日本全土に分布するクワガタで大きいものでは80mmを超える。 常温で飼育でき、幼虫飼育、産卵ともに簡単なので飼育が初めての方にもオススメ。 産卵セットは発酵マット、産卵木、菌糸ブロックのどれにでも産む。 幼虫の飼育は発酵マット、菌糸ビンのどちらも使えるが、菌糸ビンで飼育すると大型の成虫になりやすい。
国産オオクワガタの成虫を飼育して卵を産ませる方法
用意するもの
成虫になってから半年から1年ほど経過し成熟したオスとメスを1頭ずつ入れます。
転んだときに起き上がれる
ように樹皮や木片を入れておきます。
セットの手順
1、きのこマットの下準備(ガス抜き、加水をする)
きのこマットを袋から出し、
衣装ケースやたらいなどの大きい容器に入れるか
新聞紙やビニールシートなどの上に広げるなどして
1~7日ほど置き発生したガスを抜きます。
マットが山の土のような匂いになればガス抜き完了です。
ガス抜きしたマットに少しずつ水を加えて
均一になるように混ぜていきます。
ちょうどいい水分量の目安は
マットを握って形が残り、水はにじまない程度です。
2、セットする
ガス抜きと加水の終わったきのこマットを
手で押し固めながら詰めていきます。
ケースの底から5cmくらいの高さまで詰めます。
菌床ブロックを袋から出してそのまま入れます。
(加水などの作業はいりません)
菌床ブロックを発酵マットで埋めます。
(※このときディフェンスシートをはさむとマットの保湿とコバエの侵入防止に効果があります)
マットが発熱していなければセットできる状態です。
発熱があったらケースからマットを取り出して「1-1:発酵マットのガス抜き」からやり直します。
※ゼリーはフタを開けてセットするより
カッターで十字に切れ目を入れてセットしたほうが
飛び散りにくいのでマットが汚れにくくなります。
フタを閉めたらセット完了です。
同居させていれば交尾を済ませメスは
産卵のためにマットに潜っていきます。
一般的なケースのフタは通気の穴が大きくなっています。
フタの通気穴が大きいと飼育に都合の悪い点が2つあります。
■マットが乾燥しやすいので水分補給の手間が増える
■コバエなど雑虫が侵入して発生してしまう
3、産卵セット中の管理
セットを組んでから幼虫、卵を取り出すまでの1~2ヶ月間、
メスが産卵しやすいように管理していきます。
産卵セット中の管理では大きく分けて
3つのポイントがあります。
※産卵セット中の管理、3つのポイント
常温で飼育できます。(理想は25℃前後)
直射日光やエアコンの風が直接当たらない所に置いて
管理しましょう。
こまめにエサのチェックをして
エサを切らさないようにしましょう。
乾燥に気をつけてときどきマットをさわってチェックします。
乾燥していたら霧吹きで水分を足してください。
4、幼虫の取り出し(割り出し)
産卵セットしてから1~2ヶ月経つと
菌床ブロックの中にメスが産んだ卵の多くが
幼虫になっています。
新聞紙の上やたらいの中などにケースをひっくり返し
中の菌床とマットを取り出します。
菌床ブロックは手でカンタンに割ることができます。
割っていくと中から幼虫や卵が出て来るのでそれを回収します。
菌床ブロックを割ったところから出てきた幼虫。
幼虫はスプーンを使って菌糸ビンに投入します。
菌糸ビンが手元にないときは産卵セットのマットをプリンカップに詰めて菌糸ビンに移すまで保管して置きます。
菌糸ビンがある場合はスプーンを使い幼虫を菌糸ビンの中に入れ幼虫飼育を開始します。
産卵セットのマットをプリンカップに詰めて
菌糸ビンに移すまで保管して置きます。
幼虫1頭に菌糸ビン1本が必要になるので幼虫と同じ本数の
菌糸ビンを用意して、なるべく早く移しましょう。
菌床から出てきた卵
菌床ブロックから出てきた卵、大きさは2ミリくらいです。
卵で取り出した場合はマットを詰めた容器に入れて幼虫になるまで管理します。
手順は以下の通りです。
プリンカップにマットを詰めます。
産卵セットで使用していたマットも使えます。
指で押すなどしてくぼみをつけます。
くぼみをつけたところにスプーンを使い卵を入れます。
フタに空気穴をあけます。
空気穴をあけたフタを閉めたらセット完了です。
幼虫になるまでこの中で管理して
幼虫になったら菌糸ビンに移します。
国産オオクワガタの幼虫飼育方法
用意するもの
幼虫飼育セット手順
1、菌糸ビンを飼育する環境でならす
届いた菌糸ビンを箱から出し、
