


国産カブトムシは北海道を除く日本全域に分布するカブトムシです。
体長は大きいものでは80mmを超え迫力があります。
温度管理をしなくても飼育でき、幼虫飼育も産卵も簡単なので
初めて飼育をする方にもオススメです。
国産カブトムシの寿命はおよそ1年間です。
その間に 卵 → 幼虫 → 蛹 → 成虫 と姿をかえて成長していきます。
卵から幼虫の期間が約10ヶ月、蛹で約3週間、
成虫として活動する期間は約2~3ヶ月です。
(※飼育する環境で変化します 目安としてお考えください)
国産カブトムシ飼育カレンダー

<国産カブトムシの幼虫飼育方法>
■期間:8月~翌年6月頃
国産カブトムシの幼虫飼育方法の紹介。
幼虫飼育のセット方法、管理方法、エサ交換の方法を紹介します。
<国産カブトムシの蛹化、羽化>
■期間:5月~7月頃
国産カブトムシの蛹(さなぎ)から
羽化する(=成虫になる)までの様子を紹介します。
<卵の管理方法>
産卵セットから卵を取り出した場合の
管理方法を紹介します。
国産カブトムシの成虫を飼育して卵を産ませる方法

用意するもの

オスとメスを
1頭ずつ入れます。
転んだときに起き上がれる
ように樹皮や木片を入れておきます。
セットの手順
1、きのこマットの下準備(ガス抜き、加水をする)

きのこマットを袋から出し、
衣装ケースやたらいなどの大きい容器に入れるか
新聞紙やビニールシートなどの上に広げるなどして
1~7日ほど置き発生したガスを抜きます。
マットが山の土のような匂いになればガス抜き完了です。

ガス抜きしたマットに少しずつ水を加えて
均一になるように混ぜていきます。
ちょうどいい水分量の目安は
マットを握って形が残り、水はにじまない程度です。


ガス抜きと加水の終わったきのこマットを
手で押し固めながら詰めていきます。
ケースの7割くらいの高さまで詰め
その上2cmをふわっと柔らかく詰めます。

■発熱していた場合
一度ケースから大きい容器に戻して
1.ガス抜き→2.加水→3.詰める、の工程を
やり直します。
2、セットする

「1、きのこマットの下準備」ができたら
ゼリーと止まり木を置いて
カブトムシのオスとメスを入れます。

※ゼリーはフタを開けてセットするより
カッターで十字に切れ目を入れてセットしたほうが
飛び散りにくいのでマットが汚れにくくなります。

(※このときディフェンスシートをはさむとマットの保湿とコバエの侵入防止に効果があります)
同居させていれば交尾を済ませメスは産卵のためにマットに潜っていきます。1~2ヶ月ほど経過するとケースの側面に幼虫や卵が見えるようにになります。

一般的なケースのフタは通気の穴が大きくなっています。
フタの通気穴が大きいと飼育に都合の悪い点が2つあります。
■マットが乾燥しやすいので水分補給の手間が増える
■コバエなど雑虫が侵入して発生してしまう

3、産卵セット中の管理

セットを組んでから幼虫、卵を取り出すまでの1~2ヶ月間、
カブトムシが産卵しやすいように管理していきます。
産卵セット中の管理では
大きく分けて3つのポイントがあります。

常温で飼育できます。(理想は20~25℃)
直射日光やエアコンの風が直接当たらない所に置いて
管理しましょう。

国産カブトムシはエサをよく食べるので
毎日もしくは1日置きにエサのチェックをして
エサを切らさないようにしましょう。

国産カブトムシは乾燥に弱いので
ときどきマットをさわってチェックしましょう。
乾燥していたら霧吹きで水分を足してください。
4、幼虫の取り出し(割り出し)

▼ ひっくり返して取り出す
回収した幼虫はプリンカップなどの容器に発酵マットをしき、その中に1頭ずつ入れて保管し、幼虫飼育セットに移すまでこの中で管理します。
マットに一時保管した幼虫
産卵セットのマットをプリンカップに詰めて 幼虫飼育セットに移すまで保管して置きます。
卵
卵で取り出した場合はマットを詰めた容器に入れて幼虫になるまで管理します。手順は以下の通りです。
プリンカップにマットを詰めます。
産卵セットで使用していたマットも使えます。
指で押すなどしてくぼみをつけます。
くぼみをつけたところにスプーンを使い卵を入れます。
フタに空気穴をあけます。
空気穴をあけたフタを閉めたらセット完了です。
幼虫になるまでこの中で管理して
幼虫になったら幼虫飼育セットに移します。
国産カブトムシの幼虫飼育方法

国産カブトムシの幼虫を飼育する方法です。
飼育期間は8月~翌年6月頃になります。
飼育期間中は何度かマットの交換をして
成虫になるまで飼育します。
用意するもの 幼虫飼育セット 1セットの分量
飼育する場合
飼育する場合

Mサイズのケース
(よこ305×たて195×高さ185)
単位:mm
Lサイズのケース
(よこ375×たて220×高さ280)
単位:mm
幼虫飼育セット手順
1、きのこマットの下準備(ガス抜き、加水をする)

