℃の部屋で培養をします。

【8】
左から植菌後、5日、20日、60日と経過した菌床ブロックの様子です。菌が上部からまわってきているのがわかります。60日で完成となります。

■備考
▼菌床・菌糸ビン飼育はオールマイティーではありません。
菌糸ビン適応種には大変有効な飼育方法ですが、菌糸ビンでは上手く育たない種類のクワガタもいますのでご注意してください。