飼育する環境で1~3日ほど置きます。
割り出してから初めて菌糸ビンへ幼虫を入れる場合には
800cc程度の菌糸ビンがオススメです。
2、菌糸ビンに幼虫を入れる
フタをあけ幼虫より少し大きめの穴を掘ります。
きのこが発生していた場合にはきのこを取り除いておきます。
幼虫をスプーンにのせて菌糸ビンに入れたら
フタをしてセット完了です。
幼虫を菌糸ビンに入れて数日たつと、
食痕(しょっこん)と呼ばれる菌糸を食べたあとが見られます。
(中には食痕が現れない物もあります)
3、セット後の管理
幼虫飼育のセットができたら、直射日光やエアコンの風が
直接当たらない所に置いて管理していきます。
飼育期間は約10ヶ月間になります。
1度セットした後は菌糸ビンの様子を見て
表面に出てきたフンの量をみてマットの交換を行います。
常温で飼育できます。(理想は25℃前後)
直射日光やエアコンの風が直接当たらない所に置いて
管理しましょう。
セットしてから3ヶ月を目安に交換します。
クワガタのオスメスの判断は
お尻のオレンジ色の斑点の有無で判断します。
無いのがオスであるのがメスです。
ただし、オスの場合でもお尻から3節目のあたりにオレンジ色の
斑点(卵巣と呼ばれる事が多い)が見える事がありますので
オスメスの判別を斑点で行う場合は100%ではありません。
国産オオクワガタの幼虫飼育-エサ交換
菌糸ビン交換(エサ交換)に必要なもの
菌糸ビンの交換(エサ交換)の手順
エサ交換する新しい菌糸ビンを用意します。
サイズはオスの場合1100cc、メスなら800ccのビンが
おすすめです。
交換する1~3日前から新しい菌糸ビンを
飼育する場所の温度になれさせておきます。
幼虫を傷つけないように慎重に掘っていきます。
掘り進めていくと幼虫が見えてきます。
このままビンを傾けて取り出します。
掘り出した幼虫
飼育する環境で1~3日ほど置いておいた菌糸ビンの
フタをあけ幼虫が入る大きさの穴をあけます。
幼虫はスプーンで扱います。
あけた穴に幼虫を入れ、潜ったのを確認したらフタをして
セット完了です。
前蛹やさなぎの状態の時は飼育中で一番デリケートな時期で、触ったり環境が変わることが虫にとってストレスになる事が考えられるので、前蛹やさなぎを扱うときは衝撃を与えないように注意します。
菌糸ビンの交換が必要と考えられる場合でもケースの側面や底面をみてすでに前蛹やさなぎになっている場合や前蛹やさなぎになり始める時期の交換は控え、成虫になるまでそのまま管理したほうが安全です。
体は動いていますが、口と手が動かなくなっているのが確認できます。
前蛹(ぜんよう)・・・幼虫が蛹になる直前の状態で色は茶色っぽくなり
口と手が動かなくなくなります。
国産オオクワガタ蛹化
幼虫飼育が順調にできていると菌糸ビンの中に
さなぎになるためのスペース(蛹室)をつくり、
さなぎになります。
さなぎの時期はデリケートなので
あまり触らないようにします。
蛹室が壊れた、または壊れそうな場合や
エサ交換で取り出したらすでに前蛹やさなぎに
なっていた場合、人工蛹室に移し成虫になるまで管理します。国産オオクワガタ羽化
さなぎの期間を無事に終えると
羽化して成虫になります。
羽化した成虫はすぐにはエサを食べませんが
いつ食べ始めてもいいように、成虫飼育セットに
移してエサも置いておきます。
国産オオクワガタの成虫を飼育する方法
用意するもの
セット方法
使用するほだマットに加水します。
加水の目安は強く握って形が残り、
水はにじみ出てこないくらいです。
加水したほだマットを3~4cmしきます。
エサのゼリーと止まり木、オオクワガタを1頭投入します。
ゼリーはフタを開けてセットするより
カッターなどで十字に切れ目を入れてセットしたほうが
飛び散りが少なくマットが汚れにくくなります。
(※このときディフェンスシートをはさむとマットの保湿とコバエの侵入防止に効果があります)
セット中の管理方法
理想は20~25℃ですが極端な温度にならなければ常温で飼育できます。直射日光やエアコンの風が直接当たらない所に
置いておきます。
昆虫用ゼリーなどのエサは減り具合を見ながら
切らさないようにしてください。
夏場はエサが腐りやすいので早めの交換をオススメします。
ケース底に敷いた、ほだマットが乾燥していたら
霧吹きなどで加水してください。
1ケース2頭以上飼育すると
お互いに傷つけあってしまう事がありますので
出来るだけ1頭ずつ飼育してください。