きのこマットの下準備をします。
1、ガス抜き (袋から出して1~7日ほど置く)
2、水分の調整 (握って形が残り水は滲まない程度)
3、ケースに入れて3日ほど置きマットが発熱していないかチェックする
2、セットする

発酵マットの下準備でセットしたマットの上に幼虫を置きます。幼虫は自分で潜っていきます。

フタの通気穴が大きいケースを使う場合は、新聞紙や通気の穴を開けたビニールシート(ディフェンスシート)などをはさんでフタをします。 これでコバエなどの雑虫の侵入と乾燥を防ぎます。

幼虫飼育のセットができたら、直射日光やエアコンの風が
直接当たらない所に置いて管理していきます。
飼育期間は約10ヶ月間になります。
1度セットした後もマットの減り具合や
表面に出てきたフンの量をみてマットの交換を行います。

常温で飼育できます。(理想は20~25℃)
直射日光やエアコンの風が直接当たらない所に置いて
管理しましょう。

マットの減り具合やフンの量をみてエサのマットを交換します。
次の項目で詳しく説明します。
国産カブトムシの幼虫飼育-エサ交換

幼虫飼育では何度かエサのマットを交換する必要があります。
ここでは交換のタイミングと方法を説明します。
マット交換(エサ交換)が必要な時
次の「マット交換のチェックポイント」のうち一つでも当てはまるものがあれば交換のサインです。
■ 1、幼虫飼育のセットをした時と比べてマットのかさが減った場合(写真A)
■ 2、マットの表面にフンが目立ってきた場合(写真B、C)
■ 3、マットに「カビが生えた」、「コバエが発生した」、などのトラブルがあった場合
A、セットした時と比べてマットのかさが減った
B、マットの表面にフンが目立ってきた
C、国産カブトムシのフン
マットの中に蛹室を作って
さなぎになった国産カブトムシ
前蛹やさなぎの状態の時は
飼育中で一番デリケートな時期です。
触ったり、環境が変わることが虫にとって
ストレスになる事が考えられます。
上の3つのチェックポイントのどれかにあてはまり
マットの交換が必要と考えられる場合でも
ケースの側面や底面をみて
「ケースの中ですでに前蛹やさなぎになっている」場合や
外側から見えない場合でも前蛹やさなぎになり始める時期の
「5月以降」での交換は控えたほうが安全です。
前蛹やさなぎを扱うときは衝撃を与えないように注意します。
マット交換(エサ交換)に必要なもの
マット交換(エサ交換)の手順


飼育していたケースを新聞紙やたらいなどの上にひっくり返し
マットと幼虫取り出します。
||
マットと幼虫を取り出して空にしたケースに
ガス抜きと加水の終わったマットを
手で押し固めながら詰めていきます。
ケースの7割くらいの高さまで詰め
その上2cmをふわっと柔らかく詰めます。

取り出しておいた幼虫を飼育セットに置きます。
幼虫は自分で潜っていきます。

(※このときディフェンスシートをはさむとマットの保湿とコバエの侵入防止に効果があります)
国産カブトムシの前蛹
国産カブトムシのさなぎ
国産カブトムシ蛹化
ケースの中に蛹室を作って
さなぎになった国産カブトムシ
国産カブトムシのさなぎ、オスメスの違い
幼虫飼育が順調にできていると
マットの中にさなぎになるためのスペース(蛹室)をつくり、だいたい5~7月頃にさなぎになります
さなぎになった直後の白い状態から
徐々に色づき茶色くなっていきます。この時期はデリケートなのであまり触らないようにします。
さなぎになってから3週間ほどすると皮が破れ、
体を動かしながら皮を脱ぎ羽化して成虫になり、
自力でマットから出てきます。
蛹室が壊れた、または壊れそうな場合や
エサ交換で取り出したらすでに前蛹やさなぎに
なっていた場合は人工蛹室を作ってそこに移し成虫になるまで管理します。
国産カブトムシ羽化
羽化して間もない国産カブトムシ
飼育する地域や環境で変化しますが
だいたい6~7月頃に羽化して成虫になります。羽化して間もない成虫は
すぐにはエサを食べませんが何日かすると
体が固まりエサを食べるようになります。
国産カブトムシの成虫を飼育する方法

用意するもの
セット方法
1、ほだマットに加水する


使用するほだマットに加水します。
加水の目安は強く握って形が残り、
水はにじみ出てこないくらいです。
2、ケースにほだマットをしく

3、エサのゼリー、止まり木、カブトムシを入れる

エサのゼリーと止まり木、カブトムシを1頭投入します。

ゼリーはフタを開けてセットするより
カッターなどで十字に切れ目を入れてセットしたほうが
飛び散りが少なくマットが汚れにくくなります。
4、フタをしてセット完了

(※このときディフェンスシートをはさむとマットの保湿とコバエの侵入防止に効果があります)
フタの通気穴が大きいケースを使う場合は、新聞紙や小さい通気の穴をあけたビニールシート(ディフェンスシート)などをはさんでフタをします。これでコバエなどの雑虫の侵入と乾燥を防ぎます。
セット中の管理方法